kintoneを不動産業に活用できること6選|導入するメリットと注意点とは

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

小川喜句X 小川喜句Youtube

「案内から申込、契約までの進捗が見えず、誰が担当しているのか分かりにくい」
「物件情報がExcelファイルでバラバラに管理されていて、媒体の更新作業が二重入力になり非効率だ」

不動産業に従事する方の中には、このような悩みを抱えている場合があるでしょう。

これらの課題は、日々の業務を管理するシステムの導入で解決へ導けるかもしれません。kintoneは、自社の業務に合わせたシステムを構築できるツールです。

本記事では、kintoneを不動産業に活用できる具体的な機能、導入するメリットや注意点を解説します。記事の最後には導入事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

kintoneを不動産業に活用できること6選

kintoneを不動産業で活用する場合、主に6つの業務で役立てられます。

  • 賃貸顧客管理
  • 賃貸契約管理
  • 不動産売買管理
  • 発注管理
  • 請求・収支報告書管理
  • 問い合わせ管理

これらの機能を活用すると、これまでExcelや紙で管理していた情報を一元化し、業務のムダを削減できます。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

賃貸顧客管理

kintoneは、不動産業では「顧客」、つまり物件のオーナーと入居者の情報を管理する機能として活用できます。

オーナー管理:アパートやマンションのオーナーに関する氏名・住所・連絡先などの基本情報を整理します。物件管理機能とデータを紐づける設定にすると、オーナーが所有している物件の情報を一覧での表示が可能です。オーナー情報から新しく物件を登録する操作もでき、同時に家賃などの振り込み先口座も一元管理できます。

入居者管理:入居者の氏名や連絡先などの基本情報に加えて、連帯保証人・緊急連絡先・同居人の情報などをまとめて管理する機能です。契約情報とは別の機能として登録し、後から契約と紐づけを行います。そのため、複数の物件を契約している入居者であっても、入居者情報の登録は1回で済む点が強みです。

賃貸契約管理

契約管理は、オーナー情報と入居者情報を基にして、それぞれの情報を紐づけながら登録する機能です。

物件管理の機能では、物件の基本情報と、その物件に紐づくオーナー情報を管理できます。現在の入居者はもちろん、該当する物件の過去の入居者履歴の集約も可能です。そのため、過去の契約を確認する作業が、家賃の変動を分析したり、新たな値付けを検討したりする際に役立ちます。

契約管理の画面では、物件に紐づく入居者情報だけでなく、契約金・仲介日・敷金礼金・駐車場契約の有無、さらには保証会社や保険会社などの情報まで一元管理が可能です。それぞれ物件名や入居者名ですぐに検索を行えるため、問い合わせが入った際にも素早く契約内容の確認ができます。

不動産売買管理

不動産売買管理

不動産売買の業務では「地主管理」と「用地管理」の二つのアプリ(機能)を活用できます。

地主管理:賃貸管理のオーナー管理と同じ役割を持つ機能です。売買に関わる地主の基本情報を管理します。用地管理と紐づける設定にすると、地主が所有している土地の情報を自動で集約可能です。特定の地主がどれだけの土地を所有しているのか、一目で確認したい場合などに活用できます。

用地管理:賃貸管理の物件管理と同じ役割を持つ機能です。土地の基本情報を管理するだけではなく、その土地に関する商談の記録も登録できます。一つの土地に対して複数の地主を設定できるため、誰が利権者なのかをすぐに把握できます。エリア別に土地を分類したり、地目(土地の用途)で検索したりするなど、柔軟な検索が可能です。

発注管理

発注管理は、いつ・どこに・どのような作業を・いくらで発注したのか、担当者個人で管理するのではなく、会社全体で情報を共有するための機能です。

不動産業では、退去時や設備が壊れた時などに、業者へ依頼して清掃や修理を実施する作業が多く発生します。発注情報が一元管理できていないと、Excelファイルを探さないと過去の履歴がわからないなどの状況に陥りがちです。

kintoneでは、業者管理と発注管理の機能を活用し、データを一元管理できます。

  • 業者管理:電気・ガスなどのインフラ業者、トラブル発生時の修理業者、退去時の清掃業者などの情報を管理します。対応内容や金額、連絡先が明確になるため、トラブル発生時にすぐに対応可能です。
  • 発注管理:修理や退去時のクリーニング、防災点検など、各種作業の発注を管理します。業者管理と紐づける設定にすると、業者別の発注履歴を集約できます。ワンクリックで発注書データの作成やPDF出力も可能です。

請求・収支報告書管理

業務の流れに合わせた請求管理機能で請求書を発行でき、入金の管理まで行える機能です。

例えば、退去時であれば、敷金や日割り家賃なども含めて精算額を算出し、オーナーと退去者それぞれにインボイス制度に対応した請求書の発行ができます。また、発注業者や仕入れの情報を入力すると、自動で原価や利益の計算が可能です。

請求書だけではなく、家賃や管理費などを毎月月末に自動で集計し、各オーナー様向けの収支報告書を作成する機能も備わっています。これまで毎月入居者ごとの家賃を確認して報告書を作成していた手間を、大幅に削減できる可能性があります。

