「ノーコードツールを使うデメリットとは?」
「ノーコードツールを上手く活用する方法が知りたい」
本記事を読んでいる担当者様の中には、このような悩みを抱えている方もいるでしょう。
プログラミング不要でアプリ開発ができるノーコードは便利ですが、導入には注意点もあります。デメリットを理解せずに進めると、運用後にトラブルが発生したり、現場が混乱したりする可能性があります。
本記事では、ノーコードツールのデメリットや導入に適さないケース、そして失敗を防ぐための活用ポイントを解説します。
なお、ノーコードツールの導入を検討しているなら「ペパコミ株式会社」へご相談ください。貴社の課題に合わせた最適な運用方法をご提案します。
ノーコードツールを使う3つのデメリット

ノーコードツールは専門知識がなくてもアプリを作成できる反面、自由度や管理面での課題も抱えています。導入前に以下の3つのデメリットを把握しておくことが大切です。
- カスタマイズ性が低い
- 似たようなアプリが増えやすい
- セキュリティリスクが高い
これらの点を理解しておかないと、業務効率化どころか、かえって手間が増える結果になりかねません。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
カスタマイズ性が低い
ノーコードはあらかじめ用意された標準機能を組み合わせて開発するため、独自の仕様や複雑な処理を求めると、機能の限界に直面しやすくなります。
例えば、高度な自動化や特殊な計算処理が必要になった場合、標準機能だけでは対応しきれないケースがあります。その結果、ローコード開発への切り替えや外部システムの追加導入が必要になり、想定外の追加コストが発生するため注意が必要です。
また一つのアプリに機能を詰め込みすぎると、動作が重くなるなどパフォーマンス面での問題が生じます。画面の表示速度が低下すれば、日々の業務に支障をきたし、長期的な運用が難しくなる恐れもあります。
似たようなアプリが増えやすい
誰でも手軽に作成できる反面、部署ごとに似たようなアプリが乱立しやすいデメリットがあります。
同じような機能をもつアプリが複数存在すると、従業員は「どれを使えばいいのかわからない」と混乱してしまいます。また、作成者ごとにデータの命名ルールや保存形式がバラバラだと、後からデータを統合しようとした際に、修正作業に多大な負担がかかります。
さらに個人管理のアプリが増えると、担当者が退職した際に引き継ぎがうまくいかず、中身がわからない「ブラックボックス化」の状態に陥ります。保守ができなくなると、業務停止のリスクにもつながるため、管理体制の構築が不可欠です。
セキュリティリスクが高い
ノーコードツールを導入する際、適切な権限設定が行われていないと、見せてはいけない個人情報や機密情報が閲覧されてしまうリスクがあります。
IT部門が関知しないところで現場が勝手にアプリを作る「シャドーIT」が起きやすく、情報漏えいの原因になりかねません。また、データ管理のルールが統一されていないと、誤操作によるデータ削除や不整合が増え、運用トラブルの発生率が高まります。
加えて、バックアップや誰がいつ何を操作したかの記録の仕組みを整えていない企業も少なくありません。万が一データが消失した場合、復旧が困難になる恐れがあるため、導入時にセキュリティ対策を万全にする必要があります。
ノーコードツールの導入に適していないケース

すべての業務にノーコードが適しているわけではありません。要件によっては、ゼロからプログラミングする開発の方が向いている場合もあります。
ここでは、特にノーコード導入に適していない2つのケースを紹介します。
- 実務フローが複雑な場合
- 大規模組織で部署が多い場合
自社の業務がこれらに当てはまらないか確認しましょう。
業務フローが複雑な場合
承認ルートが何段階にも分かれていたり、条件によって処理が分岐したりする業務では、ノーコードの標準機能だけでは対応しきれないことがあります。
重要な要件が細かすぎると、一つのアプリで完結できず、複数のアプリを連携させる必要が出てきます。その結果、アプリの数が膨大になり、システム全体の設計が複雑化しやすいです。
不足している機能を補うために、無理やり外部ツールと連携させたり、一部だけプログラムを書いたりすると、管理工数が増大します。「手軽に作れる」というノーコード本来のメリットが失われてしまうため、複雑な業務への適用は慎重な判断が必要です。
大規模組織で部署が多い場合
従業員数が多い大企業などで、部署や各拠点が自由にアプリを作成してしまうと、全社的な方針が統一されず、データ構造がバラバラになる問題が発生します。
後からデータを連携させようとしても、形式が異なるためスムーズにいきません。特に大企業では、アクセス権限やデータ管理のルールが厳しく設定されていることが多いです。現場主導のノーコード運用がセキュリティポリシーに抵触し、トラブルの原因になることがあります。
部署間の調整頻度が高く、管理体制が統一されていない状態で導入すると、アプリの乱立が加速します。結果的に、どのデータが正なのかわからなくなり、組織全体に非効率を生むケースがあるため注意が必要です。
ノーコードツールを上手く活用する4つのポイント

