行政職員のつらいことの一つに「失敗できない状況」があります。
公務員のミスは、情報公開や監査の対象にも、なりかねません。大きなトラブルに発展し不祥事に発展数rと、わざとでなかったとしても、懲戒処分の対象になり、報道されてしまいます。
しかし、こうしたミスを防ぐには、個人の努力もさることながら、組織ぐるみで未然に防ぐ仕組みが必要です。当記事では、ミスの実例と、ミスを防ぐkintoneの使い方を解説します。
なお、ペパコミ株式会社では、自治体でも数多く業務支援や研修を行っています。kintone活用にお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。
懲戒処分と隣り合わせの「自治体職員のミス」

悪意がなくても、ミスは発生します。犯したミスの影響が大きければ、懲戒処分の対象にすらなってしまいます。懲戒処分は、大きく分けると、次のような種類があります。
| 種類 | 内容 |
| 免職 | 職員としての身分を失わせます。
民間企業の懲戒免職処分を指します。 |
| 停職 | 一定期間、職務に従事させない処分です。
停職期間中は給与は支給されません。 |
| 減給 | 一定の期間、給与の一定割合を減額します。 |
| 戒告・訓告 | 注意です。 |
たった一度のミスであっても、人事部門に記録され、遠い将来の昇格にも影響しないとは言きれません。そのため、ミスが起こりやすい仕事は誰もが避けたいものです。
当記事では、自治体で実際に起こり得るミスを踏まえ、kintoneを使うことで組織ぐるみでミスを防ぐ方法をわかりやすく紹介します。
自治体の「ミス」や「微妙な対応」の実例5つ

さっそく、故意(わざと行うつもり)がなくても、起こりやすいミスを、次のように、「ミスの例」や「市民にとって複雑な感情を持つ例」をみていきましょう。
- 障がい者手帳交付時の「受けられる手当」の説明漏れ
- 窓口で「診断書の種類」を間違えて渡し、1万円を損させる
- 職員ごとに異なる説明格差で変わる「手当の受給の可否」
- メール誤送信で個人情報の流出トラブル
- 実態を追えない事案
<ミス例①>障がい者手帳交付時の「受けられる手当」の説明漏れ

例えば、自治体では、障がい者手帳の交付は、月に何度か、交付しています。
身体障害・知的障害・精神障害がありますが、ご病気によって、内部障害(心臓・呼吸器・腎臓・膀胱・直腸・小腸・免疫・肝臓)を抱える方も少なくありません。そのため、定期的な交付があります。
その手帳交付時には、身体障害の場合、障害の種類や重さによって、受給できる手当がいくつか存在します。交付の際に説明が漏れて、手続きしなかった場合、すぐに受給できなくなってしまいます。さらに、手続きの多くは、さかのぼって権利を得るような「遡及」はできないので、住民が腹を立てても仕方ありません。
<ミス例②>窓口で「診断書の種類」を間違えて渡し、1万円を損させる

先ほどの例と同様に、障害福祉の手続きを例にしてみましょう。
例えば、障がい者手帳や障害年金を交付してもらうには、それぞれ、医師に書いてもらう「診断書」が異なります。
さらに、診断書の種類は、障害の種類によって、視覚、聴覚・平衡機能・音声・言語・そしゃく機能、肢体不自由・心臓・腎臓・肝臓などの内部障害・呼吸器・膀胱・直腸・小腸・免疫機能障害(HIVなど)・知的・精神などに分かれます。
さらに、障害の内容によっては、18歳以上か18歳未満かによっても診断書の様式が異なります。
窓口に来た方に、医師に書いてもらう診断書の種類を間違えて渡し、医師も、気づかずに書いてしまえば、内容によっては1万円ほどかかる作成料がかかってしまうこともあります。
<相手に複雑な感情を抱かせる例③>職員ごとに異なる「説明格差」で変わる「手当の受給の可否」

所得制限がある手当には、次のようなものが挙げられます。
| 手当 | 内容 |
| 児童手当 | 全ての子育て家庭 |
| 児童扶養手当 | ひとり親家庭 |
| 特別児童扶養手当 | 障がいのある子を養育している家庭 |
基本的には、相手が出した所得証明に沿って対応します。ただし、踏み込めば、次のように、個別に案内する職員もいます。
| 例 | 案内 |
| 被扶養者を増加させる | 別に住み、所得が多くない祖父母に仕送りを送っている場合、扶養に入れて、前年度の所得の修正申告を行い、少ない所得にする。 |
| 被扶養者の医療費の合算 | 上述した方法で被扶養者の医療費も合算して、医療控除の修正申告を行う。 |
| 家計の単位 | 経済力がある祖父母との二世帯の場合、世帯が分離している証明を提出する。 |
これらの方法は、税理士が自営業者に助言していることもあり、どの程度まで踏み込むことが正解か、なんとも言えない面があります。
<ミス例④>メール誤送信で、個人情報の流出トラブル