問い合わせ管理

問い合わせ管理

問い合わせ管理は、いつ問い合わせが来て、誰が受け付けて、現在どういう状況なのかを把握できる機能です。

不動産業には、お客様だけでなく、業者や保証会社など多方面からの問い合わせが日々多く寄せられます。kintoneで管理すると、未対応の問い合わせがあれば、担当者宛にリマインドを行う設定も可能です。

過去の問い合わせ履歴も、名前や内容などで素早く検索できます。別の担当者に業務を引き継ぐ必要があるケースや、トラブル対応時のノウハウの情報を蓄積できます。従業員ごとに問い合わせの対応数を集計する設定にすれば、業務の負荷がどこに偏っているかを見える化できる点も強みです。

不動産業がkintoneを導入する4つのメリット

不動産業がkintoneを導入する4つのメリット

不動産業がkintoneを導入すると、情報管理以外にも多くのメリットが期待できます。主なメリットは以下の4点です。

  • 業務に合わせてカスタマイズできる
  • コミュニケーションツールとして活用できる
  • データを一元管理できる
  • セキュリティレベルが高く安心して導入できる

これらのメリットは、日々の業務の進め方を大きく改善する可能性があります。一つずつ内容を見ていきましょう。

業務に合わせてカスタマイズできる

kintoneの導入は、高い拡張性がある点がメリットです。

外部連携できるアプリが多数あり、基本機能にはない機能の追加が可能です。有料のプラグインの中にも安価で利用できるものが多数あります。

また、さまざまな職種や業務に対応した「業種業務アプリパッケージ」が用意されています。アプリパッケージを活用したり、自社でカスタマイズしたりすると、自社の目的に見合う設定に変更可能です。そのため、オリジナル性の高いアプリの作成ができます。kintoneは、自社専用のアプリをゼロから開発する場合と比べて、費用や手間を抑えられます。

コミュニケーションツールとして活用できる

コミュニケーションツールとして利用が可能な点もメリットです。

kintoneにはコメント機能やスレッドが搭載されているため、情報の共有が簡単に行えます。例えば、特定の物件情報や契約情報にコメントを紐づける形で、関係者間のやり取りが可能です。

宛先を詳細に設定できるので、個人的な相談から、複数のメンバーが参加するプロジェクトチームでの情報共有まで幅広く対応します。

kintoneはクラウド型のサービスです。そのため、複数人で同時に情報の編集ができます。最新の情報が即座に反映されるため、テレワークや外出先からであっても円滑にコミュニケーションがとれます。

データを一元管理できる

Excelなどで物件情報や顧客情報をバラバラに管理しているケースは少なくありません。kintoneはライセンスを取得し、社内に散らばる膨大なデータを一元管理できます。

Excelで大量のデータを管理していると、データが重たくなりファイルを開くだけで時間がかかる場合があります。kintoneを導入すれば、その状況から脱却し、生産性の向上が可能です。

kintoneは、欲しい情報を欲しい時にすぐに取り出せるため、作業時間の短縮につながります。情報管理をシステム化できるため、メールの自動送信やリマインダー機能を活用すれば、更新漏れや連絡漏れなど人為的なミスを最小限に抑えられます。

セキュリティレベルが高く安心して導入できる

kintoneは、セキュリティレベルが高いのも特徴です。

IPアドレスや端末ごとにアクセス制限をかけられます。そのため、許可されていない外部の人間は容易に侵入できない仕組みになっています。不正ログインや不正アクセスへの対策は万全です。

業務委託先など、社外の人にアクセスを許可する必要があるときは、一時的に権限を与える設定もできます。

また、データセンターを東日本と西日本の2つの拠点で管理している点も大きなポイントです。万が一、災害やテロなど不測の事態が起きても、データ損失や情報が漏洩する可能性は低く抑えられています。

不動産業がkintoneを導入する際の3つの注意点

不動産業がkintoneを導入する際の3つの注意点

kintoneの導入には多くのメリットがありますが、事前に知っておきたい注意点も存在します。主な注意点は以下の3つです。

  • ストレージ容量に制限がある
  • 複雑な機能の実装が難しい
  • アプリが乱立するリスクがある

導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、これらの注意点も確認しておきましょう。

ストレージ容量に制限がある

kintoneは、1ユーザーあたり5GBまで、とストレージ容量の制限があります。

多くの物件の写真をたくさん保存していくような使い方をしていると、容量制限を迎えてしまう場合があります。その場合、別のファイル保存手段を考えなければいけません。

写真などのデータ容量が大きいファイルを多く使うことをイメージされている方は、その点を念頭において、運用方法を検討しましょう。ただし、追加オプション(月額1,000円)で容量を増やすプランも用意されています。

複雑な機能の実施が難しい

kintoneは、シンプルな機能のアプリであれば、プログラミングの知識がなくても直感的に作成可能です。しかし、複雑な機能の実装にはプログラミングスキルが必要な場合もあり、難しく感じることがあります。