デメリットやリスクを回避し、ノーコードの恩恵を最大限に受けるためには、運用の工夫が必要です。
ここでは、ノーコードツールを上手く活用するための4つのポイントを紹介します。
- アプリ作成ルールを統一する
- 定期的にアプリの改善を行う
- ローコードツールも活用する
- プラグインを導入する
上記を実践することで、長期的に安定した運用が可能になります。それぞれの詳細を見ていきましょう。
アプリ作成ルールを統一する
導入初期の段階で、アプリの作成や運用に関する基準を明確に決めておくことが大切です。
具体的には、「どのような業務で利用するか」「データの命名規則はどうするか」「公開前の承認フローはどうするか」などを定めます。ルールを文書化して共有することで、誰が作っても一定の品質が保たれたアプリができ、長期的な運用が持続しやすいです。
また、作成の手順を標準化しておくと、担当者が変更になった際の引き継ぎもスムーズに行えます。属人化を防ぎ、アプリがブラックボックス化するリスクを未然に防止できるでしょう。
定期的にアプリの改善を行う
アプリは一度作って終わりではありません。リリース後に実際に利用している現場の声を集め、使いにくい点を改善し続けることが大切です。
利用者のフィードバックを反映させることで、現場に定着しやすくなり「使いづらいから使われない」という事態を回避できます。また、定期的にメンテナンスを行うことでデータの整合性が保たれ、長期的に安定した運用が可能です。
改善を行った際は、その履歴を残しておきましょう。なぜその変更を加えたのかがわかれば、業務内容が変化した際にも柔軟に対応でき、継続的に業務効率化を強化できます。
ローコードツールも活用する
ノーコードだけですべてを実現しようとせず、必要に応じて「ローコードツール」の要素を取り入れるのも有効な手段です。
ノーコードでは実現できない高度な処理や複雑な要件がある場合、一部だけJavaScriptなどのプログラミング言語や外部連携「API」を使って補完します。これにより、ノーコードの手軽さと、開発の柔軟性を両立させられます。
基本機能はノーコードで作り、こだわりたい部分だけローコードを使う「ハイブリッド運用」を行うことで、開発コストを抑えつつ現場の要望に合ったシステム開発が可能です。
プラグインを導入する
多くのノーコードツールには、機能を拡張するための「プラグイン」が用意されています。プラグインを使うことで、標準機能では難しい要件も簡単に実現可能です。
帳票の自動出力や、カレンダーの表示形式変更、高度な検索機能などの追加も簡単に追加できます。プラグインの導入は、基本的にボタン操作や簡単な設定だけで行えるため、プログラミングの専門知識がなくても機能を拡張できるのが強みです。
ただし、便利だからといって導入しすぎると管理が複雑になります。定期的に利用状況を棚卸を行い、本当に必要なものだけを残すことで、シンプルで安定した運用が可能になります。
導入しやすいノーコードツール3選

幅広いジャンルのノーコードツールがありますが、それぞれ得意な領域が異なるため、自社の目的に合ったツールを選ぶことが大切です。
ここでは、初心者でも導入しやすく、機能性にも優れた3つのツールを紹介します。
- kintone(キントーン)|プラグインやAPI連携にも対応
- Notion(ノーション)|データベースを直感的に作成可能
- Airtable(エアテーブル)|スプレッドシートと同じ形式で管理可能
それぞれの特徴を解説します。
kintone(キントーン)|プラグインやAPI連携にも対応

kintoneは、業務に必要なアプリをノーコードで簡単に構築できるクラウドサービスです。顧客管理や案件管理、交通費申請など、あらゆる業務のデータ管理・承認フロー・自動化までを集約できます。
最大の特徴は、拡張性の高さです。豊富なプラグインやAPI連携機能を備えており、ノーコードでの構築範囲を超える複雑な要件にも柔軟に対応できます。
現場の担当者が主導で改善できる点が評価されており、中小企業から大企業まで幅広く導入されています。
なお、kintoneがどのようなツールなのかは下記記事で詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。
関連記事:kintone(キントーン)とは?できること・できないこと、特徴を徹底解説
Notion(ノーション)|データベースを直感的に作成可能

Notionは、メモやドキュメント作成、タスク管理、データベース機能を一つのワークスペースで統合できるツールです。個人利用からチームでのプロジェクト管理まで、幅広く活用されています。
カレンダー表示やタスクをカード形式で管理する画面など、直感的にデータ管理ができ、情報の共有や整理がしやすいです。
外部の自動化ツールとの連携にも対応しており、ノーコードでの簡易的なワークフロー構築にも適しています。
Airtable(エアテーブル)|スプレッドシートと同じ形式で管理可能

Airtableは、ExcelやGoogleスプレッドシートのような使いやすさと、複数のデータを関連付けて管理する機能を兼ね備えたノーコードツールです。
カレンダー形式やフォーム入力形式など、用途に合わせて柔軟に表示画面を切り替えられるため、チームの作業管理が効率化しやすいのが特徴です。
外部サービスとの連携機能も豊富で、プロジェクト管理やマーケティング業務、顧客リストの管理など、幅広い業務に対応できます。
ノーコードツールの導入を検討しているなら「ペパコミ株式会社」へご相談ください

ノーコードツールには、カスタマイズ性の低さや似たようなアプリの乱立、セキュリティリスクが高いなどのデメリットがあります。
また、要件が細かすぎる業務に適用すると、アプリを大量に作る必要が出て統合が難しくなり、全体設計が崩れやすいという問題も起こり得ます。
デメリットを解消するためには、ガイドラインを文書化して共有し、誰が作っても同じ品質のアプリができるよう体制を整えることが大切です。またプラグインを使うことで、自動化など標準機能では難しい要件も簡単に実現できるでしょう。
もし、ノーコードツールの導入を検討しているなら「ペパコミ株式会社」へご相談ください。豊富な支援実績をもとに、貴社の業務に合った最適なツール選定と運用ルールをご提案します。













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