プラグイン

kintone連携AIOCRプラグイン「モジトリ」の機能|活用事例や利用上の留意点を解説

モジトリ」は、kintone(キントーン)に添付したファイルから文字情報を読み取るAIOCRプラグインです。

モジトリは、AIOCRを活用してPDFデータを読み込み、内容をkintoneアプリへ直接登録できます。

今回は、モジトリの活用事例や利用上の留意点を紹介するので、最後までご覧ください。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

ペパコミ株式会社へ無料で相談する

また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

kintoneのAIOCRプラグイン「モジトリ」とは

kintoneのAIOCRプラグイン「モジトリ」とは

kintoneのAIOCRプラグイン「モジトリ」とは何かを紹介します。

  • モジトリはkintoneへのデータ登録を自動化するツール
  • kintone添付ファイルフィールドに画像データとPDFを自動登録

モジトリは、kintoneに密接に絡むAIOCRプラグインです。汎用性が高いツールであり、使い方次第でさまざまな問題を解決できます。まずは、モジトリの基本的な役割を紹介します。

モジトリはkintoneへのデータ登録を自動化するツール

モジトリはkintoneへのデータ登録を自動化するツール

モジトリはPDF化された文書を読み取り、情報をkintoneアプリに登録できます。

データ登録の操作の流れは、レコード追加画面を開き、モジトリプラグインのアイコンを押す、そしてファイルを指定する流れです。

なお、ファイルは、ドラッグアンドドロップでも取り込めます。

モジトリの読み取り精度が足りず、うまく読み込めなかった場合は、画面上で数値を手入力して修正する機能で対応可能です。

モジトリで読み取った内容は、請求番号、請求日、支払記述、会社名などのフィールドに反映されます。

また、読み取ったデータをkintone内部にある情報と紐づけると、活用方法が広がるでしょう。例えば、読み取ったデータを会社名や工事名とルックアップで紐づけると、原価管理に活用できます。

kintone添付ファイルフィールドに画像データとPDFを自動登録

kintone添付ファイルフィールドに画像データとPDFを自動登録

モジトリがそなえる機能の1つに、添付ファイルの自動登録が挙げられます。

PDFファイルを貼ると、自動的に添付ファイルフィールドにPDFファイルと画像化されたデータが一緒に貼られる仕様です。

また、添付ファイルフィールドに画像データも格納されるため、画面上にポップアップ表示して情報を閲覧することも可能です。

モジトリを利用したkintoneでの請求書読み取り事例

モジトリを利用したkintoneでの請求書読み取り事例

モジトリを利用したkintoneでの請求書読み取り事例を紹介します。

  • モジトリのデータ読み取りの流れ
  • 書式が異なる請求書の読み取り結果

kintoneアプリへ請求書の情報を登録する事例を紹介します。請求書の書式は企業ごとに異なりますが、モジトリプラグインがどのように実力を発揮するか確認してみましょう。

モジトリのデータ読み取りの流れ

モジトリのデータ読み取りの流れ

モジトリでデータ読み取りを実行する際は、まずレコード追加ボタンを押し、ファイルを選択しましょう。

PDFファイルを選択して読み取りを実行すると、使用されている文字が認識され、四角い枠で囲われた部分が表示されます。

四角い枠で囲われた部分がPDFから読み取った情報を示し、読み取りの結果はレコードの編集状態、追加画面に反映されます。ただし、この段階では、データはまだ保存されていません。

反映された内容を確認し、実際の請求書と見比べながらおかしな部分がないかを確認してください。

例えば、消費税額や支払い期日などがうまく入らなかった場合、手直しの作業が発生します。最後に終了するボタンを押すと、kintoneアプリにデータが反映されます。

書式が異なる請求書の読み取り結果

書式が異なる請求書の読み取り結果

モジトリで、書式が異なる請求書を読み取った場合の事例を確認してみましょう。

請求書の種類読み取り内容手動修正が必要になった箇所
タイパ工業さんの請求書請求番号、請求日、支払い記述、会社名、工事名など、多くの情報が正しく入りました。消費税額などがうまく入らなかったため、手入力で修正しました。
トトン株式会社さんの請求書四角い枠で文字認識されました。支払い期日の箇所が抜けました。データとしては読み込めているため、手動でデータを選択し直しました。

