Excelでのデータベースの作り方は?メリット・デメリットや4つの注意点を解説

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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「Excelでのデータベースの作り方が知りたい」
「Excelでデータベースを作成するメリット・デメリットが知りたい」

このように考えている人もいるでしょう。

Excelは多くの企業で利用されている身近なツールですが、データベースとして活用するには設計や入力ルールを意識する必要があります。

ルールが曖昧なまま運用すると、集計ミスや並べ替え時の不具合が発生しやすくなり、かえって管理工数が増えるケースも少なくありません。

本記事では、Excelデータベースの基本的な作成手順や、運用時に押さえておきたい注意点について詳しく解説します。

また、Excelよりも効率的にデータ管理を行えるツールとして「kintone」も本記事では紹介します。

なお、ペパコミ株式会社では「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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目次

Excelデータベースを作成する手順【3STEP】

Excelデータベースを作成する手順【3STEP】

Excelでデータベースを作成するには、いきなりデータを入力し始めるのではなく、正しい手順を踏む必要があります。

データベースを構築するための基本的な流れを以下の3つのステップで解説します。

  1. データ構造と項目を設計する
  2. 表形式でデータを配置する
  3. テーブル化してデータベースを完成させる

各工程を詳しく見ていきましょう。

1.データ構造と項目を設計する

まず、管理したい情報と利用目的を整理し、必要な項目を明確にしましょう。日付、商品名、単価、個数などの列項目を目的に沿って洗い出すことで、後工程での修正や追加を減らせます。

併せて、各項目に入力するデータ形式も統一します。日付列は日付のみ、金額列は数値のみとルールを定めると、集計や検索を正確に行いやすいです。全体像を想定しながら、項目の重複や不足が生じない粒度で設計してください。

2.表形式でデータを配置する

項目が決まったら、Excelシートに表形式でデータを入力しましょう。1行目には必ず見出しを配置し、2行目以降は1行1件で情報を並べることで、データ範囲を正しく認識できます。

空白行の挿入やセル結合は避け、処理しやすい構造を保つことが重要です。あわせて、商品カテゴリーや日付形式などの入力ルールも統一すると、抽出や並べ替え操作がスムーズになります。

3.テーブル化してデータベースを完成させる

データ入力が完了したら、Excelのテーブル機能を使って表をデータベース化しましょう。対象の表範囲を選択し、挿入タブからテーブルを設定することで、単なる表が管理に適した構造へ変換されます。

テーブル化すると、フィルターの自動設定や行の色分けが行われ、視認性と操作性が向上します。さらに行を追加しても範囲が自動で拡張され、数式や書式が引き継がれるため、日常的な管理作業の手間の削減が可能です。

Excelでデータベースを作成する3つのメリット

Excelでデータベースを作成する3つのメリット

多くの企業でExcelがデータベースとして利用されているのには、明確な理由があります。

専用システムと比較した場合の、Excelならではのメリットは主に以下の3つです。

  • 誰でも扱いやすく管理の自由度が高い
  • データの編集や加工を直感的に行いやすい
  • 関数や集計機能を活用して分析しやすい

各メリットを詳しく見ていきましょう。

誰でも扱いやすく管理の自由度が高い

Excelは多くのビジネスパーソンが日常的に利用しているため、データベース作成にあたって、特別な研修や専門教育を行う必要はほとんどありません。プログラミング知識がなくても操作でき、作成したファイルをメールやチャットで簡単に共有できます。

さらに、管理項目の追加や変更を運用途中で柔軟に行える点も大きなメリットです。担当者項目などを後から追加する場合も列を増やすだけで対応できます。

既存のパソコン環境を活用できるため、新たなツール導入費用を抑えた運用が可能です。小規模な業務にも取り入れやすいでしょう。

データの編集や加工を直感的に行いやすい

Excelはキーボードとマウスを使った直感的な操作で、日々のデータ管理や修正を行えます。行や列の追加、内容の変更、不要な情報の削除といった基本操作だけで更新できるため、入力作業にかかる負担を抑えやすい点が特長です。

また、蓄積された情報の中から必要なデータを探す場面でも操作はスムーズです。条件を指定して表示内容を絞り込んだり、日付や金額順に並べ替えたりできるため、確認や整理に時間がかかりません。

マウス操作を中心に作業を進められる点も、業務効率の向上につながります。

関数や集計機能を活用して分析しやすい

蓄積したデータを単なる記録で終わらせず、次の行動につなげるための分析や集計を手軽に行える点は大きなメリットです。関数を活用すれば、売上合計や条件別件数など、業務に必要な数値を即座に算出でき、状況把握の精度が高まります。

