kintone研修を実施する場合、多くの場合、庁内に浸透していくことが目的です。
今回は、意外と失敗が多くなってしまう「自治体のkintone研修」の企画や講師選定方法をご紹介します。
kintoneと自治体業務とは
kintone(キントーン)はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。
表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディーかつ低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。
自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。
さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。
1.効果的な学習プログラムをつくる方法の例
🔳 学習プログラムの案を提案します
(1)導入部分
次の内容を、自治体担当者から説明してもらう。<再掲>
kintoneとは? kintoneエコシステムとは?※詳細は次項へ
(2)LTをしてもらう(実践事例発表)
熱量がある方がいたら、他の自治体からお招きしてもいいかもしれません。
淡々とした表現ですと、あまり、相手に響かないので、熱量のある人を選びましょう。
(3)実際の操作方法
委託したパートナー企業の講師に依頼する場合が多いでしょう。
(4)拡張機能で簡単なシステムを実際につくる<再掲>
担当が外部講師・内部講師かは自治体が検討しましょう。
(5)グループワーク「こんなのをつくってみたい」
ファシリテーションができる職員を、班ごとに配置しましょう。
(6)アンケート
意欲のある講師は、「悪い情報もください」と言ってくれるので、次年度に向けて、依 頼先を検討するポイントの一つです。
(7)庁内のコミュニティの案内
場所は、Garoonのスペースやkintoneのスペースを活用しましょう。
研修時までに、希望者が参加しやすいように準備しましょう。
🔳後日、プラスアルファの時間をつくれた場合
できれば、次の内容を研修するために、プラスアルファの機会を考えましょう。
担当は、外部講師でも、内部講師でも、自治体にとって合っているほうを選びましょう。
(1)復習の場
(2)実践発表の場
このように、プラスアルファの機会が作れたら、実践発表は、幹部も招き、さらに「DX に力を入れる自治体として」のアピールの場になるので、投げ込みやプレスリリースし、 成果を知ってもらう機会にするといいかもしれません。
きっと、次年度の予算獲得によいアピールの機会になるでしょう。
2.「内部講師か、外部講師か」を決める
まず、講師を職員による「内部講師」か、サイボウズパートナー企業による「外部講師」がありえません。それぞれのメリット・デメリットがありますので、各自治体で検討してみましょう。
内部講師(職員)の場合
★メリット
- 庁内の職員の理解度に合わせて行える。
- 各課単位など、受講者を多く行える。
- 各課の業務にそった学習プログラムをつくることができる。
- 業務の最中、わからなくなったら、質問に行ける。
★デメリット
- ほかの企業や組織の「生の声」にあまり触れていない。
- 汎用性のある展開を進める際の「注意点」に気づきにくい。
- ほかの業務を行いながら進めるため、準備時間があまり取れない。
外部講師(パートナー企業)の場合
★メリット
- kintoneの基本についての説明だけでも、失敗例も含めて、非常に詳しい。
- たいていは、わかりやすい説明ができる。
- 様々な構築の例を想定しながら、今後の展開を見据えて、教えることができる。
- kintoneの魅力を伝えてくれる。
- 自分たちの自治体の意外な良さに気づいてくれることもある。
★デメリット
- 研修を売りにしていない場合、講師としての能力が高いとはわからない。
- 適切な講師の選定が成果の決め手になる。
- 企業向けのパッケージ研修から一切変更してくれない。
3.すでにkintoneの浸透に失敗しているケースのリベンジの場合もある
既に、「kintoneは難しい」「ほかのツールでいい」と、匙を投げてしまっている職員も出てきています。組織単位で匙を投げているケースも少なくありません。
ですので、今は、「リスキリングツールとしてkintoneがおススメされている時期」を超えて、「kintoneそのもののリスキリング」の時期でもあるのです。
しかし、自治体は失敗が許される環境ではありません。税金で運営されている組織ですから、事前の十分な準備で、浸透を成功させる必要がありました。
庁内に、kintoneのすばらしさを理解している職員がいても、2回目の挑戦ができない文化がゆえに、はがゆい思いをしている人もいるかもしれません。
ですので、自治体のkintone担当者の皆様も、自治体にかかわるパートナー企業の皆さまも、その状況をご理解いただき、取り組んでいただきたいと思います。
4.kintoneファンでない職員のニーズに応じる
上記の実態を踏まえますと、「 kintoneファンでない職員のニーズ」と向き合うことが重要です。例えば、研修に限っても、実務に反映させるための方法を学びたいのであって、おそらく、kintoneの魅力を知りたいわけではありません。
成功のために、そうしたドライな感性を大事にしながら、企画をしていきましょう。
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執筆 ぴょん@ノーコードに勤しむ事務員
元自治体職員でkintone好きです。 |
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