自治体のDX推進において、kintoneを活用した導入事例や研修内容について知りたいとお考えではないでしょうか?
「他の自治体ではどのようにkintoneを活用しているのか」「kintone研修ってどんな風に行われるの?」といった悩みは少なくありません。
本記事では、名古屋市役所様で行われたkintone研修を通じて、自治体での具体的な導入事例や研修プロセスをご紹介します。
また、ペパコミによるkintone研修の詳細をもとに、実践的な学び方や現場での活用方法についても解説します。
■この記事でわかること
- 名古屋市役所でのkintone導入事例と実際の活用方法
- kintoneを利用した業務効率化の具体的な効果や成果
- kintoneを現場で運用する際の工夫や成功のポイント
■こんな人におすすめの記事です
- 自治体や企業でのkintone導入事例を詳しく知りたいと考えている方
- kintoneを導入して業務効率化を図りたいが、現場運用の成功事例やポイントが気になる方
- kintoneの基本知識や応用方法を学び、自分の業務に活かしたいと考えている方
自治体におけるkintone導入のメリット
kintoneは業務効率化ツールとして、これまで500以上の自治体に導入されています。
FAXや郵送、メールなどの従来の手法をクラウド化することで、場所や時間を問わず情報をスムーズに共有できる環境を実現可能です。
近年では、kintoneを活用した住民申請のオンライン化やプロジェクト管理の可視化といった具体的な改善が進んでいます。さらに、災害時にも迅速に対応できる点がkintoneの大きな強みです。
データ変更履歴やコミュニケーション履歴が自動的に記録されるため、業務の透明性が高まり、エクセル管理による属人化を防ぐことが可能です。
こうした仕組みにより異動時の引き継ぎをスムーズにしており、自治体内の安定した運営を支えています。
また、地域包括ケアなどの分野では、関係者間の情報共有を支援することで、業務効率とサービス品質の向上を実現しています。
災害対応から住民サービスまで幅広い場面で活用されているkintoneは、多くの自治体にとって欠かせない存在です。
kintone研修とは?
kintone研修は、クラウド型業務改善ツール「kintone」を効果的に活用するための知識とスキルを習得できるプログラムです。
自治体や企業での導入を支援する目的で設計されており、例えば住民申請のオンライン化や庁内業務の効率化など、実務に直結したスキルも学べます。
有償研修を利用すれば、基礎から応用まで体系的に学ぶことが可能です。
また、kintone公式サイトでは研修を提供する企業の一覧が掲載されており、自治体のニーズに合った最適なプランを見つけられます。
さらに、サイボウズに直接相談すれば、カスタマイズされたトレーニングや運用サポートを受けることも可能です。
kintone研修を通じて現場でのスムーズな運用を実現し、職員全体のデジタルスキル向上につなげられます。
ペパコミのkintone研修の内容は?|名古屋市役所様の例
名古屋市役所様で実施されたペパコミのkintone研修は、基礎から応用まで段階的に進められる内容で構成しました。
この研修では基礎知識を習得した後、実際にアプリをつくることで学びを深める形を取っています。
🔳研修の流れ | |
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このように名古屋市役所様でのkintone研修は、基礎研修で得た知識をもとにアプリ制作や実践的な運用を行いながら、課題を解決していく流れです。
特に各部門が独自にアプリを作成し、効果的な活用法を研修の中で共有することが業務効率化に繋がったとの声をいただきました。
今回は、この中でも「基礎研修」の内容に焦点を当てて詳しくご紹介します。
【はじめに】研修を始める前の心構え|kintoneを学ぶ上での6つの大事なこと
kintoneを効果的に活用するためには、学ぶ姿勢が重要です。
特に、自治体の業務改革を進める上で、研修を通じて得る知識をどう活かすかが成功の鍵となります。
ここでは、研修序盤で話しているkintoneを学ぶ際に意識すべき「6つの大事なこと」をご紹介します。
🔳kintoneを学ぶ上での6つの大事なこと | |
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kintoneを学ぶ際は、「主体的に学ぶ姿勢」や「積極的に参加する姿勢」を持つことが大切です。
