人員配置から工事台帳まで!kintoneで現場管理を自動化する方法

「人員配置の計画は組んだけど、実際の日報と突き合わせるのが面倒」
「日報から労務費を計算して、工事台帳に転記するのに時間がかかりすぎる」
「集計に時間がかかって、気づいたときには実行予算が赤字」

このようにお悩みではありませんか?建設業の現場管理において、「人員配置」「日報作成」「原価管理」は切っても切れない関係です。特に工事の原価管理は、現場ごと、作業員ごとに変動する労務費の管理が本当に大変ですよね。

実は、これらの悩みは、kintone(キントーン)のプラグインを組み合わせることで、驚くほどスムーズに解決できるんです!本記事では、人員配置から日報作成、工事台帳への原価反映までを自動化する方法をご紹介します。

なお、今ならkintoneのデモ環境を無料で公開しています。人員配置から日報作成、原価管理まで建設業の管理システムをすべて閲覧できますので、以下からお気軽にお試しください!

目次

バラバラの情報をつなぐだけ!kintoneで実現する理想の業務フロー

まず、人員配置と原価管理を効率化するなら、「ガントチャート人員配置プラグイン」と、人気プラグイン「krewData(クルーデータ)」の組み合わせが最強タッグです!

建設業で人員配置と原価管理を管理する場合、以下の流れがよくあります。

人員配置と原価管理を管理する、一般的な流れ
  1. 担当者がカレンダーやガントチャートで、予定を管理
  2. その予定をもとに、作業員が日報を作成
  3. 日報に書かれた作業時間から、労務費を計算
  4. 工事台帳に担当者が転記し、原価を管理

このように、「人員配置はExcel、日報は手書き、工事台帳は別のExcel」のように流れが分断されているケースがとても多いんです。これでは、転記ミスが起こりやすいですし、何より集計に時間がかかりすぎます。

そこで、以下を叶えたいと考えたのが、今回の開発のきっかけです。

・人員配置プラグインで入力した情報をもとに、自動で日報が作成したい
・さらに、作成した日報データを自動で工事台帳に集計し、労務費として原価に反映したい

人員配置と原価管理の「面倒」をなくしたい!工事台帳で一気通貫で見られたら◎

情報が分断されていると、多くの問題が発生します。

例えば、「Excelで人員配置を管理し、別のExcelで日報を集計し、さらに会計ソフトに手入力する」というフローでは、転記ミスが起こりやすくなります。また、月末にならないと正確な原価が分からないため、赤字に気づいたときには手遅れ、なんてことにもなりかねません。

「せっかくkintoneで人員配置をするなら、その先の原価管理まで一気通貫で楽にできるようにしたい!」そんな想いからこの仕組みは生まれました。

3ステップだけ!人員配置から工事台帳へ原価を自動反映する流れ

では、実際にどのようにデータが連携されていくのか、デモ画面を見ながら一緒に確認していきましょう!

まず中心となるのが「人員配置アプリ」です。ここでは、工事案件に対してどの作業員をいつ配置するかを、ガントチャート形式で直感的に管理できます。

3ステップだけ!人員配置から工事台帳へ原価を自動反映する流れ
人員配置アプリは、カレンダー式でガントチャートで見せる作り

そして、最終的にデータが集約されるのが「工事台帳アプリ」です。ここには、材料費や外注費、そして今回自動化する労務費など、工事に関するすべての原価情報がまとめられています。

3ステップだけ!人員配置から工事台帳へ原価を自動反映する流れ
工事台帳アプリは、一覧で見られるようにしてあります

つまり、この工事台帳を見れば、案件ごとの利益がリアルタイムで分かるようになっているというわけです。

ステップ1:ワンクリックで日報が完成

それでは、「人員配置アプリ」で計画した情報をもとに、作業員の日報を自動で作成する流れを見ていきましょう。

ここで活躍するのが、先ほどお伝えした「krewData(クルーデータ)」です。

krewData(クルーデータ)とは
kintone内の複数のアプリやレコードのデータを集計・加工できるプラグインのこと。

まず、人員配置アプリの画面上にある「krewData即時実行」ボタンをクリックします。

ワンクリックで日報が完成 krewDataの驚くべき実力
人員配置アプリの画面上にある「krewData即時実行」から日報側に持っていく

すると、あらかじめ設定しておいた処理が走り出し、「誰が」「いつ」「どの工事で」作業する予定なのかという情報を読み取ってくれます。そして、その情報をもとに、作業員一人ひとりの「作業日報アプリ」に、その日の作業予定レコードを自動で作成してくれるんです。

実際に、作業日報アプリのカレンダーを見てみましょう。デモ画面では、実行前は空っぽだった10月8日のカレンダーに、実行後は3人分の作業予定が自動で登録されました。

▼krewData実行前

ワンクリックで日報が完成 krewDataの驚くべき実力
▼krewData実行前
「8日のデータは入っていません」

▼krewData実行後

ワンクリックで日報が完成 krewDataの驚くべき実力
▼krewData実行後
「今日の日付の日報が出来上がりました」

これで、作業員は「今日、自分に何の作業が割り当てられているか」を「Myカレンダー」から一目で確認できるようになります。

ワンクリックで日報が完成 krewDataの驚くべき実力
「Myカレンダーで一目で確認できる」

作業員さんは自分の予定だけを手元のスマートフォンでさっと確認できれば良いので、余計な情報がなくシンプルで分かりやすいですよね!

