kintoneで20年のAccess脱却!月19時間削減と自走するDXの舞台裏

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

小川喜句X 小川喜句Youtube

1964年の創業以来、クロレラ製品のパイオニアとして健康を支え続けてきたクロレラ工業株式会社。60年以上の歴史を持つ同社が直面していたのは、20年以上使い続けられたAccess(アクセス)や、拠点ごとに分断されたアナログな業務フローでした。

「DX」という言葉がまだ社内に浸透していない中、一人の担当者が立ち上がり、kintoneと伴走支援を活用して、月19時間の業務削減や社内開発チームの結成という劇的な変化を巻き起こしました。老舗メーカーがどのようにして「自走するDX組織」へと変貌を遂げたのか。ペパコミ株式会社の小川との対談を通じて、その成功の舞台裏を深掘りします。

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目次

【創業60余年】kintone導入前に立ちはだかった「情報の属人化」という壁

創業60余年、kintone導入前に立ちはだかった「情報の属人化」という壁

60年以上の歴史を誇る老舗メーカーが、なぜ今「デジタル変革」を必要としたのか。まずはその背景と、現場に潜んでいた「見えない課題」について深掘ります。

老舗メーカーの使命とDX担当者のミッション

代表取締役 小川
本日はよろしくお願いします!クロレラ工業さんといえば、創業60年を超える歴史ある企業ですよね。まずは、御社の事業内容と本山様の役割について、改めてお聞きしてもいいですか?

本山様:よろしくお願いします。弊社は1964年創業で、世界で初めてクロレラの大量培養に成功したパイオニアメーカーです 。従業員数は250名程度で、健康食品の製造・販売を主軸に、水産や農業分野など幅広く展開しています 。

代表取締役 小川
まさに日本の健康を支えてきた老舗ですね。そんな中で本山様はどのようなミッションを背負っていたんでしょう?

本山様:私は営業本部のEC・DX担当として、ECサイトの運用と並行して、本部内の業務改善を任されています 。元々は福岡の事務所で農業資材の営業をやっていたのですが、「Excelをガリガリ回しているやつがいるぞ」と目に留まったようで、DX推進のために東京へ呼び戻されました(笑) 。

代表取締役 小川
現場上がりのDX担当、一番心強いパターンですね!

「少しの手間」が積み重なる現場の課題

代表取締役 小川
導入前、社内にはどのような課題感があったのでしょうか?

本山様:実は、社内でヒアリングやアンケートを行っても「大変困っている」という深刻な声は出てこなかったんです 。ただ、実態を掘り下げていくと「少し工夫すれば対応できるが、そのたびに手間や時間がかかる」という小さな負担が、雪だるま式に積み重なっている状態でした 。

代表取締役 小川
それ、一番根深い問題ですね。みんなが「仕方ない」と諦めて、筋肉痛に耐えながら走っているような感じですね。

本山様:そうなんです。例えば、外出先からファイルサーバーにアクセスできないため、見積もり対応が後回しになっていました 。営業所と本部で別々に実績を集計しているせいで、月末に数字が合わず、その確認だけに膨大な時間を費やす 。さらには、必要な書類がどのフォルダにあるか分からず、社内を捜索し回る……といった「見えないロス」が蔓延していました 。

代表取締役 小川
一つひとつは小さくても、積み重なれば組織のスピードを確実に奪いますからね。

本山様:そうなんです。こうした属人的で分散したデータを統合し、出先からでもリアルタイムに情報共有ができる柔軟な基盤が必要だと考え、kintoneの導入へと舵を切りました 。

「ツールありき」からの脱却|kintoneとペパコミを選んだ決め手

「ツールありき」からの脱却。kintoneとペパコミを選んだ決め手

多様な選択肢の中から、なぜSFA(営業支援システム)ではなくkintoneだったのか。そして、数あるベンダーの中から「ペパコミ」を選んだ理由について深掘りします。

SFA検討で見えた不安と現場への配慮

代表取締役 小川
課題を特定していく中で、最初はSalesforceなどのSFA(営業支援システム)も検討されていたそうですね。最終的にkintoneを選んだのは、どういった背景があったんですか?

