今回は、自治体でのkintone 運用上の利用規約、運営規定やルールなどの「内規」に入れることの例を紹介させていただきます。
| 【kintoneと自治体業務とは】
kintone(キントーン)はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。 表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディーかつ低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。 自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。 さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。 |
自治体の内規とは
内規とは、業務を円滑に進めるための組織内部の決まりごとやルールです
行政では、決裁規定(例:〇〇に関することは市長決裁)事務分掌規程(例:〇〇課は〇〇をする)、職務権限規程(例:課長は課の総括をする等)、文書管理規程(起案書や通知の例)というように、内規が存在します。
策定や改正の際には、自治体にもよりますが、まず、規定の主管課が「策提案」「改正案」をつくり、法規部門の指摘を受けて修正します。その上で、起案し、法規部門の合議を通過させ、決裁します。決裁後、施行前に、庁内への周知となります。周知の方法も、通知で済ますか、説明会を実施するか等、考えなくてはなりません。
kintoneの場合、kintoneの担い手が増えることは良いことなのですが、「設定ミスで個人情報が漏洩しないように」などの配慮も併せて必要です。
しかし、kintoneを使ってみた人でないと、内規を提示されても、ピンと来ません。ですので、全庁的なハンズオン研修などを実施し、その際に、内規も説明できるといいのかもしれません。
自治体のkintoneの内規の具体例(利用規約、運営規定やルールなど)

自治体でkintoneを導入する際に内規に触れる具体例を以下の4つの項目に分けてご紹介します。
- 利用範囲
- アプリの作成
- プラグイン・連携サービス・コメント機能の活用
- 違反
<利用範囲>
- 利用できる情報の範囲
- アカウントの管理
- 利用可能な端末
- 操作可能時間帯
<アプリの作成>
- 管理者や使用者の適切な設定
- アプリの修正や削除
- 人事異動時の権限引継ぎ
- 個人情報がある場合:
- アクセス権限の制限を行う。
- 個人情報保護法の要配慮事項がある場合(個人情報保護法参照)
なお、アプリを作成する際は、上長やkintoneの管理部門に届け承諾をもらう必要があります。
(届け出の項目例:アプリ名・内容・目的・フィールド・期間・ユーザー・管理者)
<プラグイン・連携サービス・コメント機能の活用>
- プラグイン追加:新規のプラグインは、kintone主管課に届け出て承諾をもらう。
- 連携サービス・カスタマイズ:kintone管理部門がテスト・検証を行う。
- コメント機能:業務の範囲内利用可(公務員としてふさわしくない発言はNG)
<違反>
- 罰則:重大な違反は、懲戒処分や個人情報保護条例の罰則規定上の処分の対象になる。
サイボウズ社で推奨しているkintoneガイドライン項目の一例

<アプリ名の命名規則>
kintone上で類似用途のアプリや、類似のアプリ名のアプリが複数できれば、kintoneの検索性は落ちるため、利用者の使いやすさを低下させてしまいます。
<アプリの責任者と保守担当の設定、明記>
kintoneの管理者は、大きく4種類の管理者がいます。違いを理解して設定しましょう。
- cybozu.com共通管理者:cybozu.com全体の管理者
- kintoneシステム管理者:アプリやスペースの作成権限、ポータルの設定
- スペース管理者:スペースごとに存在し、設定を変更可能(参加メンバーの管理・参加メンバーの設定・複数のスレッドの設定)
- アプリ管理者:アプリごとに存在し、アプリの設定を変更可能。
引用:サイボウズ株式会社kintone signpost アプリ作成ルール
<アプリ作成・公開時の運用ルール>
サイボウズ社では、2種類のガイドがあります。一つは基本機能で、もう一つは拡張機能についてです。前者は主に管理権限の基準、後者は拡張機能の追加の基準、カスタマイズをする場合の対応について紹介されています。
他にも、ゲストスペースの活用や、ワークフローの活用、開発環境を用意する場合等が紹介されています。
自治体の内規で定められないこと
他自治体やサイボウズ社のガイドラインを踏まえて内規をつくることになるかもしれませんが、汎用性のあるkintoneでは、内規で網羅的に規定するのは困難でもあります。その点を庁内で共有する必要があります。
例えば、事故になりやすいことから把握してはどうでしょうか。
- アプリの権限設定
- ウェブ上などで一般公開の機能を有する拡張機能等の導入時の設定方法の確認
- CSVでのダウンロードのルール
- 個人スマホからの利用制限
- kintoneのドメインやスペースの単位は「全庁」か「部」「課」などの分け方
(ドメインを細かく分けると、拡張機能の経費も重複しますのでご注意ください)
できれば、kintoneのパートナーと連携することで、内規作成・ルールの把握に時間をかけすぎず、楽しく「実践」をスタートできるといいと思います。
庁内だけでkintone活用を進めるのが心配な場合はぺパコミ株式会社へご相談ください
自治体でkintoneを導入する際、内規を守らなければいきません。
しかし、kintoneの知識がない場合、どのような内規に触れるか分からない方も多いと思います。
なお、ペパコミ株式会社ではkintoneアプリの構築からkintoneを活用した業務支援など幅広く展開しています
kintoneについて少しでもお悩みの方はお気軽にご相談ください。
この記事では、「自治体のkintone利用規約や運営規定など内規の例」をご紹介します。
kintoneと自治体業務とは
kintone(キントーン)はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。
表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディーかつ低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。
自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。
さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。
自治体の内規とは
内規とは、業務を円滑に進めるための組織内部の決まりごとやルールのことです。
行政では、決裁規定(例:〇〇に関することは市長決裁)事務分掌規程(例:〇〇課は〇〇をする)、職務権限規程(例:課長は課の総括をする等)、文書管理規程(起案書や通知の例)というように、内規が存在します。
内規の策定や改正は、主管課で案を作成し、法規部門のチェックを経て決裁を取り、庁内に周知するという流れが一般的です。
kintoneの導入にあたっては、「誰が」「どのように」「何をしてはいけないのか」を明確にしなければなりません。
特に、個人情報保護や不適切な設定による情報漏えいを防ぐためにも、運用ルールをしっかり固めておくことが大切です。
しかし、kintoneをまだ使ったことがない職員の場合、内規を提示するだけでは、内容を正しく理解できないでしょう。
そのため、全庁的なハンズオン研修などを実施して、カリキュラムの中で内規を説明するのがおすすめです。
自治体のkintoneの内規の例(利用規約、運営規定やルールなど)

