もう事務所に戻らなくてOK!日報作成を現場で完結させる方法

突然ですが、建設業のみなさん。「現場が終わったあと、作業日報を入力するためだけに一度事務所に戻らないといけない」 というお悩みはありませんか?

現場仕事で疲れているのに、わざわざ事務所に戻ってパソコンを開く。正直、面倒ですよね。この一手間が、残業の原因になっているケースも少なくないのではないでしょうか?

もし、この作業が現場で、しかもスマートフォン1つで完結できたら、どれだけ楽になるでしょう!実は、それを実現できるのが「kintone(キントーン)」です。

今回の記事では、私たちが実際にサポートさせていただいた建設業のお客様の事例をもとに、kintoneがいかにして現場の悩みを解決し、業務を劇的に効率化したかをご紹介します。日報作成だけでなく、請求書の連携までスムーズになった驚きの改善事例をぜひ最後までご覧ください! 

実は今なら、無料でkintoneのデモ環境を閲覧できます。日報作成や請求管理まで建設業の業務をすべて閲覧できるので、「とりあえず実際の画面を見てみたい」とお考えの方は、以下からお気軽にお試しください!

目次

「事務所に戻らないと始まらない」非効率なアナログ業務の実態 

今回ご紹介するのは、足場の工事を専門にされている建設会社さまの事例です。ご依頼をいただいた当初、こちらの会社はExcelや紙媒体を中心に業務管理をされていました。今でも多くの会社で見られる光景だと思いますが、やはりアナログな管理にはいくつかの課題が潜んでいました。 

一番の課題は、冒頭でも触れた「作業報告」のフローです。現場で作業を終えた職人さんたちは、その日の報告をするために、必ず会社事務所へ戻る必要がありました。そして、事務所のパソコンを使ってExcelに日報を入力するという、時間も手間もかかる作業を行っていたんです。 

「事務所に戻らないと始まらない」非効率なアナログ業務の実態

もし現場から直帰できれば、職人さんの負担も軽くなるし、プライベートの時間も増える。なんとか「現場内で作業報告を完結できる仕組みは作れないか」というのが、お客さまからの切実なご要望でした。 

kintoneで実現!スマートフォン1つで完結する新しい業務フロー 

私たちが提案したのが、kintone(キントーン)の導入です。kintoneを使えば、スマートフォンやタブレットから簡単にデータ入力ができる専用のアプリを作成できます。これによって、職人さんたちは現場から事務所に戻ることなく、手元のスマートフォンでサッと作業日報を提出できるようになりました。 

もう1つ、意外なところでも効果がありました。それは、社長さまの案件管理です。

こちらの会社の社長さまは、ご自身も現場で作業されることが多いのですが、作業中に電話で新しい案件の依頼が入ることが頻繁にあったそうです。これまでは、作業の手を止めてメモを取ったり、記憶に頼ったりしていましたが、どうしても抜け漏れのリスクがありました。 

kintoneで実現!スマートフォン1つで完結する新しい業務フロー

そこで、電話を受けながらでもすぐに案件情報を登録できるような、シンプルな入力アプリをkintoneで構築しました。これにより、いつどこで依頼があっても、スマートフォンを開いて数タップするだけで確実な案件登録が可能になり、機会損失を防ぐことにもつながったというわけです。 

これが業務改善の核!kintoneアプリ4つの役割を大公開 

今回の業務改善プロジェクトで私たちが初期構築として作成したアプリは、主に以下の4つです。 

  1. 顧客マスタアプリ
  2. 案件管理アプリ
  3. 作業報告書アプリ
  4. 合算請求書アプリ 

まず「顧客マスタ」で取引先の基本情報を管理し、「案件管理」で日々の仕事の依頼を登録します。そして、その案件に紐づく形で「作業報告書」が入力されるという流れです。ここまでは、kintoneの基本的な使い方ともいえますね。 

特徴的なのは、4つ目の「合算請求書アプリ」です。こちらの会社では、同じ取引先から月に何度も案件をいただくことが多かったため、「月末にその月の案件をまとめて1枚の請求書として発行したい」というご要望がありました。 

例えば、5月1日に1万円の案件、5月10日に2万円の案件を受けたとします。これを月末に合算し、「5月分として合計3万円」の請求書を作成する、といったイメージです。この少し複雑な処理も、kintoneアプリを工夫することで自動化することができました。 

では、実際にこれらのアプリがどのように動くのか、デモ画面を追いながらひとつずつ見ていきましょう。 

【顧客マスタ】すべての情報の起点となるデータベース

まずは「顧客マスタ」です。ここは、お客さまの会社名や住所、連絡先といった基本情報をあらかじめ登録しておく場所です。

【顧客マスタ】すべての情報の起点となるデータベース

一度登録しておけば、後から案件を登録する際に毎回入力する手間が省けて、入力ミスも防ぐことができます。

【案件管理】スマートフォンでの入力を前提とした画面設計

次は「案件管理」アプリです。 

【案件管理】スマートフォンでの入力を前提とした画面設計

先ほどお話ししたように、社長さまが作業中に電話で依頼を受ける場面を想定し、スマートフォンで開き、すぐに最低限の情報だけでもメモが取れるように、画面の上部に「受付日」「顧客名」「依頼内容メモ」といった項目をまとめて配置しました。 

