本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。
実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintoneゲストユーザーとは?
kintoneにおけるゲストユーザーは、自身が招待されたゲストスペース内の情報のみを閲覧できるユーザーを指します。
kintoneゲストユーザーの定義
ゲストユーザーは、特定のゲストスペース内でのみ情報の閲覧が可能です。
企業ごとにゲストスペースを作成し、各企業にゲストユーザーを契約することで、スペース単位での情報連携を行えます。
kintoneゲストユーザーの主な利用例
ゲストユーザーは、フランチャイズ本部と加盟店、あるいは協力会社との連携など、外部との情報共有の場面で活用される場合があります。
一見すると外部との情報共有に便利だと考えるかもしれません。
kintoneゲストユーザーの留意点
ペパコミ株式会社は、kintoneゲストユーザーの利用範囲が限定的であるため、そのデメリットを理解して利用する場合を除き、推奨しないケースが多いと述べています。
スペース内アプリ利用の制限
ゲストユーザーは、招待されたゲストスペース内のアプリしか参照できません。例えば、ゲストスペース内で発注管理を行う場合、品目マスタアプリが必要となります。
しかし、この品目マスタアプリが社内用として正規のスペースに存在している場合、ゲストユーザーは正規スペースの品目マスタにアクセスし、ルックアップ機能を利用できません。
そのため、ゲストスペースにも品目マスタを作成する必要があり、結果として品目マスタの二重管理が発生する可能性が考えられます。
ライセンス費用の比較
kintoneの正規ライセンスが1ユーザーあたり1,500円であるのに対し、ゲストユーザーは1,200円であり、正規ライセンスの20%オフに過ぎません。
この20%の価格差で、利用範囲の限定といったデメリットを許容できるかどうかについては、慎重に検討する必要があります。
この程度の価格差であれば、正規ライセンスの契約を検討した方が良いとペパコミ株式会社は指摘しています。
具体的な価格比較は以下の通りです。
ライセンスの種類 | 正規ライセンス | ゲストユーザー |
料金(1ユーザーあたり) | 1,500円 | 1,200円 |
割引率(正規ライセンス比) | なし | 20%オフ |
特徴 | アクセス権限の制御、必要なユーザーへのデータ閲覧制御が可能。無駄な二重管理を回避できる。 | ゲストスペース内のアプリのみ利用可能。二重管理が発生する可能性。利用範囲が限定的。 |
二重管理の可能性
ゲストスペースを使用する場合、情報やデータの二重管理を強いられるケースが頻繁に発生します。この点も踏まえ、ゲストユーザーアカウントの契約を判断する必要があります。
クルデータなどのプラグインを利用して同期させる方法もありますが、それでも根本的な二重管理の問題が残ることが考えられます。
kintoneゲストユーザーが推奨されない理由
kintoneゲストユーザーの利用には、機能上の制約とコスト面から、多くの場面で推奨されない理由があります。
ペパコミ株式会社がkintoneゲストユーザーを推奨しない理由
ペパコミ株式会社は、kintoneゲストユーザーアカウントを利用するケースが非常に限定的であるにも関わらず、価格が高いことから、あまり推奨していません。
ゲストユーザーの機能範囲が限定的であるにもかかわらず、正規ライセンスとの価格差が小さい点が、推奨しない主要な理由です。
代替案と選択肢
kintone内の情報を外部に公開・編集させたい場合、ペパコミ株式会社は基本的にプラグインの導入、あるいはkintone正規ライセンスの購入を提案するケースがほとんどであると述べています。
外部ユーザーとの情報共有においては、kintone正規ライセンス、またはプラグインのいずれかを選択することが適切です。
kintoneゲストユーザーが有効なケース
kintoneゲストユーザーが有効に機能する、特定の状況も存在します。
情報共有の独立性
共有する情報が他のアプリやデータと連携せず、独立した情報共有として活用するケースでは、ゲストユーザーが有効な場合があります。
例えば、完全に独立したプロジェクト情報や、特定の外部協力者とのみ共有する資料などに限定して利用できます。
アプリ連携が不要な場合
アプリ同士の連携が必要ないケースでは、ゲストユーザーの利用を検討できます。上述した二重管理の問題が発生するのは、品目マスタのような共有データが必要な場合です。
アプリ間の連携が一切不要な純粋な情報共有であれば、この問題は発生しません。
コミュニケーション目的
チャットやQ&Aなど、コミュニケーションを主な目的としたケースでも、ゲストユーザーは有効であると考えられます。
これらの用途では、複雑なデータ連携や多数のアプリ利用は必要ないため、限定的な機能でも対応が可能です。
ユーザー数による費用対効果
共有するユーザー数が3人から5人程度と少ない場合、プラグインを利用するよりもゲストユーザーの方が費用を抑えられる可能性があります。
しかし、ユーザー数が10人、20人、50人、100人と増える場合は、プラグインを利用した方が費用が安くなる傾向があります。
したがって、ユーザー数に応じた費用対効果を考慮し、選択することが重要です。
ゲストスペース利用の利点
ゲストユーザーの利用にはいくつかの利点も存在します。
無料での情報連携の可能性
ゲストユーザーがすでにkintoneを契約している場合、ゲストユーザーアカウントを別途契約する必要なく、無料で情報連携を行うことができます。
これは、取引先がすでにkintoneを導入している場合に、費用をかけずに連携を開始できるというメリットにつながります。
kintoneと同じUIでの運用
ゲストスペースはkintoneと全く同じユーザーインターフェース(UI)を持っています。
このため、kintoneユーザーがゲストアカウントを使用する際にも、操作に抵抗感を感じることなく、スムーズな運用が可能であると考えられます。
まとめ
kintoneのゲストユーザーは、外部との情報共有の手段として検討されることがありますが、その利用には限定的な機能範囲や二重管理の可能性といった留意点があります。
特に、正規ライセンスとの価格差が小さいにも関わらず機能が制限される点は、慎重な検討を促します。
外部との情報連携を目的とする場合、ペパコミ株式会社は、プラグインの活用、またはkintone正規ライセンスの購入を推奨しています。
しかし、情報共有が独立している、アプリ間の連携が不要、コミュニケーションが主な目的、またはユーザー数が少数であるといった特定のケースでは、ゲストユーザーの利用が有効な場合もあります。
kintoneを導入する際、あるいは外部連携を考える際には、ゲストユーザーのメリットとデメリットを十分に理解した上で、自社の状況に合わせた最適な選択を行うことが重要です。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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