「関連レコードってなに?」
「関連レコードをより便利にするおすすめプラグインはあるのか?」
このように、kintoneの関連レコードについて知りたい方は多いのではないのでしょうか。本記事では、関連レコードについての説明や、メリットについて詳しく解説します。
もしkintoneの特徴やできることについて詳細を知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:サイボウズ社のkintone(キントーン)とは?機能や特徴をわかりやすく解説
また、無料・有料の関連レコード系プラグインについて比較しているため、より詳しく関連レコードについて知りたい方にもおすすめの記事となっております。
kintone(キントーン)の「関連レコード一覧」機能とは
kintone関連レコード一覧とは、レコード詳細画面に「条件に一致したレコード」を一覧表示できる機能です。
kintone関連レコード一覧を使うことで、別々のデータを紐づけて一覧表示させることでまとめて見たい場合などに便利です。
よくある事例は顧客管理アプリと商談履歴アプリの紐づけです。顧客管理アプリで「顧客に該当する商談の履歴を見れるようにしたい」場合は、関連レコード機能を使い、アプリとアプリを紐づけて商談履歴を表示させることができます。
kintone(キントーン)の「関連レコード一覧」機能の特徴
kintoneの関連レコード一覧機能について解説しました。
ここでは、kintoneの「関連レコード一覧」機能のメリットを以下の2つに分けてお伝えします。
- 参照先の最新データを常に保つことができる
- ワンクリックで参照先レコードへジャンプできる
参照先の最新データを常に保つことができる
kintoneの関連レコード一覧機能を使う1つ目のメリットは、参照先の最新データを常に保つことができることです。
参照先のレコードを更新することにより、関連レコード一覧のデータも更新される仕様になっているため、常に最新の値を参照できます。
レコードを入力している間に最新情報が更新されてしまい、古い情報を参照したまま入力してしまうという状況がなくなります。
ワンクリックで参照先レコードへジャンプできる
2つ目のメリットは、ワンクリックで参照先レコードへジャンプできることです。関連レコード一覧で表示された情報の詳細を知りたい場合、クリックするだけで詳細をしることが可能です。
わざわざ、アプリのレコード画面を切り替えて必要なレコード情報を検索する必要がなく、手間が省けるため、効率的に業務を進められます。
「関連レコード一覧」と「ルックアップ」の違いとは
kintoneの関連レコードに似た機能としてルックアップ機能があります。実は「関連レコード一覧」と「ルックアップ」には、以下のような機能の違いがあります。
関連レコード一覧:事前に設定した関連レコードを一覧で表示し、最新情報を参照できる機能
ルックアップ:レコード入力時に参照先のレコード情報を取得(コピー)する機能
関連レコード一覧機能を使うと、顧客からの注文に対して見積もりを作成する際、注文に対して最新の製品価格表を参照し情報を手入力します。一方で、ルックアップの場合は製品価格表の価格を取得し自動で入力します。
kintone(キントーン)の「関連レコード一覧」の設定方法
本項は、kintone(キントーン)関連レコード一覧の設定方法について紹介します。今回は、顧客アプリに営業報告アプリのデータを表示したい場合を想定し、画像を使用して解説していきます。
①アプリの設定画面を開き、 フォームに『関連レコード一覧フィールド』を配置します。
②配置した「関連レコード一覧フィールドの歯車マークにカーソルを合わせ、[設定]を開きます。
③関連レコード一覧フィールドの各項目を設定します。
④設定が完了したら、必ずページの右上にある『アプリの更新』をクリックし完了です。
kintone(キントーン)の関連レコードの値をJavaScriptを使ってより便利に集計する方法
kintoneでJavaScriptを使い、関連レコードの値の取得・設定を行う方法もあります。(API使用)
JavaScriptによる関連レコードの値の取得方法は、以下の2つ方法があります。
