顧客とのコミュニケーションにおいて、認識のずれは大きなトラブルの原因となります。この問題を防ぐために重要なのが「質問力」です。
質問力とは、相手が回答しやすい質問をすることで、疑問を的確に解決する力です。
質問力が高まると、認識のずれがなくなり、顧客の課題を正確に把握でき、信頼関係も深まります。
本記事では、質問力の定義から、質問前に意識すべきこと、クローズドクエスチョンの活用や段階的な質問など具体的なコツ、そして質問力を高めるための心構えまで詳しく解説するので参考にしてください。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
コミュニケーションを円滑にする質問力とは
顧客とのコミュニケーションを円滑にする上で、質問力は重要なスキルの一つです。質問力とは、自分が疑問に感じた点をすぐに解決する力です。
すぐに解決するためには、質問を受けた相手が、求めている回答をスムーズに出せる状態にする必要があります。
質問力が高い状態とは、相手に質問の意図が明確に伝わり、相手が回答しやすい質問をすることです。
質問力が高い人は、話も分かりやすい傾向があります。相手目線に立って話すことや、相手目線に立って分かりやすい質問をすることに繋がるからです。
質問力を高めることには、主に以下のメリットがあります。
- 相手との認識のずれがなくなる。
- 相手の課題を正確に把握できる。
- 課題に対して正確な解決提案ができる。
- 相手から信頼される。
これらのメリットは、kintoneを導入・運用する上でも大切なことです。
質問をする前に意識すべきこと
質問をする前に意識すべきことを紹介します。
- 自分の頭の中を整理する
- 不明確な点をそのままにしない
質問の質を高めるためには、質問をする前の準備や心構えが重要です。ここでは、質問前に意識すべき点を解説します。
自分の頭の中を整理する
質問をする際は、まず自分の頭の中を整理することが大切です。何が分からないか不明な状態で質問することは避けるべきです。
また、沈黙を恐れて焦って質問することは、単なる時間稼ぎにしかならないため注意しましょう。質問をする時は、まず頭の整理から始めます。
もし整理がつかない場合は、整理するための質問をすることから始めます。顧客との話し合いは、お互いが共通認識を持ち、顧客の課題を解決するための打ち合わせです。
そのため、頭が整理できていない時に、「きちんと考える時間が欲しいので、少し時間をいただけますか」と伝えることは、決して失礼ではありません。
むしろ、相手のために真剣に考えているという姿勢は、信頼に繋がる行為です。
不明確な点をそのままにしない
質問をする際、不明確な点をそのままにしないことも重要です。
たとえば、自分の頭の中が整理できていない状態で、あいまいな点があっても、必ず確認し、認識のずれがないように質問します。
前提が分からない場合は、その前提について正確に理解するまで質問を重ねましょう。
具体的な例として、「〇〇のような業務が△△のような形になるのは理想というイメージであっていますでしょうか」のように、前提条件を明確にするための質問をすることで、認識のずれを防ぎます。
質問の具体的なコツ
質問の具体的なコツを紹介します。
- クローズドクエスチョンを活用する
- 段階的に質問する
- 質問の意図を明確に伝える
質問力を高めるための具体的な質問方法や心掛けがあります。ここでは、主要な三つのコツを紹介します。
クローズドクエスチョンを活用する
質問の際は、クローズドクエスチョンを意識して使うことが重要です。クローズドクエスチョンの基本は、「はい」か「いいえ」で答えられる質問をすることです。
また、相手に選択肢を与えた質問をすることで、回答がしやすくなります。
オープンクエスチョンは、「今の〇〇部分ってどういう意味でしょうか」のように、漠然とした質問です。
これでは、相手は質問の全体像が掴みにくく、どこに対して回答すればよいのか曖昧になるため、回答が難しくなります。
クローズドクエスチョンでは、「今の〇〇部分って△△という意味ですか、それとも××という意味ですか、どちらも違いますか」のように、具体的な選択肢を設けて質問しましょう。
これは、相手に回答の選択肢を提供し、質問の意図を明確に伝えることになります。
一方、クローズドクエスチョンが苦手な人は、一度の質問で自身のゴールに到達しようとしがちです。
これは、何度も質問すると相手に申し訳ないという気持ちが働くためと考えられます。
段階的に質問する
最終的な目的(C)を質問したい場合でも、いきなりCについて質問するのではなく、段階的に質問を進めることが重要です。
まずAについて質問し、Aを理解します。Aが理解できたら、次にBの質問に進みます。Bを理解した上で、最終目的であるCについて質問しましょう。
このように段階を踏むことで、相手は質問の背景を理解しやすくなります。
質問が苦手な人は、相手に何度も質問するのを申し訳ないと感じ、いきなり最終目的のCから質問しがちです。
しかし、これは相手にとっても質問の意図が分かりにくく、正確な回答を引き出すことを難しくします。
質問の意図を明確に伝える
質問をする際には、大前提として質問の意図を相手に伝えてから質問をすることが非常に大切です。
質問だけを投げかけるだけでは、相手は何に対して質問されているのかが分かりません。
例えば、「ちなみに今の質問の意図は〇〇でして、そこを確認したくて質問しました」のように、意図を明確に伝えます。
質問の意図が不明な場合、自分がCについて質問したつもりでも、相手がAに関する回答をしてしまい、会話が全くかみ合わなくなることがあります。
その結果、話がどんどんずれてしまう可能性があるからです。
また、「あれ」や「それ」といった指示語の表現は避けるべきです。誰が、何を話しているのかが不明確になり、相手が状況をイメージしにくくなります。
例えば、「〇〇軸で見た時にこう見えますが、△△視点で見るとこういう感じになりませんか」のように、誰の視点や、どの軸の話をしているのかを明確にします。
これは、相手が話を聞いた時に、登場人物や状況を具体的にイメージできるようにするためです。
質問力を高める上での心構え
質問力を高めるためには、単に質問のテクニックを学ぶだけでなく、自身の心構えも重要です。
曖昧な認識のずれを放置しない
質問力が低い人は、微妙な認識のずれが生じた際に、「少し違うけれど、まあいっか」と妥協し、次に進んでしまう傾向があります。
これは、その場で修正する自信がないためです。しかし、このような小さなずれが積み重なると、後々大きな問題に発展する可能性があります。
まとめ
質問力が低いと自覚している人ほど、相手に面倒がられても、あるいは怒られる覚悟を持ってでも、理解できるまで質問を続けるべきです。
この徹底した姿勢がなければ、質問力は高まりません。安易な妥協は避け、曖昧な認識のずれを放置しないことが重要です。
質問力は非常に難しいスキルですが、同時にとても重要なスキルです。
質問力が不足していると、顧客の要件を正確に整理できず、認識のずれがどんどん拡大する可能性があります。
顧客との認識を一致させ、円滑なコミュニケーションを実現するためには、質問力を高めることが不可欠です。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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