アルコールチェックの義務化は、多くの企業にとって重要な課題です。kintoneを活用して構築されたアルコールチェックアプリは、この義務化への対応を支援し、日々の業務負担を軽減する一つの方法となります。
本記事では、kintoneを活用したアルコールチェックアプリの作り方について解説しています。
ただし、プラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。
実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
アルコールチェック義務化の背景と概要
社用車を使用する企業にとって、運転者のアルコールチェックは重要な業務です。2023年12月以降、特定の企業ではアルコール検知器の使用が義務付けられています。
義務化の対象企業と記録の要件 義務化の対象となるのは、会社が所有する車が5台以上ある企業、または11人以上の定員の車を1台以上所有している企業です。
義務の内容としては、運転者が業務で車に乗る際、運転前と運転後に企業がアルコール検知器を使用してアルコールチェックを実施することが求められます。
また、その結果を記録として残し、1年間保存するルールとなっています。
kintoneアルコールチェックアプリの基本機能
kintoneアルコールチェックアプリの基本機能を紹介します。
- 車両管理アプリとの連携
- スマートフォンでの写真添付機能
kintoneで作成されたアルコールチェックアプリは、運転者と管理者の双方にとって使いやすい設計が施されています。
このアプリは、日々のアルコールチェック記録をデジタルで一元管理するために役立ちます。
車両管理アプリとの連携
事前に別の車両管理アプリで自社が所有する車を登録しておけば、運転者はアルコールチェック時にその登録車両の中から該当する車を選ぶだけで記録を行えます。
この連携により、車両情報の入力手間を削減できます。
スマートフォンでの写真添付機能
スマートフォンからアプリを操作する場合、「ファイルを添付ボタン」を押すとカメラが起動します。
この機能を利用し、アルコール検知器で測定された結果を写真としてアプリに添付できます。この写真添付機能は、アルコールチェックの不正防止策として管理に有効です。
運転者によるアプリ操作の流れ
運転者によるアプリ操作の流れを紹介します。
- 新規記録の作成と自動入力項目
- チェックタイミングと検知器使用の記録
- 写真添付とアルコール濃度の入力
- 申請と承認者への通知
- 飲酒時の対応について
kintoneアルコールチェックアプリは、運転者がスマートフォンから直接操作することを想定して作られています。運転者は、日々のアルコールチェック結果を容易に登録できます。
新規記録の作成と自動入力項目
運転者がアプリを開くと、「レコードの新規作成ボタン」が表示されます。
このボタンを押して新しい記録を作成します。記録を作成すると、「確認日時」にはレコードが作成された日時が自動的に入力されるため、運転者が手動で日時を入力する必要はありません。
チェックタイミングと検知器使用の記録
記録を進める中で、「チェックのタイミング」として、運転前か運転後かを選択する項目があります。
また、「検知器を使用しましたか」という項目では、検知器の使用有無を選択します。2023年12月からはアルコール検知器の使用が義務化されているため、基本的には「使った」を選択して記録しましょう。
写真添付とアルコール濃度の入力
スマートフォンのカメラ機能を利用して、アルコール検知器に表示された測定結果を写真に収め、アプリに添付します。
その後、アルコール濃度を数字で入力する項目があり、通常は「0」と入力します。
申請と承認者への通知
必要な情報の入力と写真添付が完了したら、「申請する」ボタンを押して記録を送信します。この操作により、記録が承認者である管理者へ自動的に通知されます。
運転者が行うアプリ上での一連の操作は、ここまでで完了です。
飲酒時の対応について
もしアルコール検知器で数値が高く検出され、酒気帯びと判断された場合、その情報は即座に管理者へ通知されます。
管理者は通知を受け取ると、対象の運転者に対して運転業務の禁止などの指示を出すことができます。
管理者によるアルコールチェック記録の管理
管理者によるアルコールチェック記録の管理に関して紹介します。
- 申請状況の一覧確認とステータス管理
- 未申請者の確認方法
- 指導回数の把握とCSV出力
管理者はPC画面から、運転者によって申請されたアルコールチェックの記録を一元的に確認し、管理できます。これにより、記録の抜け漏れ防止や迅速な対応が可能となります。
申請状況の一覧確認とステータス管理
運転者がスマートフォンから登録したアルコールチェックの申請は、管理用のアプリ画面に「申請中」として表示されます。
管理者は、この一覧画面で申請内容やアルコール濃度を確認し、問題がなければチェックを行うことで、ステータスを「確認済み」に変更可能です。
kintoneのプロセス管理機能において、申請ボタンの押し忘れが発生する場合がありますが、管理者は一覧画面で申請状況を確認し、未申請者に注意を促すことで、日々の業務にアルコールチェックを習慣づけさせることが考えられます。
また、条件書式プラグインを使用すれば、酒気帯びなどの特定の状況が発生した場合に、記録の色を変えて表示できるため、視覚的に問題のある記録を把握できます。
管理者は1ヶ月分のデータを一覧で確認することも可能です。
未申請者の確認方法
アルコールチェックアプリのグラフ機能を使用すると、当日の申請状況を一覧で確認できます。
このグラフに名前が表示されていない運転者がいれば、その運転者がまだ申請を行っていないと判断できます。
運転前と運転後、それぞれ1回ずつ申請が行われているかを確認できるよう、設定を調整することも可能です。
さらに、詳細な未申請者の把握を目指す場合、クルーデータなどのプラグインを活用すれば、事前に全運転者のレコードを作成しておき、申請が完了したら「1」、未申請であれば「0」と表示されるように設定することも考えられます。
指導回数の把握とCSV出力
過去に酒気帯びがあった運転者の指導回数を記録し、確認できる機能も追加できます。
これにより、個別の運転者に対する継続的な指導の状況を把握できます。また、アルコールチェックの記録はCSV形式で書き出すことが可能です。
そのため、外部機関へのデータ提出が必要になった場合でも、容易に資料として提出できます。
kintoneでアルコールチェックを管理する利点
アルコールチェックの義務化に対応するにあたり、kintoneを活用する方法はいくつかの利点があります。
kintoneは、専用のシステムを導入するのではなく、既存のkintone環境内に新たなアプリとしてアルコールチェック管理機能を構築可能です。
これにより、新たにシステムを導入する手間やコストを抑えられます。
特に建設業や運送業など、多くの車両を運用する業界において、kintoneを用いた管理方法は有用でしょう。
kintoneの柔軟なプラットフォームは、企業が義務化に対応するための現実的な選択肢の一つとなります。
kintoneアルコールチェックアプリで義務化対応と業務効率化を実現しよう
2023年12月から義務化されたアルコールチェックへの対応は、多くの企業にとって重要な課題です。
kintoneを活用したアルコールチェックアプリなら、運転者のスマートフォンからの記録登録、写真添付による証跡管理、管理者による一元的な確認まで、一連の業務をデジタル化できます。
車両管理アプリとの連携により入力の手間を削減し、グラフ機能で未申請者を視覚的に把握できるため、記録の抜け漏れを防止できます。
また、CSV出力機能により、外部機関への提出資料も容易に作成可能です。
既存のkintone環境内に構築できるため、新たなシステム導入のコストや手間を抑えられる点も大きな利点です。
特に多くの車両を運用する建設業や運送業において、kintoneは義務化対応の現実的な選択肢となるでしょう。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
コメント