経理の業務改善をする5つの方法とは?3つのメリットや手順、注意点を解説

経理の業務改善をする5つの方法とは?3つのメリットや手順、注意点を解説
小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

小川喜句X 小川喜句Youtube

「毎月の経理業務が多くて、いつも締め切りに追われている」
「経理担当者が自分しかおらず、業務の進め方が正しいのか不安だ」

経理業務について、上記のような悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。

経理の仕事は会社の根幹を支える重要な役割ですが、請求書の発行や経費精算、入金確認など、作業の種類が多く複雑になりがちです。実際に、効率化や正確性の向上をさせるために業務改善したいと考えている企業の多くが、なかなか改善できいません。

そこで本記事では、経理業務の負担を減らし、会社全体の生産性を上げるための具体的な改善方法を5つ紹介します。さらに、業務改善によって得られる3つの大きなメリットや、改善を進めるための具体的な手順、そして失敗しないための注意点まで解説します。

なお、「何から手をつければいいかわからない」「自社に合うツールがどれか判断できない」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度「ペパコミ株式会社」にご相談ください。

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目次

経理を業務改善する5つの方法

経理を業務改善する5つの方法

経理を業務改善する5つの方法は、主に以下の通りです。

  • 経理業務のフローを可視化する
  • ペーパーレス化を進める
  • キャッシュレス化を進める
  • アウトソーシングを活用する
  • RPAツールを導入する

ここでは、上記の方法をそれぞれ詳しく解説していきます。

経理業務のフローを可視化する

まず取り組むべきなのは、経理業務のフローを可視化することです。

可視化とは、「誰が、いつ、どのような作業をしているのか」という一連の流れを、図や表などを使って目で見てわかる形に整理する作業のことです。

例えば、請求書の発行から入金確認まで、どのような手順で、どの担当者が、どれくらいの時間をかけているかを書き出してみましょう。

全体の流れが明らかになれば、「この作業は重複しているかもしれない」「ここで時間がかかりすぎている」といった問題点が浮かび上がってきます。

現状の業務マニュアルや手順書と照らし合わせながら、改善できる点を探し出すことで、業務の無駄を削減していくことが可能です。

ペーパーレス化を進める

紙媒体の書類をなくしていくペーパーレス化も、経理の業務改善をするのに有効な手段の1つです。

請求書や領収書などを電子データでやり取りするように変えることで、紙を印刷したり封筒に入れて郵送したりする手間そのものが不要になります。

例えば、請求書1枚を印刷し、三つ折りにして封入し、切手を貼って投函するまで5分かかっていたとします。月に100通送付している場合、これだけで500分(8時間以上)の作業時間を削減可能です。

さらに、書類がデータ化されていれば、オフィス以外の場所からでも内容の確認や承認作業ができます。その結果、テレワークの推進や通勤時間の削減にもつながり、従業員の働き方の自由度を高めることにも貢献します。

キャッシュレス化を進める

キャッシュレス化を進める

ペーパーレス化と合わせて進めたいのが、キャッシュレス化です。

キャッシュレス化とは、現金での支払いをやめ、クレジットカードや電子マネー、口座振替などで決済する方法に変更することを指します。

特に、交通費や備品購入などで発生する小口現金の精算は、経理担当者の手間がかかる業務の1つです。

キャッシュレス決済を導入すれば、従業員が立て替えた現金を精算する作業や、現金残高を確認する手間が大幅に削減されます。また、オフィスに現金を保管する必要がなくなるため、紛失や盗難といったリスクを根本からなくせることも大きなメリットです。

安全性を高める意味でも、ペーパーレス化とキャッシュレス化は同時に検討することをおすすめします。

アウトソーシングを活用する

社内のリソースだけで業務改善が難しい場合は、アウトソーシングの活用を検討しましょう。

アウトソーシングとは、経理業務の一部、または全部を外部の専門業者に委託することです。

例えば、毎月の記帳代行や給与計算など、定型的な作業を専門業者に任せます。これにより、経理担当者は空いた時間を使って、資金繰りの計画や予算管理といった、会社の経営に直結するより重要な業務に集中できます。

専門業者は、税法や関連法規の最新情報に詳しいため、法改正があった際にも正確に対応してくれる点も安心です。また、人手不足に悩む企業にとって、アウトソーシングは業務の質を維持しながら、従業員の負担を減らすための有力な選択肢となります。

RPAツールを導入する

RPAツールの導入も、経理の業務改善に大きな効果を期待できます。

RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、パソコン上で行う決まった手順の作業を、ソフトウェアのロボットが代行して自動化する技術のことです。

例えば、「取引先からメールで届いた請求書PDFを開き、支払金額と請求日を会計ソフトの決まった場所に入力する」などの一連の作業をRPAに任せることができます。

ロボットが24時間365日作業を続けてくれるため、業務スピードは飛躍的に向上します。さらに、人間による手作業で起こりがちな入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラーを防げるため、業務の正確性が大幅に向上するでしょう。

