自社の業務改善や競争力を高めるのに、デジタル技術の活用は必須です。最近よく聞く「DX」という言葉。IT化と何が違うのでしょうか?意味を理解しないままデジタル技術の活用を進めると、まったく別のゴールにたどり着いてしまうので注意が必要です。
IT化とDX化のそれぞれの定義からDXを推進していくにあたっての課題や成功事例まで、詳しく解説します。
この記事でわかること
- DXとIT化の違い
- DXの実践的な成功事例
- DXとIT化をビジネスに適用する具体的な方法
こんな人におすすめの記事です
- 中小企業の経営者または中間管理職
- デジタル変革に興味があるビジネスリーダーや戦略担当者
- IT専門化や技術コンサルタント
IT化とDX化の違いについて解説!
よく混同されがちな「IT化」と「DX化」。2つの違いの説明を求められると意外と説明できないという方も多いのではないでしょうか。
わたしたちペパコミが運営しているYouTube『kintone活用ちゃんねる』でもその違いを解説していますが、両者の定義を確認していきましょう。
IT化とは?
ITは「インフォメーションテクノロジー」の略称です。IT化とは、業務自体は変わらずに、業務のプロセスが情報技術(IT)によって効率化され、業務改善がはかられることを言います。
例)社員の打刻をタイムカードから社員証(ICカード)の読み取りに切り替える、集計にデジタルツールを使用する、など
DX化とは?
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略称。DX化とは、市場の変化に対応するべく、データを活用して、社会・社内・顧客に対して新しい価値を提供することを言います。誤解されがちな、「システムを使って業務効率を上げること」、これはDXではありません。
DX化は「新しい価値を提供すること」、IT化は「データ収集の手段」
IT化とDX化の違いは、視点が社内に向いているか(IT化)、顧客に向いているか(DX化)にあります。
IT化によって集めたデータをDX化のため活用する、というように、IT化の先にあるものがDX化というわけです。IT化はDX化のための手段にすぎません。顧客エンゲージメントを高め、新しい価値を提供することがDXの目的なのです。
DX推進のステップと具体的な事例
IT化とDX化の違いを理解したところで、DXを推進するためのステップと事例を見ていきましょう。
DX推進の3つのステップ
DX推進担当を任命された場合には、次の3つの順で着手するべきと私たちペパコミでは考えています。
1.会社としてのDXの定義づけ
まずは、自社におけるDXの定義を上層部としっかり認識を合わせる必要があります。これを怠ると、段階的に行なわれるべきDX化がただただ急かされてしまい、次に進むことができなくなるからです。
2.データを集める仕組みを作る(IT化)
データを集めただけでは「IT化」で終わってしまいます。何のためにどのようにデータを収集するのか、仕組みを作ることが大切です。
3.集めたデータを活用して、新たなサービス・価値を創造する(DX化)
集めたデータを活用して新しい価値を創造するのがDXの目的です。「自社の業界ではどういうところに新サービスの介在価値があるのか」など、仮説を立てて進めることを意識するのが重要です。
社会・顧客に対するDX事例
DXについてイメージしやすくするために、1つ事例を紹介します。
不動産仲介会社の株式会社スペースリー社では、顧客のニーズを知るためにIT化の一環でシステムを導入しました。
集まったデータを分析した結果、顧客は内覧のため現地に赴くことが面倒に感じているという事実を知ります。その結果、自宅にいながらでも内覧ができる360°パノラマVR『スペースリー』を開発し、自社・顧客共に効率化を実現することができました。
社内におけるDX事例
導入するシステムが現場で使いやすいものであるほど、社内から派生して社外の現場を巻き込んだ、一部DX化が図られる場合があります。
たとえば建設会社を例にとると、「システムへの入力業務が手間で現場の拘束時間が長くなる」という事例をよく聞きます。
社内からその声を改善案としてシステムに取り入れ、さらには「外部の協力会社もシステムの入力内容を閲覧・編集できるようにすると良いのでは」と新たな案が発生し、より良い業務プロセスが生まれるケースもあります。
システムを有効活用することで業務が効率化され、新たな価値がうまれるという「一部DX化」が進むという例もあるのです。
DX推進における課題はなに?
