kintoneのユニークコードは、アプリ間の連携やデータの一貫性を保つ上で重要な要素です。
レコード番号をユニークコードとして利用することには多くのデメリットがあるため、推奨されません。
本記事では、kintoneのユニークコードの必要性、レコード番号をユニークコードに設定すべきではない理由、そして推奨される採番方法について解説します。
ただし、あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintoneアプリのユニークコードとは何か
ユニークコードとは、他のデータと重複しない識別子のことです。例えば、顧客コードや案件コードがこれに該当します。
このコードは、顧客アプリや案件アプリなど、複数のアプリ間で関連レコードとしてデータを表示する際に、異なる顧客や案件が同じものとして誤って関連付けられることを防ぐために必要です。
ユニークコードは、データの一貫性を保ち、正しい関連付けを行う上で不可欠な要素です。
kintoneのレコード番号とは
kintoneのレコード番号は、レコードが生成されるとkintoneシステムによって自動的に付与される数字です。
最初のレコードには「1」、2番目のレコードには「2」というように、フィールド設定の有無にかかわらず、自動で採番されます。
この自動採番される性質から、レコード番号をユニークコードとして利用できるのではないかと考える方もいらっしゃいます。
実際に、ルックアップ機能を用いて関連レコードを設定することも可能です。しかし、レコード番号をユニークコードとして指定することは推奨されません。
kintoneレコード番号をユニークコードとして利用すべきではない理由
レコード番号をユニークコードとして利用すべきではない理由は以下のとおりです。
- アプリ統合時の関連付けの問題
- データ移行時の問題
- 自動採番の限界
レコード番号をユニークコードとして利用すべきではない理由は複数あります。主に、アプリの統合時やデータ移行時に問題が生じるためです。
kintoneアプリ統合時の関連付けの問題
レコード番号は、アプリが異なれば同じ番号が存在する可能性があります。例えば、顧客アプリと案件アプリを関連付ける場合を想定してみましょう。
顧客アプリのレコード番号「1」の顧客と、案件アプリのレコード番号「1」の案件が関連付けられるとします。しかし、顧客アプリのデータを、別の統一先アプリに統合しようとすると、レコード番号が問題を引き起こします。
データが新しいアプリに移行されると、レコード番号は新たに1から順に採番される仕組みです。
その結果、元々顧客アプリでレコード番号「1」だったデータが、統合先のアプリでは例えばレコード番号「8」になることもあります。こ
のようにレコード番号が変わってしまうと、以前まで関連付けられていた顧客と案件の関連が壊れてしまいます。
この関連付けの破損を解消するためには、関連付けが壊れた全てのアプリのルックアップ設定をやり直す必要があり、これは非常に手間のかかる作業です。
特に、案件アプリがさらに活動履歴アプリや請求アプリなど、複数のアプリと関連付いている場合、その影響範囲は広がり、膨大な再設定作業が発生する可能性もあります。
データ移行時の問題
レコード番号をユニークコードとして使用している場合、データ移行後も継続して採番ルールを維持することに課題があります。
例えば、旧顧客アプリから新しい統一先アプリへデータを移行する際に、旧アプリのレコード番号を新アプリの数値フィールドに取り込むという方法も考えられます。
これにより、移行時点での関連付けは維持可能です。
しかし、この方法には「取り込んだ後の新規レコードの採番をどうするのか」という問題が残ります。
移行されたデータは元のレコード番号を保持しているものの、新しく追加されるレコードは自動で採番されません。
kintoneの自動採番プラグインの限界
kintoneの自動採番プラグインを導入すればこの問題は解決できると考える方もいるでしょう。
しかし、自動採番プラグインは、JSフィールドの自動採番に対応しているものの、複数のフィールドを連携して新規レコードに対してのみ採番を行うため、移行後のレコードに対しては自動採番を行えません。
これは、レコード番号をユニークコードとして使用した場合の根本的な課題を解消できないことを示しています。
したがって、レコード番号をユニークコードとして利用することは避けるべきです。
推奨されるkintoneユニークコードの採番方法
推奨されるユニークコードの採番方法を紹介します。
- kintoneの自動採番プラグインの利用
- 独自の採番ルール構築
レコード番号をユニークコードとして利用すべきではないため、別の採番方法を検討する必要があります。推奨されるユニークコードの採番方法には、主に以下の二つがあります。
kintoneの自動採番プラグインの利用
ユニークコードの採番には、自動採番プラグインの利用が推奨されます。これは、バランスの良い採番方法と考えられています。
自動採番プラグインは、新規レコードに対して自動でユニークな番号を付与することが可能です。有料のプラグインも存在し、選択肢の一つとして挙げられます。
独自の採番ルール構築
企業によっては、独自の採番ルールを設けている場合もあります。例えば、複数のフィールドの値を組み合わせて意味を持たせたユニークコードを作成する方法です。
これは、自社の運用に合わせた柔軟な採番を可能にします。
もし開発会社にkintoneの構築を依頼する場合、企業の状況に合わせて適切なユニークコードを提案してもらえるでしょう。
ユニークコードの採番は、データの一貫性とアプリ間の連携を保つ上で非常に重要です。
レコード番号をユニークコードとして使用することは避け、自動採番プラグインの利用や独自の採番ルール構築を検討してください。
適切なユニークコード設計でkintoneのデータ整合性を確保しよう
kintoneアプリでデータの一貫性を保つためには、適切なユニークコードの設定が必要不可欠です。レコード番号は自動採番される便利な機能ですが、アプリ統合時やデータ移行時に番号が変わってしまい、関連付けが破損するリスクがあります。
問題を解決するには、膨大な再設定作業が必要となり、業務効率を大きく損ないます。推奨される方法は、自動採番プラグインの活用や独自の採番ルールの構築です。
自動採番プラグインの活用や独自の採番ルールの構築を行うと、データ移行後も一貫性を維持でき、複数のアプリ間での関連付けも安全に保てます。kintoneの構築を依頼する際は、開発会社に自社の運用に適したユニークコードの設計を相談しましょう。
適切なユニークコード管理により、長期的に安定したkintone運用を実現できます。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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