kintone(キントーン)構築・伴走会社のペパコミ株式会社で、kintone(キントーン)活用ちゃんねるのハルクです!
ハルク:今回の動画は、セールスフォースとkintone(キントーン)それぞれの強み・弱みについてです。
今回お話頂く木村さんは元々セールスフォースで働いおり、現在はkintone(キントーン)構築ベンダーとして活動されています。
実際ペパコミでもセールスフォースからkintone(キントーン)への移行プロジェクトをやらせて頂いているので、僕個人的な理解でセールスフォースとkintone(キントーン)の違いは理解していますが、実際セールスフォースにも詳しい木村さんにお話し頂いたほうがリアルと思い、呼んでいます。
セールスフォース・kintone(キントーン)どちらが良い悪いではなく、フラットに話を進めていきたいと思いますので、宜しくお願い致します!
木村氏:宜しくお願い致します。
ハルク:経歴を含めた自己紹介をお願いします。
木村氏:木村拓哉と申します。新卒で国内独立系SIer企業に入社し、販売管理会計管理といった基幹システムのフィールドセールスとして従事。その後、セールスフォースドットコム(現セールスフォースジャパン)に転職しCRM・SFAなどのフィールドセールスを行う。
現在、株式会社ヤマコーにてコンサルタントという立場で業務改善・生産性向上を目的としたkintone(キントーン)受託開発業務を行なっております。
ハルク:ありがとうございます!僕はいつも通りキムタクさん呼びします。元々キムタクさんと知り合ったキッカケは共通の知人でしたよね?
木村氏:そうですね。弊社が懇意にさせて頂いている共通の知人からのご紹介で知り合いました。
ハルク:それからお互い懇親させて頂きながら情報交換をさせて頂いているのですが、元々セールスフォースにいらっしゃったので、動画にしたら面白いと思い呼んでいます!
僕が個人的に気になっていることをたくさん聞いていきたいと思います。
kintoneの支援理由
ハルク:元々セールスフォースにいたら、セールスフォースのベンダーとしてやりそうなものですが、kintone(キントーン)の支援をしているのはなぜか?
木村氏:理由は2点あります。
・セールスフォース支援は資格制度含めて弊社のリソース上ハードルが高く、顧客への伴走支援価値の提供が難しい。
・顧客目線で考えた際、kintone(キントーン)は導入障壁が低い(システム構造・コスト面など)ため、より多くの企業への支援が可能である。
セールスフォースの資格制度
ハルク:資格制度とはなんですか?
木村氏:セールスフォース支援を行うためにはセールスフォースからパートナー認定を受ける必要があります。
認定を受ける条件はさまざまあり、ビジネスプラン策定や支援をする製品に準じた特定の認定資格を何名以上取得するなど、結構時間や人員を割かなければならないイメージです。
ハルク:なるほど。kintone(キントーン)と似たような制度があるんですね。ちなみにキムタクさんが思うセールスフォースの強みを教えて下さい。
セールスフォースの強み
木村氏:集客・商談・売上・アップセル・リピートなど、企業のセールス活動に必要な機能が全てワンプラットフォームで完結することができることにより、より迅速かつ高い付加価値のある購買体験を顧客に提供できる点です。
ハルク:ありがとうございます。具体的に掘り下げたいのですが、僕のセールスフォースのイメージは、営業がとても強くて、顧客をスコアリング化できるイメージです。
対象のHPの記事から問い合わせがあった場合はスコア50、それに対してメールが既読になって反応した場合はスコア55のように一つ一つ施策に対してスコアが変動して、スコア70以上を積極的にSFAしていこうというように、多数の見込み客の中から確度を数値化し営業支援をするイメージですが、合っていますか?
木村氏:はい、ご認識の通りです。オンラインを含めた顧客との対面折衝についてはSFAで管理を行い、WEB上での顧客行動についてはMA(Pardot)で管理し、それらを複合的に加味してスコアリングした結果に基づいて確度の高い見込み客をサジェストしてくれるという感じです。
ハルク:ありがとうございます。続いてキムタクさんが感じるセールスフォースの弱みを教えて下さい。
セールスフォースの弱み
木村氏:セールスフォース導入に当たってはある程度「型」の様な考え方があるため、導入企業側にそれを体現するポテンシャルがなければ、上手く価値は発揮されない事が多い事です。
ハルク:「型」というのは具体的にどういうことですか?
