「チームのタスク状況が把握できず困っている」
「Excelでタスク管理表を作成する方法を知りたい」
日々業務を進める中で、上記のお悩みを抱えている方も多いでしょう。
適切なタスク管理は、プロジェクトの遅延を防ぎ、チーム全体の生産性を高めるために欠かせません。
本記事では、基本となる管理表の作り方から、視覚的に分かりやすいガントチャートの作成手順、業務効率を劇的に向上させる便利機能まで解説します。
なお、ペパコミ株式会社では「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、以下からお気軽にご相談ください。
Excelでタスク管理表を作成する方法【4STEP】

基本的な管理表の作り方を以下の4つのステップで解説します。
- タスク管理に必要な項目を設定する
- タスクを洗い出して優先順位を整理する
- プルダウンでステータス管理を設定する
- 条件付き書式で状況を可視化する
Excelで使いやすいタスク管理表を作成するには、正しい手順で土台を作ることが重要です。いきなり入力を始めるのではなく、必要な項目やルールを決めておくときれいに仕上がります。
1.タスク管理に必要な項目を設定する
まずは、管理表の列(横軸)にあたる項目を決定します。どのような業務でも共通して必要となる基本項目は、以下のとおりです。
- タスク名(具体的な作業内容)
- 担当者(誰がやるのか)
- 期限(いつまでにやるのか)
- ステータス(進捗状況)
- 優先度(重要度や緊急度)
上記の項目を1行目に入力し、見出しとして設定します。さらに、業務内容に応じて「進捗率」や「備考」、「開始日」などの項目を追加すると、より詳細な管理が可能になります。
ポイントは、重要度が高い項目を左側に配置することです。人間は左から右へ文字を読むため、タスク名や期限など、パッと見て把握したい情報を左側に寄せておくと、視認性が向上します。
2.タスクを洗い出して優先順位を整理する
管理表の枠ができたら、実際にタスクを洗い出して入力していきます。
タスクの洗い出しで大切なのは、プロジェクトのゴールを明確にしてから、必要な作業をすべて書き出すことです。抜け漏れがあると、後工程でトラブルになる原因となります。
すべてのタスクを書き出したら、それぞれの「期日」と「所要時間」を見積もり、スケジュールに落とし込んでください。そして、「緊急度」と「重要度」を基準にして優先順位を決めます。
優先順位が決まっていれば、複数のタスクが重なった場合でも、どの作業から着手すべきか迷わずに済みます。チーム全体で優先順位の基準を共有しておくと、連携もスムーズになるためおすすめです。
3.プルダウンでステータス管理を設定する
進捗状況(ステータス)の入力には、プルダウンリスト(ドロップダウンリスト)を活用します。
担当者が自由に手入力をしてしまうと、「着手中」「作業中」「やりかけ」など表記がバラバラになり、集計や確認がむずかしくなりがちです。
Excelの「データの入力規則」機能を使えば、セルに入力できる値をあらかじめ作成したリストから選択するように制限可能です。選択肢を以下の3つ程度に統一しておくとよいでしょう。
- 未着手
- 進行中
- 完了
選択肢を限定すると、入力の手間が省けるだけでなく、データの一貫性が保たれます。
4.条件付き書式で状況を可視化する
仕上げに「条件付き書式」を設定して、表を見やすく装飾します。
条件付き書式とは、セルの値に応じて自動的に文字色や背景色を変える機能です。例えば、ステータスが「完了」になったら行全体をグレーにする、「進行中」なら黄色にするなどのルールを設定します。
色がつくことで、直感的に状況を把握できるようになります。特に設定しておきたいのが、期限切れや期限が近いタスクへの警告色です。
「期限が今日以前」かつ「ステータスが完了ではない」場合にセルを赤くする設定をしておけば、対応が必要なタスクが一目瞭然になります。
Excelでガントチャート式のタスク管理表を作る方法【3STEP】

