kintone(キントーン)アプリを開発し、お客さまの業務課題を本当に解決するためには、担当者の想像力が絶対的に必要です。想像力は、単に相手の話を聞くだけでは得られない、より深い業務理解を可能にする力があります。
本記事では、業務課題を本質的に解決させる上で、必要な想像力について解説をしていきます。自社でも活かせる内容を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintoneアプリ開発を成功させるために想像力が必須な理由

想像力が乏しい場合、担当者はヒアリングで聞いた話を表面的な理解で終わらせてしまい、次につなげられません。しかし、想像力を働かせると、会話内容に基づき正しい知識が身につきます。その正しい知識に基づいて、「フィールドはこういう配置にした方がよい」といった正しいアプリ設計へと紐づくため、想像力は開発において大切です。
kintone開発者が理解すべき3つの前提要素を紹介します。 開発会社が行う仕事は、お客さんの業務課題を解決するシステムを構築することです。その実現のため、担当者は次の3つの要素を理解しなければなりません。
| 理解すべき要素 | 内容 |
| お客さんの会社の理解 | 会社の事業内容や経営方針の把握 |
| サービスの理解 | 提供しているサービス自体の理解 |
| ユーザーさんの理解 | そのサービスを使ってくれるお客様、ユーザー層の理解 |
これらの理解は前提であり、業務の流れにおいて、現場の人たちはどのような作業をしているのだろうかというところまで深く考える必要があります。これが想像力を駆使したヒアリングや業務理解の土台となります。
現場の気持ちまで想像力を働かせる必要性

kintone開発において、現場の作業プロセスまで深く考えることは、業務課題を改善するためにとても重要です。業務課題解決を達成するには、想像力を働かせ、現場の「痛み」を正確に把握することが求められます。
例えば、製造会社で事務員さんがkintoneの担当者だったとします。事務員さんは工場の現場で働く人たちの全体的なフローについては、なんとなく分かっているかもしれません。しかし、工場で働く人たちの細かい気持ちまで正確に理解できているかと言うと、意外と理解できていないケースが多いです。
具体的な事例として、工場で流れている検品において、AとBとCとDを入力する作業があるとします。Cの部分が色々と考える必要があり大変なのだ、といった現場の個別の苦労や感情が、担当者には分からないことがあるのです。
業務の流れはざっくりと分かっていても、業務の流れの中の一人ひとりの気持ち、つまり現場の「痛み」のようなところまでは、意外と分かっていません。
業務課題を改善するには、現場の「痛み」を正確に把握する必要があります。そこまで想像力を働かせた上でアプリ設計することで初めて業務改善ができます。
kintone開発担当者の想像力を鍛える具体的な方法

想像力は一朝一夕では身につくものではありません。ただし、次の3つの方法で想像力が鍛えられれば、良いkintoneの担当者になれます。
- 日頃から疑問を持ち続ける
- 部下や担当者のミスを深堀りする
- 現場の人の意見を聞く
この力を身につけるため、日頃から日常の業務や生活の中で「考える癖」をつけることが重要です。
日頃から疑問を持ち続ける

想像力を鍛える具体的な行動として、日頃から「色々考える癖」をつけましょう。
まず、日常の業務において疑問を持ち続ける必要があります。そして、「より効率良くするにはどうしたらいいか」と考え続けてください。
上司や経営者の立場であれば、社員の仕事ぶりを見ながら「この子はこういうところでつまづいてしまうのだな」「この業務はそもそもこういうところでつまづきやすいのだな」といった点を、一つひとつ自分の中でインプットする姿勢が重要です。
日常的に「この人はこういうことを考えているのだろうな」と考える癖をつけることで、それをインプットし、引き出しを増やしていけます。増やした引き出しは、いつかどこかで使える可能性があるため、想像力を高めるうえで欠かせない要素です。
部下や担当者のミスを深堀りする

