建設業のIT化と聞いても、「具体的になにをどう変えるの?」と感じていませんか。建設業のIT化にはさまざまな方法がありますが、まずは日報・勤怠・原価など管理業務のデジタル化から始めると、現場と事務の負担を減らしやすいです。
この記事では、建設業がデジタル化しやすい具体的な管理業務をまとめました。「何から手をつければいいかわからない」「どのようにIT化すればいいか悩んでいる」という方はご覧ください。
ペパコミでは、建設業に特化した業務管理システム「kintone(キントーン)」の導入支援を行っています。貴社に合ったプランをご提案しますので、「Excel管理をデジタル化したい」「情報を一元化したい」とお考えの方は、以下からお気軽にご相談ください。
建設業におけるIT化とは

建設業のIT化とは、AIやドローンなども含め、仕事の進め方をデジタル技術で効率化していく取り組みのことです。具体例としては、日報・勤怠・原価などの管理業務をデジタル化したり、図面や写真をオンラインで共有したりする方法があります。
なかでも、管理業務のデジタル化は、紙やExcelの転記・集計を減らしやすく、IT化の最初の一歩として取り入れやすい領域です。
- 日報や勤怠をスマートフォンで入力できるようにする
- 図面や写真、指示書をオンラインで共有できるようにする
- 原価(材料費・労務費・外注費など)を、工事ごとにまとめて管理できるようにする
- 見積書や請求書などの書類作成・集計をラクにする
このように業務をデジタル化すれば、転記や集計といった人手に頼る作業が減り、作業効率や情報共有のスピードを高められます。
建設業でIT化が遅れている3つの理由
デジタル技術の進化にともない多くの業界でIT化が進むなか、建設業界は「他業種に比べて、IT化が遅れている」と指摘されることが少なくありません。その背景には、以下のような業界特有の事情が関係しています。

それぞれの理由について見ていきましょう。
1.紙・Excel中心で情報が分散し、集計や確認に手間がかかるから
建設業では、今でも見積書や日報などを紙やExcelで管理しているケースが多いです。担当者や現場ごとに情報がバラバラなので、いざ月末の原価集計というときに情報を集めたり確認したりするのに時間がかかります。
こうした情報が分散している状態だと、「現状の運用をどう維持するか」に意識が向いてしまい、IT化の検討が後回しになる傾向にあります。
2.人手不足と高齢化で、導入後の運用が定着しにくいから
建設業は人手不足で、現場担当者も事務担当者も「目の前の業務を回すだけで精一杯」という状況になりやすいです。その結果、新しいツールの使用手順の説明や、初期設定に時間を割けず、定着が進まない場合があります。
また、建設業は高年齢層の割合が高い傾向があり、新しい仕組みに慣れるまでに時間がかかる場合があります。

こうした状況が重なると、忙しさのなかでフォローが追いつかず「導入はしたが、運用が続かない」という壁にぶつかりやすくなります。
参考:国土交通白書2025
3.現場ごとの例外や変更が多く、業務ルールを標準化しにくいから
建設業は、案件ごとに発注者や契約条件が異なり、ルールが標準化しにくいこともIT化を妨げる要因の1つです。例えば、日報を提出する方法が、「A現場ではExcelデータで提出」「B現場ではLINEで報告」というように、バラバラになっているような状況です。
こうした標準化の難しさから、「新しくシステムを入れても結局カスタマイズが必要になる」と、会社としてIT化を見送る判断につながることがあります。
建設業がIT化を進めるなら「管理業務のデジタル化」から始めてみよう

建設業のIT化は、まず管理業務のデジタル化から始めると負担を減らしやすいです。
ここまで見てきたように、建設業のIT化が進みにくい背景には「情報が分散している」「導入後の運用が定着しにくい」「現場ごとにやり方が違う」といった事情があります。この状況で、いきなりAIなど高度なツールを取り入れても、必要なデータを集めるだけで手間がかかり、効果を実感しにくい可能性があります。
そこでまず重要なのは、日報・勤怠・原価などの管理業務をデジタル化して、情報を一か所に集め、必要な最新データを見える化することです。このとき、管理業務をまとめて扱える業務管理システムを使うと、現場の作業を大きく変えずに、効果を少しずつ実感できる状態をつくれます。
業務管理システムの導入で得られる5つのメリット
では、業務管理システムを導入することで、現場や事務所では具体的にどのような変化が期待できるのでしょうか。以下、5つのメリットを紹介します。

