kintoneを使っていると、kintoneにある情報の一部を外部に公開・編集してもらいたいと思うことがあると思います。
これをきっかけにデータ外部公開サービスの利用を検討した担当者も多くいるかと思いますが、自社に合ったサービスがどれなのかわからないなど、最適な連携方法を選ぶのは難しいですよね。
この記事では、4つのデータ外部公開サービスの比較とメリットやデメリットについて解説していきます。
本記事を読むことで、データ外部公開サービスへの知識が深まり、自社に合った最適な外部連携をすることができ、業務の負担を軽減させることができます。
この記事でわかること
- kintoenデータを外部公開するメリット・デメリット
- 自社に適した外部公開サービスの選び方
- パターン別のおすすめ
こんな人におすすめの記事です
- kintone内のデータを外部公開・編集させたい方
- 自社に合う外部公開サービスを探している方
kintoneのデータは外部に公開できるの?
外部公開とは、kintoneにある情報の一部を外部に公開・編集してもらえる状態にすることです。
大雑把に言うと、「kintoenで作った見積書を業者に送るのでなく、見に来てもらう仕組みにする」ということになります。
このような仕組みにすることで情報の共有・管理面などのメリットが多いのですが、kintoneの標準機能だけだとデータを一般公開することはできません。
そこで必要なのが「外部公開サービス」です。外部公開サービスを使用することにより、kintoneライセンスを持たないユーザーにもkintone内の情報を公開することが可能になります。
また、kintoneライセンスを増やす方法もありますが、ライセンス付与のコストが掛かるため、顧客に商品情報を公開する場面が多いのであれば、外部公開サービスを利用する方が手間も少なくなります。
kintoneのデータを外部公開するメリットは?
kintoneのデータを外部公開するメリットは、以下の3つになります。
- kintone内で管理している予定を共有・管理が可能
- FAQページとして活用して問い合わせの負担を軽減
- 商品在庫や予約状況を開示できる
最大のメリットとしては、データを都度共有する手間がなくなることですが、上記の3つに分けて細かく紹介していきます。
kintone内で管理している予定を共有・管理が可能
kintoneでは、チーム毎でのタスク管理やスケジュール管理が可能です。
また、お互いがkintoneユーザーであれば、情報共有がスムーズであり、予定も容易に把握することができます。
一方で、kintoneユーザーではない外部の人からは状況を把握することができません。
このような場面の時に、外部公開を使うことでkintoneユーザーでない場合でも、相手は自分の状況を把握しやすくなり、日程調整やタスク共有もスムーズに行えるようになります。
また、自分のスケジュールを公開しておくことで、相手の都合に良い日を提案してもらえれば、日程調整の手間を省くことができます。
FAQページとして活用して問い合わせの負担を軽減
企業には顧客からの問い合わせが多くありますよね。
商品やサービスに対しての質問が多いと思いますが、似通った質問への電話やメールでの対応は時間と労力が掛かります。
このようなケースについても、外部公開サービスでFAQ(よくある質問)ページを作成・公開することで解決が可能です。
FAQページを外部に公開することで、問い合わせに対応する社員の負担が軽減されますし、顧客は自ら疑問を解決でき問い合わせする手間を省くことができます。
自社と顧客のお互いに対して、FAQぺージはあって損はありません。
商品在庫や予約状況を開示できる
買い手目線だと、商品の購入を考えている時に、在庫状況をリアルタイムで確認できたら購入しやすいです。
しかし、在庫状況を管理するシステムと顧客向けのWebページが連携されていないと、在庫情報の更新は大変です。
外部公開サービスを利用し、リアルタイムで外部に在庫情報を公開することで、買い手は商品の在庫をいつでも確認することができます。
この場合だと、企業側は在庫状況を更新する必要がありません。
在庫状況を確認できれば、買い手側も在庫に関する問い合わせもせずに、欲しいタイミングで購入することができます。
kintone外部公開サービス4選|メリット・デメリットから料金まで比較解説
kintoenの外部公開サービスを4つとライセンスの付与について紹介していきます。
- ゲストスペース
- じぶんぺージ
- フォームブリッジ×kViewer
- じぶんフォーム×じぶんレコード
- 番外編|kintoneライセンスを付与する
外部公開サービスの紹介では、メリットやデメリット、料金の比較も紹介するので参考にしてみてください。
外部公開サービス①|ゲストスペース
kintoneのライセンスとは別物の「ゲストユーザーライセンス」があります。
kintoneにはゲストスペースがあり、その中に入っているアプリやスレッドでゲストユーザーとやり取りすることができます。
このゲストユーザーは、kintoneライセンスと同じようにアカウント単位で料金が発生しますが、kintoneライセンスがある場合は無料になります。
ゲストスペースのメリット・デメリット
【メリット】
