今回は 自治体の人事異動と引継ぎ問題をkintoneでも解決する方法やkintone自体の引継ぎ方法を紹介させていただきます。
kintoneと自治体業務とは
kintone（キントーン）はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。
表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディーかつ低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。
自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。
さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。
自治体の人事異動と引継ぎ
自治体の引き継ぎとは、前任者から後任者へ業務やノウハウ、前提条件を含む情報などを渡すことです。人事異動が1から5年ほどで行われるので、たまに、「引き継ぎ書づくり」を常に準備している職員もいるほどです。
ちなみに、行政で人事異動が多いのは、企業との癒着の防止があげられますが、あくまで私見ですが、行政職には、行政の知見が広いことが求められるうえ、ゼネラリストとして、何でもできるようになっておく必要があるので、研鑽の機会にもなっています。
さらに、難しい方を5年以上受け入れ続けることもないようにしたり、うまくいっていない部署に「立て直し屋」的な力量のある管理職が異動してくることもありました。
とはいえ、詰め込む知識量が尋常でないのは確かです。
引継ぎすることの具体的な項目例
・業務の一覧やスケジュール
・業務の根拠法・フロー・作業
・複数年度にわたる業務の予定と課題
・審議会・委員会等の附属機関委員名や連絡先
・各種ツールのアカウント・使い方
・データの保存場所
アプリ管理者・スペース管理者・ユーザーに、kintoneを知ってもらう工夫
①「アプリの一覧」や「アプリ管理アプリ」を作成し、提供する。
一覧に入れる項目の例は、「要点」「データ」「業務課題」「業務改善につながった点」「現状」などです。引継ぎアプリにすることで、検索しやすくなります。
②アプリ管理者用メモを有効活用し、作成経緯・注意点を書いておく。
③フィールド情報をまとめて見やすくする拡張機能を使う
フィールド情報を一覧できる拡張機能を活用して、内容をわかりやすくする。
＜拡張機能の例＞
・フィールド情報取得プラグイン（株式会社JOYZO）
・一覧画面編集プラグイン（合同会社ぱんだ商会）を
④マニュアルをつくる拡張機能を使う
＜拡張機能の例＞
「Runbook」と「Runbook連携プラグイン」（クローバ株式会社・株式会社JOYZO）
クローバ株式会社と株式会社JOYZOが業務提携を結び、クローバが提供するマニュアル作成サービス「Runbook」とkintoneをノーコードで連携する「Runbook連携プラグイン」が提供されています。
kintoneのアプリ上に操作マニュアルを表示させたり、入力順番をサポートするような操作補助ガイドを表示することができるプラグインです。
⑤AIで、マニュアルをつくってみる
プロンプトの工夫をしながら、マニュアルを用意してみるのも一つの手かもしれません。
＜kintone上で作成する例＞
kintone×生成AIのツールを紹介していますので、使ってみてください。
また、kintone活用チャンネルでも、ご紹介しています。
【ChatGPTマスターの道】雑なメモ書きからマニュアルを自動で作ってみた」
管理者にkintoneの管理方法を引き継ぐ際の工夫
① kintoneの管理者を知ってもらい、4種類の管理者のイメージをつかんでもらう。
・cybozu.com共通管理者：cybozu.com全体の管理者です。
・kintoneシステム管理者：アプリやスペースの作成権限、ポータルの設定
・スペース管理者：スペースごとに存在しそのスペースの設定を変更できます。
・アプリ管理者：アプリごとに存在し、そのアプリの設定を変更できます。
※ 詳細は、サイボウズ株式会社 アプリ運用ルール策定ガイド 基本機能編
② 各管理者権限の変更方法を把握する。
③ 平時から、kintoneの管理者を複数人にし、考え方や使い方を共有しておく。
④ スペースの活用状況を説明する
・スペースの活用の単位
・ゲストスペースの活用状況
（サイボウズ株式会社ウェブサイトより引用）
そもそも、「kintoneって何？」という人には？
①使い方の基本が載っているセミナーYoutubeを紹介しましょう。
・セミナー サイボウズ株式会社ウェブサイト上にセミナー情報があります。
・Youtube kintone活用チャンネル（ぺパコミ株式会社）
kintone(キントーン)とは？出来ることを誰よりも分かりやすく説明します。
これ一本でkintoneアプリ作れます【kintoneアプリ作り方】
②社内事例・社外事例をピックアップして紹介する。
今回のご紹介は以上です。引継ぎは大変ですが、kintoneを広める機会にもなるのが「人事異動」です。年数を経るたびに、kintoneユーザーも異動し、他の課にkintoneでの業務改善の輪が広がります。積み重ねていけば、多くの職員がkintoneを通じた同志になれる日が来るかもしれません。
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この記事を読んで迷っている担当者の皆さんの力になります。
| 執筆 ぴょん＠ノーコードに勤しむ事務員
元自治体職員でkintone好きです。 |
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