順に見ていきましょう。
1.現場と事務所の情報をリアルタイムで把握できる
クラウド型のシステムであれば、データを一元管理できるため、現場と事務所それぞれ違う場所でも、同じ情報をリアルタイムに共有・把握できるようになります。
現場監督が入力した進捗が事務所のパソコンでもすぐに反映されるため、「電話しないと現場の状況がわからない」「情報共有の遅れで古い図面を使ってしまった」という業務ロスを減らすことが可能です。
2.入力ミス・集計ミスを減らせる
システムは、帳票への転記や集計を自動化できるため、以下のような「人の手によるミス」を減らせます。
- 手書きの紙をパソコンに入力するとき、数字を打ち間違える
- コピー&ペーストで別の現場のデータを貼り付けてしまう
- Excelでの集計時に計算式を間違って壊してしまい、集計表全体の修正が必要になる
業務管理システムを活用することで事務作業にかかっていた時間が減り、正確なデータをすぐにそろえられます。
3.業務が標準化され、少人数でも回る仕組み化ができる
システム導入でフローを統一すれば、個人のやり方に依存せずに誰でも同じ対応ができるようになるのも、メリットの1つです。
入力項目や手順がシステム上で固定されるため、担当者が急に休んだり退職したりしても、「〇〇さんしかやり方がわからない」という状況がなく、他の従業員がスムーズに引き継ぐことができます。
4.「いつ・誰が・何を」変更したかが残り、根拠も追える
建設現場では途中で予定が変わることがよくありますが、システムで管理していれば「いつ、誰が、何を変えたか」という記録が残ります。紙やExcelと違い、システムは変更のたびに履歴を自動保存するため、意識しなくても記録が蓄積されるからです。
修正した指示書や現場写真も一緒に保存しておけば、後から見返したときに変更理由や根拠が明確です。「言った、言わない」のトラブル防止や、税務調査などの監査対応にも役立ちます。
5.勤怠の締め・集計がラクになり、労務管理もシンプルになる
IT化により、スマートフォンから出退勤を入力できるようになれば、月末に出勤簿を回収・集計する手間や自己申告による打刻漏れがなくなります。また、システムによっては、残業時間が超過しそうな場合に自動でアラートを出すといった設定も可能です。
システム導入で効率化できる主な管理業務5選

業務管理システムを使うと、具体的にどのような業務が便利になるのでしょうか。ここでは、例として以下5つの業務を紹介します。
| No | 業務 | できることの例 |
|---|---|---|
| 1 | 原価管理 | 工事ごとの材料費・労務費・外注費などを一元管理し、予算と実績の差をリアルタイムで把握する |
| 2 | 施工管理 | 工事の進捗状況や作業内容、写真、是正指示などをデジタルで管理する |
| 3 | 勤怠管理 | 出退勤時間や残業時間をスマートフォンやタブレットから入力・集計する |
| 4 | 積算・見積もり | 過去の工事データや単価情報を活用し、積算や見積書を効率的に作成する |
| 5 | 工事台帳 | 工事の基本情報、契約金額、原価、進捗、履歴などをまとめて管理する |
実際は、導入するシステムによってできることが変わるため、あくまで1つの活用イメージとしてご覧ください。では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.原価管理
原価を管理するために業務管理システムを導入すると、工事ごとの材料費・人件費・外注費などを一元管理し、実行予算と実際にかかった実績の費用を比較できるようになります。
| 機能 | できることの例 |
|---|---|
| 原価計算 | ・製品やサービスの提供にかかった費用を計算する ・材料費、人件費、設備の減価償却費などが含まれる |
| 予実管理 | ・計画段階での「予算原価」と実際に発生した「実績原価」を比較・分析する |
| 損益計算 | ・売上によって得た収益と経費を計算する ・どの業務や案件が利益を生んでいるかを見える化する |
| 原価シミュレーション | ・材料費や労務費などが上がった場合の影響を予測する ・経営計画や見積単価の見直しに役立つ |
| 配賦(はいふ) | ・複数の部門や製品に共通してかかる費用を、設定基準に従って振り分ける |
| 帳票出力 | ・報告書や予実レポートなどを自動生成する ・Excel、PDFなど会社で管理しやすい形式で出力する |
例えば、日報や請求データと連携すれば、これまで工事完了後にしか気付けなかった赤字のサインに、施工中から気づくことが可能です。さらに、事務所の家賃などの間接的な費用を各工事に自動で割り振れるので、「1つの工事で実際にいくら利益が出たのか」が、より正確に分かるようになります。
原価管理に役立つ業務管理システムの選び方や建設業でよく使われるサービスは、以下の記事でまとめています。併せてご覧ください。