「まずはやってみる」ことで経験が積み重なり、わからないことは「調べる・聞く」ことで理解を深められます。そして「あきらめずに真剣に取り組む」姿勢が現場で役立つスキルへとつながるのです。
また、kintoneを効果的に使いこなすには、「基礎×引き出しの量」を意識することが特に重要。
基礎を学んでツールの基本的な仕組みを理解し、ネット上やYouTubeで掲載されている多くの事例や応用方法を学ぶことで、柔軟で効率的な業務運用が可能になります。
こういった心構えを持つことで研修内容を実践に活かしやすくなり、自治体の業務改革をスムーズに進められます。
ペパコミが運営するkintone活用ちゃんねるでは、基礎から応用まで累計500本以上の動画を掲載しているのでこれからkintoneを使い始める方も一度チェックしてみてくださいね。
【座学】kintoneの基本操作
座学では自治体業務でよく使われる機能や画面操作を中心に、初心者にも分かりやすく解説しています。
座学の概要は以下の通りです。
ポータル画面の役割と使い方
すべてのアプリや通知を一括で確認できるポータル画面の操作方法を解説。
重要な通知や進捗状況を効率的に把握する方法も説明しました。
アプリの基本構造の理解
アプリの作成手順や構成要素(フィールド、レコードなど)について具体的に解説。
自治体の業務に必要なデータを整理するための設計の基本を学んでいただきました。
レコード操作の基本
レコードの追加・編集・削除といった操作を実演し、注意点も共有。
部署間での共有に適したアクセス権の設定方法についても詳しく解説しております。
このように基本的な知識を習得することで、次の実践的な内容をより効果的に学べます。
【実践編】顧客管理アプリと案件管理アプリ作成から学ぼう
kintoneを使いこなすためには、実際にアプリを作成しながら学ぶことが最も効果的です。
実践編では顧客管理アプリと案件管理アプリを例に、基本的な設定から応用的な機能までを順に学んでいきます。
① 顧客管理アプリを作る
顧客管理アプリは、顧客情報を効率的に管理するためのツールで、顧客名や住所、連絡先、メモ欄などの基本情報を一元化するツールです。
研修では実際の課題として、紙やExcelで管理していた顧客情報が煩雑で、検索や更新に手間取るケースが挙げられました。
この課題を解決するため顧客名や住所、電話番号、メモ欄などの必要なフィールドを設定したアプリを構築しています。
作成のポイントとしては、検索しやすくするために「顧客コード」を自動採番するプラグインを使用したり、住所や電話番号など関連するフィールドをまとめて配置し、見やすくしたりする点が挙げられます。
完成後はアプリの実用性を高めるため、試しにデータを登録しフィールドの動作確認や関連レコード表示機能の確認を行いました。
② 案件管理アプリを作る
案件管理アプリは、各案件の進捗や関連情報を一元管理し、業務をスムーズに進めるためのツールです。
研修では、紙やExcelで行っていた案件管理が非効率で、進捗状況や担当者の割り振りが分かりにくいという課題を例題としてアプリ作成を行いました。
この問題を解消するため、案件名や開始日、締切日、担当者などのフィールドを含む案件管理アプリを構築しています。
アプリ構築時に「案件コード」を自動採番する機能を追加し、各案件を簡単に管理できるようにしている点がポイントです。
また、ルックアップ機能を利用して顧客管理アプリと連携し、案件ごとに関連する顧客情報が自動で反映される仕組みも解説。
作成後は実際にデータを入力して動作確認を行い、フィールド間の関連性や進捗状況の表示が正確に動作するかの検証を実施し、参加者全員が完了するまでフォーローをしています。
③ 一覧設定を調整する
一覧設定は登録されたデータを表形式で視覚化し、業務の進捗確認や情報の共有をスムーズにする重要な機能です。
研修内では、アプリを開いた際に表示されるデフォルトの一覧を、カスタマイズする方法を実践しました。
デフォルト表示をカストマイズする上で、業務で必要なデータを優先的に表示するように並び変えるのがポイントです。
また、データの重要度や用途に応じて複数の一覧を作成し、状況に合わせた活用ができることも解説しました。
④ 関連レコードを設定する
関連レコードとは複数のアプリ間でデータを紐付け、相互参照を可能にする機能です。
少し難易度は高いのですが、関連レコードを活用すれば異なるアプリのデータを簡単に確認したり、統合的に管理したりできるため、kintone活用のレベルが格段に上がります!