経理を業務改善する3つのメリット

経理を業務改善する3つのメリット

経理業務改善する3つのメリットは、主に以下の通りです。

  • 属人化が解消され引き継ぎがスムーズになる
  • 負担が軽減し従業員満足度が向上する
  • 空いた時間でコア業務やスキルアップに専念できる

ここでは、それぞれのメリットが、なぜ重要なのかを解説します。

属人化が解消され引き継ぎがスムーズになる

経理業務を改善する過程で、業務の進め方が整理されるため、属人化の解消につながります。

属人化とは、「特定の担当者しか仕事のやりかたがわからず、他の人には任せられない」状態のことです。

業務フローが可視化されたり、作業手順がシステム化されたりすることで、誰が担当しても同じ品質で業務を進められるようになります。

これにより、急な退職や担当者の異動が発生しても、後任者への引き継ぎが円滑に進みます。また、改善された業務内容をマニュアルに反映させることで、新入社員の教育にかかる時間やコストを削減する効果も期待できるでしょう。

負担が軽減し従業員満足度が向上する

経理の業務改善は、従業員の満足度を高める上でも非常に重要です。

経理部門は、月末や決算期などの繁忙期に残業や休日出勤が集中しやすく、従業員が大きなストレスを抱えがちです。しかし、RPAの導入やペーパーレス化によって手作業が減り、業務時間が短縮されれば、従業員はプライベートの時間をしっかり確保できるようになります。

心身の負担が軽くなることで、仕事へのモチベーションが向上し、離職率の低下にもつながります。また、働きやすい環境を整えることは、優秀な人材を確保し長く活躍してもらうための大切な投資です。

空いた時間でコア業務やスキルアップに専念できる

日々の定型業務から解放されることで、経理担当者はより付加価値の高い仕事に取り組む時間が生まれます。

コア業務とは、会社の経営判断に直接関わる専門的な知識や分析が必要な業務のことです。

例えば、日々の伝票処理に追われるのではなく、作成された財務データをもとに経営課題を分析し、改善策を提案するといった動きが可能になります。また、空いた時間を利用して、新しい会計基準を学んだり、資格取得を目指したりと、従業員自身のスキルアップにもつなげられます。

従業員の能力が高まれば、会社全体の競争力強化にも貢献するでしょう。

経理の業務改善が進みにくい4つの理由

経理の業務改善が進みにくい4つの理由

経理の業務改善が進みにくい4つの理由は、主に以下の通りです。

  • 人材不足によって業務負担が増加しているため
  • 法改正による対応が必要であるため
  • 紙ベースのやりとりが多いため
  • 専門的な知識が必要になるため

ここでは、なぜ上記の理由が改善の壁となっているのか、一つずつ見ていきましょう。

人材不足によって業務負担が増加しているため

経理の業務改善が進まない大きな理由の一つに、慢性的な人材不足があります。

多くの企業では、経理担当者の数が限られており、一人ひとりが抱える業務量が多くなっています。そのため、日々の仕事をこなすだけで手一杯で、新しいシステムを導入したり、業務フローを見直したりするための時間的な余裕がないのが実情です。

その結果、改善の必要性を感じてはいるものの、後回しにされてしまい、旧態依然としたやり方が続いてしまう傾向にあります。

法改正による対応が必要であるため

経理業務は、法律の改正による影響を直接受ける分野です。

近年では、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の導入など、大きな制度変更が続いています。

企業は、これらの法改正に対応するために、新しい知識の学習や社内システムの変更、業務フロー全体の見直しなどが必要になりました。ただ、日常業務と並行して法改正への対応を進める必要があるため、経理担当者の負担はさらに増加します。

その結果、目の前の対応に追われてばかりになり、中長期的な視点での業務改善にまで手が回らなくなってしまうのです。

紙ベースのやりとりが多いため

多くの企業、特に中小企業では、現在でも請求書や納品書などを紙でやりとりする文化が根強く残っています。

自社でペーパーレス化を進めようとしても、取引先が紙での対応を求めてくる場合、完全な電子化は困難です。また、社内でも他部署が紙の伝票を使い続けていると、経理部門だけでは改善を進めにくい状況が生まれます。

社内外の環境がデジタル化に対応しきれていないことが、ペーパーレス化の妨げとなり、結果として業務改善の足かせになってしまうのです。

専門的な知識が必要になるため

経理の仕事には、会計や税務、法律といった高度で専門的な知識が求められます。そのため、業務内容が特定の担当者に依存する「属人化」が起こりやすい傾向にあります。

特に、担当者だけが業務の全体像を把握しており、他の人からは作業内容が見えにくい「ブラックボックス化」が進むことも少なくありません。

このような状態では、業務の問題点を外部から指摘したり、改善案を出したりすることが難しくなります。また、担当者が不在になると、業務が完全に停止してしまうリスクがあるため、業務改善が進められません。