- JavaScriptの雛形コードをカスタマイズする
- JavaScriptにファイルを取り込む
JavaScriptの雛形コードをカスタマイズする
JavaScriptによる関連レコードの値の取得する1つ目の方法は、JavaScript(雛形コード)を使ってレコードの値の取得と設定を行うことです。
①レコードの値の取得には「kintone.app.record.get()」、レコードに値を設定するには「kintone.app.record.set()」のAPIを使用します。
②コード編集ツール「JSEdit for kintone」をインストール
③kintone のシステム管理から「プラグインの設定画面」を開き「読み込む」をクリック
プラグインを読み込み、アプリ設定画面から「設定」タブを開きます。
④「カスタマイズ/サービス連携」の「プラグイン」をクリック
⑤「プラグイン設定画面」を開いて「プラグインの追加」をクリック
⑥一覧表示されるプラグインの中にある「JSEdit for kintone」をチェックして「追加ボタン」をクリック
⑦「設定」の歯車アイコンから編集するファイルを追加し、「新規作成」ボタンをクリック
⑧表示されるJavaScripの雛形が表示されたらコードを編集し、「保存」をクリックして完了です。
JavaScriptにファイルを取り込む
JavaScriptによる関連レコードの値の取得する2つ目の方法は、JavaScript(ファイル)を取り込んでレコードの値の取得と設定を行うやり方です。
①レコード一覧画面の右上にある「アプリ設定ボタン」をクリック
②「設定」タブの「カスタマイズ/サービス連携」にある「JavaScript / CSSでカスタマイズ」を選択
③カスタマイズの適用範囲を「すべてのユーザーに適用」「アプリ管理者だけに適用」「適用しない」の中から選択
④「URL指定で追加」もしくは「アップロードして追加」をクリックして、取り込むファイルを選択
⑤「保存」をクリックし、画面右上の「アプリを更新」ボタンを押して完了です。
kintone(キントーン)の関連レコードを便利に使うプラグイン2選【無料】
kintoneで導入できるプラグインは様々あります。本項では、無料の関連レコード系プラグインを表にまとめました。
商品名 | 関連サブテーブル一覧表示プラグイン | アプリ間レコード集計プラグイン |
企業名 | 合同会社ぱんだ商会 | 合同会社ぱんだ商会 |
料金 | 無料 | 無料 |
特徴 | サブテーブルを関連レコード一覧風に表示することが可能 | 参照元アプリのレコードの登録・編集・削除に伴う集計結果をリアルタイムに反映させることが可能 |
関連サブテーブル一覧表示プラグイン
引用先:合同会社ぱんだ商会
「関連サブテーブル一覧表示プラグイン」は、関連レコードの値を取得することができるプラグインです。表示するフィールドにサブテーブル内フィールドや、表示するレコードの条件に複数フィールドを指定できないといった、標準機能の悩みを解決してくれます。
一覧に表示されたフィールドの数値・計算フィールド列ヘッダー部にそれらの集計結果を表示することができることも特徴です。サブテーブルが無くても設定できる他、合計値だけではなく平均値や最大・最小値もアプリ内のフィールドに保存することができます。
商品名 | 関連サブテーブル一覧表示プラグイン |
特徴 |
|
料金 | 無料 |
アプリ間レコード集計プラグイン
引用先:合同会社ぱんだ商会
「アプリ間レコード集計プラグイン」は、プラグインやJavascriptを使い、関連レコード一覧の集計結果やレコード数をフィールドに保存できるプラグインです。
関連レコードとして表示するレコード数や集計結果が可変である場合、レコード編集画面を開く必要がありました。「アプリ間レコード集計プラグイン」は、関連レコード一覧の参照元アプリのレコードの登録・編集・削除に伴う集計結果をリアルタイムに反映させるプラグインになっています。
商品名 | アプリ間レコード集計プラグイン |
特徴 |
|
料金 | 無料 |
kintone(キントーン)の関連レコードを便利に使うプラグイン2選【有料】
