プラグイン

krewDataでkintoneアプリを横断して集計する方法を徹底解説

kintoneの標準機能では難しい、複数アプリに散在するデータの横断集計・加工を可能にするのが「krewData」です。

本記事では、予実管理を例に、krewDataを使ったデータ統合・加工の手順や、スケジュール実行・リアルタイム実行の違いと料金の注意点まで、導入前に押さえるべきポイントを徹底解説します。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

kintone標準機能による集計の限界と「krewData」プラグインの必要性

kintone標準機能による集計の限界と「krewData」プラグインの必要性

kintoneの標準機能にも集計機能は備わっていますが、基本的に同一アプリ内のデータしか集計できません。

例えば、タスク管理アプリにタスクごとの処理時間を記録している場合、アプリ内で処理時間の合計や平均を出すことは可能です。

しかし、タスク管理アプリの処理時間データを、別の案件管理アプリに集計して案件ごとの合計時間を算出するといった、アプリを跨いだ集計は標準機能では実現できません。

しかし、タスク管理アプリの処理時間データを、別の案件管理アプリに集計して案件ごとの合計時間を算出するといった、アプリを跨いだ集計は標準機能では実現できません。

krewDataは、kintoneの標準機能ではできないアプリを跨いだ集計や加工を可能にするプラグインです。

また、krewData内でデータを加工したり、新しく生成したデータを別のアプリへの移行も可能です。

kintoneプラグイン「krewData」によるアプリ横断集計・加工の仕組み

kintoneプラグイン「krewData」によるアプリ横断集計・加工の仕組み

krewDataは、kintoneの複数アプリに散らばるデータを集約し、柔軟な集計や加工を行うためのツールです。以下を設定すると、データの流れを可視化して設定できます。

  • krewDataのデータ処理フロー
  • コマンドとプレビュー機能によるデータ加工・編集

それぞれ以下で詳しく解説します。

krewDataのデータ処理フロー

krewDataのデータ処理フロー

krewDataの基本的なデータ処理フローは、以下のように設定します。

  1. 入り口のアプリからデータを抽出
  2. 抽出したデータを「コマンド」で加工・編集
  3. 加工・編集したデータを「出口のアプリ」に格納

krewDataの入口では、集計や加工したいデータが存在するkintoneアプリの情報を注出ます。抽出した生データは、集計しやすい形に変換したり、必要な情報を取り出したりします。

集計結果や加工済みのデータを再度kintoneアプリに格納すると、視覚的に確認できるため、設定の全体像や各ステップの処理内容を把握可能です。

集計結果や加工済みのデータを再度kintoneアプリに格納すると、視覚的に確認できるため、設定の全体像や各ステップの処理内容を把握可能です。

コマンドとプレビュー機能によるデータ加工・編集

コマンドとプレビュー機能によるデータ加工・編集

krewDataでデータ加工や編集を行う際には、「コマンド」と呼ばれる機能を使用します。

コマンドにはさまざまな種類があり、例えば日付データから年だけ、あるいは月だけを抽出する「データ編集」コマンドや、kintoneのテーブルデータを展開する「テーブル展開」コマンドなどがあります。

これらのコマンドを組み合わせることで、複雑なデータも加工可能です。

また、krewDataの非常に便利な機能の一つに「プレビュー」機能があります。設定フローの途中の各コマンドで、データがどのような状態になっているかを確認できる機能です。

プレビュー機能を活用すると、設定が意図通りに進んでいるかを確認しながら作業を進められます。これにより、設定ミスを防ぎ、効率的にデータの加工・編集を行えるでしょう。