木村氏:元々セールスフォース社で勤めておられ、現Japan Cloud社の代表をされている福田康隆さんの「The Model」という著書があるのですが、著書内に書かれている4つの営業プロセスというのがまさにその型かなと考えています。
引用元:https://www.salesforce.com/jp/hub/sales/the-model/
上記の図表がわかりやすいかと思うのですが、WEBや広告での集客活動である”マーケティング”をMAで管理します。
集客した見込み顧客からより多くの案件化の機会創出を”インサイドセールス”が行い、その案件に対して”外勤営業”が提案を行い受注する。
そして導入後のリピートや継続更新のために”カスタマーサクセス”が行い、これらの管理をSFAで行う、というものです。
セールスフォース社自身も、この型に基づいて組織編成がなされており、セールスフォース製品を利用することによりこの型が実現できるように設計されています。
非常に営業効率は高いですし、実際に効果のある型であることは間違いないのですが、実際にスタートアップや中小企業がセールスフォースを使ってこれを実現しようとすると、高い確率で組織の問題が出てきます。
やはりこの型の実現のためには、人員確保と組織再編に注ぐパワーも必要になりますのでそういった意味で導入企業側のポテンシャルが重要になると言えると考えております。
ハルク:なるほど。使いこなすことが出来れば営業面では絶大な効果が発揮するということがよくわかりますが、明確に営業最適化をしたいと強い思いがない企業だと難しそうですね。
kintoneの強み
ハルク:続いてキムタクさんが考えるkintone(キントーン)の強みを教えて下さい。
木村氏:エクセルの延長のような形で寄り添ったシステム設計構築が可能であるため、確実な生産性向上を目指しやすい。
ハルク:セールスフォースで言う型がかなり柔軟性高いから、会社に合わせて使いやすいアプリ構築が出来るというイメージですか?
木村氏:そうですね。誤解を恐れずに伝えるとkintone(キントーン)には「型」が存在しない。言い方が悪いかもしれないですが、製品販売側であるサイボウズが、kintone(キントーン)を提供して、「あとは自由に使ってね」のスタンスでいてくれるので、自社の事業フェーズに応じて身の丈に合ったアプリが作成できます。
kintoneの弱み
ハルク:なるほど!ありがとうございます。では続いてキムタクさんが考えるkintone(キントーン)の弱みを教えて下さい。
木村氏:あまりにもアプリ構築が容易に出来てしまう為、充分な将来設計を考えないまま導入してしまうと、機能連携しない単一のアプリケーションが乱立してしまうことになり、結果的に業務が非効率化してしまうことがある。
ハルク:おそらくキムタクさんが支援していく中での実体験が入っているような気がするのですが、具体的にどういう時に非効率化してしまった事例がありますか?
木村氏:ハルクさんもこれまでの動画でよくおっしゃっておられますが、kintone(キントーン)を使うと一見簡単にアプリ作りができてしまうので、ついついあれもこれも(あの業務もこの業務も)となってしまうことが多いです。そうなると、かえって非効率になったりするケースも多いのです。
例えばSFA構築を行っていて、見積くらいまではkintone(キントーン)でもOKなのですが、その後の請求書までkintone(キントーン)で作りたいとなったりします。
ただ、社内では別で会計ソフトを利用しており、取引先からの入金管理や仕分けデータ作成のために、結局kintone(キントーン)で作った請求書を会計ソフト側にも打ち込まないといけない、など。
ハルク:そうですね。型がない分だけ幅があるわけで、幅がある分だけ逆に使いこなせなくなるというのはkintone(キントーン)あるあるですね。kintone(キントーン)に詳しい人が土台を作ってもらったほうがいい点ですよね。
セールスフォースとkintoneの判断軸
ハルク:せっかくなので総評でお伺いしたいですが、セールスフォースとkintone(キントーン)比較してどういう企業だとこっちがいいとかありますか?
木村氏:使う企業側のポテンシャルにより変わると思います。
期間・コスト・人員共に十分なリソースを割く事が出来る様であればやはりセールスフォースに軍配があがると思いますし、反対に限られたリソースの中で最大限の価値を発揮したい様なスタートアップや中小企業にとってはkintone(キントーン)が適していると思います。
ハルク:リソースを割くというのは、セールスフォースは使いこなせれば効果はでかいけど、使いこなすための社内風土やある程度マンパワー的な要素が求められるから、そこを全社的に取り組むリソースや体力のイメージでしょうか?
木村氏:はい、当たり前の話ですが、どんなシステムでも導入後、利用が定着化しないことには全く意味がありません。
仕事でも趣味でもなんでもそうなんですが、新しく始めてしっかりとこなせる様になるには相応の継続訓練が必要です。従ってマインド面でも、自社の仕組みを根本から改革できる様な意志のある企業に向いているかと思います。
正直、セールスフォースはサクッと簡単に定着化できる代物ではないと思いますが、その代わり頑張って定着化できた暁には高い効果を発揮してくれるのではないかなと思います。
ハルク:セールスフォースって営業をスコアリング化した営業支援なので、例えば月の問い合わせが数件とか数十件レベルだとあまり活用効果ないイメージなんですが、実際どう思いますか?
