kintoneを活用した請求書承認ワークフローの課題解決と効率的な運用方法

kintoneを活用した請求書承認ワークフローの課題解決と効率的な運用方法
小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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今回は、kintone(キントーン)を活用して請求書承認業務の課題を解決し、承認者の負担を軽減する具体的な方法を解説します。

大量の請求書による通知過多や管理の複雑さに直面している企業に、効率的な運用設計を紹介します。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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目次

kintoneの請求書承認プロセスにおける一般的な課題

kintoneの請求書承認プロセスにおける一般的な課題

多くの企業では、請求書を1件ずつkintoneのレコードとして管理し、それぞれを上長に承認してもらう運用を行っています。

この方法では、月に10枚、20枚、あるいは30枚もの請求書が発生すると、承認者にその枚数分の承認通知が届き、負担が増大する傾向にあります。

承認通知の多さは、承認者にとってストレスの原因となる場合も少なくありません。

また、請求書を1件ずつ管理する運用では、全体の状況を一覧で確認したい場合にストレスを感じる利用者も存在します。

1つのレコード内でテーブル機能を使って複数の請求情報を管理しようとすると、請求書の枚数が多かったり、ファイル添付を伴ったりする際に不具合が生じることもあるでしょう。

しかし、一方で経理部門からは、個々の請求情報に対して入金情報や支払い情報を正確に管理したいというニーズも存在します。

これらの相反する要望を満たす設計が求められる事例が多く見られます。

kintoneで実現する請求書承認ワークフローの効率化

kintoneで実現する請求書承認ワークフローの効率化

kintoneで実現する請求書承認ワークフローの効率化に関して解説します。

  • 2つのkintoneアプリによる連携設計
  • 承認ステータスの自動同期と管理の実現
  • 承認状況の可視化と絞り込み機能

請求書承認プロセスにおける課題を解決するため、kintoneでは二つのアプリケーションを連携させ、承認業務の効率化と管理精度の向上、入力者の負担軽減を実現するシステムを構築できます。

2つのkintoneアプリによる連携設計

2つのkintoneアプリによる連携設計

請求書承認の効率化には、「支払い請求保管アプリ」と「支払い管理アプリ」の二つのアプリを連携させる方法があります。

まず、各支店の担当者は、個々の請求書を「支払い請求保管アプリ」に1枚ずつ登録しましょう。

そして、1ヶ月分の請求書の内容が確定した後に、承認者である上長や社長に向けて「支払い管理アプリ」から承認申請を行います。

この仕組みにより、承認者は月に発生する多数の請求書を個別に承認する代わりに、1ヶ月分をまとめて承認する運用を可能にします。

承認ステータスの自動同期と管理の実現

承認ステータスの自動同期と管理の実現

「支払い管理アプリ」で承認者が承認を行うと、その承認ステータスは「支払い請求保管アプリ」の個々のレコードにも自動で同期されます。

これにより、支店担当者は承認が完了した請求書の支払い業務を滞りなく進行可能です。

「支払い管理アプリ」では、支払い日や支店を基準に請求書がまとめられます。

特定の月の特定の支店の支払い情報を確認する際には、「関連レコード一覧」機能を使用して、「支払い請求保管アプリ」に登録された請求書情報を一覧で表示可能です。

関連レコード表示の際には、単に支店名だけで関連付けると、全ての期間の請求書が表示されてしまう場合があります。

これを避けるため、「支払い請求保管アプリ」と「支払い管理アプリ」の両方に、支払い日と支店名を連結した「関連用」というフィールドを設ける設計が有効です。

この連結キーを利用することで、「支払い管理アプリ」では該当する月の該当支店分の請求書のみを確認できる表示となります。

承認者は、「支払い管理アプリ」で内容を確認し、詳細情報が必要な場合は関連レコードへ移動して確認できます。

気になる点があれば、コメント欄を使って担当者とやり取りを行うことも可能です。

承認状況の可視化と絞り込み機能

承認状況の可視化と絞り込み機能

承認が完了したかどうかを視覚的に分かりやすくするため、「支払い管理アプリ」の承認ステータスを「支払い請求保管アプリ」にもデータとして保持する設計が重要です。

これにより、担当者は「支払い請求保管アプリ」の一覧画面で個々の請求書の承認状況を直接確認できます。

もし承認ステータスが関連レコードでの表示のみに留まっている場合、承認されたかどうかを絞り込み検索で確認したり、一覧で把握したりすることはできません。

担当者は個々のレコードを開いて承認状況を確認する必要があり、これは実運用上で不便が生じる可能性があります。

承認ステータスをデータとして保持することで、「承認待ち」などの絞り込み条件を作成し、未承認の請求書を容易に特定できます。

このような設計は、日々の運用における利便性を高めるでしょう。

kintoneによる請求書承認のメリット

kintoneによる請求書承認のメリット

kintoneによる請求書承認のメリットは、以下のとおりです。

  • 承認業務の効率化と通知ストレスの軽減
  • 管理精度の向上と入力者の負担軽減

kintoneのシステム設計は、請求書承認業務に複数の利点をもたらします。

承認業務の効率化と通知ストレスの軽減

このシステムを導入すると、承認者に対して何件もの承認通知が届く状況が解消されます。結果として、承認者のストレスが大きく軽減され、承認業務の効率化が進みます。

1ヶ月分の請求書をまとめて承認できるため、承認プロセスが簡素化されるためです。

管理精度の向上と入力者の負担軽減

管理精度の向上と入力者の負担軽減

システム連携による自動化を通じて、請求書情報の管理精度を高めることが可能です。また、入力担当者の負担も軽減されます。

単に集計グラフで支払い額を確認するだけでは、誰がいつ承認したかという履歴が残らないため、承認の事実を記録に残すためには、このように別のアプリを介した承認フローが有用です。

この方法により、承認履歴が確実にシステム上に記録されます。

kintone構築における専門知識の重要性

kintone構築における専門知識の重要性

今回紹介したようなkintoneのアプリケーション設計は、表面上は地味に見えるかもしれませんが、多くの技術的な工夫が凝らされています。

特に、関連レコードの表示方法や承認ステータスの同期、絞り込み機能の実装など、実運用で役立つ詳細な設計は、kintoneの構築経験が豊富な専門知識を持つ者でなければなかなか気づきにくい点です。

まとめ|kintoneで実用的なシステムを構築したいなら外部サポートを検討しよう

まとめ|kintoneで実用的なシステムを構築したいなら外部サポートを検討しよう

設計の初期段階でこれらの詳細を見落とすと、運用開始後に「承認状況を確認するためにいちいちレコードを開かないといけない」といった不便が生じ、結果として時間と手間が無駄にかかる可能性があります。

専門的な知識を持つ構築担当者であれば、このような潜在的な課題を事前に予測し、より実用的なシステムを構築することが可能です。

例えば、今回の事例は、月2回のミーティングを行うサポートプランの中で開発されました。

専門知識を持つ構築会社は、豊富な経験と引き出しの多さにより、迅速かつ費用を抑えて高品質なシステムを提供できる場合があります。

今回の事例のように、利用者が自力での開発に限界を感じた際に、専門家のサポートを受けて構築を進めることは、より洗練されたkintoneの活用を実現する一助となるでしょう。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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