「Excelで日報を作成する方法が知りたい」
「Excelで日報を作成するメリット・デメリットが知りたい」
本記事を読んでいる方の中には、このような悩みを抱えている方もいるでしょう。
Excelは多くの企業で導入されており、手軽に日報を作成できる便利なツールです。しかし、適切な手順でフォーマットを作らなければ、運用が形骸化したり、過去のデータを活かせなかったりと、かえって業務効率を下げる原因にもなりかねません。
本記事では、Excelでの日報の作り方を6つの手順で詳しく解説します。Excelで運用するメリット・デメリットや、効率的に運用するための4つのポイントもまとめました。
なお、Excelよりもさらに効率的な日報管理を目指すなら、ノーコードツール「kintone」の活用がおすすめです。
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Excelでの日報の作り方【6STEP】

Excelを使えば、特別なツールを導入せずとも、以下の手順に沿って進めるだけで実用的な日報フォーマットを作成できます。
Excelで日報を作成する手順は以下の通りです。
- 記載する項目を決める
- 新規ブックを作成する
- シートに見出し項目を入力する
- 書式設定で体裁を整える
- 入力規則を設定する
- ファイル名を設定して保存する
各工程を詳しく見ていきましょう。
1.記載する項目を決める
日報は、作成前に記載項目を洗い出しましょう。目的を明確にし、必要情報を整理しておくことが大切です。
業務内容や開始・終了時刻に加え、商談状況や進捗コメントなど部門別の必須項目を挙げます。営業は訪問件数と成約数、開発は進捗率と課題共有を中心に入れましょう。
項目を詰め込みすぎると入力負担が増えるため、目的に応じて取捨選択してください。現場の意見も取り入れ、迷わず入力できる形に整え、使いやすさを保つことが大切です。
2.新規ブックを作成する
項目が決まったら、Excelを起動し、日報用の新しいブックを作成しましょう。既存ファイルを流用すると不要な設定が残る場合があるため、新規作成から始めたほうが安心です。
空白のブックを用意するだけでなく、今後の運用を想定した初期設定も整えておきましょう。シート名を「yyyy_mm_dd」形式にする、フォントを見やすく統一するなど、ルール化しておくと管理しやすくなります。
チームで共通利用するため、原本となるブックを1つに定め、ひな形として上書きされない管理方法も検討してください。
3.シートに見出し項目を入力する

新規ブックを作成したら、シートの1行目に日報の見出し項目を入力しましょう。データを一覧で管理しやすくするため、項目はシート上部に横並びで配置してください。
一般的に必要となる項目には、主に以下があります。
- 日付
- 氏名
- 部署
- 作業時間
- 作業内容
- 進捗
- 課題
- 改善案
- 成果
- 連絡事項
見出しの順番を揃え、入力者が左から右へ迷わず記入できる流れを整えてください。
「開始時間」「終了時間」のように具体的な名称を使うと、入力漏れや認識間違いを防げます。入力後はセル幅や行高を調整し、枠線や背景色で見やすく整えましょう。
4.書式設定で体裁を整える
見出しを入力したら、シート全体の視認性を高めるために書式設定を行いましょう。フォントサイズや文字揃えを統一し、誰が見ても情報を把握しやすい状態に整えていきます。
数値列には桁区切りを設定し、日付欄は「yyyy/mm/dd」形式に指定します。表示形式をそろえることで表記ゆれを防ぎ、集計作業の効率化も可能です。
所感や業務内容など、文章が長くなるセルは折り返し表示を有効にし、内容が見切れないレイアウトに調整してください。
5.入力規則を設定する
データの正確性を保ち、入力作業を効率化するために、データの入力規則を設定しましょう。特にドロップダウンリストを活用すると、入力ミスや表記揺れを防ぎやすくなります。
ドロップダウンリストは、セルをクリックすると選択肢が表示され、そこから項目を選んで入力できる機能です。部署名や業務区分を選択式にすれば、手入力による誤りを減らせます。
あわせて、日付形式なども固定しておくと、運用時のデータ精度が向上します。誤入力時にアラートを表示させる設定も有効です。
6.ファイル名を設定して保存する

フォーマットが完成したら、最後にルールに沿ったファイル名を付けて保存しましょう。「日付+氏名」など統一した名称にすると、後から検索しやすくなります。名前がばらつくと、必要な日報を探す手間が増えてしまいます。
あわせて保存フォルダも統一し、チームで共有しやすい構成を決めておきましょう。年度や月ごとにフォルダを分けると管理が簡単です。
原本となるファイルはテンプレート版として書き込み禁止にし、運用版と分けて保存してください。テンプレート更新時の混乱を防ぐ工夫が欠かせません。
Excelで日報を作成する3つのメリット