【案件管理】スマートフォンでの入力を前提とした画面設計

スマートフォンの画面はパソコンと比べて小さく、縦に長くスクロールするのが基本です。そのため、パソコンと同じ感覚で項目をたくさん並べてしまうと、一番入力したい項目にたどり着くまでに何度もスクロールが必要になり、非常にストレスがかかります。 

今回の設計では、最も利用頻度の高い「とりあえずメモを取る」という作業を画面の最上部で完結できるように工夫しました。これにより、現場の忙しいなかでもスムーズな情報登録が可能です。 

そして、事務所に戻ったり、少し時間ができたりしたタイミングで、現場名や工事名、作業費、材料費といった詳細な情報を追記していく、という運用を想定しています。

【案件管理】スマートフォンでの入力を前提とした画面設計
【案件管理】スマートフォンでの入力を前提とした画面設計

【作業報告書】現場の職人のための「かんたん入力」

案件が登録されたら、次は現場の職人さんによる「作業報告書」の入力を行います。

【作業報告書】現場の職人のための「かんたん入力」

案件管理の画面からボタンひとつで作業報告書の入力画面に移動し、案件情報は自動で引き継がれるため、職人さんが入力するのはその日の作業内容だけです。 

【作業報告書】現場の職人のための「かんたん入力」
【作業報告書】現場の職人のための「かんたん入力」

ここで意識したのは、「とにかくシンプルで、入力の負担をかけないこと」です。細かい選択項目をたくさん用意するのではなく、基本的には「現場状況」や「作業内容」などを自由に書き込めるフリーテキスト形式にしました。

【作業報告書】現場の職人のための「かんたん入力」

これなら、キーボード入力が苦手な方でも、スマートフォンの音声入力機能などを使えば簡単に入力できますよね。そして作業が完了したら、ステータスを「完了」にして作業完了日を入力します。 

【作業報告書】現場の職人のための「かんたん入力」

ここで完了した情報が、次の請求書作成プロセスへ引き継がれます。 

【合算請求書】krewData(クルーデータ)で実現する月次請求の自動化 

最後は「合算請求書」アプリです。ここでは、kintoneのプラグイン(拡張機能)である「krewData(クルーデータ)」というツールを使っています。 

krewDataは、アプリ間のデータを自動で集計・加工してくれる非常に便利なツールです。今回は、これを使って「作業完了日が今月になっている案件を、顧客ごとに自動で集計する」という処理を設定しました。

【合算請求書】krewDataで実現する月次請求の自動化 

下記のデモ画面を見ていただくと、4月中に作業完了した3つの案件の金額(6万円・6万9千円・7万円)が自動で集計され、「4月分」として1つの合算請求書レコードが作成されているのがわかります。

【合算請求書】krewDataで実現する月次請求の自動化 

明細には、もととなった案件の情報が一行ずつ表示されており、どの作業にいくらかかったのかが一目瞭然です。 

さらに、こちらの会社では、会計ソフトとして「マネーフォワード」を利用されていました。そこで、kintone上に「マネーフォワード請求連携」というボタンを設置し、これをクリックするだけで合算請求書のデータがマネーフォワードに送られ、そのままお客さまへメールで請求書を送付できる仕組みまで構築しました。 

その結果、「kintoneで現場の報告から請求データ作成までを一元管理し、最後の発行は専門の会計ソフトに任せる」という、効率的な連携を実現しています。 

成功の秘訣は「入力のストレスをなくす」こと

今回の構築で私たちが最も意識したことは、「入力する人のストレスをいかにして減らすか」という点です。どんなに高機能なシステムを導入しても、現場の方が「入力が面倒だ」と感じてしまえば使ってもらえません。 

  • 電話を受けながらでもすぐに入力できる「案件管理」の画面
  • 現場の職人が迷わず入力できるシンプルな「作業報告書」 

こうした現場目線での細やかな工夫こそが、システムを定着させ、業務改善を成功させるためのコツだと考えています。 

うれしいことに、こちらの会社では、導入から1年ほど経ったあと、社長さまご自身がkintoneの操作に習熟され、ご自身でアプリを改善されています。最近では「外注費の計算も自動化したい」と、新しい仕組みをどんどん追加されているそうです。 

このように、一度導入すれば、専門家でなくても自分たちの手で業務を改善し続けていけるのが、kintoneの最大の魅力です。 

「うちの会社でも、こんな風に業務を効率化できるだろうか?」もし少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひ一度、私たちペパコミにご相談ください。あなたの会社のお悩みを一緒に解決いたします! 

小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

YouTube「kintone活用ちゃんねる」を運営。kintoneの構築や内製化の伴走支援を行なっており、kintoneを運営するサイボウズ社において、顕著な実績を上げたパートナーを表彰する「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞。セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)

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