経理業務を改善するための手順【4STEP】

経理業務を改善するための手順【4STEP】

経理の業務改善を成功させるためには、計画的に進めることが大切です。

やみくもに新しいツールを導入するのではなく、以下の4つのステップに沿って進めることで、着実に成果を出すことができます。

ステップ 説明
1.経理業務を全て洗い出す 最初に、現在行っている経理業務を大小問わず全てリストアップします。

この時、月次、年次といった頻度や担当者も合わせて書き出すことで、業務の全体像が把握しやすくなります。

2.業務フローを可視化し、フォーマットを統一する 続いて、洗い出した業務の一つひとつについて、作業の流れを図や表で可視化します。

そして、誰が何をしているかを明確にし、部署や担当者ごとに異なっている帳票のフォーマットなどを統一することが大切です

3.課題を洗い出し、改善策を検討する 可視化された業務フローをもとに、「時間がかかりすぎている」「ミスが発生しやすい」といった課題を特定します。

そして、その課題を解決するために、ペーパーレス化やRPA導入など、どの改善策が合うかを検討しましょう。

4.改善策を実施し、効果検証を行う 最後に、計画した改善策を実行に移します。

導入して終わりではなく、一定期間が経過した後に、「本当に業務時間は短縮されたか」「コストは削減できたか」といった効果を具体的に測定することが重要です。

上記のサイクルを繰り返すことで、継続的に業務の質を高めていくことができます。

経理の業務改善を進める際の4つの注意点

経理の業務改善を進める際の4つの注意点

経理の業務改善を進める際の4つの注意点は、主に以下の通りです。

  • システムを導入する際はセキュリティ対策を徹底する
  • 自社に適した方法を検討し選定する
  • 従業員に対して適切にフォローを行う
  • 定期的な効果検証を実施する

経理の業務改善を安全かつ円滑に進めるためにも、上記の注意点をそれぞれ必ず確認してください。

システムを導入する際はセキュリティ対策を徹底する

経理部門は、会社の経営成績や従業員の個人情報など、機密性の高い情報を数多く扱います。

新しい会計システムやクラウドサービスを導入する際は、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるためのセキュリティ対策が不可欠です。

例えば、システムにアクセスできる従業員を限定する権限管理を厳密に行ったり、外部からの不正アクセスを防ぐためのセキュリティチェックを定期的に実施したりする必要があります。

万が一、情報が外部に流出すれば、会社の社会的信用を大きく損なう事態になりかねないため、安全対策は万全を期すようにしましょう。

自社に適した方法を検討し選定する

業務改善の方法は1つではありません。

他社で成功した事例が、必ずしも自社に当てはまるとは限らないため、自社の規模や業種、従業員のITスキルなどを考慮して、最適な方法を選ぶことが大切です。

例えば、専門知識を持つ経理担当者がいないにもかかわらず、高機能で複雑なシステムを導入しても、使いこなせずに放置されてしまう可能性があります。そのような場合は、システム導入ではなく、まずは専門業者へのアウトソーシングを検討する方が現実的かもしれません。

そのため、企業の現状を客観的に分析し、最も最適な改善策を選ぶようにしましょう。

関連記事:業務フロー改善の方法は?進め方や改善成功のための4つのコツを解説

従業員に対して適切にフォローを行う

新しいシステムや業務フローを導入すると、従業員はこれまでのやり方を変更する必要があるため、一時的に負担が増えることがあります。

特に、長年慣れ親しんだ方法が変わることに抵抗を感じる従業員もいるでしょう。そのため、導入の目的やメリットを事前に丁寧に説明し、従業員の理解を得ることが重要です。

システム導入後は、操作研修会を実施したり気軽に質問できる相談窓口を設けたりするなど、従業員が新しい環境にスムーズに適応できるように、会社としてサポート体制を整えることが大切になります。

特に、手厚いフォローは、従業員の不安を和らげ、満足度の向上にもつながります。

定期的な効果検証を実施する

経理の業務改善は、一度実施したら終わりではありません。

「改善策を実行した」という事実だけで満足してしまう企業もいますが、本当に大切なのはその後の効果を検証し、さらなる改善につなげていくことです。

例えば、「ツールの導入によって、残業時間が月平均で何時間削減できたか」「ミスの発生件数が何パーセント減少したか」など、具体的な数値を測定します。そして、もし期待したほどの成果が出ていない場合は、その原因を探り、新たな対策を講じることが大切です。

業務改善の施策は、定期的に効果を見直すことで、より高いレベルでの業務改善を実現できます。

経理の業務改善でお悩みなら「ペパコミ株式会社」にご相談ください

経理の業務改善でお悩みなら「ペパコミ株式会社」に相談しよう!

本記事では、経理業務を改善するための具体的な方法やメリット、そして実行する上での手順と注意点を解説しました。

経理は、どのような企業にとっても必要不可欠な業務であり、会社の健全な経営を支える重要な部門です。しかし、人材不足や法改正への対応など、さまざまな理由で業務改善が進まずに悩んでいる企業が多いのも事実です。

経理の業務改善を成功させるためには、業務フローの可視化や、自社に合ったシステム・ツールの選定、アウトソーシングの活用などを検討するようにしましょう。

なお、「何から手をつければいいかわからない」「自社に合うツールがどれか判断できない」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度「ペパコミ株式会社」にご相談ください。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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