Excelでの日報の作り方は?メリット・デメリットや運用時の4つのポイントを解説

Excelでの日報の作り方は?メリット・デメリットや運用時の4つのポイントを解説
小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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「Excelで日報を作成する方法が知りたい」

「Excelで日報を作成するメリット・デメリットが知りたい」

本記事を読んでいる方の中には、このような悩みを抱えている方もいるでしょう。

Excelは多くの企業で導入されており、手軽に日報を作成できる便利なツールです。しかし、適切な手順でフォーマットを作らなければ、運用が形骸化したり、過去のデータを活かせなかったりと、かえって業務効率を下げる原因にもなりかねません。

本記事では、Excelでの日報の作り方を6つの手順で詳しく解説します。Excelで運用するメリット・デメリットや、効率的に運用するための4つのポイントもまとめました。

なお、Excelよりもさらに効率的な日報管理を目指すなら、ノーコードツール「kintone」の活用がおすすめです。

kintoneの日報活用に関するお悩みは、ペパコミ株式会社にご相談ください。kintoneのカスタマイズに詳しいエンジニアが、貴社の業務に合わせたご提案をいたします。

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目次

Excelでの日報の作り方【6STEP】

Excelでの日報の作り方【6STEP】

Excelを使えば、特別なツールを導入せずとも、以下の手順に沿って進めるだけで実用的な日報フォーマットを作成できます。

Excelで日報を作成する手順は以下の通りです。

  1. 記載する項目を決める
  2. 新規ブックを作成する
  3. シートに見出し項目を入力する
  4. 書式設定で体裁を整える
  5. 入力規則を設定する
  6. ファイル名を設定して保存する

各工程を詳しく見ていきましょう。

1.記載する項目を決める

日報は、作成前に記載項目を洗い出しましょう。目的を明確にし、必要情報を整理しておくことが大切です。

業務内容や開始・終了時刻に加え、商談状況や進捗コメントなど部門別の必須項目を挙げます。営業は訪問件数と成約数、開発は進捗率と課題共有を中心に入れましょう。

項目を詰め込みすぎると入力負担が増えるため、目的に応じて取捨選択してください。現場の意見も取り入れ、迷わず入力できる形に整え、使いやすさを保つことが大切です。

2.新規ブックを作成する

項目が決まったら、Excelを起動し、日報用の新しいブックを作成しましょう。既存ファイルを流用すると不要な設定が残る場合があるため、新規作成から始めたほうが安心です。

空白のブックを用意するだけでなく、今後の運用を想定した初期設定も整えておきましょう。シート名を「yyyy_mm_dd」形式にする、フォントを見やすく統一するなど、ルール化しておくと管理しやすくなります。

チームで共通利用するため、原本となるブックを1つに定め、ひな形として上書きされない管理方法も検討してください。

3.シートに見出し項目を入力する

3.シートに見出し項目を入力する

新規ブックを作成したら、シートの1行目に日報の見出し項目を入力しましょう。データを一覧で管理しやすくするため、項目はシート上部に横並びで配置してください。

一般的に必要となる項目には、主に以下があります。

  • 日付
  • 氏名
  • 部署
  • 作業時間
  • 作業内容
  • 進捗
  • 課題
  • 改善案
  • 成果
  • 連絡事項

見出しの順番を揃え、入力者が左から右へ迷わず記入できる流れを整えてください。

「開始時間」「終了時間」のように具体的な名称を使うと、入力漏れや認識間違いを防げます。入力後はセル幅や行高を調整し、枠線や背景色で見やすく整えましょう。

4.書式設定で体裁を整える

見出しを入力したら、シート全体の視認性を高めるために書式設定を行いましょう。フォントサイズや文字揃えを統一し、誰が見ても情報を把握しやすい状態に整えていきます。

数値列には桁区切りを設定し、日付欄は「yyyy/mm/dd」形式に指定します。表示形式をそろえることで表記ゆれを防ぎ、集計作業の効率化も可能です。

所感や業務内容など、文章が長くなるセルは折り返し表示を有効にし、内容が見切れないレイアウトに調整してください。

5.入力規則を設定する

データの正確性を保ち、入力作業を効率化するために、データの入力規則を設定しましょう。特にドロップダウンリストを活用すると、入力ミスや表記揺れを防ぎやすくなります。

ドロップダウンリストは、セルをクリックすると選択肢が表示され、そこから項目を選んで入力できる機能です。部署名や業務区分を選択式にすれば、手入力による誤りを減らせます。

あわせて、日付形式なども固定しておくと、運用時のデータ精度が向上します。誤入力時にアラートを表示させる設定も有効です。

6.ファイル名を設定して保存する

6.ファイル名を設定して保存する

フォーマットが完成したら、最後にルールに沿ったファイル名を付けて保存しましょう。「日付+氏名」など統一した名称にすると、後から検索しやすくなります。名前がばらつくと、必要な日報を探す手間が増えてしまいます。