研修では顧客管理アプリと案件管理アプリをつなぎ、特定の顧客に関連する案件情報を一覧表示する方法を解説。
また、実際の課題として「顧客ごとに紐づく案件一覧を表示する」設定に取り組んでいただき、業務に直結するスキル習得を行っています。
⑤ 自動採番を設定する
自動採番は、案件番号や顧客コードなどの管理番号を自動生成することで、重複や漏れを防ぎ、データの管理を効率化する機能です。
実施した課題の中では、顧客管理アプリでは「顧客001」「顧客002」といったコードが新規登録時に自動で付与されるよう設定しました。
仮に同じ名前の顧客がいた場合でもコードを用いて明確に識別できるため、案件管理アプリなど他のアプリとも効率的に連携可能です。
ちなみに、今回は自動採番機能を活用するために無料の自動採番プラグインを使用しました。
プラグインとは、kintoneの標準機能では実現できない動作や拡張機能を追加するソフトウェアのこと。有料・無料のプラグインが存在し、それぞれ保守やサポートの有無などに違いがあります。
自動採番のようにプラグインを活用することでkintoneで実現できる幅が大きく広がるので、実運用にプラグインは必要不可欠です!ペパコミが厳選したプラグインリストを配布しているので興味のある方はぜひお問い合わせください。
⑥ ルックアップを設定する
ルックアップとは、別のアプリのデータを参照し情報を自動的に反映させる機能で、kinotneを活用した業務効率化において超重要な機能です。
ルックアップを使うことで、同じデータを何度も入力する手間を省き、入力ミスを防ぎながら効率的にデータを管理できます。
研修では、案件管理アプリと顧客管理アプリを連携する方法を実践。顧客管理アプリに登録された「顧客コード」をキーとして、案件管理アプリから顧客名や連絡先などのデータを自動で参照できるように設定します。
これより案件登録時に情報を再入力する手間が省け、業務のスピードや正確性が向上することを体感していただきました。
また、参照元アプリと参照するフィールドの選択や取得するデータの設定、条件を追加して特定のデータだけを絞り込む手法など、柔軟に運用できるルックアップの利便性も解説しています。
⑦ 作ったアプリを削除しての総復習
研修の最後には、これまで作成したアプリを一旦削除しゼロから再構築する課題に取り組んでもらいました。
総復習をすることで操作に関する理解を深め、定着させることが狙いです。
これまでの課題ではできていたつもりの操作も意外とうまくいかないなど、課題や改善が見つかることでより深い学びになる構成になっています。
基礎研修で出た質疑応答を解説
研修の最後には、受講者がkintoneの運用に対する質疑応答の時間もつくっています。
今回の研修で上がったものをいくつかご紹介します。
🔳保存前の確認機能についての疑問 | |
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Q:「保存前に確認画面を挟むことができますか?」 A:「現時点では、kintoneの標準機能では保存前に確認画面を表示することはできません。ただし、一時保存機能を活用すれば作業の途中経過を保持することは可能です。一時保存は、フォームに項目を追加した後で「このフォームを保存」ボタンを押すことでできます。」 |
🔳顧客名の自動反映に関する質問 | |
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Q:「顧客管理アプリから案件管理アプリに顧客名を自動で反映させることはできますか?」 A:「できます。ルックアップ機能を使えば、顧客管理アプリに登録された顧客名を案件管理アプリに自動で反映が可能です。具体的には、文字列フィールドをキーにして、ルックアップフィールドを設定してください。」 |
🔳担当者別一覧の設定に関する質問 | |
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Q:「担当者ごとのデータ一覧を表示する設定がうまくいきません。どうすれば良いでしょうか?」 A:「条件設定の場所を確認してください。おそらく、設定すべき箇所を見落としている可能性があります。一覧設定画面の“条件”タブを選び、担当者フィールドを基準に条件を設定してみてください。正しく設定すると、担当者ごとのデータが表示されるようになります。」 |
【まとめ】kintoneの基礎を固めた上で運用を進めていこう
今回紹介した基礎研修では、名古屋市役所様で実施されたkintoneを活用したアプリ作成の流れやポイントをご紹介しました。
アプリの作成は簡単ですが、実際にスムーズな運用を実現させるにはスキルの習得と実践の反復がとても重要です。
研修はあくまでその場限りになってしまうため、ペパコミでは基礎研修を終えた後に実践期間を設けてから、そこで上がってきた質問や事例について解説するテーマ別研修を用意しています。
テーマ別研修の詳細はこちらの動画と記事で詳しく解説しますので、続けてご覧ください!
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