Excelで日報を作成する主なメリットを以下にまとめました。
- 導入コストを抑えられる
- 柔軟にカスタマイズできる
- オフラインで作成・運用できる
各メリットを詳しく見ていきましょう。
導入コストを抑えられる
Excelは導入済みの企業が多く、既存の環境をそのまま活用できる点がメリットです。新しいツールを契約する必要がなく、追加費用をかけずに日報作成を始められます。
専用システムではユーザー数に応じた月額料金や初期費用が発生しがちですが、Excelであればライセンス管理の負担が少なく、新規ツール導入に比べると、稟議や契約手続きの負担を抑えやすいです。
さらに、インターネット上には無料のExcel日報テンプレートが豊富に公開されています。自社向けに調整するだけで運用を開始でき、コストを抑えてスモールスタートしやすい点も強みといえます。
柔軟にカスタマイズできる
Excelは機能が充実しており、自社の業務フローに合わせて設計を自由に調整できる点がメリットです。部門ごとの業務内容に応じて、項目やレイアウトを変更しやすく、現場に合った日報を作成できます。
営業部には売上金額の集計欄、製造部には不良品数の報告欄を設けるなど、部署別のフォーマットも簡単に用意できます。関数や条件付き書式を使えば、数値に応じた表示ルールも反映可能です。
運用後に不要な項目や追加したい集計が見つかっても、すぐに修正できる点は大きな強みです。改善を重ねながら、最適な形へ調整を進められます。
オフラインで作成・運用できる
Excelはデスクトップアプリのため、インターネット環境がなくても日報を入力できる点がメリットです。移動中の新幹線や電波が不安定な現場事務所でも、作業を止めずに記録を進められます。
クラウド型ツールは便利な一方、サーバーメンテナンスや障害時に利用できないリスクがありますが、Excelは外部環境に左右されにくく、安定した運用が可能です。
また、データをローカルに保存できるため、機密情報を外部サーバーに預ける不安も抑えられます。セキュリティを重視したい場合にも適した選択肢といえます。
Excelで日報を作成する4つのデメリット

手軽でコストがかからないExcel日報ですが、メリットだけでなくデメリットも把握し、対策を講じることが大切です。
Excelで日報を作成するデメリットを以下にまとめました。
- 過去のファイル検索に時間がかかりやすい
- スマートフォンだと操作しにくい
- コミュニケーションが取りにくい
- 関数やマクロのエラー対応が煩雑になりやすい
各デメリットを詳しく見ていきましょう。
過去のファイル検索に時間がかかりやすい
Excelで日報を管理する場合、1日1ファイルや1人1ファイルで保存されることが多く、ファイル数が増えるほど目的の情報を探しにくくなります。
先月の特定メンバーの報告を確認したい場合でも、フォルダ内のファイルを順に開く必要があり、手間がかかります。ファイル名や保存場所のルールが統一されていないと、検索効率はさらに低下しやすいです。
加えて、組織変更や担当者の入れ替えがあると、フォルダ構成が把握しづらくなる場合もあります。長期間運用するほど、過去データの活用が難しくなる点は注意すべきデメリットです。
スマートフォンだと操作しにくい
外出が多い営業担当者や現場スタッフにとって、スマートフォンで入力しやすいかどうかは重要です。しかし、Excelはセル操作が細かく、タップ入力では誤操作が起こりやすい点がデメリットといえます。
パソコンでは問題なく使えるレイアウトでも、スマートフォン画面では表示領域が狭く、情報量が多い日は確認しづらくなります。スクロールを繰り返す入力作業は負担になりやすいでしょう。
加えて、モバイル版Excelは機能制限があり、マクロや一部関数が使えません。出先で完成度の高い日報を作成するのは難しい傾向にあります。
コミュニケーションが取りにくい
日報は報告だけでなく、上司やチームとの意思疎通にも使われます。Excelは、やり取りが可視化されにくく、コミュニケーションが分断されやすい点がデメリットです。
セルにコメントを入れることはできますが、一覧性が低く見落とされやすいです。フィードバックの履歴が蓄積されにくく、改善点を継続的に共有しにくい傾向にあります。
また、共有設定や運用方法によっては同時編集が難しく、更新のタイミングが重なると調整が必要になる場合があります。
関数やマクロのエラー対応が煩雑になりやすい
Excelを便利に使うために関数やマクロを組み込むと、かえって運用の負担が増える場合があります。計算式の削除や参照ミスによって、数値が崩れやすい点は注意が必要です。
特にVBAを使った自動化では、内容が複雑になるほど運用保守に専門知識が求められます。作成者が異動や退職をすると、修正できない属人化リスクも高まるでしょう。
さらに、ファイル容量が増えると動作が重くなり、破損の恐れも出てきます。原因特定や復旧に時間がかかる点は、安定運用を妨げる要因です。
Excelで作成した日報を効率的に運用するための4つのポイント