Saas企業のように月数百件以上問い合わせがある企業だと使いこなすと効果が大きいなど、キムタクさんの考えを教えて下さい。
木村氏:確かにそうですね。セールスフォースはレポートやダッシュボードの機能も充実していますし、Tableauの様なBI領域の製品もファミリーなのでより多くの件数である方が集計した際の活用価値が高くなりそうですね。
ハルク:ちなみにセールスフォースってSFA(営業支援)以外の用途ってあるんですか?例えば有給申請とか、備品管理みたいな営業とは直接関係ない部分ですね。
木村氏:あります!カスタムオブジェクトといって、kintone(キントーン)みたいにイチから項目を作っていける様な機能があるので、ハルクさんがおっしゃられるような有給申請や備品管理などのオブジェクトも作ったりすることができます。
ハルク:そうなんですね!ちなみにセールスフォースからkintone(キントーン)への切り替え相談を受ける時の大半の理由が「使いこなせない」「金額が高い」しかないので、それぞれお聞きしたいです。
セールスフォースを使いこなせない理由
「使いこなせない」というのは先ほどの型があるからだと思うのですが、視聴者さんがイメージ出来るようにどうして使いこなせないということが発生するか教えて頂けますか?
木村氏:これは過去の経験則からの話で、結構多いのが、導入が決定し社内リリース前の設計や構築段階の打ち合わせはしっかりと力を入れて取り組むんですが、リリース後についてはリリースできた安心感や満足感からか力が抜けてしまい、宝の持ち腐れになってしまうパターン。
むしろ重要なことは、リリース後にどれだけ定着化を促進するためのリソースを割けるかということであると考えています。
ハルク:これはセールスフォースに限らず、どのシステムにも言えるところですが、よりセールスフォースはそのハードルが高いというのがよく分かりますね。
では金額についてもお聞きしたいです。セールスフォースの料金体系を教えてください。
セールスフォースの料金体系
木村氏:選定するプロダクトやエディション(kintone(キントーン)でいうところのライトかスタンダードか)によっても大きく変わるんですが、一番スタンダードなSales Cloudライセンスで1ユーザーにつき月額18,000円ですね。
ハルク:kintone(キントーン)と比べるとかなり高額ですね!自由にカスタマイズできないプランだと月3,000円くらいがあるというにわか知識なんですが、そんな感じですか?
木村氏:3,000円のプランもありますね!Lightning Platform StarterといってSales Cloudよりも標準オブジェクトが少ないプランになります。
Salesforceには標準オブジェクトといって、あらかじめ作成されているオブジェクトと、そうでなくイチから作るカスタムオブジェクトがあります。
このカスタムオブジェクトの数量上限にもプランによって差があったりします。
ちなみに3,000円のプランだとカスタムオブジェクトは10個が上限になります。
ハルク:ありがとうございます。イメージ的にはkintone(キントーン)で言うとアプリ10個までが上限のプランだと3,000円/月プランってことですか?
木村氏:そうですね!
全体のまとめ
ハルク:ありがとうございます!そうすると認識違ったら指摘頂きたいんですが、まとめると
セールスフォースはリードが多い(月数百件以上)企業で、営業部隊がいて且つセールスフォースに完全に合わせて業務が出来る会社だと活用メリットが大きい
反対に営業支援だけでなく、それ以外の業務も網羅的に管理したかったりだとkintone(キントーン)というイメージですか?
木村氏:はい。加えてお伝えしますとkintone(キントーン)は自社の業務に沿って構築することへのハードルが高くないので、内製化によってコスト削減したい企業にもおすすめです。
ハルク:ありがとうございます。それでは最後にキムタクさんの会社紹介お願いします!
株式会社ヤマコー紹介
木村氏:会社紹介のお時間をいただきありがとうございます。
私が所属する株式会社ヤマコーではオフィスアドバイザリー事業を行っております。
オフィスアドバイザリー事業では、オフィスにまつわるあらゆるお客様からのご相談をお受けしており、例えば情報システム部が無い会社の情報システム担当者になり変わったり、必要物品の調達をおこなったり、最近では新規事務所開設時のトータルコーディネートなどもおこなったりしています。
基本的にはIT視点の切り口なのですが一口にITと言っても、その情報量は膨大ですので、何が正しくて何が間違っているのか、そう言ったお客様からの疑問や課題に対して、セカンドオピニオン的なアドバイザリーサービスを提供しております。
kintone(キントーン)についてもこのオフィスアドバイザリー事業の一環としておこなっています。
ハルク:ありがとうございます。
今回の動画は、以上とさせていただきます。
これからもkintone(キントーン)で役立つ情報発信していきますのでチャンネル登録お待ちしています。
本日もありがとうございました。
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