「抱え込んでいるけど、マニアックにもなっているから、切り崩しにくい」
「やたら残業してるけど、残業手当目当てなのでは?」
「抱え込んでいる人って、上司も気を使っていて、いい立場でずるい」
あなたのまわりに、仕事を抱え込む人はいませんか?
当記事では、Garoonとkintoneの活用で抱え込まないで済む情報共有のあり方をまとめています。Garoonの基本機能やkintoneと組み合わせた際のメリットや注意点をご確認ください。
Garoonとkintoneの連携は、連携できるkintoneドメインは一つなので、必ずしも有効とは限りませんが、UIUXが似ているため、職員が慣れやすいという利点はあります。
なお、ペパコミ株式会社では、業務の効率化できる組織づくりを意識した伴走支援や研修を行っています。お悩みの方は、お気軽にご相談いただければ幸いです。
そもそも、グループウェアのGaroonとは?

さっそくですが、まず、Garoonの機能や特徴について、下記の項目ごとに確認しましょう。
- サイボウズ社のグループウェア「サイボウズOffice」と「Garoon」の違い
- 「desknet’s NEO(デスクネッツネオ)」と「Garoon」の違い
- kintoneとGaroonの違い
- 情報共有に便利なGaroonの機能
①サイボウズ社のグループウェア「サイボウズOffice」と「Garoon」の違い
どちらも、グループウェアですが、次のような違いがあります。
| 製品 | 特徴の例 |
| Garoon | ・自治体や大規模組織に適している。
※細かなアクセス権の設定が可能ですので、兼務のユーザーや組織ごとの設定が煩雑な自治体のような組織ではGaroonの方が適している。 ・kintoneとの連携という点では、Garoonのほうが連携の手段が多くある。 |
| サイボウズ Office | ・少人数組織に適している。
・「オフコミ」と呼ばれるコミュニティがある。 |
詳細は、サイボウズ株式会社の公式サイトをご覧ください。
②「desknet’s NEO(デスクネッツネオ)」と「Garoon」の違い
desknet’s NEO(デスクネッツネオ)もGaroonもグループウェアとして有名です。どちらもポータル・スケジュールなどを兼ね備えていますが、選定する際には、それぞれ連携できる製品を目安にしてもいいでしょう。
| 製品 | 業務システムや
業務システムとの連携 |
さらなる連携先 |
| desknet’s NEO
(デスクネッツネオ) |
・安否確認
・AppSuite(簡易的な業務システム) ・Microsoft 365連携 |
特になし |
| Garoon(ガルーン) | ・kintone連携
(多様な業務システムが可能) |
・kintoneプラグイン
約500種 |
Garoonだとkintoneとの連携で「他の人の予定」と「その人の行っている業務」をつなげて理解することができます。
③kintoneとGaroonの違い
kintoneは「業務システムを自由に作れるクラウドプラットフォーム」であり、Garoonは「全社の情報共有に必要な機能が使えるグループウェア」です。
両方を連携させることで、Garoonのポータル上で、庁内のお知らせ・会議予定・案件状況・各課の業務データを一元的に確認できます。
| 製品 | 機能 | 昔の文化に例えるなら? |
| Garoon | 全社の情報共有に必要な機能がすぐに使えるグループウェア | ・ホワイトボード
・スケジュール帳 ・打ち合わせや議事録 |
| kintone | 業務システム(アプリ)を自由に作れるクラウドプラットフォーム | ・キングファイル
・各種手続き書類 など |
④情報共有に便利なGaroonの機能
Garoon機能例
| Garoonの機能 | 内容の例 |
| ポータルプラグイン※1 | 案内用のポータルを簡単に設定することが可能です。 |
| ポートレット | ポータルへ情報を埋め込むことができます。
・kintone グラフポートレット※2 ・HTMLポートレット |
| スペース | プロジェクトを共有できる機能です。チャットができます。さらに、スペースは公開・非公開を選定できるため、参加していない場合も、話の流れを確認することが可能です。 |
| マルチレポート | スケジュールと議事録の連携が可能です。会議や打ち合わせ、面会の後に議事録として共有できます。 |
| kintoneとの連携 | 詳細は追ってご紹介します。 |
※1「ポータルプラグインの設定イメージ」
①Garoonのプラグインをダウンロードし読み込ませます。