ガントチャートを作る手順を以下の3つに分けて解説します。
- タスク名・担当者・期間の項目を設定する
- 横軸に日付を配置してレイアウトを整える
- 条件付き書式でタスク期間を自動で色分けする
プロジェクト全体の流れを把握するには、リスト形式だけでなく「ガントチャート形式」の管理表も有効です。ガントチャートとは、横軸に日付を取り、作業期間を棒グラフのように表したものです。
1.タスク名・担当者・期間の項目を設定する
ガントチャートを作る際も、まずは必要な項目を左側の列に配置します。
最低限必要なのは「タスク名」と「担当者」です。また、ガントチャート独自の要素として「開始日」と「終了日(期限)」の列を追加してください。2つの日付が、バー(棒グラフ)を表示するための基準となります。
担当者の入力には、先ほど紹介したプルダウンリストを活用するのがおすすめです。名前の入力ミスや表記揺れがなくなれば、後から特定のタスクだけを表示する「フィルタリング操作」もしやすくなります。
2.横軸に日付を配置してレイアウトを整える
次に、表の右側部分にカレンダーを作成します。
項目の右横のセルに、プロジェクトの開始日から終了予定日まで、連続した日付を横一列に入力してください。オートフィル機能を使えば、ドラッグするだけで簡単に日付を連続入力できます。
日付が入ったら、列の幅を狭めて全体が見えるように調整します。また、「月」や「曜日」の表示形式を変更して、スペースを有効活用しましょう。
さらに視認性を高めるために、土日や祝日の列には色を付けておくのがポイントです。稼働日と非稼働日が明確に区別されていれば、無理のないスケジュールを立てるのに役立ちます。
3.条件付き書式でタスク期間を自動で色分けする
最後に、入力した「開始日」から「終了日」までの期間のセルが、自動的に塗りつぶされるように設定します。
色分けの設定を行う際も「条件付き書式」の数式機能を使用します。「カレンダーの日付が開始日以上、かつ終了日以下の場合」と条件式を組みましょう。
条件式を組んでおくと、開始日と終了日を入力するだけで、該当する期間のセルに色が付き、バーとして表示されます。日付を変更すればバーの位置も自動で移動するため、手動でセルを塗りつぶして修正する手間はかかりません。
進捗状況が視覚的に表現されるため、プロジェクト全体のスケジュール感が誰でも瞬時に理解できるようになります。
タスク管理を効率化するExcelの便利機能5選

タスク管理を効率化するExcelの便利機能は以下の5つです。
- フィルター|必要なタスクだけを抽出する
- 条件付き書式|期限切れタスクを自動で強調表示する
- COUNTIF|未完了タスク数を自動集計する
- チェックボックス|完了状況を一目で把握する
- ウィンドウ枠固定|大量タスクも見やすく管理する
Excelには、タスク管理をより快適にする機能がたくさん搭載されています。便利機能を知っているかどうかで、管理にかかる時間が変わります。
フィルター|必要なタスクだけを抽出する
「フィルター」機能は、大量のデータの中から特定の条件に合うものだけを表示させる機能です。
例えば、「担当者」で絞り込めば自分のタスクだけを確認でき、「優先度」で絞り込めばすぐに着手すべき作業が分かります。また、複数の条件を組み合わせて「Aさんの」「未完了の」「重要度が高い」タスクを抽出するのも簡単です。
フィルターを設定しても元のデータが消えるわけではありません。必要な情報を素早く見つけて作業を効率化するために、見出し行にはフィルターを設定しておきましょう。
条件付き書式|期限切れタスクを自動で強調表示する
「条件付き書式」は色を変えるだけでなく、リスク管理にも役立ちます。
特におすすめなのが、期日が過ぎてしまったタスクを自動的に赤色で塗りつぶす設定です。Excelの関数である「TODAY関数(今日の日付を取得する関数)」と組み合わせて、「日付が今日より前」かつ「ステータスが未完了」の条件を設定します。
上記の条件を設定すると、毎日ファイルを開くたびに、遅れているタスクが赤く強調されます。意図せず見落としてしまうリスクを減らせるため、忙しいプロジェクトほど導入すべき機能です。
COUNTIF|未完了タスク数を自動集計する