本山様:はい。当時は営業活動のクラウド化を第一に考えていたので、Salesforceやソフトブレーンさんのお話も聞いていました。 ただ、機能が非常に豊富な一方で「うちの社員がこれを本当に使いこなせるだろうか?」という不安が、ずっと頭の片隅にありました。

代表取締役 小川
多機能ゆえの「使いこなせなさそう」という感覚、実は多くの企業様が抱く悩みなんです。

本山様:そうですよね。そんな時、弊社が10年以上利用しているグループウェア『Garoon』と同じサイボウズ製品にkintoneがあることを思い出しました。 馴染みのあるメーカーの製品なら、新しいツールへのログインや操作に対する現場の心理的ハードルを下げられるのではないか、と感じたのが大きかったですね。

YouTubeで見つけた信頼感と「伴走」への期待

代表取締役 小川
そこから弊社(ペパコミ)に辿り着いたわけですが、きっかけは展示会でしたよね。

本山様:はい。IT展示会のkintoneブースで小川さんにお会いしたのが最初です。 その後、小川さんのYouTube動画を拝見する中で、「このツールで何ができるか」の理解が深まっていきました。

代表取締役 小川
僕の動画、結構好き勝手言っていますけど大丈夫でしたか?(笑)

本山様:むしろそこが良かったです(笑)。 小川さんの忖度ない率直な意見を聞いて、信頼できると感じました。 また、比較検討した他2社は「1アプリいくら」という単体開発の料金体系だったのですが、ペパコミさんは違いました。当時の私は開発の素人なので、 要件定義を一緒に考えてくれて、社内に浸透させるまで助けてくれる「伴走支援」のスタイルが、当時の私たちには不可欠でした。

代表取締役 小川
正直、弊社の見積もりは安くなかったと思うのですが、よく社内の承認が通りましたね。

本山様:正直に言えば、他社さんの方が安いプランはありました。 でも、最後は「ここで何とかするんだ」という私のゴリ押し……いえ、熱意で突破しましたね(笑)。 開発だけでなく、運用面まで深く相談できるパートナーでなければ、途中で頓挫してしまうという確信があったんです。 

kintoneへの「現場アレルギー」を最小限に|着実な実装ステップ

kintoneへの「現場アレルギー」を最小限に。着実な実装ステップ

新しいシステムの導入には現場の反発がつきもの。クロレラ工業様がどのようにして心理的ハードルを下げ、着実に「成功体験」を積み上げていったのか、その巧妙な戦略を紐解きます。

【フェーズ1】まずは「日報」でクラウドに慣れる

代表取締役 小川
導入初期は、どのような基準で開発の優先順位を決められたんですか?

本山様最初は「課題を解決する」ことよりも、「急ぎすぎず、徐々にkintoneに慣れてもらう」ことを強く意識しました。 ですので、まずは普段から触る機会が多い「営業日報」と、事業所別の進捗が見える「実績管理」から着手したんです。

代表取締役 小川
いきなり難しいことをさせない、というのはDXにおいて鉄則ですね。

本山様:そうなんです。 内容自体はExcelで運用していた頃と大きく変えず、まずは「入力先がkintoneに変わるだけ」という感覚で始めてもらいました。 この段階では、あえてメンバーを巻き込まず、私が個人主導で進めて弊社の岡﨑さんに対面開発をしてもらう形を取りました。

【フェーズ2】月19時間の削減を生んだ「拡売ポイント申請アプリ」

代表取締役 小川
現場が「kintoneって便利だな」と実感し始めたのはどのタイミングでした?

本山様:日報で操作に慣れてきた頃、現場から「本当に手間だ」と不満が漏れていた「拡売ポイント申請」のデジタル化に踏み切りました。 以前は、営業が手書きの申請書をFAXして、本部側で手作業の転記やポイントの減算処理を行っていたんです。

代表取締役 小川
FAXと手書き……本部の方の負担も相当なものだったのでは?

