「kintone×生成AI」での自治体の業務改善する方法 

今回は kintoneでChatGPTなど生成AI活用で改善できる自治体業務の実践例を紹介させていただきます。

目次

kintoneと自治体業務とは

kintone(キントーン)はプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。

表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディーかつ低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。

自治体や行政にとっては、データを共有し見える化できるだけでなく、データ一元化により、日ごろの「照合作業」から解放されます。

さらに、kintoneの拡張機能を使って、帳票、ウェブページ、メール、フォームと連携でき、低コストでDXを進める行政機関が続々と増えています。

kintoneと連携するAIの拡張機能(LGWANで使用可)

さっそく、kintoneと生成AIを連携させる拡張機能をご紹介します。

いずれのツールも、LGWAN環境でも対応しています。なお、自治体業務の環境は、インターネット環境、LGWAN環境、マイナ環境と分かれています。一部の自治体では、インターネット版kintoneでは個人情報・機密情報を入れないアプリを運用し、逆に個人情報・機密情報を利用するアプリはLGWAN版kintoneを使うというルールにしています。

業務への使用例としては、「答弁書作成」「通知文作成」「仕様書の作成」などが挙げられます。具体的な拡張機能は、次の2種類のツールの事例が紹介されることが多いようです。 ①

AI職員ばりぐっどくん for kintone(株式会社西海クリエイティブカンパニー)

<ポイント>

自治体向けAIばりぐっどくんのLGWAN-ASPサービスとしての正式名称です。

kintoneを通して、生成AIを使った文書作成、文章の要約や翻訳、文字起こしを行うことができ、作成した文章は、kintone上にて編集と保存が可能。

ばりぐっどくんは、AI業界内でも非常に多くのユーザー数No.1を誇っており、2023年5月時点で356万人を超えるユーザーがいます。

Smart at AI for kintone Powered by GPTとは(M-SOLUTIONS株式会社)

<ポイント>

Smart at AI for kintone Powered by GPT(通称:Smart at AI)は簡単・安全・効率的にkintone内でChatGPTなどの生成AIが利用可能になるkintone連携サービスです。LGWAN対応もしています。なお、ChatGPT(チャットGPT)は、OpenAI社が開発した対話型のAIサービスです。ユーザーの質問に対して、独自の文章や画像を生成することができるAIのことです。

ITに詳しくなくても、プラグインを設定すればkintone上でAIが利用可能です。また、プロンプト(指示文)にはフィールドの値を挿入でき、kintoneのデータを用いてプロンプトを作成できます。

ペパコミでも、動画でノウハウを提供しています。

kintone×生成AIでの自治体業務改善例

(1)議会の答弁書の素案作成

(1)議会の答弁書の素案作成

今までは深夜まで庁舎の明かりが煌々と点いていて、残業の印象があるのが議会中でした。

夜になるまで行っている業務は、質問があった部門では、例えば、市役所の場合ですと、質問の担当課の職員が情報収集しながら、素案を作成し、課長、副部長、部長、副市長、市長と承諾をもらうプロセスでした。

生成AIですと、編集が必要だとしても、素案作成の段階でAIに作ってもらうことが可能です。さらに、kintoneなので、その素案の編集プロセスを市長まで共有できる日がくるかもしれません。

(2)文字起し・議事録作成

(2)文字起し・議事録作成

以前は、録音した会議を若手職員や非常勤職員が「テープ起こし」を行っていました。会議後に行うのは大変でした。

音声ファイルからテキスト化し、議事録整形:音声からテキスト化した情報を、各自治体の様式に沿った議事録に整えることができます。

(3)紙媒体の情報をテキスト化、要点をまとめる

国から届く文書は重要な事項だけれど、PDFである場合も少なくありません。画像からテキスト化しておくことができます。

さらに、行政の資料は、書類のボリュームが特大であることが常です。「言った」「言わない」の水掛け論層になるので、網羅して情報を載せなければならないので、仕方ありません。書類の作成者はともかく、異動して引継ぎを受ける職員には理解しなければならず、大きな負担です。そんなとき、まずは、要点をサラッと把握するために役立ちます。

(4)翻訳する(外国語と日本語の要約)

訪日外国人観光客も多くなりました。どの自治体でも外国語を介したコミュニケーションの必要性が高まりました。

今回の紹介例は以上です。

ぜひ、楽しみながら取り組んでみましょう。

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この記事を読んで迷っている担当者の皆さんの力になります。

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執筆 ぴょん@ノーコードに勤しむ事務員

元自治体職員でkintone好きです。

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