「COUNTIF関数」を使えば、特定の条件に一致するセルの数を自動でカウントできます。
COUNTIF関数を活用して、「未着手」や「進行中」のタスクがいくつあるかを自動集計し、表の上部に表示させておくと便利です。今の作業ボリュームが数字として可視化されるため、チーム全体の負荷状況を把握しやすくなります。
また、担当者ごとの未完了タスク数を算出すれば、誰に負荷が偏っているかも分かります。特定のメンバーだけ忙しそうな場合はタスクを分担して、早めの対策が打てるでしょう。
チェックボックス|完了状況を一目で把握する
ステータスをプルダウンで選ぶのが手間に感じる場合は、「チェックボックス」を導入するのも一つの手です。
「開発」タブからフォームコントロールのチェックボックスを挿入すれば、クリック一つでチェックのオン・オフを切り替えられます。完了したかどうかが視覚的に分かりやすく、入力作業も簡単になるため、シンプルなToDoリスト形式の管理表に向いています。
また、チェックボックスの状態(TRUE/FALSE)をセルとリンクさせれば、関数を使って「チェックが入った数」を集計することも可能です。
ウィンドウ枠固定|大量タスクも見やすく管理する
タスクの数が増えてくると、下にスクロールした際に見出し行が見えなくなってしまい、列の項目がわからなくなることがあります。
見出し行が見えなくなるのを防ぐのが「ウィンドウ枠の固定」機能です。見出し行を常に表示したまま、データ部分だけをスクロールできるようになります。
また、ウィンドウ枠の固定は縦方向だけでなく、横方向にも設定できます。タスク名や担当者の列を固定しておけば、右側のカレンダー部分をスクロールしても、誰の何のタスクなのかを見失いません。
Excelでタスク管理を行う3つのメリット

Excelでタスク管理を行うメリットは、以下の3つです。
- 追加コストなしですぐに始められる
- 自由にカスタマイズできる
- 多くの人が操作に慣れている
タスク管理ツールは多数が存在しますが、Excelが選ばれ続けるには理由があります。
追加コストなしですぐに始められる
Excelでタスク管理を行うメリットは、費用のハードルが低いことです。
多くの企業ではすでに業務でMicrosoft Officeを使用しているため、Excelを利用するための追加ライセンス費用がかかりません。専用のタスク管理ツールを導入する場合、契約手続きや予算申請が必要になりますが、Excelならすぐに始められます。
また、インターネット上には無料で使える優秀なテンプレートが数多く公開されています。テンプレートをダウンロードすれば、一から作る手間さえかけずに、初期投資ゼロで管理体制を整えられます。
自由にカスタマイズできる
Excelは、自社の業務フローに合わせて柔軟にアレンジできる点も強みです。
専用ツールの場合、項目の追加や画面のレイアウト変更に制限があることが少なくありません。しかしExcelであれば、列を増やす、計算式を入れる、色を変えると、思い通りの管理表を作れます。
「もっとこうしたい」と思ったときに、条件付き書式や関数を使ってすぐに改善できるため、現場の状況に応じた最適な管理方法を追求できます。既存のテンプレートをベースにして、自社独自のアレンジを加えるのも簡単です。
多くの人が操作に慣れている
新しいツールを導入する際に壁となるのが、「使い方を覚えるコスト」です。
Excelであれば、多くのビジネスパーソンが基本的な操作を習得しています。入力方法や保存方法を一から教える必要がないため、教育コストをかけずに運用を開始できます。
また、操作方法で分からないことがあっても、社内の詳しい人に聞いたり、ネットで検索したりすればすぐに解決策が見つかるでしょう。誰もが使い慣れているツールだからこそ、導入の抵抗感が少なく、スムーズに運用を始められます。
なお、Excelを活用すれば進捗管理表も作成可能です。以下の記事では管理表の作成方法や効率的な運用方法を解説しているので参考にしてください。
関連記事:Excelでの進捗管理のメリットは?管理表の作成方法や効率化の3つの工夫を解説
Excelでタスク管理する際の3つの課題