自治体のkintone内規で押さえておきたい主な項目をチェックしておきましょう。
| 項目 | 内容 |
| 利用範囲 |
|
| アプリの作成 |
(届け出の項目例:アプリ名・内容・目的・フィールド・期間・ユーザー・管理者) |
| プラグイン・連携サービス・コメント機能の活用 |
|
| 違反 | 重大な違反は、懲戒処分や個人情報保護条例の罰則規定上の処分の対象になる |
上記はあくまで一例ですので、自治体の状況や法令にあわせてカスタマイズしてください。
参考:政府広報オンライン|「個人情報保護法」を分かりやすく解説。個人情報の取扱いルールとは?
サイボウズ社で推奨しているガイドラインの項目の一例

サイボウズ社で推奨しているガイドラインの項目の一例は、次のとおりです。
- アプリ名の命名規則
- アプリの責任者と保守担当の設定・明記
- アプリ作成・公開時の運用ルール
kintoneを提供するサイボウズ社では、「kintone signpost アプリ作成ルール」など、運用ルール策定の参考にできるガイドラインを用意しています。
ここでは、主なポイントをピックアップしてご紹介します。
<アプリ名の命名規則>
アプリ名が類似したり重複したりすると、検索性が落ちて混乱を招きます。部署名や機能名など、一定の命名ルールを決めておくと良いでしょう。
<アプリの責任者と保守担当の設定、明記>
kintoneには以下のような管理者区分があり、それぞれ役割が異なります。
| 管理者区分 | 役割 |
| cybozu.com共通管理者 | cybozu.com全体の管理者 |
| kintoneシステム管理者 | アプリやスペースの作成権限、ポータルの設定 |
| スペース管理者 | スペース管理者はスペースごとに存在し、そのスペースの設定を変更できる
役割の例
|
| アプリ管理者 | アプリ管理者はアプリごとに存在し、設定を変更できる |
<アプリ作成・公開時の運用ルール>
サイボウズ社では主に、基本性能に関するガイドと拡張機能に関するガイドの2種類が提供されています。
また、ゲストスペースの活用やワークフローの活用、開発環境の用意など、細かいガイドも紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
参考:kintone signpost|アプリ運用ルール策定ガイド(基本機能編)
参考:kintone signpost|アプリ運用ルール策定ガイド(拡張機能編)
内規で定められないこと
kintoneは汎用性が高く、組織に応じて多様な使い方ができます。そのため、すべてを内規で厳密に規定するのは難しいでしょう。
「事故やトラブルが起こりやすいポイント」を見極めて、優先的にルール化・周知を徹底する意識が大切です。
例えば、以下は自治体で特に注意したいポイントです。
- アプリの権限設定
- ウェブ上などで一般公開の機能を有する拡張機能等の導入時の設定方法の確認
- CSVでのダウンロードのルール
- 個人スマホからの利用制限
- kintoneのドメイン・スペース単位の範囲設定(全庁、部、課など)
また、拡張機能によっては利用料が重複する可能性があります。「庁内全体でどう運用するか」を考えながら、導入コストとのバランスを検討してください。
庁内だけで活用を進めるのが心配な場合はぺパコミ株式会社へ
全庁的なハンズオン研修などを実施して、カリキュラムの中でkintoneに関する内規を説明すると、職員の理解度をより深められるでしょう。
ただし、kintoneは多機能であるがゆえに、すべてを内規で厳密に規定するのは現実的ではありません。
もし、「kintoneの内規をどう策定すべきかわからない」「導入後に問題が発生しないか不安だ」と感じているのであれば、ペパコミ株式会社に相談するのがおすすめです。
ペパコミ株式会社では、徹底的なヒアリングを通じて自治体の課題を明確化し、解決策を提供しています。
kintone導入から改修内製化まで、一気通貫・伴走支援でサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。













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