salesforceからkintoneへ移行する手順は?移行する際のポイントも解説

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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「salesforceからkintoneへ移行したいけれど、具体的な手順がわからない」
「データ移行や機能の連携でトラブルが起きないか不安だ」

現在Salesforceを利用している方の中には、上記のような悩みを抱えている場合もあるでしょう。

Salesforceは高機能ですが、自社の業務に合わせるためのカスタマイズ費用やランニングコストが課題になるケースも少なくありません。

この記事では、Salesforceとkintoneの基本的な違いから、Salesforceからkintoneへデータを移行する具体的な4つのステップ・移行時のポイント、そして移行のメリットやデメリットなど詳しく解説します。

Salesforceからkintoneへの移行を検討している方や、データ移行に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

salesforceとkintoneの違いとは?

Salesforceとkintoneは、どちらも業務を支援するクラウドサービスですが、その特徴は大きく異なります。

Salesforceは、顧客関係管理(CRM)や営業支援(SFA)、マーケティング自動化(MA)など、特定の業務領域に特化した専門性の高いソリューションです。あらゆる業種のマーケティング・営業・顧客管理の領域での業務効率化を実現するために設計されています。

営業や顧客管理を支援するサービスが複数展開されており、必要な機能があらかじめ備わっているため、導入直後から実務に活用しやすいのが特徴です。専門性と高機能性を重視した構成になっています。

一方、kintoneは、さまざまな業務課題に対応できる汎用的なプラットフォームとして設計されています。最大の特徴は、ユーザー自身がプログラミングの知識なしで、必要な業務アプリを自由に作成できる柔軟性の高さです。

ドラッグ&ドロップの直感的な設定で、現場の業務に合わせたツールを開発できます。このため、従来のシステム導入で必要だった開発費用や期間、研修にかかるコストを削減できます。

salesforceからkintoneへ移行する手順【4STEP】

salesforceからkintoneへ移行する手順【4STEP】

Salesforceからkintoneへデータを移行する作業は、正しい手順を踏むことでスムーズに進められます。主な手順は以下の4つのステップです。

  1. salesforceからデータを出力する
  2. 出力したデータをkintoneに取り込む
  3. kintoneのアプリを調整する
  4. 運用に必要な機能を設定する

ここからは、各ステップで具体的に何を行うのかを詳しく解説します。

1.salesforceからデータを出力する

まず最初に、Salesforceに蓄積されているデータを出力します。

Salesforceからのデータ出力方法には、主に「データエクスポートサービス」「データローダ」「レポートのエクスポート」の3つの方法があります。

この中で、メタデータ(データの属性情報)だけではどの列がどの項目を示しているかがわかりにくいため「レポートのエクスポート」機能を選択するのがおすすめです。レポートのエクスポート機能を使えば、Salesforceの画面で見ている項目名を付与した形でデータを出力できます。

また、データ移行では、顧客情報と案件情報のように、関連するデータ同士をkintoneでも紐づける必要があります。そのため、関連するデータを出力する際には、紐づけのキーとして使う「salesforceID」も必ず合わせて出力するようにしてください。

2.出力したデータをkintoneに取り込む

次に、Salesforceから出力したデータをkintoneに取り込みます。

このとき、kintoneでデータを取り込む際には、重要なポイントがあります。それは、他のアプリに登録されている情報を参照したり、コピーしたりできる「ルックアップ」などの機能が使える形式に、出力したデータを加工しておくことです。

たとえば、顧客マスタアプリを参照する案件アプリを作成する場合、ルックアップ機能を使えば、案件アプリ側で顧客情報を何度も入力する必要がなくなり、重複データの入力を削減できます。

その際、キーとなるIDとしてSalesforceIDを使用するケースが多いです。SalesforceIDはアルファベットの大文字と小文字が混在する形式であるため、kintone側で正しく認識できるように取り込み設定に注意が必要です。

3.kintoneのアプリを調整する

Salesforceからデータを取り込んだら、kintone内のアプリを調整します。

たとえば、得意先や仕入れ先などを登録する「得意先マスタ」のようなアプリを作成したとしましょう。このアプリに、その取引先の担当者情報や過去の案件情報・見積もりの情報など、得意先に紐づくすべての情報を集約できるように設定していきます。

得意先マスタのように、Salesforceから出力した顧客情報に紐づく他のアプリ、たとえば案件情報アプリなどは、kintoneの「アクション機能」や「関連レコード一覧機能」を使って紐づけます。

