kintone構築のペパコミ株式会社 竹谷です。
サポートをさせていただいている会社さんで
最近とても喜ばれた一件がありました。
作成したのは私ではなく、サポートメンバーの一人で
まだkintoneを初めて3ヶ月ほどですが、
とても良い発想だったので、ご紹介します。
要望は商品マスタの検索
商品マスタを作成し、ルックアップで商品名を持ってくる
という作り方はよくあります。
しかし、kintoneの標準機能のルックアップでは「絞り込み」ができません。
「絞り込み」というのは、
例えば大分類(鳥類)、中分類犬(インコ)、小分類(コザクラインコ)とあるとします。
大分類で(鳥類)を選んだら、中分類に(インコ、ワシ、ツル)など鳥の仲間が出てきて、
(インコ)を選んだら、小分類に(コザクラインコ、セキセイインコ、オカメインコ)などが出てくる感じです。
このように大分類から選択肢を絞り込むことができるといいな、
というご要望はとても多いのですが、
現状これはプラグインか、JavaScriptなどで実現するしかありません。
その上、今回の会社さんは商品マスタがキレイに分類されているわけではなく、
分類がA~Eと5つあって、A+B、B+C+E、A+D、など組み合わせで商品を選びたいとのことで
それを標準機能で何とかして欲しい、とのことでした。
なかなか難しいです・・・。
使う場面を詳しく聞く
商品名を検索するときの状況を詳しく確認したところ、
①新人さんは商品名を覚えていないため、
分類として記載してある商品の特徴(A~Eのどれか)を入力したら
その特徴に該当する商品がピックアップされて、その中から選ぎたい
②ベテランさんは商品名のなにか2文字を入れたら
商品が絞り込まれて表示されて欲しい
ということで新人さんとベテランさんで、
検索対象となる分類が異なるということがわかりました。
通常ルックアップを設定するときは、
ルックアップ先のアプリにあるフィールドを
ルックアップを設定するアプリで使用することが前提です。
しかし、今回の使い方を聞いていると
通常は「商品名」をルックアップで持ってきたいところですが、
商品名で検索ができないという話でした。
サポート担当からの提案
そこで、サポートメンバーが提案したのが
「ルックアップフィールドは検索窓として使う」
という内容でした。
商品名として使用するフィールドは「文字列」で
ルックアップの設定の中にある「ほかのフィールドのコピー」を使用。
レコード作成時はグレーアウトしています。
ルックアップフィールドでコピー元のフィールドとして使用したのが
商品マスタアプリで分類A~Eを自動計算で合体させた
「検索用フィールド」でした。
例えばA→商品名、B→黒色、C→青色、D→黄色、E→赤色
という分類がされていたとします。
このレコードの「検索用フィールド」には
「商品名黒色青色黄色赤色」と表示されるわけです。
そこで、ルックアップに「青色」と入力すれば
青色という文字が入っているレコードが全て表示され、
どれかを選択したときに、商品名のフィールドには
そのレコードの商品名が入力されるという内容です。
新人さんがA~Eの分類の中で、特徴をひとつでも入力すれば
その文字が含まれるレコードが絞りこまれて表示されるため、
そこから選択すればいいですし、
ベテランさんは商品名を入力して、そのまま商品名で選択することもできます。
このように、ルックアップフィールドをアプリで使用するフィールドにせず
検索窓と割り切ってしまうという発想が面白かったです。
お客様は「こんな発想は思いつかなかった」といって
とても喜んでくれました。
標準機能で特別なことは何もしていませんが、
少し発想を変えるだけで、とても便利なアプリになったという
良い例だと思います。
kintoneを始めてからの月日とは全く関係なく
発想を自由に持って取り組むことの大事さを認識させられました。
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