なお、設定画面では、各コマンドに分かりやすい名前をつけられます。そのため、誰が設定しても処理内容が理解しやすく、設定が属人化しづらいという利点があります。

kintoneプラグイン「krewData」の活用事例:予実管理

kintoneプラグイン「krewData」の活用事例:予実管理

ここでは、krewDataを活用した予実管理の方法を以下の3つに分けて解説します。

  • 実績管理アプリと予算管理アプリの集計
  • krewDataでのデータ統合と予実管理アプリへの出力
  • グラフでの予実比較

実績管理アプリと予算管理アプリの集計

実績管理アプリと予算管理アプリの集計

予実管理を行う場合、通常は少なくとも2つの異なるアプリが存在します。

一つは、日々の売上や経費などの実績データを記録する「実績管理アプリ」です。このアプリには、日付、拠点、金額などがレコードとして蓄積されます。

もう一つは、各期間(月など)の予算データを登録する「予算管理アプリ」です。こちらには、拠点別、月別に予算金額が登録されます。

予実管理では、予算に対して実績がどの程度達成できているか(進捗率)などを確認したいと考えます。

そのためには、これら2つのアプリに分かれて存在するデータを一つにまとめて集計する必要があります。

krewDataでのデータ統合と予実管理アプリへの出力

ここでkrewDataを活用します。

krewDataを使うと、実績管理アプリから実績データ、予算管理アプリから予算データを抽出し、これらをまとめて一つの「予実管理アプリ」に出力する処理が実現できます。

具体的な処理の流れは以下のとおりです。

  1. 実績管理アプリから実績データを抽出
  2. 予算管理アプリから予算データを抽出
  3. 予実を比較するための「年月」といったキーを作成
  4. データ編集コマンドなどを使って、実績データの日付から「年」と「月」を抽出
  5. 抽出した「年」と「月」を基に、月ごとの実績金額を合算
  6. 合算した実績データと予算データを、拠点と月をキーにして結合
  7. 結合したデータに対して、予算との差額や達成率などを計算するコマンドを追加
  8. 最終的なデータを予実管理アプリにアウトプット

上記の設定をkrewDataで行うことで、krewDataを動かすたびに、実績管理アプリと予算管理アプリのデータが予実管理アプリに集約され、常に最新の予実状況を確認できるようになります。

グラフでの予実比較

グラフでの予実比較

krewDataによって予実管理アプリにデータが集約されると、kintoneの標準機能であるグラフ機能を使って、拠点別の予算と実績の比較をグラフで表示できます。

そのため、予実の状況が一目で分かり、迅速な意思決定に繋がります。

このように、krewDataは異なるアプリのデータを連携させ、必要な形に加工・集計することで、kintone上でのデータ活用範囲を大きく広げます。

kintoneプラグイン「krewData」の料金体系とプラン

kintoneプラグイン「krewData」の料金体系とプラン

krewDataの導入を検討するにあたり、料金体系は重要な要素です。krewDataはkrewシリーズの中でも料金体系がやや複雑なので、しっかりと理解しておく必要があります。

krewDataには、主に以下2つのプランがあり、プランによって利用できる範囲や費用が異なります。

  • スケジュール実行プラン
  • リアルタイム実行プラン

それぞれ以下で詳しく解説します。

スケジュール実行プラン

スケジュール実行プラン

スケジュール実行プランは、設定した時間に定期的にkrewDataの処理を自動実行する場合に利用するプランです。

例えば、1日に1回夜間に処理を走らせる、週に1回、月に1回といった設定が可能です。手動で実行することもできますが、自動実行の設定数に応じて料金が決まる点が特徴です。

スケジュール実行プランの料金は、「スケジュール数」という単位で決まります。スケジュール数とは、1日に1回、週に1回といった自動実行の設定の数のことです。

例えば、複数のkrewDataの設定(フロー)を作成していても、1日に1回だけ特定のフローを自動実行するように設定した場合、スケジュール数は「1」とカウントされます。フローの数自体ではなく、自動実行の設定数が基準となります。

最低料金プランでは、3つのスケジュールまで利用可能です。

ただし、自動実行を使わず、全て手動でkrewDataを実行する場合でも、最低料金は発生します。なお、スケジュール実行プランの最低料金は税抜きで月額12,000円です。

リアルタイム実行プラン

リアルタイム実行プランは、kintoneのレコードを保存した瞬間にkrewDataの処理を自動実行する場合に利用するプランです。正確にはWebhook軸の処理が可能になります。