このように設定し、得意先マスタのレコードを見れば、その顧客に関連するすべての情報を一覧で確認できるようになり、効率的に情報の管理が可能です。

4.運用に必要な機能を設定する

最後に、kintoneを実際の業務で運用するために必要な機能を設定します。

kintoneの大きなメリットは、自社の業務に合わせて必要な機能だけを選択し、柔軟にカスタマイズできる点です。

たとえば「kMailer(ケイメーラー)」とよばれる連携サービスを使えば、kintone内の顧客情報をもとにメールを一斉配信する機能の追加が可能です。また「krewDashboard(クルーダッシュボード)」を使えば、売上や原価の状況をグラフなどで分かりやすくダッシュボード化できます。

ほかにも「プリントクリエイター」を使って、kintone内のデータで見積書や請求書などの帳票の出力も可能です。

このように、自社の業務に必要な機能だけを選んで盛り込めるため、自社に合ったSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)としてkintoneを構築できます。

salesforceからkintoneへ移行する際の2つのポイント

salesforceからkintoneへ移行する際の2つのポイント

Salesforceからkintoneへデータを移行する際には、作業の手間を減らし、移行後の運用をスムーズにするために押さえておきたいポイントが2つあります。

  • salesforceのIDを活用する
  • kintoneの自動採番プラグインを利用する

これらのポイントを意識するだけで、データ移行の失敗を防ぎ、kintoneでの情報管理が格段にしやすくなります。

salesforceのIDを活用する

Salesforceからkintoneへ移行する際、Salesforceで使われていたIDをkintoneでそのまま活用すれば、移行の手間を減らせます。

Salesforceでは、顧客や案件などオブジェクト(データの種類)ごとに、システムが自動でIDを付与されていて、このIDはオブジェクト同士の参照にも使用されています。

データ移行では、Salesforceのデータをエクスポートし、kintoneにインポートする作業が必要です。このとき、エクスポートしたデータをなるべく加工せずにインポートできる方が、作業の手間は少なくなります。

具体的な方法として、kintone側にも「文字列(1行)」フィールドで「(Salesforce)ID」など項目をあらかじめ作成しておきましょう。そして、Salesforceで使用していたIDを、そのままkintoneでもIDとして利用します。

もしIDを設定せずにデータを取り込んでしまうと、kintoneへの取り込み後に、親子関係にあるレコード(例:顧客と案件)を紐づけられなかったり、ルックアップ先が特定できなかったりする不具合につながるため、IDの活用は必須です。

kintoneの自動採番プラグインを利用する

Salesforceから移行したデータにはSalesforceのIDが付与されますが、移行後にkintoneで新しく作成するレコードにも、重複しないIDを割り当てる仕組みが必要です。

kintoneでは、開発元のサイボウズ株式会社が、無料で利用できる「自動採番プラグイン」のサンプルを提供しています。

このプラグインを、ID管理が必要な各アプリに設定します。前の見出しで作成したkintoneの「ID」項目に対して、新しいレコードが作成されるたびに自動で番号が採番される機能の実装が可能です。

これにより、Salesforceから移行した既存データと、kintoneで新しく発生するデータの両方で、IDによる一貫した管理が可能になります。

salesforceからkintoneに移行する4つのメリット

salesforceからkintoneに移行する4つのメリット

Salesforceからkintoneへの移行や、両者を連携させての運用は、多くのメリットがあります。ここでは、主な4つのメリットを解説します。

  • 手入力の手間を省ける
  • 営業活動をスムーズにし成果を上げられる
  • 受発注管理と営業管理を両立できる
  • 契約および請求業務の自動化ができる

これらのメリットは、業務の重複をなくし、情報共有を円滑にできます。

手入力の手間を省ける

Salesforceからkintoneへ移行または連携させることで、手入力の手間を大幅に省けます。

もしSalesforceとkintoneの両方のシステムを併用する場合、通常は同じような情報をそれぞれのシステムに2回入力する必要があります。しかしシステムを連携させたり、kintoneに情報を一元化したりすれば、入力作業が一度で済み、入力工数の削減が可能です。

また、手作業による入力ミスも防げるため、データの正確性が向上します。

入力作業など単純作業が減ることで、現場の担当者は、顧客対応や分析など、より付加価値の高い本来の業務に集中できる環境を整えられます。

営業活動をスムーズにし成果を上げられる

kintoneに情報を集約すれば、営業活動の進捗や顧客情報をリアルタイムで関係者全員が共有できます。

情報が一元化されることで、営業担当者は外出先からでも最新の顧客情報を確認し、迅速に対応可能です。たとえば、過去の問い合わせ履歴や案件の状況をすぐに把握できるため、顧客対応の質も向上します。

このように情報の伝達がスムーズになり、顧客ごとに最適なアプローチがしやすくなるため、営業成果の最大化が期待でき、結果として営業チーム全体のパフォーマンスアップにもつながります。

受発注管理と営業管理を両立できる

kintoneの売上管理機能(アプリ)と、Salesforceの営業支援機能(またはkintoneで構築したSFAアプリ)を組み合わせることで、受注から請求まで、一連の業務フローを一元管理できます。

