言語化能力は、ビジネスや日常生活におけるコミュニケーションを円滑に進める上で重要なスキルです。
頭で考えていることや感じていることを言葉にして伝える能力であり、相手が理解できる形で表現することが重要です。
単に思い浮かんだ単語を並べたり、レスポンスの速さを重視したりするだけでは、言語化能力が高いとは限りません。
整理されていない状態で話す場合、相手は何を伝えたいのか理解できなくなるためです。
今回は、言語化能力が高い人の特徴や言語化能力を高める方法を紹介します。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
言語化能力はkintoneのシステム構築者に必須のスキル
言語化能力が高い人は、仕事でも日常生活でもスムーズなコミュニケーションを可能にします。この能力は、特にkintoneのシステム構築者にとって必須のスキルと位置付けられます。
顧客の要望を正確に確認し、適切に提案するためには、情報を引き出す段階から言語化能力が必要不可欠です。
また、提案内容を顧客に確実に伝え、認識を合わせる上でもこの能力が求められます。
社会人になったばかりの人や、kintoneのシステム構築に関わる人は、言語化能力を高めることに取り組むと、大きな価値を得られます。
【kintone構築に必須】言語化能力が高い人の特徴
言語化能力が高い人の特徴を紹介します。
- 前提や定義を合わせた上で話ができる
- 相手に合わせて話の抽象度を調整できる
- 全体像と個別具体的な話を構造的にわけてできる
- 事実と主観を切りわけて話ができる
- 例え話の引き出しが多い
言語化能力が高い人は、特定のコミュニケーションスタイルを備えています。それぞれの特徴について詳細に解説します。
前提や定義を合わせた上で話ができる
言語化能力が高い人は、相手の質問の意図や前提を正確に把握した上で回答できます。
例えば、「おすすめのフルーツはありますか?」と尋ねられた場合、単に自分が好きなフルーツを薦めるのではなく、質問者がどのような目的でフルーツを探しているのか、その前提を確認します。
健康のためなのか、子どもに食べさせたいのかなど、質問の背景を理解せずに回答すると、話が噛み合わない場合もあるでしょう。
仕事の場面では、この前提のずれがさらに大きな問題を引き起こすことがあります。kintoneのシステム構築を例にとると、顧客が前提を詳細に説明しない場合でも、構築者側から「どのような前提で話していますか?」と確認することが責任として求められます。
前提や定義がずれると、話が次第にずれ、一度ずれると認識は共有できません。
質問する側も、自分の意図や前提を明確に表明することが重要です。
相手に合わせて話の抽象度を調整できる
言語化能力が高い人は、相手の知識レベルや理解力に応じて、話す内容や表現を調整できます。
例えば、女子高校生にkintoneを教える場合、まずは社会や経済の仕組み、会社の成り立ちといった基礎的な話から始めます。
売上、原価、粗利などの概念を順序立てて説明し、kintoneが利益向上に繋がるツールであると段階的に伝えることが可能です。
しかし、経営者に対しては、すでにこれらの基礎知識があるため、一から説明することは避けます。
経営者には、kintoneが利益アップに寄与するツールであると簡潔に伝えるだけで十分です。
kintoneの要件定義をする際も、情報システムに詳しい人には専門用語を使って話す一方、ITに馴染みのない経営者には、システムやkintoneの基礎から丁寧に説明します。
相手が心地よく感じる話し方を選択できる点が、言語化能力の高さを示します。誰に対しても同じレベルで話すのではなく、相手に合わせた調整ができることが重要です。
全体像と個別具体的な話を構造的にわけてできる
言語化能力が高い人は、全体像と個別具体的な話を構造的に理解し、双方を行き来しながら話を進められます。
例えば、会社が顧客向けの懇親会を開催するという大きな目的(全体像)があったとします。
この目的を達成するためには、会場の手配、食事の手配、集客といった個別のタスクが発生するはずです。
もし「会場を手配する」という個別タスクだけを見てしまうと、懇親会の目的が顧客向けであり、参加人数に限りがあるにもかかわらず、5,000人規模の会場を予約してしまうといった問題が発生する場合があります。
全体像を理解していれば、5,000人規模の会場が不適切であると判断できます。
言語化能力が高い上司は、個別具体的なタスクを依頼する際、そのタスクが全体像のどの部分に繋がり、どのような目的があるのかを明確に伝えることが可能です。
目的を共有しないままタスクだけを指示すると、プロジェクト全体の方向性がずれる可能性があります。
全体像と個別具体的な話を明確に区別し、紐づけて説明できる能力は、プロジェクトを円滑に進める上で不可欠です。
事実と主観を切りわけて話ができる
言語化能力が高い人は、話の中で事実と主観を明確に区別できます。
主観的な意見を伝えること自体は問題ありませんが、主観だけで物事を判断したり、構築を進めたりすると予期せぬ問題が生じることがあります。
「この業務はめちゃくちゃ大変です」というのは主観的な意見ですが、「この業務は管理部3人が1日2時間かけて作業しており、管理部業務全体の20%の負荷がかかっています」というのはデータに基づいた事実です。
言語化能力が高い人は、相手の話を聞く際にも、これが事実に基づいているのか、それとも個人の主観なのかを区別して理解できます。
また、自らが話す際も、「これは私の主観的な意見ですが、事実としてはこのように動いています」といった形で、事実と主観を分けて伝えられます。
