【災害対応で必須】kintoneを活用した社会福祉協議会や行政の外郭団体の事例と課題11選

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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昨今、国内の多くの地域で、地震や豪雨などの災害が発生しています。そんなとき、災害ボランティアセンターの立ち上げをしてくれているのは社会福祉協議会(社協)です。

サイボウズ社でも力をいれている災害支援の活動では、災害ボランティアセンターの運営におけるkintoneの活用での支援があります。災害時にスムーズに活用するに通常時に慣れておきましょう。

さらに、社協だけでなく「行政の外郭団体」でも、kintone活用も広がっています。当記事では、そうした背景をふまえ、社協や外郭団体における活用事例や課題、把握するポイントをご紹介します。

ペパコミ株式会社では、実際の業務を想定した伴走支援や研修が可能です。検討中の方は、お気軽にご相談いただければ幸いです。 

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目次

社会福祉協議会とは?

社会福祉協議会とは?

※引用:社会福祉法人 全国社会福祉協議会(全社協)ホームページ

そもそも、社会福祉協議会とは、どのような組織でしょうか。社協は、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした非営利の民間組織で、全ての自治体単位に設置されています。歴史的には、渋沢栄一が全社協の初代会長でもあり、社会福祉の礎にも功績をのこしたことでも有名です。

では、さっそく、次のとおり、社協を理解していきましょう。

  1. 社会福祉協議会の「共通する事業」
  2. それぞれの社会福祉協議会によって異なる事業

1.社会福祉協議会の「共通する事業」

各地の社協では、主に、次のような事業が共通して行われています。

社協 事業例
社協 ・災害時の支援(災害ボランティアセンターの設置・運営等)

・福祉関係者向けの研修

・民生委員・児童委員への活動支援

・成年後見制度支援・権利擁護事業

・生活支援(生活困窮者支援・貸付事業)

・ボランティアセンターの運営

・相談支援業務(生活困窮・高齢・障がい者など)

・くらしの支援(サロン、見守り活動、配食サービスなど)

2.それぞれの社会福祉協議会によって異なる事業

各地の社協は、地域性に応じ、それぞれ特色ある事業を展開しています。下記は一例です。

(1)過疎地域で多い事業例

  • 買い物代行・乗り合いタクシー
  • 雪かきボランティアのコーディネート

(2)都市部で多い事業例

  • 子ども食堂支援
  • 外国人住民相談・翻訳支援
  • 認知症家族会・認知症カフェ
  • ひきこもり支援

(3)その他の事業

  • 自治体からの委託(地域包括支援センター運営など)
  • 被災地での復興住宅のコミュニティ支援

行政の外郭団体とは

行政の外郭団体とは

さっそくですが、行政の外郭団体とは、どのような機関でしょうか。実は、定まった定義がなく、一般的に行政の組織の外部にあって、行政運営の支援・補完を行う団体を外郭団体と呼んでいます。

さっそく、ここでは、下記のとおり、国の省庁と地方自治体ごとに例示しますので、理解していきましょう。

  1. 省庁の外郭団体とは?
  2. 地方自治体の外郭団体とは?

1.省庁の外郭団体とは?

省庁ごとの外郭団体の例をご紹介します。下記は一例です。

所管 外郭団体の例
法務省 日本司法支援センター(法テラス)
外務省 国際協力機構(JICA)
文部科学省 国立大学法人・日本学生支援機構(JASSO)
厚生労働省 日本年金機構・福祉医療機構(WAM)
農林水産省 日本中央競馬会(JRA)
経済産業省 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

2.地方自治体の外郭団体とは?

地方自治体が出資または財政支援、人的支援をしている団体の例をご紹介します。

これらの団体は、自治体に似た仕組みであることが多いですが、LGWANでなくインターネットで業務を行えることが多く、kintoneのプラグインの選定は幅広く行えます。

<外郭団体の事業や受託業務例>

  • 美術館・歴史館・文化センターの受託を行っている法人
  • 観光協会やコンベンションビューロー
  • シルバー人材センター
  • 住宅供給公社
  • 健康保健財団など

kintone活用例と課題11選(社協・省庁や自治体の外郭団体など)

kintone活用例と課題11選(社協・省庁や自治体の外郭団体など)