企業ごとに業務フローや作業手順は異なりますが、自社に合わせた形にするには、細部を調整するためのプログラミング知識が必要になる場合があります。

プログラミング未経験者が一から学ぶには時間と労力が必要です。そのため、複雑なシステムを構築する場合は、専門家に依頼するのが現実的です。もちろん、複雑な機能を実装しない場合は、プラグインや連携機能が充実しているため、多くの要件をプログラミングなしで対応できます。

アプリが乱立するリスクがある

kintoneは、簡単にアプリを作れてしまう点がメリットであると同時に、デメリットにもなり得ます。

簡単にアプリを作成できるため、部署や担当者ごとで似たようなアプリが乱立してしまう可能性があります。例えば、案件・進捗管理のためのアプリを複数作成してしまうと、どこに最新の情報を入力すべきか混乱するかもしれません。結果として、業務が進めにくくなってしまう可能性があります。

会社でアプリを使用する場合は、誰でも自由に作成できる状態にするのではなく、担当者に任せるか、アプリ作成のルールを作る必要があります。

不動産業界におけるkintoneの導入事例3選

不動産業界におけるkintoneの導入事例3選

ここでは、実際にkintoneを導入した不動産業界の企業の事例を3つ紹介します。

  • 株式会社リブリメイク|一元管理で情報共有を加速
  • 有限会社中田コーポレーション|アナログ管理からの脱却
  • 株式会社マークス不動産|営業データの一元化を実現

自社の課題と照らし合わせながら、kintoneで何が解決できるかを確認してください。

株式会社リブリメイク|一元管理で情報共有を加速

株式会社リブリメイク|一元管理で情報共有を加速

株式会社リプリメイクは、以前は別のSaaS(クラウドで提供されるソフトウェア)を使用していましたが、カスタマイズする余地が少なく、改修が難しいなどの課題を持っていました。

kintoneの導入を決意した理由は、youtubeで配信されている活用事例が分かりやすかったからだそうです。

導入後は、データベースとして活用し、売上などの数字の合計と、それをグラフなどで可視化できるようになりました。一つのシステムで連携を取ることで情報共有がスムーズになり、システムやマニュアル作りに取り組む中で、従業員の見識が広がったと評価しています。

無料プラグインだけでもある程度の事が可能でコストも安く、業種を問わず、スタートアップの企業におすすめのサービスだと感じているそうです。

株式会社リブリメイク公式サイトはこちら

有限会社中田コーポレーション|アナログ管理からの脱却

有限会社中田コーポレーション|アナログ管理からの脱却

有限会社中田コーポレーションは、元々アナログ管理をしていたため、担当者や契約ごとの状況が把握しきれていない課題がありました。

「誰でもクラウドで各案件の状況を把握できるようにしたい」と以前から考えていたそうです。導入当時、同じ神奈川県内に本社があり、実際に会って対応してもらえる会社だと感じ、ペパコミ株式会社へ依頼を決意しました。

kintoneを導入した結果、全業務の一元管理ができるようになりました。kintoneの機能を強化でき、自社での活用の幅が広がったと実感しています。対面でもWebでも、メールやLINEでも、素早く対応してもらえるので安心して活用できる、とサポート体制も評価しています。

有限会社中田コーポレーション公式サイトはこちら

株式会社マークス不動産|営業データの一元化を実現

株式会社マークス不動産|営業データの一元化を実現

株式会社マークス不動産では、以前はエクセルで売上集計などを行っていました。月末で締めてからエクセルの確認に丸1日かかり、数字に不明点があれば営業担当者に確認するなど、かなりの手間がかかっていたそうです。

kintoneで自動集計する仕組みを構築したことにより、日付の入力ミスがないかを確認するくらいで、ほぼ作業が完了するようになりました。

営業担当者に入力してもらう複数のエクセルが、kintoneアプリ一つになったため、事務作業がシンプルになりました。エクセルの時よりも入力してくれるようになり、必要なデータがkintone内で一元管理できるようになったそうです。

株式会社マークス不動産公式サイトはこちら

kintoneを不動産業で活用したいなら『ペパコミ株式会社』への無料相談ください

kintoneを不動産業で活用したいなら『ペパコミ株式会社』への無料相談ください

本記事では、kintoneを不動産業の業務に活用できる具体的な機能(顧客管理・契約管理・発注管理など)から、導入するメリット、注意すべき点、そして実際に導入した企業の事例までを詳しく解説しました。

「案内から申込、契約までの進捗が見えず、誰が何を担当しているのか責任の所在が曖昧になっている」

「物件マスタがExcelに乱立しており、媒体を更新する際に二重入力が発生していて非効率だ」

もし、あなたがこのような課題を抱えているなら、kintoneの導入が解決の一歩になるかもしれません。kintoneは、バラバラになりがちな情報を一元化し、業務の流れをスムーズにするための多くの機能を備えています。

しかし、自社の業務に本当に合うようにシステムを構築するには、専門的な知識が必要になる場面があるのも事実です。

『ペパコミ株式会社』では、不動産業界の特性を理解した上で、kintone導入のサポートを行っています。自社の課題をkintoneでどう解決できるのか、具体的なアドバイスが欲しい場合は、無料相談をご活用ください。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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