kintoneの「勤続年数や年齢を自動計算したいけど、有料プラグインやJavaScriptは使いたくない…」と悩んでいませんか?
本記事では、kintoneの標準機能だけを使い、入社日からの経過年月や有給休暇付与日などを正確に算出する方法を徹底解説します。
実際の設定例や計算式も交えて、従業員マスター・契約管理・人事労務管理に活用できる工夫を分かりやすくご紹介します。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintone標準機能での経過年月計算の背景
kintoneの利用者から、入社日から基準日までの勤続年月や年齢を無償で計算したいという相談が寄せられます。
特に、有料プラグインやJavaScriptコードを使わずに、標準機能で解決したいという要望が多く聞かれます。
この要望は、従業員マスター作成時の勤続年数や、生年月日から年齢を算出する際にも発生するものです。
kintone標準機能を用いた経過年月計算の課題
kintoneで日付の差分を計算する方法は存在します。サイボウズの開発者向けサイト「Cybozu Developer Network」でも、勤続年数の計算方法が紹介されています。
Cybozu Developer Networkで紹介されている計算式の例では、うるう年への対応ができません。
そのため、計算対象期間が長くなると、日付に微妙なずれが生じる可能性があります。この計算式は、おおよその年数を把握するために利用できるものです。
kintone標準機能を用いた正確な経過年月計算方法
上記のうるう年によるずれを回避し、正確な経過年月を表示するためには、特定の計算設定が必要です。この設定により、利用者の要望に応じた正確な計算が可能になります。
計算の全体像
「何年何ヶ月」という表示は、自動計算された結果と「年」「ヶ月」という文字列を組み合わせて表示するように設定されます。
これは文字列フィールドを利用した自動結合で実現されます。
日付データの数値変換
まず、基準日と入社日の日付部分を8桁の数字に変換します。これにはDATE_FORMAT関数を使用します。
この関数により、日付が西暦の年、2桁の月、2桁の日付からなる8桁の数字に置き換えられます。日付を数値に変換することで、経過年数の計算が可能になります。
年数の計算手順
変換された8桁の日付データを10,000で割ることで年数が算出されます。
このとき、端数はROUNDDOWN関数を用いて切り捨て処理が行われます。ROUNDDOWN関数を使用することで、日付の差分から年数を正確に算出できます。
月数の計算手順
月数を正確に計算するためには、日付データから月の部分だけを取り出します。
月の計算において、12ヶ月を超えるような誤った計算結果が出ないように、IF構文を使用して正しい月数が計算されるように式を構築します。
これらの設定を組み合わせることで、kintoneの画面上で「何年何ヶ月」という形式で正確に計算された経過年月を表示できます。
経過年月計算の活用事例
kintoneの標準機能で経過年月を計算する方法は、様々な業務で活用できます。
従業員マスターにおける勤続年数計算 従業員マスターをkintoneで作成する場合、入社日から現在の基準日までの勤続年数を自動で表示できます。
これにより、人事管理の効率化に繋がります。
有給休暇付与における月数計算
勤続6ヶ月で有給休暇を付与するようなルールがある場合、この経過月数計算の仕組みを活用できます。
従業員の勤続月数を正確に把握し、有給休暇の付与タイミングを管理する際に役立ちます。
その他、契約期間や年齢計算への応用
この計算方法は、勤続年数や有給休暇の計算以外にも、契約期間の残期間を算出したり、生年月日から年齢を計算したりすることにも応用できます。汎用的に利用できる計算式です。
経過年月計算をより便利に利用するために
現在の基準日を変更しないと最新の経過年月が表示されない場合があります。
基準日の手動変更が煩わしい場合、当日の日付を自動で取得するプラグインを利用することで、常に最新の経過年月を表示できます。
また、krewDataのようなツールを使用すると、kintoneアプリ上で計算式を組まなくても、krewData上で計算式を組むことで、その日の経過年数を常に同期させ、自動的に更新していく動きも実現できます。
まとめ
kintoneの標準機能のみを使用して経過年月を正確に計算する方法は、多くのkintone利用者が直面する課題を解決します。
有料プラグインやJavaScriptコードを導入することなく、勤続年数、年齢、有給休暇の付与期間など、様々な経過期間の計算をkintone上で実現できます。ご紹介した設定方法を参考に、kintoneアプリでの経過年月管理に役立ててください。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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