開発会社が顧客の担当者へ指導する、または上司が部下へ指導する場合、想像力を持たせるための指導も重要になります。
上司や開発会社が想像力を持って指導する立場にある時、部下や担当者がミスをしてしまったら、なぜミスってしまったかという点をちゃんと深掘りしてあげることが大切です。ミスを深掘りすることで、その原因に必ず想像力の欠如や、欠けている部分があるからです。
単に「じゃあこうしたらいい」という解決策だけを示すのではなく、なぜミスしたのかというところに踏み込んだ上で、解決策を示しましょう。そうすると、ミスった事実と解決策の間に「ここの部分が足りなかったから、この解決策に辿り着かなかったからミスしちゃったんだな」という学習が生まれます。これを蓄積していくことが、皆が想像力をつけていくきっかけになります。
上司や開発会社として大切なのは、なぜミスしたのかをきちんと深掘りし、それを相手にも共有した上で、「こういう風に次やっていったら良いんじゃない」というところまでセットで伝えることです。
現場の人の意見を聞く

重要性を伝える kintone開発会社も同じように想像力は必要です。例えば、開発担当者さんが顧客の要望を受けてアプリを作っても、現場が使ってくれなかったというケースがあります。
現場が使ってくれなかった場合、開発担当者は「なぜ使ってくれなかったのだろう」という点を自分で考えて、それを踏まえて改修していかなければなりません。また開発会社は、使ってもらえないケースもあるため、きちんと現場の人の意見を聞きましょうということを、あらかじめ顧客の担当者に伝えておくことが大事です。
開発会社がリスクを伝えていくのも、一種の上司が部下に教える姿勢と同じであり、kintone開発会社としては必要なことです。
kintone担当者の想像力を見極める基準
想像力がある人か無い人かは、話を深掘りしていくと分かります。
例えば業務の話をした時に、深い視点で業務をちゃんと考えてくれている人なのか、浅い視点でしか業務を考えていない人なのかが見えてきます。深いレベルにあるのかを知りたい場合は、会話を通して、相手が業務に対して持っている知識や興味を測ることが可能です。
想像力がある担当者の割合

kintone開発の相談などで話をする中で、想像力が深いと感じる人の割合は、おおよそ半々ぐらいです。
ただし、ヒアリングする相手が全員経営者の場合、現場のことを本当の意味で分かっている想像力を持つ人は、全体の多分1割か2割ぐらいという感覚があります。
経営者は、会社全体を動かす想像力は持っています。しかし、現場の細かい作業や「痛み」を分かるような想像力という観点で見ると、その割合は低いです。
経営者が会社全体の課題について語る際、意外と部下の人が「そこじゃなくてこっちの方なんですよね、現場は」といった意見が出てくる場合があります。そのため、経営層が相談に来る場合でも、現場の担当者を同席させることが重要です。
kintone開発に現場担当者が同席するメリット

開発においては、経営者が意思決定権者であるため、最初に相談してくるのは問題ありません。会社としてどういう方向性に持っていきたいかという全体像は経営陣しか分らないため、それを組み取ってkintoneでどのような未来が描けるかを提示する必要があります。
その上で、現場の担当者と一緒に開発を進めるか、現場の担当者がメインにやっていく体制にすることが必ず求められます。経営陣の現場感が当たらないときに現場の担当者が入ることで、カバーできるからです。
kintone導入の担当者選定における注意点

kintone導入で失敗したくない会社は、なるべく想像力がある人、「痛み」が分かる人、あるいは感受性が豊かな人というのを担当者にすることが、うまくいく可能性を高めます。
担当者を選ぶ際にやってはいけないのは、「古株だから」とか「この業務が長いから詳しい」という理由だけで選定することです。
古株や業務経験が長いことは良い面もあります。しかし、その人に想像力や感受性がない場合、アプリ開発や改善が表面的な改善で終わってしまうリスクが高いです。
担当者選定の際は、経験の長さや業務知識だけでなく、想像力や感受性があるかを基準に選ぶと、結果として良いkintoneができあがります。
まとめ|想像力は全てのビジネスにおいて大事な要素

想像力は、kintoneの開発担当者だけでなく、開発会社にも求められるスキルです。またkintoneに限らず、全てのビジネスにおいても大事な要素になります。
想像力を養うためには、日頃から考えることが大切です。想像力豊かな人には、他人を人間観察するタイプが多い傾向があります。「なんでこういう行動をとるのだろう」と考えるため、想像力が働いていると言えます。
スキルが身についてきたら、アウトプットで鍛えていくことが大切です。インプットとアウトプットを繰り返して、想像したものを表現できるようになりましょう。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。













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