kintoneを導入することで、企業は「業務の一元化」「システムの内製化」「業務の効率化」、そして「組織風土の改革」という4つの大きなメリットを得られます。
多くの企業では、業務の煩雑化や属人化に悩まされており、ツールの分散や外注依存によって柔軟な対応が難しい現実があります。
本記事では、実際の活用例を交えながら、kintoneがもたらす4つのメリットを具体的に解説し、企業にどのような変化をもたらすのかを深掘りしていきます。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
kintone導入で得られる主なメリット
kintoneを導入すると、企業は主に4つの大きなメリットを得られます。これらのメリットは、業務プロセスの改善から組織全体の文化変革まで多岐にわたります。
- 業務の一元化
- システムの「内製化」
- 業務の「効率化」
- 組織「風土」の改革
これらのメリットは、企業の要件や社内の運用フローによって実現の度合いが異なる場合があります。
1. 業務の一元化
kintoneは、業務に合わせたアプリケーションを自由に作成できるため、様々な業務を一元的に管理できるようになります。
業務の一元化は、複数のツールを使用することで生じる不便さを解消するために重要です。たとえば、タスク管理ツールでタスクを管理し、案件詳細は別のExcelで管理している場合、関連情報を見るためには複数のツールを行き来し、手作業での転記が必要になる場合があります。このような状況では、二度手間が発生し、作業の煩雑さが増します。
kintoneを導入すると、これまで別々のツールで管理されていたタスク管理やコミュニケーション、有給申請などをkintoneのアプリケーションで代替したり、連携させたり可能です。
これにより、すべての業務やデータがkintoneに集約され、一元的に管理できるようになります。案件管理とタスク管理をkintoneでまとめて行えば、ワンクリックで案件の詳細情報を確認できるようになり、情報の転記作業が不要です。
多くの企業は、複数のツールを行き来する手間をなくし、情報を一か所で確認したいという理由でkintoneを導入しています。
2. システムの「内製化」
システムの内製化は、外部委託に依存することなく、変化するビジネスニーズに柔軟に対応するために重要です。
従来のフルスクラッチ開発のようにゼロからシステムを構築する場合、改修にはプログラマーへの依頼と追加費用、そして時間がかかります。また、開発段階での認識のずれにより、運用後に新たな要望が発生する場合もあります。
外注に頼ると、費用や時間がかかるだけでなく、改修しても期待通りにならない場合にさらなる費用や期間が必要になるため、システムの改修には慎重にならざるを得ません。結果として、面倒に感じて改修を放置し、現状の無理な運用で対応しようとするケースも発生します。
内製化が可能であれば、費用を気にせず(人件費を除く)、思いついたときに改修を試すことができ、試行錯誤を通じて最適な運用方法を見つけられます。
ただし、kintoneを扱える人材が一人に集中しないように注意が必要です。特定の担当者しかkintoneを扱えない場合、その担当者が退職すると内製化が維持できなくなる可能性があります。内製化を継続的に実現するためには、一人の人材がkintoneのスキルを習得したら、それを社内に広め、複数人が扱えるように育成していくことが重要です。
3. 業務の「効率化」
効率化の具体的例としては、データ転記作業の削減が挙げられます。前述の一元化によって、異なるツール間でのデータ移動が不要になるため、転記作業が大幅に減ります。
また、kintoneのアプリケーション内で自動集計ができるため、これまでの手作業による集計業務を自動化できます。
Excelなどを使用している企業では、案件管理と売上集計を別々のシートで行い、関数を組む必要がある場合が多いですが、kintoneでは情報を入力するだけで自動集計が可能です。
このように、kintoneは日々の業務における手間を削減し、全体的な業務効率の向上に寄与します。
4. 組織「風土」の改革
kintone導入の最大のメリットであり、実際にkintoneを導入し運用を続けている企業が最も実感する点は、社員の意識が変化し、組織の風土が改革されることです。
従来のシステムは、一度導入されると改修に費用や時間がかかるため、「変えられないもの」として認識されがちでした。そのため、社員は与えられたシステムをそのまま使い、業務も決められた通りに行うという「作業的な感覚」で仕事をしていました。システムを変えるという発想自体が生まれにくい環境でした。
しかし、kintoneのように自社でアプリケーションを作成したり改修したりできるツールを導入すると、社員の意識が変わります。
自分たちで変更できることが現実的であると認識するため、「そもそもこの業務はこうしていたけれど、kintoneでこうできるなら、こうすればもっと良いのではないか」という思考が生まれます。
社員の主体性を育み、組織を変えるkintoneの力
自由度が高いツールであるkintoneを導入することは、社員の主体性を高め、組織を大きく変えるきっかけになります。これは単なるシステムの話に留まらず、人間的な考え方、つまり課題を見つけて改善策を考案する習慣を養うことにつながります。
思考プロセスを身につけられると、社員は大きく成長し、その成長が会社の成長へとつながるでしょう。
kintoneの構築支援を行う企業は、顧客の現状再現の要望にただ応えるのではなく、業務の本質を考え、「kintoneならどうあるべきか」という視点でシステムを構築することが求められます。
現状をそのまま再現しようとすると、kintone本来の良さが活かされず、社員の主体的な思考を促すことにつながりません。顧客の課題解決を最大の目的として、最適な方向へ導くことがプロの役割であり、kintoneの真価を引き出す鍵となります。
kintone導入の本質は「システム導入」ではなく「組織変革」
kintone導入によって得られるメリットは、一時的な業務改善にとどまらず、企業文化の変革にまで及びます。
アプリで情報を一元管理できることで業務効率が向上し、システム内製化により現場主導の改善が可能になります。そして最も大きな効果は、社員の主体性を引き出すことで、日々の業務の中で「どうすればもっと良くなるか」を自然に考えるようになる点です。
kintoneは単なる業務システムではなく、企業と人の成長を後押しする“思考の土台”となる存在です。もし導入済みでも成果を実感できていない場合は、まだその本当の力を引き出せていないかもしれません。今こそ、kintoneの導入目的を再確認し、真の活用へと歩みを進めてみてはいかがでしょうか。
なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。
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