それでは次に、DXの推進を阻む課題について、どんなものがあるのか見ていきましょう。
DX化・IT化を担う人材不足
「DX化・IT化を進めたいけれど適切な人材がいない」というケースは多く見られます。
デジタル技術やITの知識に精通した人材を社内で確保できない場合、新たに採用しなければならない場合もあるでしょう。
立ちはだかる「人材不足」の高い壁は、DX化・IT化で直面する大きな課題です。
出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構『中小企業のDX推進に関する調査』(令和4年5月)
DX化のための資金
DX化を進めるには既存業務のIT化が欠かせません。そのためには新たなシステム開発やソフトウェアを導入しなければならない場合もあるため、十分な資金が無いと計画が思うようにいかず、DX化に失敗してしまう恐れがあります。
コストを抑えることも大切ですが、中長期的な視点を持って、必要な資金は確保するようにしましょう。
既存システムの変更や新規システムへの移管が困難
DX化にあたり、既存システムがネックとなるケースがあります。長期に及ぶ既存システムの利用によって、中身が肥大化・複雑化しブラックボックス状態になっている場合です。
DX化のために、既存システムが果たしていた役割や機能を把握するところから始め、段階的に進めることが大切です。
DX化する目的が不明確
DX化のゴールは「自社の競争優位性を確立すること」です。間違ったゴールにたどり着かないために、DX化の成功とはどのような状態であり、その先に描く将来像はどうなっているのかを具体的に把握しながら進めましょう。
正しく明確な目的把握には、担当者レベルで考えるのではなく経営層へのコミットも大切です。コミュニケーションを取りながらDXを推進しましょう。
kintoneがDX推進における導入システムに向いている理由
DXにおける課題を乗り越えるのに有力なシステムとして、サイボウズ社が提供しているクラウドツール『kintone』があります。kintoneがDX推進のシステムに向いている理由は、以下の通りです。
理由①:プログラミング不要のノーコードシステム
kintoneは感覚的に操作することができるメリットがあります。必要な項目を画面上でドラッグ&ドロップするだけで簡単に業務アプリの作成が可能です。
ノーコードツールなのでエンジニアに頼る必要が無く、システム担当のアサインのハードルも下がり、人材確保の面でもメリットがあります。
理由②:さまざまな業務にあわせてカスタマイズできる柔軟性と拡張性
kintoneは自社の業務に合わせて柔軟かつスピーディにカスタマイズができるのも特長の一つです。
JavaScriptやAPIを活用すると、基幹システムや外部システムとの連携も可能になります。さらに拡張性の高いシステム運用ができ、使い勝手もアップします。
理由③:導入・運用コストを抑えられる
システム導入には何かとコストがかさむものですが、kintoneは初期費用無料、ユーザー単位で1か月ごとに契約更新ができるので、導入や運用にかかるコストを抑えられ安心です。
月ごとに必要なユーザーだけにライセンスを付与できるので、無駄なライセンス費用の発生を防ぐことができます。
理由④:伴走パートナーの存在
「新しいシステムを導入したものの、どのように活用していけば良いのかわからない」という声は、DX推進担当者からよく聞かれます。
導入したシステムに伴走パートナーがいるかどうかは、長期的なシステム運用において重要なポイントです。特にシステム運用を内製化する場合、技術的な支援だけでなく自社だけでは見えない課題や提案について客観的なプロのアドバイスを受けられる点は心強いでしょう。
わたしたちペパコミは、伴走パートナーとして様々な業界でkintoneを活用したDX推進を支援してきました。伴走支援させて頂いたkintone導入事例も紹介しています。まずは無料相談から、お悩みをお聞かせください。
まとめ | DX化とIT化の違いを理解し、kintoneを活用して新たな価値を提供しよう!
DX化のポイントはデータを活用して新たな価値を提供することです。自社の特長や状況に合わせて柔軟にカスタマイズしやすいkintoneは、変化の激しい現代ではDX化に活躍する有力なシステムとなるでしょう。
kintoneを活用して進めるDXについて気になる方は、お気軽にペパコミまでご相談ください。
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