あわせて保存フォルダも統一し、チームで共有しやすい構成を決めておきましょう。年度や月ごとにフォルダを分けると管理が簡単です。

原本となるファイルはテンプレート版として書き込み禁止にし、運用版と分けて保存してください。テンプレート更新時の混乱を防ぐ工夫が欠かせません。

Excelで日報を作成する3つのメリット

Excelで日報を作成する3つのメリット

Excelで日報を作成する主なメリットを以下にまとめました。

  • 導入コストを抑えられる
  • 柔軟にカスタマイズできる
  • オフラインで作成・運用できる

各メリットを詳しく見ていきましょう。

導入コストを抑えられる

Excelは導入済みの企業が多く、既存の環境をそのまま活用できる点がメリットです。新しいツールを契約する必要がなく、追加費用をかけずに日報作成を始められます。

専用システムではユーザー数に応じた月額料金や初期費用が発生しがちですが、Excelであればライセンス管理の負担が少なく、新規ツール導入に比べると、稟議や契約手続きの負担を抑えやすいです。

さらに、インターネット上には無料のExcel日報テンプレートが豊富に公開されています。自社向けに調整するだけで運用を開始でき、コストを抑えてスモールスタートしやすい点も強みといえます。

柔軟にカスタマイズできる

Excelは機能が充実しており、自社の業務フローに合わせて設計を自由に調整できる点がメリットです。部門ごとの業務内容に応じて、項目やレイアウトを変更しやすく、現場に合った日報を作成できます。

営業部には売上金額の集計欄、製造部には不良品数の報告欄を設けるなど、部署別のフォーマットも簡単に用意できます。関数や条件付き書式を使えば、数値に応じた表示ルールも反映可能です。

運用後に不要な項目や追加したい集計が見つかっても、すぐに修正できる点は大きな強みです。改善を重ねながら、最適な形へ調整を進められます。

オフラインで作成・運用できる

Excelはデスクトップアプリのため、インターネット環境がなくても日報を入力できる点がメリットです。移動中の新幹線や電波が不安定な現場事務所でも、作業を止めずに記録を進められます。

クラウド型ツールは便利な一方、サーバーメンテナンスや障害時に利用できないリスクがありますが、Excelは外部環境に左右されにくく、安定した運用が可能です。

また、データをローカルに保存できるため、機密情報を外部サーバーに預ける不安も抑えられます。セキュリティを重視したい場合にも適した選択肢といえます。

Excelで日報を作成する4つのデメリット

Excelで日報を作成する4つのデメリット

手軽でコストがかからないExcel日報ですが、メリットだけでなくデメリットも把握し、対策を講じることが大切です。

Excelで日報を作成するデメリットを以下にまとめました。

  • 過去のファイル検索に時間がかかりやすい
  • スマートフォンだと操作しにくい
  • コミュニケーションが取りにくい
  • 関数やマクロのエラー対応が煩雑になりやすい

各デメリットを詳しく見ていきましょう。

過去のファイル検索に時間がかかりやすい

Excelで日報を管理する場合、1日1ファイルや1人1ファイルで保存されることが多く、ファイル数が増えるほど目的の情報を探しにくくなります。

先月の特定メンバーの報告を確認したい場合でも、フォルダ内のファイルを順に開く必要があり、手間がかかります。ファイル名や保存場所のルールが統一されていないと、検索効率はさらに低下しやすいです。

加えて、組織変更や担当者の入れ替えがあると、フォルダ構成が把握しづらくなる場合もあります。長期間運用するほど、過去データの活用が難しくなる点は注意すべきデメリットです。

スマートフォンだと操作しにくい

外出が多い営業担当者や現場スタッフにとって、スマートフォンで入力しやすいかどうかは重要です。しかし、Excelはセル操作が細かく、タップ入力では誤操作が起こりやすい点がデメリットといえます。

パソコンでは問題なく使えるレイアウトでも、スマートフォン画面では表示領域が狭く、情報量が多い日は確認しづらくなります。スクロールを繰り返す入力作業は負担になりやすいでしょう。

加えて、モバイル版Excelは機能制限があり、マクロや一部関数が使えません。出先で完成度の高い日報を作成するのは難しい傾向にあります。

コミュニケーションが取りにくい

日報は報告だけでなく、上司やチームとの意思疎通にも使われます。Excelは、やり取りが可視化されにくく、コミュニケーションが分断されやすい点がデメリットです。

セルにコメントを入れることはできますが、一覧性が低く見落とされやすいです。フィードバックの履歴が蓄積されにくく、改善点を継続的に共有しにくい傾向にあります。

また、共有設定や運用方法によっては同時編集が難しく、更新のタイミングが重なると調整が必要になる場合があります。

関数やマクロのエラー対応が煩雑になりやすい

Excelを便利に使うために関数やマクロを組み込むと、かえって運用の負担が増える場合があります。計算式の削除や参照ミスによって、数値が崩れやすい点は注意が必要です。