本山様:はい。そこでkrewDataを活用し、申請から減算、発注書作成までを自動化しました。 結果として、本部側の業務時間を月間で推定19時間も削減できたんです。 営業現場からも「外出先からでも申請できるようになった」と喜びの声が上がり、ここから一気に風向きが変わりましたね。

【フェーズ3】20年物のAccessからの移行と「現場の使い勝手」

代表取締役 小川
さらにその後、20年以上使われていたAccessデータの移行にも挑戦されましたよね。

本山様:お客様相談室のアプリですね。 長年使い込んだAccessはデータが重く、動作も不安定でした。 ただ、この開発では「kintoneの理想的な作り方」と「現場の慣れ」の間でかなり葛藤がありました。

代表取締役 小川
本山様は「アプリを分けて管理したい」、現場は「Accessのように1画面で見たい」という議論があったと聞いています。

本山様:そうなんです。 私はkintoneの作法に合わせてデータベースを最適化したかったのですが、現場にとってはこれまでの使い勝手が変わることへの抵抗が大きかった。 岡﨑さんとも相談し、最終的には「現場が使いやすい1画面」を優先しました。 自分の理想を押し通すよりも、現場が迷わず使えることを重視した結果、リリース後はトラブルもなく非常にスムーズに馴染んでいます。 

【kintone導入1年で起きた変化】数字で見る導入効果

kintone導入1年で起きた劇的な変化。数字で見る導入効果

システムを「作った」だけで終わらせず、実務で使い倒した先に待っていたのは、驚くべき定量的な成果でした。導入から約1年で現れた、組織のスピードと生産性を劇的に変えた「数字」の数々を紹介します。

意思決定のスピードアップ:決済日数を約2.3日短縮

代表取締役 小川
導入から約1年が経過しましたが、数字として表れている成果について詳しく伺わせてください。

本山様:特筆すべきは「稟議アプリ」ですね。 以前は、紙での運用ということもあり、起案から決済までに平均で約8.07日かかっていました。これがkintone導入後は5.78日まで短縮され、約2.29日のスピードアップを実現しています。

代表取締役 小川
平均で2日以上の短縮は、ビジネスにおいて非常に大きいですよね!承認が滞らなくなった理由はどこにあるんでしょうか?

本山様:やはりクラウド化の恩恵が大きいです。 これまでは社内にいないと確認や押印ができませんでしたが、外出先や自宅からでも内容を確認し、決裁を下せるようになったことがリードタイムの短縮に直結しました。

圧倒的な業務効率化:アナログ作業の自動化

代表取締役 小川
先ほどお話しいただいた「拡売ポイント申請アプリ」の効果も、改めてすごい数字ですよね。

本山様:はい。本部側で行っていた煩雑な集計や減算処理、発注書の作成業務などを自動化したことで、推定で月間19時間の業務時間を削減できています。

代表取締役 小川
月に19時間ということは、年間で220時間以上……!まるまる一人分の稼働が1ヶ月分近く浮いている計算になります。

本山様:その通りです。また、営業日報についても、外出先からスマートフォンで即座に入力できるようになったことで、更新頻度が目に見えて向上しました。 以前は月末にまとめて入力するケースも見られましたが、今は「その日のうちに」というサイクルが定着しつつあります。

代表取締役 小川
数字に表れる効率化はもちろんですが、「情報が鮮度高く集まるようになった」という点も、組織にとっては計り知れない価値ですね。

「外注」から「kintone内製」へ|社内開発チーム5名体制への成長

「外注」から「kintone内製」へ|社内開発チーム5名体制への成長

多くの企業がベンダーへの「丸投げ」で終わってしまう中、クロレラ工業様はペパコミの伴走支援を通じて、着実に自社内での開発スキルを蓄積してきました。当初は「開発の素人」だった状態から、いかにして5名体制のチームへと成長を遂げたのか、その教育の核心に迫ります。

岡﨑氏による「運用の本質」へのアドバイス

代表取締役 小川
弊社の岡﨑が担当として伴走させていただいていますが、サポート体制については率直にいかがでしたか?

