ヒアリングは、顧客の課題解決に向けた最も優れた提案を行うために重要なプロセスです。
単に話を聞くだけでなく、相手の本質的な課題を理解し、信頼関係を構築するのが目的です。
kintoneの商談においても、このヒアリングの質が提案の成否を左右します。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
ヒアリングの真の目的
ヒアリングの真の目的を解説します。
- 本質的な課題解決のための最も優れた提案
- 心を開いてもらうことの重要性
ヒアリングを行う最終的な目的は、顧客の課題に対して最も合った解決策を提案することです。
そのためには、顧客が抱える本質的な課題を正確に把握する必要があり、その把握のためには顧客に心を開いてもらうことが不可欠です。
心を開いてもらうことができなければ、顧客の具体的な状況や内部事情が分からず、本質的な課題を見つけるのは困難になります。
本質的な課題解決のための最も優れた提案
ヒアリングの目標は、相手の課題を解決する最も優れた提案につなげることです。会話を楽しむことや、ただ話を引き出すことがヒアリングの目的ではありません。
商談では、顧客に喜んでもらうことを考えて進めることが大切です。
心を開いてもらうことの重要性
顧客は通常、仕事において必要以上に自己開示をしたいと考えていないものです。しかし、顧客から自己開示がなければ本質的な課題は見えてきません。
顧客の内部事情を理解するためには、顧客が心を開いて自身の状況を話してもらう必要があります。
信頼関係を築き、心を開いてもらうためのヒアリング術
信頼関係を築き、心を開いてもらうためのヒアリング術を紹介します。
- 質問攻めを避ける姿勢
- 相手企業の本質的な理解を示す
- 不明点を明確にする徹底した確認
- 対話の抽象度を相手の理解度に合わせて調整する
- 質問の意図を正確に把握する
- 信頼を得るための対応
顧客に心を開いてもらい、深い信頼関係を築くためには、いくつかの意識すべき点があります。顧客の立場になり、どのような対応が信頼につながるかを考えることが重要です。
質問攻めを避ける姿勢
一方的な質問攻めは、顧客に尋問されているような印象を与え、心を開いてもらうことにはつながりません。
顧客に「私はあなたの味方である」というスタンスを伝えるような質問の仕方が重要です。
相手企業の本質的な理解を示す
顧客の会社や事業内容を深く理解したいという姿勢を示すことが大切です。
事前にウェブサイトなどで情報を収集するだけでなく、実際の業務内容について具体的に質問し、イメージを明確にすることが良い提案につながります。
顧客は、自社を理解せずにいきなり提案されると不快に感じるものです。顧客の会社を本気で理解しようとする姿勢を見せることで、顧客からの信頼を得られます。
不明点を明確にする徹底した確認
話の中で分からない点があれば、それが理解できるまで質問を重ねることが重要です。分からないことを曖昧なままにしてしまうと、本質的な課題が見えなくなる原因になります。
顧客は、理解しようとする姿勢に対して信頼を寄せるものです。
ただし、会話の流れを妨げるほど長くなりそうな場合や、主要な問題と異なる部分であれば、過度に深掘りする必要はありません。
対話の抽象度を相手の理解度に合わせて調整する
対話の抽象度を相手の理解度に合わせて調整する方法を紹介します。
- リテラシーが低い相手の場合
- リテラシーが高い相手の場合
- 会話の抽象度を上下させる
顧客のkintoneやクラウドサービスに関する知識レベル(リテラシー)に合わせて、会話の専門性や詳細度を調整することが商談をスムーズに進める上で非常に重要です。
リテラシーが低い相手の場合
顧客のリテラシーが低い場合、専門用語を多用したり、いきなり業務の詳細について話したりしても理解されにくいです。
この場合、顧客が理解しやすいように、身近な例(スマートフォンなど)を用いてクラウドサービスやkintoneの基本的な概念から説明を始めることが望ましいです。
一つずつ確認しながら、顧客が「ここまで理解できた」と感じられるように進めることで、心を開いてもらいやすくなります。
リテラシーが高い相手の場合
一方で、リテラシーが高い顧客に対して、低いレベルで詳細すぎる説明を続けることは、時間の無駄であり、顧客に「話が長い」という不満を与えてしまう可能性があります。
