能登地震の教訓「自治体の災害時避難訓練にkintoneも必須」

2024年1月1日の能登半島地震を機に、「災害時のIT支援」も重要だとわかってきました。そのため、今回は、自治体の災害時避難訓練におけるkintone等のIT面も配慮する方法をご紹介します。

目次

kintoneと自治体業務とは

kintone(キントーン)はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。

表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディーかつ低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。

自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。

さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。

能登半島地震でのkintone活用

能登半島地震では、2024年1月1日、石川県能登地方を震源として発生したマグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生しました。災害での死者は関連死を含め500名以上、負傷者約1300名以上、住家被害としては、全壊約8,000棟、半壊約9,500棟の被害がありました。

さらに「ライフラインの被害」と「避難所・避難生活者」は、次のとおりです。

<ライフラインの被害>

・電気:最大約4万4,000戸の停電。

・水道:最大約13万5,000戸の断水。

・交通網:道路・鉄道・空路が一時不通。

<避難所>

・避難所:400か所以上

・避難生活者:最大で7千人以上

当時は、自主避難所もあり、避難所数の把握すら困難という状況に陥りました。そこで発生直後に、サイボウズ株式会社に、政府から「被災地のIT支援」を要請する連絡が入りました。サイボウズ株式会社とパートナー企業の合計13社で、政府や自治体、自衛隊、他企業等と連携し、kintoneを使って被災地の避難所や避難者の情報集約・マッチング・進捗管理を行い、被災者の支援の負荷を軽減できました。

(詳細 令和6年能登半島地震におけるサイボウズによるIT支援の現状

また、活用された「kintone拡張機能・連携サービス」の例は、次のとおりです。

・フォームブリッジ・kViewer・kMailer・プリントクリエイター(トヨクモ株式会社)

・カンタンマップ(あっとクリエーション株式会社)

・カレンダーPlus(合同会社ラジカルブリッジ)

 ※そのほか、詳細は、サイボウズ災害支援プログラムを参照してください

上記の事例を踏まえると、災害の現場では「被災者の命を守るためにも、職員の疲弊を少しでも軽減するためにも、kintone等のIT支援」が不可欠であることが明白になりました。

つまり、災害支援そのものに「IT」が必要となったので、「自治体が行う避難訓練」にも、IT支援を加えて想定する必要がでてきました。

<今までの災害支援>

<今までの災害支援>

<今後の災害支援>

<今後の災害支援>

そもそも、「自治体の災害時避難訓練」とは

自治体の避難訓練は、災害対策基本法で定められています。

具体的には、下記の項目を決め、訓練計画を立てて実施します。

(1)主催者 

 A市・A市教育委員会・消防本部・消防団などで形成されます。

(2)概要  

 目的・日時・場所

(3)想定する災害  

・〇〇県沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生し、A市で震度6強を観測。

・各地で建物の倒壊・土砂災害・道路の崩壊により、多数の負傷者が出て、火災も発生。

・電気、ガスなどのライフラインへの大きな被害が発生。

・A市は、直ちに市役所に災害対策本部を設置。

(4)主な災害対応例

・トイレ用水確保  (例 プールの水)

・トイレトラック設置(例 災害連携協定締結自治体B市からの支援)

・避難所開設・運営 (避難者難者の受け入れ・仕切による避難スペースの確保)

・要配慮者の避難  (高齢者や障害者、乳幼児、妊産婦、外国人などが該当)

・炊き出し     (例 自衛隊の地元駐屯地からの支援)

・ライフラインの復旧(例 電気・ガスの関係機関)

・道路啓開・緊急車両の通行 (例 警察署)

・支援物資搬送・受け入れ開始(例 災害応援協定自治体C市から)

・倒壊した建物から救出   (例 災害救助犬、消防団)

・倒壊建物消火   (例 町内会による初期消火)

・傷病者搬送訓練  (医療機関と連携)

まだ、避難訓練で「IT支援」は実施していない自治体が多いです。

能登半島地震時のkintone活用法の具体例

(1)避難所の特定について

(1)避難所の特定について

<支援の一例>

・都道府県、被災自治体、自衛隊でデータ一元化

・孤立集落や自主避難所の特定と不足物資の配布

(2)避難者支援

(2)避難者支援

<支援の一例>

・避難者名簿や避難者の健康状態などのデータを一元化

・要介護者への介護士派遣システム

上記の他にもボランティアセンターのマッチングなど複数のIT支援が行われました。

(3)避難訓練に加えるkintoneの支援の例

・避難所台帳アプリをその場でつくってみる

・避難者アプリをその場でつくってみる

・要介護者アプリをその場でつくってみる

訓練で、作ろうとしてみるだけで、いざ災害に見舞われたとき、とっさに動けます。

ご紹介は、以上です。

最後に、能登半島地震の教訓から学ばせていただくなら、まずは、「平時」が大切です。

まずは、kintone職員研修でスキルアップし、関係機関と相互に連携できる関係を築き、日ごろから、情報の一元化や共有、ペーパーレスを意識することから始めましょう。

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執筆 ぴょん@ノーコードに勤しむ事務員

元自治体職員でkintone好きです。

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