さらに、データを基に集計表やグラフを作成すると、数値の傾向や変化を視覚的に捉えやすくなります。担当者別や期間別の比較も行いやすく、会議資料や報告書への転用も可能です。

日々蓄積した情報を判断材料として活かしやすく、業務改善にもつなげやすい点が特長です。

Excelでデータベースを作成する2つのデメリット

Excelでデータベースを作成する2つのデメリット

手軽で便利なExcelですが、データベースを作成する際には以下のデメリットがあります。

  • 大容量データの処理に向かない
  • 複数テーブルの一括管理が難しい

各デメリットを詳しく見ていきましょう。

大容量データの処理に向かない

Excelは表計算ソフトであり、何十万件ものデータを扱う本格的なデータベースソフトとは設計思想が異なります。データ量が増えると、ファイルを開く時間や計算処理が遅くなり、作業効率が低下しやすいです。

場合によっては操作中にExcelがフリーズして強制終了し、保存前のデータが失われる可能性も否定できません。

容量が過大なファイルでは操作負荷が高く、安定した運用が難しくなります。検索や結合処理を多用すると動作が重くなるため、Excelでのデータベース運用を簡易的な用途に限定しなければならないシーンもあるでしょう。

複数テーブルの一括管理が難しい

Excelは、複数のシートやファイルに分かれたデータを関連付けて管理する、リレーショナルデータベースとしての機能が弱いです。

顧客管理表と売上管理表が別にある場合、顧客情報を変更すると双方を手作業で修正する必要が生じます。標準機能ではデータの紐づけ管理が難しく、整合性を保つために多くの手間がかかるのです。

データが分散すると更新漏れや不整合が起こりやすくなり、業務拡大で管理が複雑化するとExcel単体での運用は限界を迎えやすくなります。

Excelでデータベースを作成する際の4つの注意点

Excelでデータベースを作成する際の4つの注意点

Excelで壊れにくく、使いやすいデータベースを作るためには、以下の点に注意が必要です。

  • 列見出しの重複を避ける
  • 1行1件のデータ形式に統一する
  • セル結合や改行を使用しない
  • 空白行や空白列を含めない

各注意点を詳しく説明してきましょう。

列見出しの重複を避ける

1行目に設定する列見出しは、必ずユニークで一意な名称にしてください。

同一の表内に「金額」など同じ項目名が複数あると、関数参照やピボットテーブル集計の際に、Excelが正しく判別できず、エラーや集計ミスにつながりやすくなります。

仕入れと売上の金額が存在する場合は、「仕入金額」「売上金額」のように内容が明確に分かる名称を設定してください。

一意の項目名を付けることで処理の正確性を保てます。あわせて組織内で命名ルールを統一すると、データの可読性やメンテナンス性も高まります。

1行1件のデータ形式に統一する

データベースを作成する際は、「1行につき1件のデータ」を入力するという基本原則を守りましょう。

1つのセルに「A社、B社」のように複数の情報を入れたり、1行に複数の日付を混在させたりすると、データの正確な扱いが難しくなります。セルごとに情報を分けて入力しないと、条件指定による抽出や件数の集計が正しく行えません。

分析や集計の精度を保つためにも、データは最小単位で入力する意識が必要です。構造が明確になり、共有時の理解もしやすくなります。

セル結合や改行を使用しない

見栄えを整える目的でセルの結合やセル内改行を使いたくなりますが、データベースとして扱う際は、結合や改行は避けてください。

セルを結合すると並べ替えやコピーが正常に行えず、処理エラーや作業効率の低下を招きやすくなります。セル内改行が含まれると、CSV形式への書き出し時にレイアウトが崩れたり、検索条件に一致しなかったりする原因になります。

改行を含むセルは抽出時のノイズになりやすいため、備考欄など必要最小限に留め、表全体はシンプルな構造を保つ意識が欠かせません。

空白行や空白列を含めない

データベースとして扱う表では、途中に見た目調整のための空白行や空白列を入れないよう注意してください。

表の途中に空白があると、Excelがそこでデータの区切りと誤認識し、並べ替えやフィルター使用時に一部の行が対象外になる恐れがあります。結果として、分析や加工で意図しない範囲指定が起こり、正確な集計が行えなくなります。

データは上下左右に隙間なく入力し、視認性を高めたい場合は行高や列幅で調整しましょう。整った表構造を維持することが、運用時のミス防止につながります。

Excelでのデータベース作成で便利な5つの機能

Excelでのデータベース作成で便利な5つの機能

Excelには、作成したデータベースを効率的に活用するための機能が豊富に備わっています。

Excelでデータベースを作成する際に役立つ、代表的な5つの機能を紹介します。

  • フィルター機能で必要な情報を抽出する
  • 並べ替え機能でデータを整理する
  • スライサーで絞り込み操作を簡単にする
  • ピボットテーブルで集計を自動化する
  • グラフ化でデータを視覚的に把握する