kintoneで導入できる無料のプラグインについて紹介してきました。本項では、無料のプラグインにはない機能を兼ね備えた有料の関連レコード系プラグインを紹介します。
商品名 | 関連レコード拡張プラグイン | 関連レコード一覧表示プラグイン |
企業名 | キャップクラウド株式会社 | キャップクラウド株式会社 |
料金 | 初期費用¥55,000+年間利用料¥132,000 | FUプラグインセレクト1¥66,000(年額) FUプラグインセレクト2¥105,600(年額) |
特徴 |
|
|
関連レコード拡張プラグイン
画像引用先:キャップクラウド株式会社
「関連レコード拡張プラグイン」は、レサブテーブル表示・検索・集計・列幅調整などの機能拡張ができるプラグインです。
関連レコード拡張プラグインでできることは以下の7つ通りです。
- サブテーブル表示:関連するサブテーブルを表示することが可能
- 検索機能:降順・昇順での並び替え・文字検索や数字と日付の範囲指定による絞り込みに対応
- 集計機能:数値型のデータを自動的に集計・合計・平均・最大・最小の値を関連レコードのヘッダー部に表示
- 補助機能
- 列幅調整:関連レコード項目の列幅をドラッグで自由に調整可能
- 添付ファイルビュー:関連レコードに選択した添付ファイル(PDF、JPEG)をファイルビューワーで表示
- ページネーション:レコード数、全体ページ数を関連レコード上部に表示
料金体系については、初期費用¥55,000+年間利用料¥132,000になっており、Focus U 利用プラン(Standard以上)をご利用中の方は月額利用料が無償になっております。
商品名 | 関連レコード拡張プラグイン |
特徴 |
|
料金 | 初期費用¥55,000+年間利用料¥132,000(Focus U 利用プラン(Standard以上)をご利用中の方は月額利用料が無償に) |
関連レコード一覧表示プラグイン
画像引用先:キャップクラウド株式会社
「関連レコード一覧表示プラグイン」は、関連レコードに設置した項目を、通常の項目と同じように一覧のヘッダーに並べてデータを表示することができるプラグインです。
関連レコード拡張プラグインでできることは以下の4つ通りです。
- 関連レコード項目を一覧(カスタマイズビュー)のヘッダとして並べて表示
- 一覧画面に表示されたデータを「CSV出力ボタン」で簡単に出力
- kintone標準機能の絞り込みを使って、データの絞り込みも可能
- 複数の一覧パターンをプラグイン設定画面上で設定可能(最大10)
料金体系は、FUプラグインセレクト1¥66,000(年額)、FUプラグインセレクト2¥105,600(年額)になっており、Focus U 利用プラン(Standard以上)をご利用中の方は無償になっております。
商品名 | 関連レコード拡張プラグイン |
特徴 |
|
料金 | FUプラグインセレクト1¥66,000(年額) FUプラグインセレクト2¥105,600(年額) (Focus U 利用プラン(Standard以上)をご利用中の方は無償に) |
kintone(キントーン)関連レコードの「さらに絞り込む条件」の設定で複数条件にも対応
ここまで、関連レコード系の無料・有料プラグインについて紹介して来ました。
関連レコード一覧では、関連レコード一覧に何を表示させるかの設定の他、さらに絞り込む条件の設定ができます。たとえば「さらに絞り込む条件」を設定することで「日報アプリ」内の関連レコード一覧には「完成」のステータスである記事のみ表示されるように設定も可能になります。
本項では、「さらに絞り込む条件」についての解説、設定方法について詳しく解説していきます。
関連レコード一覧で日付の値が一致するレコードを表示
結論から申し上げますと、「関連レコード一覧」の「表示するレコードの条件」には、日付フィールドを指定することはできません。しかし、「表示するレコードの条件」に指定可能な、計算フィールドや文字列(1行)フィールドを使うことで、日付が同じレコードを関連レコード一覧に表示することが可能です。
今回は、データを参照する「案件管理」アプリと、関連レコード一覧を配置する「顧客管理」アプリの設定を例として紹介します。