②案内に入れたい案内・説明・URLを入力します。

③ポータルが簡単にできあがります。

※2 ポータルには、kintoneのグラフなども埋め込むことが可能です。なお、kintoneのアカウントを全員が持っていない場合は、プラグイン(k-Viewerなど)でHTMLポートレットに埋め込むことが必要です。また、連携したいアプリのあるkintoneドメインと連携していない場合に有効です。
【Garoonとkintoneで「集約できる庁内の情報」と「イメージ図」】

庁内の情報は多岐にわたりますので、グループウェア上に情報を集約し、経験年数の少ない職員が把握しやすい工夫が必要です。
また、グループウェアは誰もが毎朝見るので、自治体で力を入れているDXやAI活用などの庁内における啓発にも役立ちます。ここでは、次の2点でご紹介します。
- グループウェア上に集約すべき庁内の情報
- Garoonとkintoneで実現できる連携のイメージ図
グループウェア上に集約できる情報
集約できる情報は次のような例が挙げられます。
| 情報 | Garoonの機能の例 |
| お知らせ | 全庁的な通知の入力欄
なおkintoneの通知と連携可能ですが、kintoneドメインが複数に分かれている場合、kintoneの通知は活用しにくいので注意しましょう。 |
| 職員の予定・会議室予約 | スケジュール |
| チャット | スペース |
| 手続きの案内 | ポータルプラグインまたは議事録アプリ
なおkintoneのアプリと連携は、連携しているkintoneドメインの範囲内で可能です。 |
| 議事録 | マルチレポート |
| グラフ
(オンタイムで可視化) |
kintoneグラフポートレット
※全職員がkintoneのアカウントがない場合は、kintoneのプラグインのkViewerなどをHTMLポートレットで表示します。
|
Garoonとkintoneで実現できる連携のイメージ図

Garoonが「全体の情報が集約できる場所」、kintoneが「業務のデータベース」として連携させることが可能です。
さらに、kintoneはプラグインの活用により、それぞれ業務システムと連携させることも可能です。連携できるkintoneドメインは一つなので、必ずしも有効とは限りませんが、UIUXが似ているため、職員が慣れやすいという利点があります。
しかし、連携させるkintoneアプリとしては、「市民の声」「議会答弁書管理」「公文書の件名」などが選定されることがあります。
Garoonとkintoneでつくれる「仕事を抱え込みにくい体制」
kintoneとGaroonの連携機能は年々増えています。そのなかでも、「仕事の抱え込み」を防止するためには、次の連携方法が例として挙げられます。
- Garoonのスケジュールとkintoneのアプリの連携
- Garoonのポータルへの情報集約
- Garoonのスペースとkintoneの業務アプリの連携
それぞれ解説します。
①Garoonのスケジュールとkintoneのアプリの連携

Garoonのスケジュールとkintoneの各種アプリを連携させることで、他の職員の予定から業務を把握しはじめることが可能です。そのため、他の人の仕事への解像度が上がり、抱え込みの状態を解消することが可能になります。
【kintoneアプリの例】
| 目的 | kintoneアプリの例 |
| 他の人の業務を知る | 案件アプリと連携 |
| 来客や会議の同席者を知る | 委員アプリなどと連携 |
| 取材対応を確認する | 取材対応アプリと連携 |
②Garoonのポータルへの情報集約(庁内の手続き・通知)

ポータルに全庁の情報を集約できるため、新規職員や会計年度職員の方にも、庁内の手続きを把握してもらいやすくなります。
【表示内容の例】
| 目的 | 掲載方法 |
| kintoneの「データ」を確認する | Garoon「kintone グラフポートレット」
(連携するkintoneドメインのみ) |
| kintoneの「通知」を確認する | Garoon「kintone 通知」ポートレット
(連携するkintoneドメインのみ) |
| データやコンテンツを確認する | Garoon「HTMLポートレット」
例えば、tableauやウェブ上のコンテンツを反映できます。 ※kintoneとの連携ではありません。 |
| 手続きポータルから各種システムに行ける | 各種システムや問い合わせ窓口を網羅したポータルです。
※kintoneとの連携ではありません。 |
③Garoonの各スペースに集約できる「ディスカッション・タスク・kintoneアプリ」

Garoonのスペース機能は、プロジェクトを共有できる機能です。参加者を選定し、チャットができます。それぞれのスペースは公開・非公開を選定できます。公開設定の場合は、参加していない場合も、話の流れや経過を確認することが可能です。
なお、kintoneのアプリは連携しているドメインのkintoneのみが可能です。
自治体がkintoneとGaroonを併用する際の注意点は、「どのkintoneドメインを選ぶか」