2.施工管理
施工管理も、業務管理システムによって以下のように効率化できます。
| 機能 | できることの例 |
|---|---|
| 案件管理 | 施主情報、現場住所、関連書類など、案件に関するあらゆる情報を一元管理する |
| 工程表の作成・共有 | 工程表を作成・管理する |
| 写真・図面管理 | 現場の写真や図面を管理・共有する |
| 現場の人員配置・労務費の管理 | 現場の人員配置を管理し、労務費を計算する |
| 日報作成 | 毎日の作業内容や進捗を写真やテキストで記録する |
| 営業管理 | すべての案件情報を管理する |
| 事務所内のスケジュール管理 | かかわる従業員の外出予定などを管理・共有する |
| 原価管理 | 見積もりや実行予算を管理する |
| 受発注・請求管理 | 協力会社への発注から請求、支払いまでを一元管理する |
| 顧客管理 | 施主情報や商談履歴などを管理する |
例えば、スマートフォンで撮影した大量の現場写真を、そのまま報告書として作成できれば、事務所に戻って写真を貼り付ける作業時間を減らせます。
なお、こういった機能を備えたシステムは、「施工管理システム」「施工管理アプリ」と呼ばれます。詳しくは以下の記事で解説していますので、こちらもご覧ください。

3.勤怠管理
業務管理システムでは、勤怠管理も効率化できます。例えば、現場で働く人がスマートフォンで「出勤・退勤」ボタンを押すだけで、勤怠実績が集まり、給与計算まで正確かつスムーズに行えます。
また、有給休暇の取得状況や残業時間をリアルタイムで把握できるため、「気づいたら上限を超えていた」といったリスクを未然に防ぐことが可能です。
実際に、Excelでの管理からシステムでの管理に移行したところ、集計ミスと残業時間の両方を削減できた事例があります。企業が抱えていた課題や実際に解決した内容の詳細は、以下よりご覧ください。

4.積算・見積もり
建設業の見積もりは、工事種別や内訳といった内容が細かく複雑ですが、業務管理システムを使えば過去のデータを引用して効率的に作成できます。複雑な内訳もほぼ自動で整理されるため、作成時間を短縮できます。
作成した見積書をクラウド上で保管しておけば、担当者が不在でもすぐに把握可能です。さらに、見積もりの承認フローをシステム上で行うことで、決裁スピードを早められるようになります。
正確でスピーディな見積もり提出は、顧客からの信頼獲得に直結する重要なポイントです。工事見積書の書き方については以下の記事で解説していますので併せてご一読ください。

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5.工事台帳
工事台帳を業務管理システムで管理することによって、日報や請求書からデータを自動で集約し、転記の手間を減らせます。さらに、いつでも最新の状況を確認できるため、施工中に「どの工事が利益を生んでいるか」を判断し、経営戦略に活かすことが可能です。
| 機能 | できることの例 |
|---|---|
| 原価管理 | 材料費・労務費・外注費などの登録・集計 |
| 請求・入金管理 | 請求書発行、入金状況の登録・管理 |
| 進捗管理 | 工程(スケジュール)・作業報告の管理 |
| 利益・収支分析 | 収入・支出データを集計し自動レポート化 |
| 帳票出力・レポート | 工事台帳や見積書などの出力 |
| データ共有 | クラウド環境でのリアルタイム共有、権限設定 |
| コミュニケーション機能 | コメント・通知・ファイル添付 |
工事台帳の管理に特化したシステムは「工事台帳システム」「工事台帳ソフト」とも呼ばれます。選び方や主要なサービスについては、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

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自社に合った業務管理システムの選び方
システム導入において重要なのは、自社にぴったりのものを選ぶことです。多機能で便利そうなシステムを選んでも、自社の課題や従業員のITスキルに合っていなければ定着しません。
では、自社に合ったシステムはどのように選べばよいのでしょうか。押さえておきたいポイントは以下の4つです。

