kintoneは、プラグインを用いることなく人事管理システムを構築し、運用する機能を有します。
本記事では、従業員情報、人事異動履歴、人事評価履歴を一元的に管理するシステムをkintoneの標準機能のみで実現する具体的な方法について解説します。
このシステムは、データの入力、管理、分析までを一貫して行えるように設計されているのが特徴です。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintoneで人事管理システムを構築する機能と流れ
kintoneで人事管理システムを構築する機能と流れは以下のとおりです。
- 従業員マスターアプリによる基本情報管理
- 人事異動管理アプリで異動履歴を記録
- 人事評価アプリで評価情報を蓄積
- 評価グラフ分析による現状把握
kintoneを利用した人事管理システムは、標準機能だけでも高い実用性を有します。
具体的には、従業員の基本情報を管理するアプリを中心に、人事異動や人事評価に関するデータを連携させて一元管理する仕組みを構築可能です。
ここでは、その具体的な機能とデータ入力の流れについて説明します。
従業員マスターアプリによる基本情報管理
まず、人事管理システムの基盤となるのが「従業員マスター」アプリです。
このアプリは従業員名簿として機能し、基本的な従業員情報を一元的に管理する役割を担います。
従業員の氏名、生年月日、入社日など、人事管理に必要な核となる情報をここに集約します。
この従業員マスターアプリは、後述の人事異動や人事評価を行う際に、関連情報の元データとして機能するでしょう。
人事異動管理アプリで異動履歴を記録
従業員に人事異動が発生した場合、専用の「配属移動管理アプリ」を用いて異動情報を入力します。
このアプリで新規作成を行い、異動対象の従業員を選択し、異動日や異動先の部署、役職などを入力しましょう。
配属移動管理アプリに入力された異動情報は、自動的に従業員マスターアプリに反映されます。
これにより、従業員マスターアプリを開くだけで、その従業員の過去の異動履歴をすべて参照できるようになります。
この仕組みにより、異動履歴の管理が効率化され、最新の所属情報と過去の履歴を同時に把握可能です。
人事評価アプリで評価情報を蓄積
人事評価を実施する際には、「人事評定アプリ」を使用します。評価対象の従業員を選択し、評価年度、評価ランク、年収、昇給額などの評価結果を入力してください。
この人事評定アプリへの入力も、人事異動の場合と同様に、従業員マスターアプリと連携しています。
人事評定アプリに評価情報を入力し保存することで、従業員マスターアプリにその従業員の過去の評価履歴が自動的に追加されます。
管理者は従業員マスターアプリを参照するだけで、従業員の移動履歴と評価履歴の両方を過去にさかのぼって確認可能です。
評価グラフ分析による現状把握
人事評定アプリに入力された評価データは、グラフを用いて分析できます。
例えば、会社が相対評価制度を採用している場合、Sランクの人数が何人、Aランクが何人といった内訳をグラフで分かりやすく表示できます。
グラフ上の特定のランク(例えばSランク)をクリックすると、そのランクに該当する従業員のリストをすぐに確認可能です。
このグラフ分析機能は、現在の評価状況を視覚的に把握するのに役立ちます。
kintoneで人事管理システムを運用するメリット
kintoneで人事管理システムを運用するメリットは、以下のとおりです。
- 評価状況の可視化と一元管理
- 業務ごとのアプリ分離による入力のしやすさ
- 標準機能のみで構築可能
kintoneの標準機能だけで人事管理システムを運用することには、複数のメリットがあります。
業務を効率化するだけでなく、データの活用方法を広げ、組織全体の情報管理体制を強化する要因となります。
評価状況の可視化と一元管理
kintoneで人事管理システムを構築すると、従業員の絶対評価や相対評価を可視化可能です。
これにより、会社全体の評価分布を把握しやすくなります。また、従業員マスターアプリを中心に全ての情報が一元的に管理されます。
人事異動履歴や評価履歴が従業員マスターに集約されるため、従業員一人ひとりのキャリアパスや業績推移を容易に追跡可能です。
これにより、情報を探す手間が省かれ、必要な情報にすぐにアクセス出来るようになります。
業務ごとのアプリ分離による入力のしやすさ
kintoneの活用では、業務内容に応じてアプリを分けることが推奨されます。
今回の人事管理システムも、従業員マスター、人事異動管理、人事評定といったように、業務ごとにアプリが分離されています。
この設計により、各業務の担当者は自分の担当するアプリにのみ情報を入力すれば良く、操作が複雑になることがありません。
現場の運用負担を軽減し、入力ミスを減らすことに繋がります。
また、業務ごとのアプリ分離により、入力された情報が自動的に従業員マスターに連携され、結果として情報の一元管理が自然に行われる仕組みとなります。
標準機能のみで構築可能
今回の人事管理システムの事例は、kintoneの標準機能のみで実現しています。特別なプラグインを追加する必要がありません。
これは、システム導入にかかるコストを抑えるだけでなく、システムの保守・運用を簡素化する要因となります。
kintoneの基本機能の組み合わせだけで、十分に実用的な人事管理システムを構築出来ることを示しています。
kintone人事管理システム構築のまとめ
本記事では、kintoneの標準機能のみを活用して人事管理システムを構築する方法について解説しました。
従業員マスターアプリを基盤とし、人事異動管理アプリや人事評定アプリと連携させることで、従業員の基本情報から異動履歴、評価履歴までを一元的に管理出来ます。
また、入力された評価データはグラフ分析により可視化され、組織全体の評価状況を把握するのに役立ちます。
業務ごとのアプリ分離によって現場での入力が容易になり、情報が自動的に集約されるため、効率的な人事管理を実現可能です。
プラグインが不要なため、手軽に導入し、運用を開始出来るのがkintoneで人事管理システムを構築する特長です。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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