【データを参照する「案件管理」アプリの設定】
①案件管理アプリに日付フィールドを追加(フィールドタイプは初期値の「日付」のまま)
②案件管理アプリに、計算フィールドまたは文字列(1行)フィールドを追加し、日付フィールドの値を取得
【計算フィールドの場合】
-フィールド名:日付(計算)
-フィールドコード:日付_計算
-計算式:日付
-表示形式:日付(例:2012-08-06)
【文字列(1行)フィールドの場合】
-フィールド名:日付(文字列)
-フィールドコード:日付_文字列
-計算式:DATE_FORMAT(日付, “YYYY-MM-dd”, “Etc/GMT”)
③登録されているレコードが存在する場合、必要に応じてレコードを更新(データのファイル書き出し/読み込みによって、レコードを一括更新することも可能)
【データを参照する「案件管理」アプリの設定】
①顧客管理アプリにも同様に、日付フィールドを配置(フィールドタイプは初期値の「日付」のまま)
②顧客管理アプリに計算フィールドまたは文字列(1行)フィールドを追加し、日付フィールドの値を取得
【計算フィールドの場合】
-フィールド名:日付(計算)
-フィールドコード:日付_計算
-計算式:日付
-表示形式:日付(例:2012-08-06)
【文字列(1行)フィールドの場合】
-フィールド名:日付(文字列)
-フィールドコード:日付_文字列
-計算式:DATE_FORMAT(日付, “YYYY-MM-dd”, “Etc/GMT”)
③顧客管理アプリに登録されているレコードが存在する場合、必要に応じてレコードを更新(データのファイル書き出し/読み込みによって、レコードを一括更新することも可能)
④関連レコード一覧フィールドを追加して完了
データを参照するアプリの手順2で設定した計算フィールドまたは文字列(1行)フィールドを指定
-フィールド名:関連レコード一覧
-フィールドコード:関連レコード一覧
-参照するアプリ:案件管理
-表示するレコードの条件:「日付(計算)」=「日付(計算)」または「日付(文字列)」=「日付(文字列)」
-表示するフィールド:任意
kintone(キントーン)関連レコード機能についてよくある質問
ここでは、kintoneの顧客管理についてよくある質問をご紹介します。kintoneでの関連レコードの利用を検討している際、ぜひ参考にしてみてください。
kintone関連レコードの一覧フィールドとは?
「関連レコード一覧フィールド」は、顧客レコード一覧と同じ意味になります。
「関連レコード一覧フィールド」のフィールドの意味とは、レコードを構成する1つ1つの項目のことを指します。アプリとアプリのレコードをキーとなるフィールドで紐づけて表示することのできるフィールドです。
kintoneの関連レコードでできないことは?
kintoneの関連レコードについて、出来ないことは以下のように5つあります。
- アプリの一覧画面に表示することができない
- 自動計算・集計に対応していない
- 「表示するフィールド」でテーブル(サブテーブル)は指定できない
- CSVファイルに出力できない
- kintoneでは削除したレコードの復元はできない
上記の出来ないことを補えるプラグインはあり、そちらについては本記事で解説している有料プラグイン紹介をご参照ください。
kintoneの関連レコード一覧機能を活用で業務管理を簡単に!
以上、kintoneの関連レコードについてご紹介いたしました。
kintoneの関連レコードを用いることで、レコード詳細画面に「条件に一致したレコード」を一覧表示できることがわかりました。自社の状況に応じて、プラグインを使用するなどの工夫で、より効率的に複数のデータを管理することができます。
kintoneの関連レコードは、参照先の最新データを常に保つことができ、ワンクリックで参照先レコードへジャンプできるため、データ管理が効率化し、業務を効率的に行うことができます。
より効率的にkintoneを運用したい方やkintoneのプラグイン導入で失敗をしたくない方は、一度詳しい方に相談をおすすめします。自社に合ったkintoneのプラグインや、アプリの構築ができます。
コメント