システム導入で失敗しないために、それぞれのポイントを見ていきましょう。
1.現場の意見や課題を聞き取る
まずは、現状把握のため、現場の課題や意見を聞くことから始めましょう。課題は、以下のように現場によってさまざまです。
- どの書類・情報が、誰の手元に散らばっているか?
- 例:最新情報が分からない、探すのに時間がかかるなど
- 転記や集計が発生している作業はどれか?
- 例:紙→Excelへの転記、Excel→請求書への転記など
- ミスや手戻りが起きやすい場面はどこか?
- 例:数字の打ち間違い、写真の抜け、版違いの図面など
- 協力会社との共有で詰まるポイントはどこか?
- 例:提出方法がバラバラ、催促が必要など
- 月末・締め作業で特に負荷が高いのはどこか?
- 例:勤怠、原価、請求など
日々、入力や確認を行う現場担当者や事務担当者が「これならラクになる」と感じられないと、導入しても定着しにくく、「手間が増えただけ」と不満につながる恐れがあります。現場の生の声を解決することを導入目的にすれば、使われないシステムを選んでしまう失敗を防げます。
2.導入ツールの研修やサポート体制を整える
システムを従業員に定着させるには、サポート体制を整えることが重要です。日々の業務で手一杯な従業員にとって、新しいシステムの導入は「覚えるのが大変」「難しそう」といった印象があり、前向きに取り組めないことがあります。
そのため、最初から完ぺきを求めないことを前提にサポートを進めることが大切です。
- 入力は全部を求めず、最初の1〜2週間は「日報だけ」「写真だけ」など対象を絞る
- 写真の添付、作業区分の選び方、下請けの入力ルールなど、現場でよくあるつまずきをまとめる
- 現場の朝礼後や昼休みなど、5分〜10分でできるミニ説明を数回に分けて実施する
- 「通信不良時は事務所へ連絡する」など、入力できないときの対処法を提示する
自社内でサポート体制を準備するのが難しい場合は、「初期設定の代行」「運用ルールの整備」「定着まで定期的にフォロー」など、さまざまなサポート体制が整ったサービスを選ぶと安心です。
3.現在の業務フローに合ったツールを選ぶ
今の業務フローに合ったツールを選ぶことも大切です。
パッケージ化されたシステムはカスタマイズに制限があり、業務フローをシステム側に合わせる必要が出てきます。これまでの業務フローからまったくやり方が変わる場合、現場の負担は大きいです。
まずは「現在の業務フローを大きく変えずに、課題を解決できる機能が付いているか」を重視しつつ、後から機能を追加したり他ツールと連携したりできるか、拡張性も確認しておきましょう。
4.費用が予算に見合っているかを確認する
システム導入には最初に支払う費用だけでなく、毎月払い続ける料金やオプションの変更・追加時に発生する料金があります。まずは、以下4つの費用がいくらなのか確認しておきましょう。
| 費用 | 詳細 |
|---|---|
| 初期費用 | 導入設定や研修にかかる費用 |
| 月額料金 | アカウント数に応じた利用料 |
| オプション料金 | 追加機能やAPI連携(他システムとのデータ連携)にかかる費用 |
| 従量課金 | データ容量や利用量に応じた費用 |
システムの費用を考える際に重要なのは、どれくらい作業効率が変わるものをいくらで使えるのかを考えることです。削減できる工数や人件費を試算したうえで、無理なく続けられる価格帯かどうかも確認しましょう。
建設業の業務管理システムならkintone(キントーン)
数ある業務管理システムのなかでも、kintoneは現場の使い勝手を優先した、カスタマイズ性の高い業務管理プラットフォームで、自社の業務フローに合わせて機能を追加・修正できます。

システム構築と聞くと難しく感じるかもしれませんが、kintoneは「コードを書く」などの専門的な技術が必要ありません。また、建設業でよくある現場ごとの独自ルールにも、柔軟に対応することが可能です。
実際にkintoneを導入した企業のなかには、年間5,500時間の残業削減、製造原価・販売管理費それぞれ年間4,000万円のコスト削減を実現した事例もあります。
- 情報の一元化ができず手作業が多くて集計が追いつかない
- Excelでの管理が煩雑化し、経営状況がタイムリーに把握できない
- 既存システムが自社に合わず、現場から不満の声が出ている
| 目的 | 取り組んだこと |
|---|---|
| 工事にまつわるあらゆる情報を自動集計 | ・工事台帳アプリの作成(工事場所・期間・実行予算の履歴など) ・日報に入力されたデータから労務費を自動計算 |
| 発注業務と支払い管理の改善 | ・発注時に登録された金額と支払い時の金額を自動でチェック |
| 予算と請求のズレを可視化 | ・申請→承認→支払いの流れを自動でチェック |
| 作業報告書への二重入力の手間を削減 | ・個人KYシート申請アプリを活用し、危険予知活動を写真で撮影し提出できるようにする |
ペパコミでは、このような建設業のお客様のサポート経験を踏まえ、貴社に最適なプランをご提案します。「とりあえず事例の詳細を聞いてみたい」「自社でも活用できるか不安」とお考えの方は、以下のバナーからお気軽にご相談ください。





