kintoneにおける活動履歴の記録とタスクの管理は、日々の業務を円滑に進める上で不可欠な要素です。
特に、顧客対応やプロジェクト進行において、関係者間での情報共有と各自のタスク状況の把握は重要な課題となります。
本稿では、kintoneの活動履歴アプリとタスク管理アプリを連携させ、複数の担当者が関わる業務における個人のタスク管理の明確化を実現する具体的な方法について解説します。
また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。
実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintone上の活動履歴とタスク管理における課題
kintone上で活動履歴とタスクを同時に管理する運用方法では、いくつかの課題が生じます。
顧客との相談内容や会議の議事録を活動履歴アプリに登録する際、その内容に関連する複数の担当者のタスクも同時に登録するケースが多く見られます。
例えば、担当者が活動履歴アプリに記録を入力する際、同席した他の担当者に向けて「見積もり作成」や「契約書送付」などのタスクを設定する運用が行われています。
活動履歴に関する情報と、それに紐づくタスクの情報は同じアプリにまとめられます。
この方法には「自分のタスクがどれだけあるのか分かりづらい」という具体的な課題があります。
活動履歴アプリのテーブル内にタスクを登録した場合、一覧画面からタスクの完了状況を把握することが困難です。
たとえ自分が担当するタスクが完了済みであっても、同じ活動履歴のレコード内に他の担当者の未完了タスクが残っている場合、一覧画面で「未完了のタスク」として絞り込みを行っても、そのレコードが表示されてしまいます。
これにより、自分のタスクが残っているのかどうかを確認するためには、個々の活動履歴レコードを開いて詳細を確認しなければならず、確認に手間がかかる点がデメリットです。
kintoneを活用した課題解決策
前述したタスク管理の課題は、kintoneの機能を活用し、アプリの設計を変更することで解決へと導くことが可能です。
この解決策は、個人のタスクを明確にし、業務効率の向上に貢献します。
タスク管理アプリを独立させる設計
タスク管理の課題を解決するためには、活動履歴アプリとは別に、タスク管理専用のアプリを用意する設計が有効な手段です。
活動履歴アプリに登録されたタスクの情報を、独立したタスク管理アプリへ連携させる仕組みを構築します。
この設計により、一人ひとりのタスクを個別のレコードとして管理できるようになり、自分の担当するタスクのみを効率的に確認する環境が整います。
kintone無料プラグインを活用したタスク連携
活動履歴アプリで登録したテーブル内のタスク情報を、別のタスク管理アプリに連携させる仕組みは、ボタン一つで実行できます。
この連携には「kintoneテーブルデータコピープラグイン」という無料のプラグインの利用が可能です。
このプラグインを活用することで、活動履歴アプリに内容を保存した後、「タスクを登録」ボタンを押すと、テーブルに登録された個々のタスクが、タスク管理アプリへ個別のレコードとしてコピーされます。
ボタンを押した際に、自動的にタスク管理の画面に切り替わるように設定することもでき、スムーズな移行を支援します。
自分専用のタスク一覧表示
タスク管理アプリでは、利用者が自分自身のタスクを容易に把握できるよう、表示方法を工夫します。
具体的には、「マイタスク一覧」のように、自分に割り当てられたタスクのみが表示される一覧画面を初期表示に設定します。
さらに、「未完了タスク」という一覧を別途作成し、自身がまだ完了していないタスクだけをカレンダー形式で表示させます。
この設定により、利用者はカレンダーを確認するだけで、何をすべきか一目で把握することが可能になります。
他の担当者のタスク情報に煩わされることなく、自分の情報にたどり着くことが実現でき、特に中小企業にとって利用しやすい設計です。
項目 | 従来の課題 | 解決策の実施後 |
タスク表示の課題 | 他の人の未完了タスクがある場合、自分の完了済みタスクを含むレコードも一覧に表示されるため、自分のタスク状況が分かりづらい。 | 自分の未完了タスクのみをカレンダー形式で表示でき、何をすべきか一目で分かる。 |
タスク管理の場所 | 活動履歴アプリ内のテーブルに複数人のタスクを登録する。 | 活動履歴アプリから、独立したタスク管理アプリへ各タスクを連携させる。 |
情報確認の手間 | 自分のタスク状況を確認するためには、活動履歴レコードを一つずつ開いて詳細を確認する必要がある。 | タスク管理アプリのカレンダー画面で、自分の未完了タスクだけを確認できるため、手間が減る。 |
タスク連携方法 | (連携機能は存在しない) | 無料プラグイン「kintoneテーブルデータコピープラグイン」を利用し、活動履歴からタスク管理アプリへ自動連携する。 |
kintoneの活動履歴アプリとタスク管理アプリを連携させることで、個人のタスク管理に関する課題を解決できます。
無料のプラグインを活用することで、費用をかけることなくこの連携を実現し、自分自身のタスクを明確に把握することが可能です。
この仕組みは、チーム全体の生産性向上にも貢献し、日々の業務をよりスムーズに進める助けになります。
まとめ
kintoneで活動履歴アプリ内に複数担当者のタスクを登録すると、自分のタスクが分かりにくくなってしまう点が問題です。
自分のタスクが完了済みでも、他の担当者の未完了タスクが残っていると一覧に表示され、個別に確認する手間がかかってしまいます。
しかし、タスク管理専用アプリを独立させると、「タスクのわかりにくさ」を解決できます。
無料プラグイン「kintoneテーブルデータコピープラグイン」を活用し、活動履歴アプリのテーブル内のタスク情報を、ボタン一つでタスク管理アプリへ連携しましょう。
「マイタスク一覧」や「未完了タスク」のカレンダー表示により、自分のタスクのみを効率的に把握でき、業務効率が向上するはずです。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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