ここでは、社協や外郭団体のkintone活用事例として、分野ごとにご紹介します。

  • 災害ボランティアセンター事例
  • 社協の通常業務における事例・課題例
  • 省庁の外郭団体の事例
  • 地方自治体の外郭団体の事例
  • ペパコミ株式会社の事例(公益性や公共性のある組織)

【災害ボランティアセンターのkintoneの活用事例】

災害時には、様々な機関が支援に出動します。社協は、タイミングや状況を見計らって、災害ボランティアセンターの開設などを行います。

機関 主な特徴
国・自治体 消防・警察・災害対策本部・避難所・物資の提供・自衛隊派遣要請など
社協 災害ボランティアセンターの立ち上げ・運営

これらを踏まえて、さっそく、下記により事例をみていきましょう。

  • 事例①:災害ボランティアの募集と登録・スケジュール管理 
  • 事例②:被災者からの支援要望をリアルタイムで把握・共有
  • 事例③:災害ボランティアセンター ICT研修・訓練

災害ボランティアの募集と登録・スケジュール管理

災害ボランティアの募集と登録・スケジュール管理

ウェブ上で、ボランティア申込みフォームを作成し、社内でオンラインで共有しています。手書き台帳やExcel管理では限界がありますので、職員の方は一人以上が必ずできるようになっていましょう。

予め学んでおくこととしては、次の内容をおすすめします。

  • kintoneの標準機能
  • kintone連携サービスの外部フォームの作成方法
  • スケジュール管理のプラグインの活用方法
  • ボランティアが足りない日の公開に使える外部公開ツールの作成方法

被災者からの支援要望をリアルタイムで把握・共有

被災者からの支援要望をリアルタイムで把握・共有

被災者のニーズの把握と共有にkintoneを活用できます。とくに、災害には同じ災害はありません。相手から事情を引き出し、ニーズを掘り起こし、災害関連死を防ぐ取り組みに結びつける必要があります。

さらに、自治体と連携が円滑であれば、罹災証明書と被災者ニーズの把握のデータ連携などが可能になるので、日ごろから連携するポイントを協議しておきましょう。

予め学んでおくこととしては、次の内容がおすすめです。

  • kintoneの標準機能
  • 地図の入った外部フォームのつくり方
  • 音声入力の使い方
  • 多言語対応の使い方

災害ボランティアセンター ICT研修・訓練

災害ボランティアセンター ICT研修・訓練

現在、多くの都道府県社協や市町村社協で、実施されているのが、災害時のkintone活用を想定した研修と訓練です。

<研修内容の例>

  • 災害ボランティアセンターのシステム運営事例
  • 必要なアプリ例
  • 連携サービスやプラグイン
  • 通常業務への応用
  • 情報発信の鉄則

<アプリ例>

  • ニーズ管理
  • ボランティア管理
  • 日報
  • 議事録
  • スタッフの共有事項やスケジュール

今は学べるチャンスが増えているので、この機会を大切にしましょう。

【社協の通常業務におけるkintone活用例】

サイボウズ社やプラグインのベンダー、活用を支援するパートナー企業には、災害時に支援する体制があります。

しかし、災害は多発していますので、必ずしも応援を依頼できるとは限りません。そもそも、行政のように法的拘束力はありません。

日常業務から活用し、慣れておくことがおすすめです。

ここでは、事例だけでなく、課題例もご紹介します。

  • 事例④:社協内の業務は、事業を超えてkintoneで運用
  • 事例⑤:<課題>kintoneを通常導入済の社協の課題は「パートナー企業選定」

社協内の業務は、事業を超えてkintoneで運用

社協内の業務は、事業を超えてkintoneで運用

一度、アプリ開発やプラグインや連携サービスでシステムをつくる経験をしておくと、社協の様々な業務に応用が可能です。プラグインの多くはドメイン単位の課金なので、応用例が増えるほど、コストは低減します。

<応用できる業務例>

  • 要支援者管理マップ
  • ボランティア情報とマッチング
  • 地域包括支援センター運営(例:多職種連携)
  • 貸し出し物品・施設の予約
  • 講座・研修受講者管理(出欠・アンケート)
  • 団体・会員管理
  • 相談記録管理