特にVBAを使った自動化では、内容が複雑になるほど運用保守に専門知識が求められます。作成者が異動や退職をすると、修正できない属人化リスクも高まるでしょう。

さらに、ファイル容量が増えると動作が重くなり、破損の恐れも出てきます。原因特定や復旧に時間がかかる点は、安定運用を妨げる要因です。

Excelで作成した日報を効率的に運用するための4つのポイント

Excelで作成した日報を効率的に運用するための4つのポイント

Excel日報のデメリットを最小限に抑え、メリットを最大限に活かすためには、運用ルールや仕組み作りが欠かせません。

Excelで作成した日報を効率的に運用するための、4つのポイントを以下にまとめました。

  • テンプレートを事前に準備する
  • ファイルの作成・管理のルールを統一する
  • 関数を使って入力の手間を軽減する
  • 定期的なバックアップを徹底する

各ポイントを詳しく見ていきましょう。

テンプレートを事前に準備する

日報運用を効率よく進めるには、毎回ゼロから作成せず、標準化したテンプレートを用意しましょう。入力項目や書式を統一し、誰でも同じ形式で記載できる状態を整えることが重要です。

実際の運用で得た現場の意見を反映し、テンプレートは定期的に見直してください。使いにくい点を放置せず、改善を重ねることで完成度が高まります。

テンプレートの品質が向上すれば、入力時間の短縮や記載ミスの防止が期待できます。入力者と管理者の双方が扱いやすい形式を意識すると、生産性の向上につながるでしょう。

ファイルの作成・管理のルールを統一する

テンプレートを用意しても、保存方法が統一されていなければ運用は安定しません。ファイル名や保存場所を明確に決め、検索性と整理性を高めることが重要です。

「日報_氏名_yymmdd」といった命名規則や、部署別に月フォルダを分ける保存方法など、具体的なルールを設定しましょう。決まりごとは文書化し、チーム内で共有しておくと混乱を防げます。

口頭の説明だけでは運用が属人化しやすいため、手順をマニュアルとして残してください。新しいメンバーでも理解しやすいガイドを整備することが継続のポイントです。

関数を使って入力の手間を軽減する

Excelの計算機能を活かし、手入力を減らす工夫を取り入れることも重要です。SUMやCOUNTIFなどの関数を使えば、集計作業を自動化できます。

稼働時間を入力すると合計時間が自動算出される、当日の日付が自動表示されるといった設定により、入力ミスの防止にもつながります。日付や時刻を自動入力にする工夫も有効です。

さらに、IF関数で判定ルールを組み込むと、日報の精度が高まります。必須項目が空欄の場合に警告表示を出すなど、修正の手間を減らす仕組みを整えてください。

定期的なバックアップを徹底する

Excelファイルは、誤操作や予期せぬトラブルにより、削除や破損が起こる可能性があります。上書き保存のミスに備え、定期的に複製を作成する運用が欠かせません。

共有サーバーで管理している場合は、IT部門と連携して自動バックアップの設定状況を確認しましょう。個人管理の場合でも、週1回は別の保存先へコピーする習慣を持つと安心です。

さらに、OneDriveやGoogle Driveなどのクラウド保存を併用すれば、災害対策やリモートワーク時のデータ保護にも役立ちます。

日報の作成・運用にはノーコードツール「kintone」がおすすめな理由

日報の作成・運用にはノーコードツール「kintone」がおすすめな理由

kintoneを活用すると、日報業務の効率と共有性を高められます。リアルタイムで情報が反映されるため、上司とのやり取りを個別に管理する必要がなく、確認や指示も一元化管理が可能です。

スマートフォンからの入力操作にも配慮されており、外出先や移動中でも日報を更新しやすくなります。パソコンを開かずに記録できる環境は、報告の遅れ防止にも効果的です。

さらに、検索や集計を自動化できる点も特長です。過去の日報を条件指定で抽出でき、管理や分析にかかる手間を減らしながら、継続的な運用を支えます。

kintoneでの日報作成の詳細は以下のページで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:kintoneで日報を作成する6つのメリット!作成方法や活用のコツ、導入事例を解説

kintoneでの日報作成・運用は「ペパコミ株式会社」にご相談ください

kintoneでの日報作成・運用は「ペパコミ株式会社」にご相談ください

Excel日報は導入のハードルが低い反面、データ量が増えるにつれて管理負荷が大きくなる特徴があります。Excelでの運用を改善するには、テンプレート化や管理ルールの統一といった工夫が重要です。

しかし、Excelの日報活用は工夫では解決できない課題も残ります。日報運用をさらにスムーズにするには、日報作成はもちろん、情報の一元管理や業務フローの可視化、上司とのコミュニケーションも一括で行えるkintoneの活用がおすすめです。

なお、kintoneの日報活用に関するお悩みは、ペパコミ株式会社にご相談ください。kintoneのカスタマイズに詳しいエンジニアが、貴社の業務に合わせたご提案をいたします。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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