データを保存するとkrewDataに処理され、関連するデータがリアルタイムに更新されるため、常に最新の情報を確認したい場合に適しています。

しかし、リアルタイム実行プランを選択する際には、以下で解説する注意点やデメリットを理解しておく必要があります。

kintoneプラグイン「krewData」リアルタイム実行プラン選択時の注意点とデメリット

kintoneプラグイン「krewData」リアルタイム実行プラン選択時の注意点とデメリット

リアルタイム実行プランは即時性という大きな利点がありますが、スケジュール実行プランと比較して以下のデメリットがあります。

  • 価格の違い
  • フロー数の消費
  • 処理上限レコード数の違い

それぞれ以下で解説します。

価格の違い

価格の違い

リアルタイム実行プランは、スケジュール実行プランに比べて価格が高い傾向です。

目安としては、スケジュール実行プランの約1.5倍程度の費用がかかる場合があります。

フロー数の消費

フロー数の消費

リアルタイム実行は、スケジュール実行に比べてフロー数を消費しやすいという特性があります。

先述の予実管理のように、予算アプリと実績アプリそれぞれでデータを更新した場合に予実管理アプリにリアルタイムで反映させたい場合、それぞれのアプリの保存をトリガーにkrewDataが動くように設定する必要があり、結果的に複数のフローを組むようなイメージです。

そのため、スケジュール実行で1つのフローを定期実行する場合と異なり、料金プラン上のフロー数カウントに影響する場合があります。

処理上限レコード数の違い

処理上限レコード数の違い

処理上限レコード数の違いがリアルタイム実行の最も大きなデメリットの一つと言えます。

krewDataが一度に処理できるレコード数に上限があり、スケジュール実行プランの場合は最大20万レコードまで処理できるのに対し、リアルタイム実行プランは最大1万レコードまでです。

処理対象となるデータ量が増えてくると、リアルタイム実行ではこの1万レコードの上限に達してしまい、処理が正常に完了しない可能性があります。

また、データ量を減らすために処理を複数のフローに分けると、先述のようにフロー数を消費してしまう可能性もあります。

1日に数回データを更新したい場合でも、同じフローをコピーして午前と午後にそれぞれスケジュール設定するといった方法で、1日に複数回実行させることも可能です。

在庫管理のようにどうしてもリアルタイムでの反映が必要な業務にはリアルタイム実行を使い、それ以外の業務ではスケジュール実行を使うなど、プランを併用することも有効です。

また、リアルタイム実行はレコード保存時に処理が実行されるため、処理中に他のユーザーが同じレコードを編集・保存しようとすると、保存が競合してエラーが発生する可能性がある点にも注意が必要です。

上記の点を十分に検討し、自社の運用に合ったプランを選択してください。

kintoneプラグイン「krewData」活用のメリットと導入の推奨

kintoneプラグイン「krewData」活用のメリットと導入の推奨

先述のように、krewDataの設定画面はフローで可視化されており、各ステップ(コマンド)に名前をつけられます。これにより、設定内容が直感的に分かりやすく、特定の担当者しか設定を理解できないといった属人化を防ぐことができます。

担当者の変更があった場合でも、設定内容の引き継ぎが容易に行える点も大きなメリットです。

また、kintoneのデータを自由に集計・加工できるようになると、さまざまなアイデアが生まれてきます。

kintoneのデータ活用の幅が広がり、業務改善に繋がる新しい方法を発見できるでしょう。

まとめ

まとめ

krewDataは、異なるアプリのデータを抽出し、豊富なコマンドと便利なプレビュー機能を活用して柔軟に加工・集計し、別のアプリに出力できます。

予実管理の事例で示したように、実績データと予算データを統合して予実管理アプリを作成し、グラフで可視化するといった高度なデータ活用がkrewDataによって実現可能です。

料金プランにはスケジュール実行とリアルタイム実行があり、それぞれに特徴と注意点があります。

特にリアルタイム実行は、即時反映というメリットがある反面、価格が高い、フロー数を消費しやすい、処理できるレコード数に上限があるといったデメリットが存在するため、利用時には慎重な検討が必要です。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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