Excel日報のデメリットを最小限に抑え、メリットを最大限に活かすためには、運用ルールや仕組み作りが欠かせません。
Excelで作成した日報を効率的に運用するための、4つのポイントを以下にまとめました。
- テンプレートを事前に準備する
- ファイルの作成・管理のルールを統一する
- 関数を使って入力の手間を軽減する
- 定期的なバックアップを徹底する
各ポイントを詳しく見ていきましょう。
テンプレートを事前に準備する
日報運用を効率よく進めるには、毎回ゼロから作成せず、標準化したテンプレートを用意しましょう。入力項目や書式を統一し、誰でも同じ形式で記載できる状態を整えることが重要です。
実際の運用で得た現場の意見を反映し、テンプレートは定期的に見直してください。使いにくい点を放置せず、改善を重ねることで完成度が高まります。
テンプレートの品質が向上すれば、入力時間の短縮や記載ミスの防止が期待できます。入力者と管理者の双方が扱いやすい形式を意識すると、生産性の向上につながるでしょう。
ファイルの作成・管理のルールを統一する
テンプレートを用意しても、保存方法が統一されていなければ運用は安定しません。ファイル名や保存場所を明確に決め、検索性と整理性を高めることが重要です。
「日報_氏名_yymmdd」といった命名規則や、部署別に月フォルダを分ける保存方法など、具体的なルールを設定しましょう。決まりごとは文書化し、チーム内で共有しておくと混乱を防げます。
口頭の説明だけでは運用が属人化しやすいため、手順をマニュアルとして残してください。新しいメンバーでも理解しやすいガイドを整備することが継続のポイントです。
関数を使って入力の手間を軽減する
Excelの計算機能を活かし、手入力を減らす工夫を取り入れることも重要です。SUMやCOUNTIFなどの関数を使えば、集計作業を自動化できます。
稼働時間を入力すると合計時間が自動算出される、当日の日付が自動表示されるといった設定により、入力ミスの防止にもつながります。日付や時刻を自動入力にする工夫も有効です。
さらに、IF関数で判定ルールを組み込むと、日報の精度が高まります。必須項目が空欄の場合に警告表示を出すなど、修正の手間を減らす仕組みを整えてください。
定期的なバックアップを徹底する
Excelファイルは、誤操作や予期せぬトラブルにより、削除や破損が起こる可能性があります。上書き保存のミスに備え、定期的に複製を作成する運用が欠かせません。
共有サーバーで管理している場合は、IT部門と連携して自動バックアップの設定状況を確認しましょう。個人管理の場合でも、週1回は別の保存先へコピーする習慣を持つと安心です。
さらに、OneDriveやGoogle Driveなどのクラウド保存を併用すれば、災害対策やリモートワーク時のデータ保護にも役立ちます。
日報の作成・運用にはノーコードツール「kintone」がおすすめな理由

kintoneを活用すると、日報業務の効率と共有性を高められます。リアルタイムで情報が反映されるため、上司とのやり取りを個別に管理する必要がなく、確認や指示も一元化管理が可能です。
スマートフォンからの入力操作にも配慮されており、外出先や移動中でも日報を更新しやすくなります。パソコンを開かずに記録できる環境は、報告の遅れ防止にも効果的です。
さらに、検索や集計を自動化できる点も特長です。過去の日報を条件指定で抽出でき、管理や分析にかかる手間を減らしながら、継続的な運用を支えます。
kintoneでの日報作成の詳細は以下のページで解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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kintoneでの日報作成・運用は「ペパコミ株式会社」にご相談ください

Excel日報は導入のハードルが低い反面、データ量が増えるにつれて管理負荷が大きくなる特徴があります。Excelでの運用を改善するには、テンプレート化や管理ルールの統一といった工夫が重要です。
しかし、Excelの日報活用は工夫では解決できない課題も残ります。日報運用をさらにスムーズにするには、日報作成はもちろん、情報の一元管理や業務フローの可視化、上司とのコミュニケーションも一括で行えるkintoneの活用がおすすめです。
なお、kintoneの日報活用に関するお悩みは、ペパコミ株式会社にご相談ください。kintoneのカスタマイズに詳しいエンジニアが、貴社の業務に合わせたご提案をいたします。













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