外部にメールを送る場合、宛先と内容がチグハグになってしまう経験は、多くの人が一度はしているかもしれません。反対に受信し、「削除してください」のメールが来たこともあるでしょう。
メール誤送信では、「宛先ミス」「CC・BCCの設定ミス」「添付ファイルの誤添付」がありえます。行政の場合、大多数の人を対象にする業務を行っていることが多いので、影響が大きくなりがちです。
<ミス例⑤>実態を追いにくい「NG行為」や「市民に微妙な印象を与える行動」

発見しにくいですが、次のような「NG行為」や「微妙な行動」がありました。
| 例 | 「NG行為」や「微妙な行動」 |
| 住民基本台帳でストーカー | 自分が執着している人の住民基本台帳を閲覧した。 |
| 匿名掲示板に職員評を投稿 | 「女性職員の容姿を批評」を匿名掲示板に投稿した。 |
| 官公庁オークションに参加 | 内覧できないはずの「差し押さえ物件」を親族に落札させた。 |
| 副業で現職の立場をフル活用 | 現在の業務での知識や人脈をもとに副業で講師を行い、謝金を得た。 |
| 前任者によるハラスメント | 前任者の引継ぎが、業務の期限の深夜2時から開始し、朝の5時に終了した。 |
組織ぐるみで、ミスや問題を防ぐ「ケース別kintoneでの解決法」5つ

続いて、ミスや問題を防ぐために、kintoneで出来る解決法の具体例を紹介します。
- 一度に、複数の手続きの帳票出力
- 窓口対応履歴の作成と現状をオンタイムで共有
- メールの送信は、kintoneで完全仕組み化
- 残業時間と内容をオンタイムで可視化
- 周囲の不祥事を相談できるkintoneで窓口をつくっておく
1.一度に、複数の手続きの帳票出力

例えば、障がい者手帳の交付時に案内される「各種手当」は、障がいの種類や等級、障がいの数によって、異なります。
<手当などの例>
- 重度障がい者医療助成
- 各種手当
- 補装具
- おむつ券など
障害の種類や等級が確定したり、障がいのある方が転入した場合には、kintone上で、該当する手当にチェックを入れれば、帳票が出力される状態にしておく方法が可能です。
2.窓口対応履歴の作成と現状をオンタイムで共有

窓口対応や電話対応は、同じ部署でも、頻繁に出る人と、まったくでない人に二極化し、職員間の温度差も生じることがあります。また、対応職員によっては、上から目線であったり、明朗でない説明で、相手を困惑させることもあります。
対応履歴は、下記のような方法を模索しましょう。
- 内容をチェックするだけでもいい履歴をつくる。
- 対応件数や時間の波をオンタイムでグラフ化する
- AIを有効活用し、簡単に記録する
- 電話対応の内容をAIで要約させる
- FAQとしてまとめる。
履歴を作成する時間すらないかもしれませんが、まずは、共に現状を把握することから始めてみましょう。
3.メールの送信は、kintoneで完全仕組み化

メールとの連携ツールを使い、送信先を制御する仕組みにしましょう。
目視での確認で、「別の人に誤って送る」設定を排除し、誤送信を防ぐことができます。
次のプラグインがありますので、参考にしてください。
- kMailer
- メール送信プラグイン
- メール一斉送信プラグイン
- DataSyncer メール to kintone
4.残業時間と内容をオンタイムで可視化

組織には、わかりやすく言動に問題のあるパワハラ気質の人もいますが、ステルス系のパワハラ体質の人もいます。相手が管理職なら人事に相談しやすいですが、先輩や同僚、非正規職員にも潜んでいます。周りのメンタルを削って、気づいたら、その人のいる場所をなぞるように、周りの人の心身の健康を壊していきます。
kintoneでデータを活用する方法としては、次のような方法があります。
- 残業時間や内容は、オンタイムで可視化し、各部署はもちろん、人事部門も把握する。
- 残業と日報や業務とのデータを連携させて把握させやすい仕組みにする。
5.周囲の不祥事を相談できるkintoneで窓口をつくっておく

ミスや不祥事は、わかりやすく存在しているとは限りません。
「あれ? これ、見過ごしていいの?」と、ザワザワして確認すると、大きな問題を見つけてしまうことがあります。例えば、次のようなケースは上長や人事部門や契約部門に相談します。
- 入札の最低価格を業者に伝えている人がいる場合
- 横領している人がいる場合
- パワハラやセクハラをしている人がいる場合
- 複数年度にわたる業務ミスを見つけた場合
共に働く仲間を信じられないのは悲しいことですが、見つけたら、動かなければなりません。証拠を押さえるために、本人に気づかれないように動く必要があり、神経をつかいますが、予め、相談しやすい体制を整えましょう。
業務の悩みに応じたkintone研修は、ペパコミ株式会社へご相談ください。
ペパコミ株式会社では、自治体の方から次のような声を多くいただきます。
- kintoneを入れたが、庁内展開の方法がわからない。
- 研修をしたけど、操作研修ばかりで、定着しにくい。
- プラグインの費用対効果を見直したい。
- 上長の理解度に差があり、説明資料がまとまらない
当社の研修は、操作説明だけではなく「庁内に広める人選のノウハウ」「定着の仕組み」 をご提案できます。実践型で成果を出したい自治体の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
組織ぐるみでミスを防ぎ、職員の負担を減らす仕組みづくりを一緒にがんばりましょう。













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