リテラシーが高い顧客には、専門用語を用いてより高い抽象度で話を進めることが商談を円滑に進めることにつながります。
会話の抽象度を上下させる
例えば、kintone開発会社の担当者との会話においては、以下のような抽象度の違いが考えられます。
リテラシーが高い相手の場合は専門用語を使いながらも簡潔に全体像を伝えており、リテラシーが高い相手にはこちらの話し方が商談をスムーズに進める要因となるでしょう。
顧客のリテラシーに合わせて会話の抽象度を調整することは、顧客にとって快適な状態を作り出し、心を開いてもらう要因になります。
質問の意図を正確に把握する
顧客からの質問に対しては、単に回答するだけでなく、その質問の真の意図を把握することが重要です。
意図が不明なままでは、本質的な課題(センターピン)を見つけることができません。
もし質問の意図がすぐに把握できない場合は、「今の話だと〇〇だと思ったのですが、そのような意図で合っていますか」のように仮説を立てて確認し直すことが重要です。
このようなやり取りを通じて、顧客の課題を深く理解し、センターピンを設定する手助けとなります。
信頼を得るための対応
顧客との信頼関係を築くためには、質問への回答の仕方にも工夫が必要です。
全ての質問に即座に完璧に答えるよりも、時には「少々お待ちください」と一呼吸置き、考えてから回答する姿勢が顧客に安心感を与える場合があります。
即答しすぎると、顧客は「本当に理解しているのか」と不安に感じる可能性があるためです。
理解している部分については速やかに回答し、不明な点や深く考えるべき点については、じっくりと考えて回答する姿勢を見せることで、顧客からの信頼を得られます。
自分が話を聞く側に立った時に、どのような対応に好感を抱き、どのような対応に不快感を持つかを経験として蓄積することも、この感覚を養うために有効です。
商談を成功に導く「センターピン」の見つけ方と提案
商談を成功に導く「センターピン」の見つけ方と提案を紹介します。
- 「センターピン」とは何か
- 「センターピン」特定と一撃の提案
ヒアリングで得た情報を基に、顧客の最も重要な課題である「センターピン」を見つけ出すことが、商談を成功させる鍵です。
「センターピン」とは何か
「センターピン」とは、顧客の抱える課題の中で、最も重要で優先度の高いポイントを指します。
ボーリングのピンで例えるならば、一番手前にあるピンを倒すことでストライクにつながるように、この「センターピン」を解決できれば、顧客がサービスを導入してくれる可能性が極めて高まるという核心的な課題のことです。
ヒアリングを通じて、顧客がどの課題の解決を最も求めているのか、そのセンターピンを正確に特定することが重要です。
「センターピン」特定と一撃の提案
センターピンを特定できたら、その課題に対して自社サービスがどのように解決できるかを簡潔に、そして分かりやすく提案することが求められます。
ここで提案が的外れでなければ、顧客は「この担当者はよく分かっている」と信頼を寄せるようになります。
多くの情報を聞いた上で、最終的にこの一点突破の提案に繋げることがヒアリングの目的です。
本質的な課題が分からなければセンターピンも特定できないため、顧客の心を開かせ、本質的な課題を引き出すための様々な技術が重要になります。
まとめ
kintone商談におけるヒアリングは、単なる情報収集ではなく、顧客の課題解決を目的とした戦略的なプロセスです。
商談を成功に導くためには、以下の3つの要素を意識してヒアリングを進めることが重要です。
要素 | 内容 |
相手の心を開かせること | 顧客が自己開示しやすい信頼関係を構築します。 |
「センターピン」を見つけ、一撃で提案すること | 顧客の本質的な課題を特定し、それに対して簡潔かつ強力な提案を行います。 |
相手のレベルに合わせた会話をすること | 顧客のリテラシーに応じて会話の抽象度を調整し、快適なコミュニケーションを実現します。 |
これらの点を意識することで、顧客との関係を深め、kintoneの導入を通じて顧客に最も優れた価値を提供できるでしょう。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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