たとえば営業担当がkintoneで案件管理を行い、受注が確定したら、その情報が自動で経理部門の売上管理アプリに連携される仕組みを構築可能です。

見積書や請求書の発行、さらには入金管理もkintone上で完結できるようになるため、業務の抜け漏れや対応の遅延を防げます。

また、営業部門と管理部門の情報共有がスムーズになり、部門間の連携強化が可能です。業務全体の流れが可視化されるため、より無駄のない運用を実現できます。

契約および請求業務の自動化ができる

kintoneでは、契約管理や請求業務などもアプリで管理し、自動化できます。Salesforceのデータと連携させたり、kintoneに移行したりすれば、これらの業務も一元管理が実現します。

たとえば、Salesforceで管理していた契約情報や請求先の情報をkintoneに移行・連携させ、kintone上で契約更新日や請求日を自動で通知(リマインド)する設定が可能です。

契約情報や請求情報が自動で関連部署に反映されるため、経理部門や管理部門の業務負担の軽減ができます。

手作業による入力ミスや請求漏れを防ぐことにもつながり、連携や移行を進めれば、バックオフィス業務のスピードアップと正確性の向上に大きく貢献します。

salesforceからkintoneに移行するデメリット

salesforceからkintoneに移行するデメリット

Salesforceからkintoneへの移行はメリットが多い一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。移行を検討する際は、以下の点をあらかじめ把握しておく必要があります。

主なデメリットとしては、「拡張機能を増やすとコストがかかる」「システム連携の負担が重くなる」「大量のデータ管理ができない」などの点です。

kintoneは連携サービスやプラグインなど拡張機能が豊富ですが、利用する機能が増えるほど、当然ながら月額費用などの負担は大きくなります。そのため、kintoneに移行する業務と移行しない業務を整理し、導入によってどれだけ業務が改善されるかを事前に洗い出す必要があります。

また、自由にアプリを増やせることがkintoneのメリットですが、無計画にアプリが増えすぎると、かえってkintoneを使う社員が混乱してしまうことがあるのも事実です。こうした事態を防ぐために、導入前にシステム全体の設計をしっかり行いましょう。

さらに、kintoneでユーザー1人あたりが標準で使用できるストレージ容量は5GBまでです。そのため、写真や画像、動画など大容量のデータを管理するには不十分な場合があります。文字だけのデータ管理であれば5GBでも十分ですが、大容量のデータを扱う場合は、外部のストレージサービスとの連携を検討するのがおすすめです。

kintoneがおすすめな企業の特徴

kintoneがおすすめな企業の特徴

Salesforceからの移行先として、とくにkintoneがおすすめな企業には、いくつかの特徴があります。

主に、以下のような要望をもつ企業には、kintoneの導入が向いています。

  • 費用を抑えて業務改善を行いたい
  • 社内に抱えているさまざまな業務課題をまとめて解決したい
  • 運用しながら柔軟にシステムを最適化していきたい
  • まずは小さく始めて、将来的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を拡大していきたい
  • 社内での使いやすさや導入のしやすさも重視したい

kintoneは、自社で業務アプリを作成できるため、高額な開発費用や専門的なトレーニング費用を抑えつつ、スピーディーに業務改善を進められます。また、プラグインやAPI連携を活用すれば、業務内容の変化に応じて機能を追加・修正も柔軟に対応可能です。

Salesforceに比べて導入のハードルが低く、まずは特定の業務から使い始め、慣れてくれば自社の成長や業務レベルに応じて高度な活用へと発展させられる柔軟性がkintoneの魅力です。

また、kintoneは日本製のサービスであるため、日本企業の業務フローや文化に合ったユーザーインターフェースや設計思想が反映されています。カスタマーサポートも電話での直接対応が可能で、海外製品に多いチャットボットやフォーム対応のみのサポートに比べて、迅速な対応が受けられる点も安心材料です。

salesforceからkintoneへ移行するなら「ペパコミ株式会社」へご相談ください

この記事では、Salesforceとkintoneの根本的な違い、Salesforceからkintoneへ移行する具体的な手順、移行をスムーズに進めるためのポイント、さらに移行によるメリット・デメリット、そしてkintoneがおすすめな企業の特徴を解説しました。

「Salesforceからkintoneへ移行する際の具体的な手順がわからない」「データ移行や連携でトラブルが起きないか不安」などの課題解決に役立つ情報をお届けできていれば幸いです。

Salesforceからの移行は、コスト削減や業務の柔軟性向上など多くのメリットが期待できますが、データの移行やアプリの再構築には専門的な知識も必要です。

もしsalesforceからkintoneへの移行や運用でお悩みなら、ぜひ「ペパコミ株式会社」への無料相談をご検討ください。貴社の状況に合わせた最適な移行プランをご提案します。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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