ゲストユーザーがkintoneを契約している場合無料で情報共有をすることができます。
また、kintoneと使用感が同じなため、ゲストアカウントでも運用がしやすいです。
【デメリット】
ゲストスペース内のアプリしか使えずアプリ同士の連携できる幅が狭く、ゲストユーザーのみ購入するのはおすすめできません。
なので後ほど番外編で紹介しますが、kintoneライセンスを外部様に購入して利用した方が、結果的にコストを抑えることができます。
ですが、アプリ同士の連携をせずに簡単な情報交換のみ扱う場合は、ゲストスペースの使用はアリだと思います。
ゲストスペースの料金
ライトコース | スタンダードコース | |
料金 | 月額580円/1ユーザー | ~100個 |
ゲストスペース数 | 月額1,200円/1ユーザー | ~500個 |
ゲストユーザーで契約する場合、kintoneライセンス契約時とコストが変わりません。
そのため、契約時はkintoneの利用頻度を考え直したうえで、ゲストユーザーで契約または外部用でkintoneライセンス契約を検討するのがよいでしょう。
ゲストスペースの使用イメージ
伝言や転記、二重チェックなど無駄な作業を削減できるのはとてもよい点です。
kintoneライセンス同士である場合、簡単な情報共有をするだけなら利用してみてもいいかもしれませんね。
ですが、ゲストユーザーである以上、制限やコストがあるため、正直あまりおすすめはできません。なので、この後に紹介するプラグインの活用またはライセンスの付与がよいでしょう。
外部公開サービス②|じぶんページ
じぶんページとは、外部の人用のマイページを作成することができる外部公開サービスです。
利用ユーザーはPCやスマホだけでなく、専用のスマホアプリからでもアクセスすることができます。
ユーザーごとにアクセス権等で、表示や編集権限の設定もできるようになっています。
じぶんページのメリット・デメリット
【メリット】
- kintoneと似た操作性で非常にコスパが良い
- フォームブリッジ×kViewerにはないレコード表示やコメントの利用も出来る
【デメリット】
- JavaScript開発が出来ないためじぶんページの仕様内でなんとかするしかない
- いきなり大幅なアップデートがある点が少し気になる
じぶんページの料金
料金 | |
~50ユーザーまで | 10,000円/月 |
51ユーザー以降 | 100円/月 |
先ほどの「ゲストページ」と比べてわかるように、コスパはとても良いです。
じぶんページの使用イメージ
特定の条件で抽出したレコードのみを共有しコミュニケーションができるため、Excelをメールで送るなどといった手間が省けます。
機能面に関しての批判は少ないですが、大幅なアップデート(デザイン変更等)がいきなり行われることがすこし気になります。ただ、その辺をあまり気にしない場合には非常に優れた外部公開サービスといえますよ。
外部公開サービス③|フォームブリッジ×kViewer
フォームブリッジはkintoneと連携したWebフォームを作成することができ、フォームに入力した情報をkintoneに連携して自動登録できます。
kViewerは、kintone内の情報を外部公開できるサービスです。
この「フォームブリッジ」と「kViewer」を組み合わせることで、kViewerでkintone内の情報を外部に共有し、編集はフォームブリッジで行えるようになるのです。
フォームブリッジ×kViewerのメリット・デメリット
【メリット】
- 大人数利用であればコスパが良い
- デザインが見やすく、スマホでも操作しやすい。ユーザービリティに優れている
- JavaScript開発ができるため細かい事もできる
- 安定性やサポート性が強い
【デメリット】
- 少人数の場合コスパが悪い
- 設定が難しく最初の方は苦労する
- サブ担当者が1人まで
- ログインが二段階認証で面倒に感じる
フォームブリッジ×kViewerの料金
料金 | |
フォームブリッジ | プレミアムプラン 14,000円
プロフェッショナルプラン 24,000円 |
kViewer | プレミアムプラン 15,000円
プロフェッショナルプラン 24,000円 |
連携をするのであれば、最低限プレミアムプランが必須であるため、上記の金額がプレミアムプランから記載しています。そのため、最低でも29,000円/月になります。
さらにプロフェッショナルプランの場合は、両方とも24,000円になるので、合わせて48,000円/月になります。
プロフェッショナルプランは、複数のアプリを自由に画面遷移できるシングルサインオンができるため、必要なのであれば利用するべきです。
フォームブリッジ×kViewerの使用イメージ
フォームブリッジとkViewerを合わせることで、外部に公開・編集させることができますが、先ほど説明した「じぶんページ」のような使い方になります。
ですが、じぶんページと違ってJava Script開発ができるので、標準的な仕様で物足りない部分を補いたい場合にはとても活躍するでしょう。
外部公開サービス④|じぶんフォーム×じぶんレコード
じぶんフォームで問い合わせフォームを作成し、じぶんレコードで外部共有をしていく形になります。
顧客がお問い合わせを利用した場合に、自動返信でリンクを飛ばし、リンクを踏むことでじぶんレコードが機能するなどの仕組みを作り上げることができます。
