元自治体職員歴10年でkintoneに携わってきましたので今回は自治体のkintone活用事例をご紹介します。
自治体には10年、自治体の受託組織には6年の経験があり、実務でkintoneを一人で導入から内製まで取り組んだ経験があります。
今回は、「自治体のkintone事業例」を4回に分けて、ご紹介します。
【kintoneと自治体業務とは】
kintone(キントーン)はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。 表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディー&低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。 自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。 さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。 |
自治体のkintone事業例 40選(順不同)
1 避難所運営(危機管理部門・防災部門)
【旧来の状況】
施設情報、避難者情報、食糧など必要な物の手配、担当スタッフの交代、周辺の災害情報がバラバラで、初手が遅くなれば、高齢者などの関連死も心配になり、運営は非常につらい業務でした。
【kintone化した場合】
例えば、「避難所ごとの避難者数表示」「避難所入所時の滞在区分判定」「避難所への避難予定者数を事前入⼒」がリアルタイムで情報共有できます。
【公表されている前例】
別府市は活用事例をオープンデータとして紹介してくださっています。
2 災害情報の通報(危機管理部門・防災部門)
【旧来の状況】
災害情報(地震、コロナ、土砂、鳥獣等)の集約は、電話、メールからホワイトボードなどで集約するしかありませんでした。そこから、本部で対応を分担していました。
【kintone化した場合】
災害情報を市民から写真や被害・避難に関する情報を、地図情報上とkintone上に集約され支援部隊がスムーズに把握できます。
【公表されている事例】
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m006185.html
3 放置自転車の通報(道路政策部門)
2と同じ仕様で準備できます。
4 防災福祉カンタンマップ(福祉部門)
【旧来の状況】
災害の避難時に、支援が必要な人の情報を地域役員や福祉職員が、紙ベースで、ときには任意で助けようとしていました。
【kintone化した場合】
リスクの見える化、支援が必要な方の情報共有、避難計画、災害時の情報共有が可能となりました。
【公表されている前例】
5 選挙事務 応援職員の募集 (選挙事務局)
【旧来の状況】
各投票所単位で、責任者や選挙事務局を中心に選定しており、やりたい人と任せたい人のミスマッチが起きていました。
【kintone化した場合】
庁内公募し選定することも可能となり、世代交代が進むと考えられます。
6 投票事務 時間帯ごとの報告(選挙事務局)
【旧来の状況】
時間帯ごとに本部に投票者数をいちいち電話・チャットなどバラバラで本部に連絡していました。
【kintone化した場合】
各投票所のマイページに連携したフォームから報告できます。
【公表されている前例】
拡張機能は、トヨクモFormBridge(フォームブリッジ)・マイページに活用するトヨクモkViewer、カスタマインが活用されている例があります。
7 補助金・助成金システム(産業振興部門・福祉部門)
【旧来の状況】
補助金情報をウェブサイトに載せ、申請書類一式をExcelやワード、PDFを添付してダウンロードしておき、市民(ここでは、都民、県民、府民、道民、市民、町民、村民を「市民」という。)や事業者が入力し、紙で出力し提出する。職員は間違いがないか、照合して決裁にまわす。
【kintone化した場合】
フォームからマイページ、帳票出力までデータが一元化できる。市民や事業者にとっても、職員にとってもミスや負担が減り、支援がスムーズになります。
【公表されている前例】
拡張機能は、トヨクモFormBridge(フォームブリッジ)・マイページに活用するトヨクモkViewer、トヨクモPrintCreaterが活用されている例が多いです。コロナ渦に増加した事例です。
8 介護サービス事業所、福祉サービス事業所などとの連携(福祉部)
【旧来の状況】
多くの高齢者や障がい者が入所する施設の「監査」や「指導」、「災害時の情報共有」は、各自治体にメールやFAX、紙などの人海戦術で行わざるを得ませんでした。また、個別のシステムをつくるには、高額のシステムを外注することが必要でした。
【kintone化した場合】
福祉サービス等事業所に対する監査・指導等を行う部署が事業所情報が一元管理できるマスタアプリを構築し、通報、事故報告、届出情報管理アプリ等、次々と構築し、マスタアプリと紐づけて一元管理をできます。
9 医療機関との連携(保健福祉部門)
【旧来の状況】
コロナ渦のワクチン接種で各医療機関の予約は施設に問い合わせしなければならず、各医療機関も電話対応でパンクしてしまう状況でした。
【kintone化した場合】
医療機関の空き状況をkintoneとトヨクモFormBridge(フォームブリッジ)・トヨクモkViewerでサイトに埋め込み閲覧できるようになりました。併せて、同一の部署で、同一の拡張機能を活用し、「医療機関の情報を、随時、直接、更新してもらえるシステム」や、「頻繁に変更される新型コロナに関する連絡をkViewerで共有するシステム」も、拡張機能の費用の範囲で構築可能でしょう。
10 介護認定調査業務
【旧来の状況】
介護認定調査とは、市民から「要介護認定申請が合った際に、その後に行われる「聞き取り調査」を言います。「聞き取り調査」には、市区町村の認定調査員が自宅や施設等を訪問し、ご本人やご家族に聞き取りを行い要介護者の心身の状態を確認します。 なお、74項目の基本調査と特記事項からなる調査の後、コンピュータによる一次判定、介護認定審査会による二次判定を経て介護認定調査の結果が通知されます。高齢者の増加に伴い、人材の確保や調整の負担が課題となっています。
【kintone化した場合】
kintoneと拡張機能のカンタンマップを活用し、訪問介護認定の調査スケジュール調整を効率的にできます。具体的には、調査員のシフト・技能、申請者の都合を考慮した自動調整ができ、訪問先の地図をすぐに調査員に渡せます。
11 要介護認定審査業務
【旧来の状況】
9の「介護認定調査」のあと、要介護認定の2次判定を行う「介護認定審査会」の関連業務もまた増えつづける申請に、関係者の負担が増大していました。自治体の担当者が資料を準備し、審査会委員が資料を持ち歩き審査が行われます。とくに、高齢者とご家族、高齢者を抱える介護サービス事業所にとっては、介護申請から介護認定まで、1ヶ月以上、結果や進捗がわからないジレンマを抱えていました。自治体の担当者のもとには、進捗状況を照会する電話がひっきりなしにかかってきていました。
【kintone化した場合】
審査会業務そのものをデータ化すると同時に、審査の進捗情報をウェブで開示し、被保険者番号で検索するシステムで、進捗の電話確認が減少します。
【公表されている前例】
(2/4)に続きます!地図情報との連携事例などを紹介します。
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この記事を読んで迷っている担当者の皆様の力になります。
執筆 ぴょん@ノーコード事務員
元自治体職員でkintoneが大好きです。 自治体には10年、自治体業務の受託機関には6年の経験があり、実務でkintoneを一人で導入から内製まで取り組んだ経験があります。 |
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