kintone構築のペパコミ株式会社 竹谷です。
Excelで管理している事柄をkitnoenで行いたいという
ご要望に対して、試行錯誤した話です。
実際にExcelはとても便利なので、
同じことをkintoneでやろうとすると難しいことがあります。
どのような部分が難しいかをお伝えします。
一覧表示が見づらい
大項目・中項目・小項目の分類を表示して
それぞれの数字を俯瞰してみたい、という使い方に対して、
kintoneは全然できません(笑)
「セルを固定」のような機能もないので、テーブルが横に長くなると
見づらくて仕方ありません!
結論で言えば、項目ごとの一覧表や、グラフ集計を使えば
見たいデータは見ることができるので、用途としては足りています。
しかし、今まで全体を俯瞰することで、頭に入ってきた人からすると
目的の数字だけを吸い上げる見方では理解しづらいと思います。
例えは、複数店舗を経営している会社があるとします。
大項目→地域
中項目→商品カテゴリー
小項目→商品名
そして横軸に月別売上が記載されていて、
項目や、ポイントとなるところに色がついているとします。
全体を俯瞰してみたときに、何となく「売れている傾向」「売れない傾向」を
フワッとつかみ、詳細を確認していくという人は多いと思います。
これがkintoneだと、その表示をするために入力するフィールドを並べるところから始まります。
一覧で見ようしてもExcelほど見やすくすることは難しいです。
ただ詳細データをしっかりためておくことで、全体数字、グラフ集計などで
見たいデータを見たい形で表示することは可能です。
「Excelと同じ見え方」にこだわらなければ、データの蓄積としては
kintoneの方が絶対的に優秀なので、「なぜその表が必要なのか」という
目的を再度確認して、使うツールを決めていくことが大事です。
集計の柔軟性がない
テーブルで縦横の計算式は作ることができます。
しかし、Excelでいうところの列指定や行指定の計算式を入れることができません。
先ほどの例でいうと、地域別の集計値と、最後に合計とか、
3ヶ月ごと集計値と、年間合計、みたいに間を抜かした集計値などが難しいです。
関数で「○○の場合はO」など試行錯誤すればできなくはないのですが、
Excelのようにセルを選んで式を組むような簡易的な形ではできません。
そうすると、小計が複数入る見積書や請求書を簡単に作成することができなくなります。
kintoneで入力するときの見え方と、帳票出力の形を変えるなどして
工夫すればできなくはないのですが、帳票出力プラグインも
多機能に対応するものを選択する必要が出てくるため
月の利用料が高くなり、そこまでする?という疑問が出てきてしまうことになります。
例えば、見積書をExcelで作って、見積書フォルダに格納しています。
そいう会社さんがkintone導入をして、見積書もkintoneで管理したいいった場合に、
今と同じ見え方の見積書の出力がkintoneでは難しいというときは、
見積書作成はExcelで行って、格納したフォルダのURLリンクをkintoneに貼ったり、
見積書アプリに、発行した履歴と金額のみを入力して
添付ファイルにExcelファイルを貼って格納するというような使い方の方が
利便性は高いと思います。
Excelのセルのような増減ができない
A列とB列を一つのセルにする、
同じ表でも列の数を増減できる
などが全くできません。
最初の例えでいうと
大項目の「地域」をテーブル内で一つのセルのようにしてまとめたい
とか、
テーブルの横軸を1月~12月もあれば、6月~12月のレコードも作りたい
というようなことはできません。
テーブルの横軸は設定したものしか表示されないので、全レコード共通です。
今回、ご相談いただいたExcel管理していた表も
相手先によって横軸が30項目くらい必要だったり、逆に5項目くらいで良かったりしたのですが、
そうすると、横軸ではなく縦軸で増減するしかなくなります。
結果的には、相手先によって原本となるレコードを作成し、
使用するときに「複製」で作成してもらう、という形を提案しました。
何とかそれで対応できそうですが、それでもExcelの見え方と比較すると
目的は達成できていても、見づらさは残るな~と思っています。
まとめ
結局のところ、Excelもkintoneもそれぞれの得意はあるので、
蓄積するデータは基本的にはkintoneに入れていくようにする。
その瞬間だけ必要な表はExcelにして、添付でkintoneに残す。
など、使い分けをした方が良いです。
なぜその表が必要ですか?
という質問をしたときに「この見え方でないと嫌だという人がいるから」
という回答は意外と多いです。
でも業務を円滑に進めるためには、それも大事なことです。
kintone導入は業務フローを変えていく良いキッカケとなりますが、
いきなりすべてを変えるのは難しいです。
少しずつ対応していけば良いのではないかなと思っています。
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