また、顧客がじぶんレコードを編集した場合、kintone側のレコードも編集された状態になります。
じぶんフォーム×じぶんレコードのメリット・デメリット
【メリット】
- 問い合わせのページを容易に作成できる
- コスパが良い
【デメリット】
- できることが限られており、使用する場面が限定的
じぶんフォーム×じぶんレコードの料金
料金 | |
じぶんフォーム | 月1,000件までは5,000円/月 |
じぶんレコード | 月1,000件までのURL発行5,000円/月 |
他の外部公開と比べ、かなり格安に感じるかもしれません。1人あたり5円くらいなので試してみても良いかもしれませんね。
じぶんフォーム×じぶんレコードの使用イメージ
お問い合わせなど、特定のレコードのみであり、1回だけの閲覧・編集しかしない時は有効です。
ライセンスを振るまでもない場合は、じぶんフォーム×じぶんレコードがコスパ良く活用できるはずです。
番外編|kintoneライセンスを付与する
kintoneライセンスを付与することで、外部と同じ目線で設計できるため、非常に便利になります。なので多数の外部ユーザーではない場合こそ、kintoneを付与するべきです。
ただし、対する会社の規模や外部公開をする目的に大きく左右されるため、ライセンスを付与するメリット・デメリットをしっかりと整理し、慎重に検討するとよいでしょう。
じぶんページとフォームブリッジ×kViewerどっちがいいの?|パターン別のおすすめを紹介
紹介した外部公開サービスの中でもおすすめの「じぶんページ」と「フォームブリッジ×kViewer」ですが、結局はどっちの方がいいのか、以下の3つの観点から解説していきます。
- 料金で比較
- 機能面で比較
- その他のポイントで比較
自社に合った外部公開方法に悩んでいる方は、参考にしてみてくださいね。
料金で比較
料金 | |
じぶんページ | 50ユーザーまで10,000円/月 ~430ユーザー38,000円/月 |
フォームブリッジ×kViewer | プレミアムプラン 29,000円/月
プロフェッショナルプラン 48,000円/月 |
じぶんページは、430ユーザーの場合、50ユーザーまでの金額と合わせて48,000円/月になります。
なのでその場合には、フォームブリッジ×kViewerのプロフェッショナルプランの料金と同じになります。
つまり、フォームブリッジ×kViewerのプロフェッショナルプランとした場合には、430ユーザー未満だとじぶんページの方が安く、430ユーザー以上必要な場合はフォームブリッジ×kViewerの方が安くなります。
料金で比較する際には、利用するユーザー数を把握した上で検討するとよいでしょう。
機能面で比較
じぶんページ
じぶんページはkintoneライセンスを将来的に付与するのが前提で導入するのはアリです。
じぶんページにはkViewerにはないコメントや関連レコードなどの機能が備わっており、kintoneの機能を大体使えるようになっています。
じぶんページを通して「kintoneが効果的に使える」と感じた場合、kintoneライセンスを外部に付与した場合にkintoneもスムーズに扱えることが期待できるでしょう。
また、開発などせず標準機能のみでシンプルな使い方をする場合にもじぶんページはおすすめできます。
フォームブリッジ×kViewer
フォームブリッジ×kViewerが何よりじぶんページと違うのは、「JavaScript開発が可能」な点です。なので、細かい制御や改修が必要になる場合には、圧倒的にフォームブリッジ×kViewerがおすすめです。
例えば、テーブル内で指定の行だけ編集させないようにするために、編集不可のチェックマークを付けることなんかもできます。このような細かい制御はじぶんページには無理なので、フォームブリッジ×kViewerを選ぶとよいでしょう。
その他のポイントで比較
レコードやコメント機能などの機能は、じぶんページでしか使えないので、これらの機能が使いたい場合にはじぶんページがよいでしょう。
一方、プリントクリエイターなど他のトヨクモ製品を契約している場合は、フォームブリッジ×kViewerと連携できるため便利です。
上記のようにじぶんページにできて、フォームブリッジ×kViewerにはできない場合もあり、その逆もパターンもあります。
なので、料金や基本的な機能面の比較で悩んだ際には、自社にとって有効に使える+αの部分を参考に検討するのもよいでしょう。
kintoneのデータを外部公開して業務をスムーズに進めよう
- kintone外部公開サービスのメリット&デメリット
- 外部公開サービス4選
- パターン別でのおすすめ
本記事では、上記の流れでkinotneの外部連携サービスについて紹介していきました。
このkintoneの外部公開サービスに対する質問は、多くの企業が抱えているため、読んでも迷ってしまう場合は、お問い合わせすることをおすすめします。
また、YouTubeなどにも動画があるため、参考にしてみてください。
自社に合った外部連携サービスを利用し、最適な業務改善を実現させてみてください。
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