なお、プラグインの選定には、次の2軸で検討することをおすすめします。

プラグインを選ぶ際のポイント

<課題>kintoneを通常導入済の社協の課題は「パートナー企業選定」

<課題>kintoneを通常導入済の社協の課題は「パートナー企業選定」

ここでは、事例ではなく「課題例」をご紹介します。
kintoneを既に導入し、軌道に乗った社協でも、「パートナー企業への保守を依頼するか」「依頼するなら、どう選ぶか」が課題になります。

<パートナー企業に発注する心構え>

  • 担当者自身がkintoneをよく理解し仕様を整理し、パートナー企業に丸投げしない。
  • 依頼先を変更できるようにしておく。リテラシーを高めて、ベンダーロックインさせない。
  • 社協で活用できる業務の棚卸しをする。職員のニーズを吸い上げる。
  • 依存させる会社はNG。
  • スクラッチ開発は高額になりがちと認識する。

【国の省庁の外郭団体である独立行政法人などの活用例】

国の省庁の外郭団体でも、kintoneの活用が広がっています。できれば、省庁でも実践していただきたいですが、業務改善やデジタル化の実践をしづらい仕組みになっています。

少数の官僚が本庁でシステム化を計画し、大多数はそれに従う形です。裁量がなく試行錯誤する力を発揮しにくい事情があります。

せめて、外郭団体の皆さんはぜひ、積極的に取り組んでみてください。

  • 事例⑥ 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)予算とコストを可視化する事例
  • 事例⑦ 国立大学法人 学内外の申請業務をペーパレス化とデータ一元化

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)予算とコストを可視化する事例

IPAは経済産業省の所管で、IT技術の推進を目的とし、情報セキュリティ対策やIT人材育成などを行っています。ここでは「業務の実績に関する評価」の公表事例をご紹介します。

  • データに基づく迅速な経営判断の事例:機構内ITシステムに対する予算とコストを可視化する「ダッシュボード(初版)」をkintoneを活用し構築した。
  • 業務アプリにより、手続きを簡略化した事例:ドキュメントやメールで申請する煩雑なプロセスに対し、kintone等を活用し業務アプリをつくり手続きが簡略化された。

国立大学 学内外の申請業務をペーパレス化・データ一元化

大学の運営においても次のような場面で、kintoneでのペーパーレス化やデータの一元化が進んでいます。

<大学の活用業務例>

  • 研究者データ・業績評価
  • 講義情報・履修情報・履修変更フォーム
  • 奨学金申請
  • 学会情報の届け出
  • 施設予約システム
  • 寄附金の申込システム
  • 団体設立の申請フォーム
  • 社会人プログラム
  • キャリアセンター業務

これまで紙や電話での対応だったものからkintone化したため、業務時間の削減につながっています。

【地方自治体の外郭団体の活用例】

自治体が出資している外郭団体には、様々な組織があります。

地方自治体に似た機関で、自治体の様々な部門とも連携しています。自治体で習得する知識や経験が必要となるため、経営者に自治体出身者が多い点も特徴です。

LGWANを使わないでいい環境も多いので、より一層、便利です。ここでは次の事例をご紹介します。

  • 事例⑧:地方自治体の外郭団体の公社などの業務

地方自治体の外郭団体などの事業や業務への活用例

<kintone化できる事業や業務の例>

事業・業務の例

(類似機関を含む)

kintone・プラグインで一元管理の例
文化センターの運営
  • イベント管理・イベント情報サイトやチラシ連携
  • セミナー主催・参加者管理
  • 施設・備品の貸し出し申請
歴史館・美術館の運営
  • イベント主催・サイトやチラシ連携
  • 入場料の徴収(電子マネーなど)
コンベンションビューロー
  • 全国大会の誘致にかかる支援内容の情報
  • 補助金申請・電子決裁・帳票出力連携
  • 会員管理・サイト連携・チラシ連携
観光協会
  • 観光スポットの紹介サイトの更新
  • 観光案内所の管理(日報・スケジュール)
  • 地域の観光協会の情報共有
  • 会員管理・サイト連携・チラシ連携
シルバー人材センター
  • しごとの依頼内容の管理とサイトと連携
  • 会員管理とマッチング
組織の運営
  • 文書管理システム
  • 経理や人事業務・社内手続き

