kintoneアプリを構築する際、データの入力形式として選択肢フィールドは重要な要素です。
kintoneには主にラジオボタン、チェックボックス、ドロップダウン、複数選択といった選択肢フィールドが存在し、それぞれ異なる特徴を持ちます。
どのフィールドを使用するべきか迷うことも少なくありません。ここでは、特にラジオボタン機能に焦点を当て、その詳細な特徴や適切な利用シーン、そして実用的な設定のコツを解説します。
ラジオボタンの理解は、他の選択肢フィールドとの違いを認識するためにも不可欠です。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintoneラジオボタン機能の基本
kintoneのラジオボタンには、主に二つの大きな特徴があります。これらの特徴を理解することで、ラジオボタンを効果的に活用できます。
どれか一つの選択が必須
ラジオボタンは、設定された選択肢の中から必ず一つを選ばなければならないという特性を持ちます。これは初期値が設定されるため、レコード作成時にいずれかの選択肢が自動的に選ばれた状態となります。
一つしか選択できない
ラジオボタンでは、一度に選択できる項目は一つだけです。この特性から、回答が必ず一つに限定される項目や、選択肢の数が少ない場合に利用に適しています。
ラジオボタンの活用シーン
ラジオボタンは、その特性から様々な場面で利用されています。具体的には、回答が一意に定まる項目や、進捗管理などでの利用が挙げられます。
案件ステータスの管理
プロジェクトや案件のステータス管理でラジオボタンを活用できます。例えば、「アポ取り前」「アポ取り完了」「見積り中」といった進捗段階を一つの選択肢として設定します。これにより、案件の現在の状態を一目で把握できます。
ただし、会社によってはステータスが複数重なるケースもあり、その場合はチェックボックスの利用を検討してください。
性別など回答が必ず一つに定まる項目
性別のように、回答が必ず一つに限定される項目にもラジオボタンは適しています。選択肢が明確であり、複数回答の必要がない場合に有効です。
進捗管理
書類提出の進捗管理など、未完了か完了かといった二者択一の状況を管理する際にもラジオボタンは利用できます。
他の選択肢フィールドとの比較
kintoneにはラジオボタンの他にも、チェックボックスやドロップダウンといった選択肢フィールドが存在します。それぞれの特徴を理解し、適切なフィールドを選ぶことが重要です。
フィールドの種類 | 主な特徴 | メリット | デメリット | 活用推奨シーン |
ラジオボタン | ・どれか一つ選択が必須
・一つしか選択できない |
・シンプルで直感的な選択 | ・項目数が多いと画面を占有しやすい | ・回答が一つに限定される項目
・選択肢が少ない場合 ・ステータス管理や進捗管理 |
チェックボックス | ・複数選択が可能
・未選択も可能 |
・複数の選択肢を選べる | ・IF関数やAND関数が使用できない
・出力時の表示が直感的ではない場合がある |
・複数の選択肢から選ぶ場合
・選択肢が少ない場合 |
ドロップダウン | ・どれか一つ選択が必須
・未選択も可能 ・一つしか選択できない |
・項目数が多くても場所を取らない
・見た目をすっきりと保てる |
・展開して選択する操作に手間がかかる場合がある | ・回答が一つに限定される項目
・選択肢が多い場合 |
kintoneラジオボタン設定のコツ
kintoneでラジオボタンを活用する際に、より使いやすく、ヒューマンエラーを減らすための二つのコツが存在します。
- 初期値に「未選択」を設定してヒューマンエラーを防ぐ
- 選択肢の名称を工夫し進捗を視覚的に分かりやすくする
それぞれ解説します。
初期値に「未選択」を設定してヒューマンエラーを防ぐ
ラジオボタンは、必ずいずれかの項目が初期値として選択された状態でレコードが作成されます。このため、ユーザーが意図せず初期値のまま保存してしまい、誤った情報が記録されるというヒューマンエラーが発生する可能性があります。
この課題に対処するため、選択肢の一番上に「未選択」という項目を追加し、これを初期値として設定する方法があります。
もし「未選択」のままレコードが保存されていれば、それはステータスの変更忘れであると判断でき、後から指摘や修正を促すことが可能になります。この工夫により、意図しないデータの入力を防げます。
選択肢の名称を工夫し進捗を視覚的に分かりやすくする
進捗管理などでラジオボタンを使用する場合、「未完了」「完了」といった名称だけでは、レコードが多数並んだ際に視覚的に判別しにくい場合があります。
この問題を解消するためには、選択肢の名称に記号や短い文字を組み合わせる工夫が有効です。例えば、「未完了」と「〇(丸印)」のように、完了状態を記号で表現します。
これにより、レコード一覧でステータスを一瞥した際に、完了している項目と未完了の項目を直感的に区別しやすくなります。
このような細やかな配慮が、現場でのkintoneの受容性を高めることにつながります。
フィールドコードをフィールド名と一致させる重要性
ラジオボタン固有のコツではありませんが、kintoneのフィールド設定全般において非常に重要な点があります。それは、フィールド名とフィールドコードを一致させることです。
フィールドコードは、計算式を作成する際に使用されるため、非常に重要です。 kintoneではフィールドを作成する際に、フィールドコードが自動的に割り振られますが、これらは「ラジオボタン_1」や「数値_0」のように、内容と関連性の低いランダムな名称となる場合があります。
例えば、「数量」フィールドと「単価」フィールドがある場合、計算式で「数量 × 単価」と入力したいにもかかわらず、フィールドコードが「数値 × 数値_0」となっていると、どのフィールドを指すのか分かりにくくなります。
フィールド名とフィールドコードを一致させておくことで、計算式や他の設定を行う際に、どのフィールドを扱っているのかが直感的に理解できるようになり、作業の効率が向上します。フィールド名のコピーと貼り付けで簡単に設定できます。
まとめ
kintoneのラジオボタン機能は、その「どれか一つ選択が必須」という特性から、特定の情報を効率的に管理するために有効なフィールドです。
他の選択肢フィールドの特性も理解し、適切な場面で活用することで、より使いやすいkintoneアプリの構築が実現します。
今回解説した「未選択」の追加や「名称の工夫」といったプロのコツを取り入れることで、ヒューマンエラーを減らし、視覚的な分かりやすさを向上させられます。これらの知識をアプリ構築に役立ててください。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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