自治体がkintoneとGaroonを併用する際の注意点は、「どのkintoneドメインか」が重大です。次の事項に配慮しましょう。
- それぞれのポータルに載せるべき情報をすみわけし、「効果的な表示内容」を予め想定する。
- Garoonのポータルにグラフを埋め込む場合は、kintoneのアカウントを持っていない職員も閲覧できる状態にする。
- 連携させたいアプリをイメージし「kintoneのどのドメインと連携させるか」を決める。
- kintoneのドメインを超えて必要な情報の掲載方法を決める。
それぞれ理解していきましょう。
①それぞれのポータルに載せるべき情報をすみわけし、「効果的な表示内容」を予め想定する。
両方に同じようなことを載せるのではなく、効果的な載せ方を心がけましょう。
| ツール | ポータルに載せることの例 |
| Garoon | ・緊急・重要なお知らせ
・職員の予定 ・手続きの案内 ・グラフ ・スペース |
| kintone | ・kintoneの使い方
・ルール ・ドメインごとのルール、プラグインの操作方法 |
②Garoonのポータルにグラフを埋め込む場合は、kintoneのアカウントを持っていない職員も閲覧できる状態にする。
職員へ啓発したい事項を「オンタイムでグラフ化」することがあると思います。kintoneのグラフを活用するだけでは、kintoneのアカウントを持っていない職員は閲覧できません。そのため、啓発効果も薄らいでしまいます。
とくに、会計年度職員やデジタル化が遅れている部署はkintoneアカウントを持っていない傾向にあります。そのため、kintoneのプラグインのkViewerのダッシュボードビューをGaroonのHTMLポートレットに埋め込むなどの工夫をしましょう。
③連携させたいアプリをイメージし「どのkintoneドメインと連携させるべきか」を決める。
Garoonと連携するkintoneのドメインは一つしか選べません。
しかし、kintoneのドメインの単位はそれぞれの自治体ごとに考え方が異なります。とくに自治体が活用するプラグインの多くが「ドメイン単位での課金」です。そのため、プラグインを共有する範囲での情報の閲覧となるため、「部署単位」ということが多いかもしれません。部署単位となると、「総務に関する情報を軸にするか」「財務にする情報を軸にするか」「システムやデジタルに関する情報を軸にするか」と、非常に難しい選択になります。
「職員に優先して伝えるべき事項をどうするか」と戦略を練っていただきたいと思います。
④kintoneのドメインを超えて必要な情報の掲載方法に配慮する。
kintoneのポータルは、様々なサイトで工夫の例が紹介されています。ドメインを一つにできる企業であれば参考にできる例であっても、自治体に適しているとは限りません。ドメインを分けている場合や、職員ごとにアカウントの有無があるので、注意が必要です。
とくに、kintone担当者は、kintoneに関する内規や設定方法の案内は、kintoneのポータルに表示したくなると思います。それでは、全庁的に伝えたつもりでも、システム部門やDX部門が自身で活用するkintoneのポータルに表示する形では、周知が徹底されません。
そういった情報も、kintoneのプラグインのkViewerなどを活用するか、Garoon上で周知するような工夫が必要です。
【自治体のGaroonユーザー向け】kintoneのおすすめプラグインは「kViewer」

次のような表示内容を計画することになると思います。その際、グラフや埋め込みたい情報をkintoneに入れてkViewerで誰でも閲覧できるようにしましょう。
| 情報・機能 | 機能 | 備考 |
| お知らせ | Garoon | 全庁的な重要なお知らせの入力欄として活用 |
| スケジュール | Garoon | 特になし |
| 手続きの案内 | Garoon | ポータルプラグインを活用できます。
※入力の単位を決める部署の選定が必要。 |
| グラフ | Garoon | 主にHTMLポートレットを活用します。
【kViewer推奨】 |
| チャット | Garoon | 特になし |
| kintoneの内規 | kintone | 【kViewer推奨】 |
| ドメインごとの情報 | kintone | プラグインの情報など |
※【注意】kintoneと連携させたい場合、連携するkintoneドメインを全庁規模で選定する必要があります。
自治体の「共通認識づくり」「業務の抱え込み防止」にkintoneを活用する場合は、ペパコミ株式会社へご相談ください
Garoon利用中の自治体にとって、使用感の似ているkintoneを活用することのメリットがでてきます。Garoonをすでに導入している自治体こそ「共通認識づくり」や「抱え込み防止」を進めやすくなります。
「Garoonからkintoneをどう活かせばいいか分からない」という方は、まずは無料相談ください。













コメント