本山様:岡﨑さんは、ご自身が前職の事業会社でkintoneを導入・運用されていた「実体験」をお持ちなのが強みですよね。 単なる構築のテクニックだけでなく、「どうすれば現場がアレルギーなく使えるか」という運用面のリアルなアドバイスをいただけたのが本当に助かりました。

代表取締役 小川
実体験に基づいた言葉には重みがありますからね。

本山様:そうなんです。 導入初期、まだ私が知識不足で「はちゃめちゃ」な依頼をしていた時期でも(笑)、真摯に向き合っていただいたおかげで、当社に合わせた着実な進行ができました。 岡﨑さんに相談すれば運用もアプリ開発も、それこそkintone以外の話でも解決できるという安心感は凄まじかったです。

「運用が先、アプリは後」:失敗から学んだ条件整理の重要性

代表取締役 小川
現在は本山様お一人ではなく、チームで開発を進められていると伺いました。

本山様:はい。 途中で「このメンバーなら行けそうだ」という人を巻き込み、非公式ではありますが社内に「kintoneチーム」を作りました。 現在は私を含め、プラグイン(krewData)を用いた高度な開発ができるメンバーが3名、基礎的なアプリを作れるメンバーが2名の、計5名体制で動いています。

代表取締役 小川
素人1人だった状態から、短期間で5名の開発体制は驚異的ですよ! メンバーの意識に変化はありましたか?

本山様:岡﨑さんとの対話を通じて、「どんなアプリを作るか」よりも、その前段階の「どのような運用をするか」が何より大事だという本質をチーム全体で体感できたのが大きいです。

代表取締役 小川
そこを理解できると、アプリの「作り直し」が激減しますよね。

本山様:まさに。 以前は要望を言われるがまま形にしようとして「結局、課題は何だっけ?」と迷走することもありましたが、今は事前に「条件整理」を徹底しています。 目的を明確にすることで無駄がなくなり、もし運用途中でズレが生じてもすぐにリカバリーが効く。 この視点を持ったコアメンバーが育っていることは、私にとっても非常に頼もしい限りです。 

今後の展望:kintone×AIで「必要な情報にすぐ辿り着ける」基盤へ

今後の展望:kintone×AIで「必要な情報にすぐ辿り着ける」基盤へ

対談の終盤、本山様は現在の課題として「現場への浸透」を挙げました 。これまでは本部側のメリットが先行する開発が多かったため、地方拠点では「本部からの指示」というやらされ感が一部に残っています 。この壁を乗り越えるため、今後は各拠点に「実績管理」などの担当者をアサインし、現場が自ら課題を解決できる「拠点のヒーロー」を育成していく計画です 。

本山様が描く最終的なビジョンは、「kintoneにアクセスすれば、仕事に必要なすべての情報が手に入る」という盤石な情報基盤の構築です 。蓄積された膨大なデータを活用するための「AI連携」も視野に入れ、情報の民主化をさらに加速させていく構えです 。

最後に、自身の経験を振り返り、「とにかく小さくても始めてみること、そして少しずつ仲間を増やすことが、精神的な支えにもなり、プロジェクトを成功させる一番の近道になる」と、これからDXに挑む視聴者へ力強いエールを送り、対談を締めくくりました 。

小川のあとがき

代表取締役 小川
本山様、本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

クロレラ工業様の事例を振り返り改めて感じるのは、DX成功の鍵はツールの性能以上に「現場の歩幅に合わせる勇気」にあるということです。

創業60年を超える老舗企業において、長年親しまれたアナログな文化を変えるのは容易ではありません。しかし本山様は、あえて最初から完璧を目指さず「入力先を変えるだけ」というスモールステップから始められました。現場の心理的ハードルに配慮しながら「月19時間の削減」という実利を積み上げたからこそ、組織の意識を劇的に変えられたのだと確信しています。

何より、当初はお一人だった挑戦が、今や5名体制の開発チームへと成長していることが非常に嬉しいです。弊社の伴走を通じて「何を作るかより、どう運用するか」という本質を掴んでいただけたことが、自走する組織への大きな一歩となりました。次なるAI活用のステージも、全力でサポートさせていただきます。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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