【ペパコミ株式会社の支援事例(公共性・公益性のある事業)】

ペパコミ株式会社の事例のなかにも、公共性・公益性のある事業や組織の事例があります。

外郭団体ではありませんが、参考にしてください。

「認証事業者・審査員との情報共有マイページ化」

「ラベル発行システム(組合員管理・ラベル発行・外部入力フォーム連携)」

「特許調査・登録業:顧客管理・案件管理・進捗管理(ワークフロー)」

災害が起きる前に把握したい「kintoneのポイント」

災害が起きる前に把握したい「kintoneのポイント」

システムやITに苦手意識がある人でも、組織内にまずは一人でも、慣れている職員がいることで、災害時の緊急の支援は円滑化します。

考える前に、次のような「kintoneの基本」の確認と無料のお試しを使って手を動かすことから始めましょう。

  • 「むずかしくないノーコード」と「アジャイル開発」
  • 「データ一元化のメリット」と「プラグイン」
  • 「使うほどコスパがよくなる課金の仕組み」

「むずかしくないノーコード」と「アジャイル開発」

「むずかしくないノーコード」と「アジャイル開発」

kintoneは、プログラミングせずに、ドラッグ&ドロップで「業務システム」をつくることができます。そのため、コードが不要という意味で、ノーコードやローコードのツールと呼ばれています。非IT人材にとって、扱いやすいのが特徴です。

そのため、現場に即し、即座にシステムをつくることも、即座に改修することも可能です。これをアジャイル開発と呼びます。

そのため、デジタルリスキリングの教材としても人気です。

「データ一元化のメリット」と「プラグイン」

kintoneは標準機能としては、チームで共有できるデータベース・コメント・プロセス管理がメインです。プラグインや連携サービスなどの拡張機能が多くの企業から提供されています。併用することで多様なシステムを実現できます。

kintoneとプラグインの仕組み

kintone上でデータを一元化し、プラグインや連携サービスを併用し、転記作業から解放されます。

転記作業から解放

エコシステムは生態系という意味で使われます。kintoneエコシステムは、kintoneを業務改善のプラットフォームとして活用するための「プラグインのベンダー」さらに「開発や研修や伴走支援のパートナー企業」を含めたサービスの生態系の仕組みをさします。

kintoneのエコシステム

使うほどコスパがよくなる課金の仕組み

「使うほどコスパがよくなる課金の仕組み」

kintoneは標準機能としては、チームで共有できるデータベース・コメント・プロセス管理がメインです。課金の仕組みは、ユーザー単位です。

プラグインや連携サービスなどの拡張機能が多くの企業から提供されています。併用することで多様なシステムを実現できますが、プラグインの課金の仕組みの多くは、kintoneのドメイン単位であることも多いです。そのため、業務システムを増やすほど、コスパが良くなる仕組みです。

なお、kintoneのアカデミック・ガバメントライセンスや、災害時の無償サービスもあるので、最大限利用しましょう。

また「研修の経費が気になる」という場合は、近隣の社協が合同開催するなど、工夫することができるかもしれません。

社会福祉協議会や省庁や自治体の外郭団体で、kintoneを活用したい場合は、ペパコミ株式会社へご相談ください

社会福祉協議会や行政外郭団体でkintone活用が進み、災害ボランティアセンター運営のほか、ボランティア管理、相談記録、施設予約など多様な業務に対応しています。

独立行政法人では予算可視化や申請業務のペーパーレス化、外郭団体ではイベント管理や会員管理に導入されてきました。

kintoneはノーコード開発により現場主導でシステム構築でき、プラグインでデータ一元化を実現できます。ドメイン単位課金のため、活用範囲が広がるほどコスト効率が向上します。災害支援の無償提供もあり、事前準備としての導入メリットは大きいでしょう。

なお、ペパコミ株式会社ではkintone導入から活用できるようなるまで伴走支援を行っています。kintoneを導入するかお悩みの方、上手く活用できずにお悩みの方はぜひご連絡ください。

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

ペパコミ株式会社代表取締役。youtubeにて「kintone活用ちゃんねる」と、kintoneのプラグインメディア運営。kintoneの構築や内製化を伴走支援を行なっており、kintone運営会社「サイボウズ社」のビジネスにおいて、顕著な実績を上げたパートナー企業や個人を表彰する制度である「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞し、セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)も受賞。

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