各機能を詳しく見ていきましょう。

フィルター機能で必要な情報を抽出する

フィルター機能は、膨大なデータの中から条件に合致する情報だけを表示できる便利な機能です。

「東京都の顧客のみ」や「売上5万円以上」など条件を指定し、必要なデータだけを抽出することで分析効率が高まります。不要な情報を一時的に非表示にできる点も利点です。

さらに、複数条件を組み合わせて詳細な抽出も行えます。表の可読性を保ったまま目的の情報へ素早くアクセスできるため、日常業務で活用頻度の高い機能といえるでしょう。

並べ替え機能でデータを整理する

並べ替え機能を使うと、データを指定した規則に沿って順番に整理できます。

日付の古い順や売上の高い順などで並べ替えることで、傾向や優先度を把握しやすいです。入力順がばらばらなデータも即座に整列でき、分析前の準備時間を短縮できます。

期限順でタスクを確認したり、商品ID順で在庫を把握したりと、目的に応じた活用が可能です。同一データがまとまって表示されるため、重複や入力ミスにも気付きやすくなります。

スライサーで絞り込み操作を簡単にする

スライサーで絞り込み操作を簡単にする

スライサーは、フィルター機能を視覚的かつ直感的に操作できる便利な機能です。

画面上に表示されるボタンをクリックするだけで条件を切り替えられるため、プルダウンを開く手間がなく、ワンクリックで絞り込みが完了します。支店名や月別のボタンを配置しておけば、会議やプレゼンの場でもスムーズに表示内容を切り替えられます。

複数条件でも迷わず操作でき、テーブルやピボットテーブルと連動した分析が可能です。ダッシュボードのような画面作成にも役立ちます。

ピボットテーブルで集計を自動化する

ピボットテーブルは、大量のデータを瞬時に集計、分析できる、Excelでも特に便利な機能です。

関数を使わずに、店舗別や商品別などのクロス集計表を簡単に作成でき、データの傾向を把握しやすくなります。項目の配置をドラッグ&ドロップで変更するだけで、視点を切り替えた分析が可能です。

一度設定すれば、元データ更新時も再集計を簡単に行えます。定型レポート作成の手間を減らし、業務効率化に大きく貢献します。

グラフ化でデータを視覚的に把握する

数字だけでは把握しづらい情報は、グラフ機能を使って可視化すると理解しやすくなります。

ピボットテーブルの集計結果を基に、棒グラフや折れ線グラフなどを使い分けることで、数値の傾向や変化を直感的に把握できます。売上推移は折れ線、構成比は円グラフなど、目的に応じた選択が重要です。

作成したグラフはWordやPowerPointへそのまま貼り付けられ、資料作成や意思決定を効率化できます。

データベースの脱Excel化を考えている方は「kintone」がおすすめ

データベースの脱Excel化を考えている方は「kintone」がおすすめ

Excelは手軽に使える一方、同時編集や権限管理、モバイル対応に限界があります。管理に不便さを感じている場合は、データベースの脱Excel化として「kintone」の導入がおすすめです。

kintoneは、専門知識がなくても業務アプリを作成できるノーコードツールです。ドラッグ&ドロップ操作で自社に合ったデータベースを構築でき、Excelファイルの読み込みにも対応しています。

クラウド上でリアルタイム共有ができるため、常に最新データをチーム全体で扱えます。さらに権限設定も細かく行え、セキュリティ面でも安心して運用可能です。

kintoneのデータベース活用の詳細は以下のページで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:kintoneはデータベースとして利用可能!3つのメリットや作成方法を解説

kintoneを活用したデータベース作成は「ペパコミ株式会社」にご相談ください

kintoneを活用したデータベース作成は「ペパコミ株式会社」にご相談ください

Excelデータベースは、基本的な手順とルールを押さえることで、誰でも手軽に作成できる管理方法です。正しい構造でデータを設計すれば、集計や分析にも活用しやすく、日常業務の効率化につながります。

一方で、データ量が増えると動作が重くなりやすく、複数人での同時利用や高度な権限管理には限界があります。組織全体で活用する大規模なデータベースには、不向きな場面も少なくありません。

Excelでは難しいデータの管理では、クラウド型の業務管理ツールである「kintone」の活用が有効です。kintoneを導入すれば、データの一元管理やリアルタイム共有が可能になり、運用負荷の軽減も期待できます。

ペパコミ株式会社では「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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