書式が異なるとAIの学習が足りていないため、読み取りに失敗したり、データが抜けたりする場合があります。

しかし、データ自体は読み込まれている場合もあるため、画面上でデータを確認し、必要に応じて修正や選択をやり直しながら対応します。

モジトリの機能と設定に関する詳細

モジトリの機能と設定に関する詳細

モジトリの機能と設定に関する詳細を紹介します。

  • フィールドへのデータ適用設定
  • 複雑な設定には正規表現を活用

モジトリでデータを正確にフィールドに適用するためには、プラグインの裏側で設定が必要です。しかし、設定画面は複雑で、細かい設定が求められます。

フィールドへのデータ適用設定

フィールドへのデータ適用設定

モジトリでは、読み取った情報をkintoneのどのフィールドに入力するかを設定できます。

例えば、「件名」や「工事件名」など特定のキーワードの隣に書かれている文字を取得する設定は、比較的簡単に行えます。

さらに詳細な設定も可能です。例えば、「株式会社」の文字が文字列の最初または最後に付いている場合にのみ、会社名として取得するルールを設定可能です。

また、電話番号は、「2桁または3桁の番号の後に4桁の番号が続く」とパターンを設定すると、連絡先として自動的に認識させられます。

詳細設定には、テーブル(表形式)の読み取り設定も含まれます。テーブルの読み取り設定では、読み込みたいテーブルを指定する操作を行いましょう。

複雑な設定には正規表現を活用

複雑な設定には正規表現を活用

プラグインの設定は複雑なため、高度な読み取り設定を行うには「正規表現」を使用する必要があります。

正規表現を用いれば、特定の文字列パターンを定義し、読み取ったデータをフィールドへ適用する詳細な設定を実現可能です。

なお、プラグインのマニュアルには、よく使われる正規表現の例が記載されています。

しかし、すべてのパターンが網羅されているわけではないため、設定担当者は外部ツールを利用して、記述方法を調べる手間が生じることもあるでしょう。

また、正規表現の設定は、詳細に記述しなければならないケースも少なくありません。

モジトリの現状における利用上の留意点

モジトリの現状における利用上の留意点

モジトリは汎用性の高いAICRプラグインですが、現状いくつかの設定や機能には限界があるため、利用する際は留意点を把握しておく必要があります。

テーブル(明細)処理の柔軟性に限界がある

テーブル(明細)処理の柔軟性に限界がある

モジトリの現状における利用上の留意点を解説します。

  • テーブル(明細)処理の柔軟性に限界がある
  • モジトリの読み取りに適した文書形式

モジトリは書類に含まれるテーブル(表形式)の明細部分については、各項目を個別にフィールド設定できません。

モジトリプラグインの仕様上、読み込むフィールドを個別に指定できないため、利用者はテーブルの列数を合わせて設定する必要があります。

例えば、kintoneのテーブルで数量と単価を掛け算して金額を自動計算させたい場合、モジトリで一度金額の文字データを取り込まないと表が正しく作成できない可能性があります。

また、請求書の書式が会社ごとに異なる場合も対応が困難であり、手作業で入力する箇所が増えてしまうかもしれません。

明細行の多い表形式の文書に対しては、モジトリの機能では十分に対応できない可能性があります。

そのため、現時点では明細のない領収書や、合計額のみを取り込めばよい文書での利用が有効な選択肢といえるでしょう。

モジトリの読み取りに適した文書形式

モジトリの読み取りに適した文書形式

現状、モジトリが正確にデータを読み込めるのは、書式が統一された表を読み込む場合に限られます。

レイアウトが変わらない定型的な表形式の文書で利用すると、モジトリの性能が最大限に発揮されるでしょう。

利用上の留意点具体的な内容読者が行動するための確認事項
テーブル(明細)の設定明細の内容を細かくフィールドに当てはめる設定ができません。読み込み枠の数に合わせて設定してください。プラグインの仕様に合わせるため、kintone側のフィールドの名前を変更するなどの調整が必要な場合があります。
書式(レイアウト)の多様性請求書など外部から来る文書で書式が大きく異なると、手入力が必要な箇所が増えます。合計額だけを取り込むなど、用途を絞って利用してください。書式が固定された文書での利用を確認してください。
詳細設定の難度フィールドへのデータ適用設定で正規表現が必要になる場合があります。正規表現の知識が必要になるため、マニュアルや外部ツール(チャットGPTなど)を利用して書き方を調べてください。

モジトリは、AIの読み取り精度が上がり、さまざまな書式に対応できるよう改善されれば、さらに使いやすくなると考えられます。

まとめ|モジトリは適用範囲を定めて利用するのがおすすめ

モジトリは、kintoneに添付したPDFや画像から文字情報を読み取り、自動的にデータ登録できるAIOCRプラグインです。

書式が統一された文書で高い精度を発揮しますが、明細部分の個別設定ができない、書式が異なる文書への対応がむずかしいなどの留意点があります。

正規表現による詳細設定が必要な場合もあるため、事前に適用範囲を定めて利用しましょう。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

ペパコミ株式会社へ無料で相談する

機能から探す

機能から探す

kintone構築・内製化支援は
お気軽にお問い合わせください

サイボウズ認定マーク

サイボウズ認定マーク

このマークは、サイボウズ株式会社が動作やセキュリティなどを審査し、基準を満たしていることを示す「安心・安全なプラグイン」の証です。

トップへ戻るアイコン トップへ戻るアイコン
top