この区別は、正確な情報共有と適切な意思決定のために非常に重要です。
例え話の引き出しが多い
言語化能力が高い人は、話そうとしている内容を深く理解し、それを言葉にできるため、適切な例え話を使って説明できます。
例え話は、複雑な概念や専門用語を、相手にとって身近で分かりやすいものに置き換えることで、理解を促進します。
例えば、「コンペ」というビジネス用語を高校生に説明する場合、単に「システムを導入したい会社が複数のシステム会社から見積もりを取り、発注する形態」と説明しても理解しにくいでしょう。
しかし、「コンペはお見合いのようなものです。複数の人と会って、その中から一人に決めることをコンペと言います」と例えることで、相手はより直感的に概念を把握できます。
このような例え話は、対象の概念を言語化して理解しているからこそ生み出せます。
多くの例え話の引き出しを持つことは、相手の理解を助け、円滑なコミュニケーションに繋がる言語化能力の証です。
【kintone構築に必須】言語化能力を向上させる具体的な方法
言語化能力を向上させる具体的な方法は以下のとおりです。
- 思ったことを言葉に出して伝える
- 言語化がうまい人の話をきく
- 具体例を使って話す練習をする
- 結論から話す練習をする
- 相手の表情を観察する癖をつける
言語化能力は、元々高い人ばかりではありません。意識的な練習により、誰でも向上させることができます。ここでは、言語化能力を高めるための5つの具体的な方法を解説します。
思ったことを言葉に出して伝える
まず、頭の中で考えていることを、とにかく言葉に出して相手に伝えてみることが重要です。
最初はうまく伝わらないかもしれませんが、実際に言葉にしてみることで、「ここで言葉に詰まってしまう」「相手に伝わらなかった」という自身の課題を把握できます。
相手の反応を見ながら、説明の仕方を改善するプロセスを繰り返すことで、自分の考えを相手に分かりやすく伝えられるようになります。
この反復練習により、言語化能力が向上していくでしょう。
言語化がうまい人の話をきく
言語化能力が高い人の話を意識的に聞くことは、自身の能力向上に繋がります。YouTubeなどの媒体には、分かりやすい話し方をする人が多く存在します。
そのような人の動画を繰り返し視聴することで、言語化のスキルを学ぶことが可能です。
言語化能力が高い人は、無意識のうちに相手に伝わる話し方をしている場合があります。
彼らの話し方と自分の話し方を比較することで、どのような違いがあるのかを具体的に把握可能です。
そして、見つけた違いを自身のコミュニケーションで真似てみることが、能力向上のための練習となります。
具体例を使って話す練習をする
例え話や具体例は、言語化能力を高める上で不可欠な要素です。これらは、実際に使ってみることで習熟します。様々な場面で積極的に具体例を使ってみることをお勧めします。
具体例が相手にうまく伝わったのか、そうでないのかを判断し、自身の「例え話ストック」として蓄積していきます。
このストックが増えることで、状況に応じて適切な例え話をすぐに引き出せるようになり、説明能力が向上するはずです。
結論から話す練習をする
結論から話すことを意識して練習すると、言葉を簡潔にまとめる力が養われます。
結論から話そうとすると、無駄な情報を削ぎ落とし、本当に伝えたいことを明確にする必要が出てきます。このプレッシャーが、言語化能力の向上に寄与するのです。
結論から話す習慣は、コミュニケーションの速度を高め、相手が重要な情報を速やかに理解することを助けます。
ビジネスシーンにおいても、限られた時間の中で効率的に情報を共有するために、結論から話すスキルは非常に重要です。
相手の表情を観察する癖をつける
自分が話している言葉が相手に伝わっているかどうかは、相手の表情や仕草から判断できます。この「答え合わせ」を繰り返すことで、相手の理解度を測る力が身につきます。
相手の理解度を把握できるようになると、相手に合わせた抽象度の調整が可能です。
例えば、「この人にはこのくらいのレベルで話せば理解してもらえるな」「この人にはもっと具体的に話さないと伝わらないな」といった判断ができるようになります。言語化能力が低い人は、相手の表情を見ずに一方的に話し続ける傾向があります。
しかし、相手の反応を観察することで、自分の言葉がどう受け取られているかを把握し、コミュニケーションを改善していくことが可能です。
話のスピードに関わらず、相手に伝わることが重要であり、そのためには相手の観察が不可欠です。
まとめ|言語化能力を磨いてより効果的なkintone運用を実現しよう
言語化能力は、練習を重ねることで確実に高められます。この能力は、仕事におけるスピード感や円滑な人間関係にも大きく影響します。
高い言語化能力を持つ人同士の会話は非常にスピーディーに進むのが特徴です。一方が高くもう一方が低い場合でも、会話は速やかに進む傾向があります。
しかし、両方の言語化能力が低い場合、会話は遅くなりがちです。
言語化能力は、kintoneの構築だけでなく、kintone担当者が現場に情報を伝えたり、現場からヒアリングを行ったりする際の質問力にも影響します。
どのように質問すれば相手に意図が伝わるか、という点においても言語化能力は重要です。
日々の意識と実践を通して、自身の言語化能力を向上させていくことが推奨されます。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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