Excelでタスク管理する際の3つの課題は、以下のとおりです。
- 通知・リマインダーがなくタスク漏れが発生しやすい
- ファイルのバージョン管理が難しく最新版がわからなくなる
- 運用が定着せず更新が滞りやすい
手軽で便利なExcelですが、万能ではありません。チームの規模やプロジェクトの複雑さによっては、Excel管理の限界に直面することがあります。
通知・リマインダーがなくタスク漏れが発生しやすい
Excelには、期限が迫ったときに自動で知らせてくれる通知機能が標準ではありません。
そのため、担当者が自分からファイルを開いて確認しない限り、タスクの存在に気付かない可能性があります。条件付き書式で色を変えられますが、ファイルを開いていない状態では警告に気付けないでしょう。
リマインダー機能を実装するには、マクロ(VBA)などの専門的な知識が必要となり、設定の手間がかかります。確認作業を忘れると、そのままタスク漏れや納期遅延につながるリスクがある点は注意が必要です。
ファイルのバージョン管理が難しく最新版がわからなくなる
Excelファイルを共有サーバーなどで管理していると、最新のファイルがわからなくなる問題が頻発します。
複数人が個別に編集して別名で保存したり、メールでファイルを送り合ったりすると、「管理表_最新.xlsx」「管理表_確定版.xlsx」など、似たようなファイルが乱立してしまいがちです。
ファイル名に日付や版数をつけて管理するルールを決めても、全員に遵守してもらうのは容易ではなく、管理の手間が増えて運用負荷が高まる原因になります。
運用が定着せず更新が滞りやすい
Excel管理表の更新が後回しにされ、形骸化してしまうケースも少なくありません。
Excelはあくまで表計算ソフトであり、入力作業そのものを楽にする機能には限りがあります。忙しい業務の合間にExcelを開き、手動でステータスを更新するのは面倒なものです。
また、更新ルールが曖昧だと、担当者によって入力頻度や内容の細かさにバラつきが出ます。結果的に情報が古いまま放置され、「見ても意味がない表」になってしまいます。
チーム内の混乱を招き、最終的に管理表が使われなくなる可能性も否定できません。
Excelでのタスク管理に限界を感じたら「kintone」がおすすめ

チームの規模が大きくなったり、タスクの数が膨大になったりすると、Excelでの管理に不便を感じることがあります。効率的かつ簡単にタスク管理を行いたい場合は、「kintone」の導入を検討しましょう。
kintoneは、クラウドベースで管理するため、場所を選ばずにリアルタイムでの情報共有が可能です。チーム全員が常に最新のデータにアクセスでき、複数人で同時に編集を行ってもファイルが競合しません。
また、通知機能やコメント機能によるコミュニケーションの円滑化が挙げられます。期限が近づくと自動で担当者に通知が届くため、タスクの抜け漏れを防げます。
さらに、ノーコードでアプリを作成できるため、プログラミングの知識がなくても柔軟にカスタマイズが可能です。Excelのように、現場の業務フローに合わせて項目を追加したり、レイアウトを変更したりと、自由に運用を改善できます。
なお、kintoneがどのようなツールなのかは下記記事で詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。
関連記事:kintone(キントーン)とは?できること・できないこと、特徴を徹底解説
kintoneでタスク管理を効率化するなら「ペパコミ株式会社」にご相談ください

Excelは、追加のライセンスコストが不要で、自社のルールに合わせて自由にカスタマイズできるため、手軽にタスク管理を始めるのに最適です。
しかし、チームで運用する場合には、通知機能がないためにタスク漏れが起きたり、ファイルのバージョン管理が複雑になったりと、限界を感じる場面も少なくありません。
もし、現在のExcel管理に課題を感じているのであれば、リアルタイムな情報共有や通知機能をなど備えた「kintone」の導入を検討してみてください。kintoneなら、Excelの悩みを解消し、チーム全体の生産性をさらに高められます。
ペパコミ株式会社では「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、以下からお気軽にご相談ください。













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