最近は、自治体の議会でもkintoneが話題になることもあるようです。
今回は、議会での答弁やkintone活用への議員視察の様子を紹介させていただきます。
kintoneと自治体業務とは
kintone(キントーン)はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。
表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディーかつ低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。
自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。
さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。
議会質問でのkintoneに関する「答弁」とは?
質問例や委員会での審議例を要約して、いくつかご紹介します。
(なお、委員会とは、本会議の審議に先だって議案などを専門的に審査する機関です。)
A市議会 委員会にて
議員① :ノーコードの説明をお願いします。
市のDX担当課:ノーコードとは……(こののち、約3,800字分の説明が続く)
議員② :kintoneにリスクはないのか。
市のDX担当課:リスクは……(こののち、文字数の約500字分の説明が続く)
議員③ :それで、業務改善の目標は?週3休の実現などか明示できないか。
市のDX担当課:kintoneは……(こののち文字数の約3400字分の説明が続く)
議員④ :作成画面はワード画面ですよね?
市のDX担当課:いえ、画面は……(こののち、約6千字ほどのの説明が続く)
……トータル約1万字の話し合いでした。
B市議会 委員会にて
議員 :kintoneで個人情報保護法に沿うことは可能か
市のDX担当課:可能です。……(こののち、約2,600字ほどのの説明が続く)
議長 :「まずは、やってみよう」という方向で応援する形でよろしいか。
他の議員:異議なし
C市議会にて
議員 :虐待防止の情報共有のために、kintoneを使おうと思ったが、予算が足りない と聞いた。サイボウズ社で虐待防止は無償化しているが、活用してみないか。
自治体幹部:精査しており、導入決定はしておりません。
議員 :虐待防止のため、早期導入を求めます。
A市、B市のように、議員によっては「DXを応援したい」けれど、kintoneやデジタルツールの解像度が弱いことが、鋭い指摘や提案をするうえでネックになっているのではないでしょうか。
kintoneに関する「答弁」に適した表現は?
さて、本題に戻ります。議会でkintoneの質問がでたときの最適な答弁は、現状ですと、「1から10まで、根気強く丁寧に説明するしかない」という段階かもしれません。
話がそれますが、議会での質問以外に、さらに最近、「議員さんの他自治体へのkintone活用状況に関する視察」も増加していますので、現状を調べてみました。
まず、「議会の視察とは何か」から確認してみましょう。
議員の視察(行政視察)とは?
都道府県議会や市町村議会の議員により、他自治体への視察を「行政視察」と言います。
定義は「市政の発展および行政等の適正な運営を行うには、高度で専門的な見識が必要となるため、先進地に赴き、その地域の実情・事例を調査すること」とされています。
日本では、国会をはじめ、地方自治体の議員の人数の多さがたびたび問題視されていますが、視察のあり方もまた、国会議員を中心に批判の対象になることがあります。
インターネットが普及する前は、他自治体を見学する価値がかなりあったように思います。
また、現代でも、建設系や防災対策などは、実際に見て理解しやすいかもしれません。
さっそく、kintoneをテーマにした、各市の視察報告書をもとに概要を確認してみましょう。
<議員視察>kintoneについての行政視察の現状
関東D市
視察者 :議員7名、随行職員1名
視察先 :関西B市(他の自治体への視察を含め、1泊2日)
視察内容:kintoneでの窓口DX
対応者 :B市議員・議会事務局幹部・サイボウズパートナー企業社員
所要時間:1時間45分
関東E市
視察者 :議員7名、随行職員2名
視察先 :関東D市(日帰り)
視察内容:kintoneを含めたDX研修
対応者 :D市 DX推進課長
関西C市
視察者 :議員7名
視察先 :九州F市(他の自治体への視察を含め、1泊2日)
視察内容:kintoneによるDX人材育成
参考に閲覧した限りですが、サイボウズ社やパートナー企業のサイトに事例として紹介されている自治体を訪問して、報告書にも、ある程度、同様の内容が載っているようでした。
おすすめはkintoneの議員視察から「議員研修」への転換
視察後に、議会で「kintoneを活用するという質問」は、共感を得られると思います。しかし、全庁的な活用が進んでいる自治体も多くなってきている時代です。議員の皆さんにも、漠然とした質問ではなく、解像度の高い質問を投げかけてもらう必要があるかもしれません。
ですので、行政視察よりも、議員研修において、kintoneをはじめとするDXツールを体験していただきながら把握していただくほうが、多くの議員さんに知っていただけて、堅実な成果をもたらすと思います。
そうすれば、漠然と長い答弁でなく、的確な答弁ができ、的確なkintoneの運営にもつながりますので、ご検討ください。
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執筆 ぴょん@ノーコードに勤しむ事務員
元自治体職員でkintone好きです。 |
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