ちなみに、このカレンダー表示は、自分自身の予定だけでなく全体の予定が見えるよう設定することも可能です。

ステップ2:現場からスマートフォンひとつで日報を提出

日報が自動作成されたら、次は現場の作業員さんの出番です。といっても、やることはとてもシンプル!

作業が終わったら、スマートフォンでkintoneを開き、自分のカレンダーに表示されている日報を開きます。予定どおりに作業が終わったのであれば、「作業結果」という項目で「変更なし」を選んで保存するだけ。

現場作業は報告だけ!スマートフォンひとつで終わるシンプルな日報フロー
「作業結果」を「変更なし」にして保存するだけ

もし残業などで作業時間が変わった場合でも、その箇所だけを修正すればOKです!これなら、わざわざ事務所に戻って日報を書く必要がなく、現場で忙しい作業員さんの負担を最小限に抑えられますよね。

ステップ3:ワンボタンでkintoneが労務費を自動で集計

最後に、作業員から提出された日報のデータを、管理者が工事台帳の「労務費」に反映させます。

ここでも、krewData(クルーデータ)の「リアルタイム実行機能」が活躍します!管理者は、提出された日報の一覧を確認し、問題がなければ「リアルタイム実行」ボタンをクリック。

面倒な原価計算はもう不要!kintoneが労務費を自動で集計
「krewData」リアルタイム実行機能

すると、krewDataが、日報に記録された実労働時間と、あらかじめ登録しておいた作業員の単価を掛け合わせて労務費を自動計算します。さらに、その結果を「工事台帳」アプリの労務費の項目に自動反映してくれるんです!

では、工事台帳の画面を確認してみましょう。先ほどまで14万円だった労務費が、21万円に更新されています。

面倒な原価計算はもう不要!kintoneが労務費を自動で集計
先ほどまで140,000円だった労務費が…!
面倒な原価計算はもう不要!kintoneが労務費を自動で集計
労務費が、210,000円に更新されています!

念のため、内訳も見てみましょうか。「作業日報(自社)」 という項目を見ると、10月8日分の作業実績が、自社と外注(他社)に分かれて、それぞれ正しく追加されているのが分かります!

面倒な原価計算はもう不要!kintoneが労務費を自動で集計
10月8日分の作業実績が、自社と外注(他社)に分かれてそれぞれ正しく追加
面倒な原価計算はもう不要!kintoneが労務費を自動で集計
10月8日分の作業実績が、自社と外注(他社)に分かれてそれぞれ正しく追加

このように、人員配置の予定を一度入力すれば、あとはボタン操作だけで日報作成から工事台帳への原価反映までが完了します。

ここまで、人員配置アプリから工事台帳へ原価を自動反映する流れを解説しました。ご紹介したアプリは、今ならデモ環境ですべて無料でご覧いただけます。「とりあえず画面を見て見たい」という場合は、以下のボタンからお気軽にお試しください!

なぜ自動での日報作成は「当日」だけ?計画変更に対応するkintone運用術

ここで、1つポイントがあります。krewData(クルーデータ)で日報を自動作成する際は、未来の予定まで一気に作成せず、当日分だけ作成していることです。

柔軟な計画変更に対応するためのkintone運用術
人員配置アプリ

実は、運用方法によっては先の予定を反映することも可能です。それなのにあえて当日分だけ作成する理由は、建設現場では急な予定変更がつきものだから。

天候やトラブルで、明日予定していた作業員を別の現場に回す、なんてことは日常茶飯事ですよね。もし未来の分まで日報を先に作ってしまうと、予定を変更するたびに、作成済みの日報を一つひとつ修正(または削除)しなければならず、かえって手間が増えてしまいます。

そのため、「ほぼ確定している当日分の予定だけを、日報に連携する」という運用にしているというわけです。これにより、計画変更に柔軟に対応しつつ、日々の業務を効率化できます!

組み合わせは無限大!あなたの会社に最適なkintone活用法を見つけよう

今回は、「ガントチャート人員配置プラグイン」と「krewData(クルーデータ)」の2つを組み合わせることで、人員配置から工事原価の反映までを一貫した流れで管理する事例をご紹介しました。

kintoneでは、さまざまなプラグインを組み合わせることで、自社の業務フローに合わせた柔軟なシステムを構築できるのが最大の魅力です。

もし、「うちの会社でも同じようなことができないか?」「もっと詳しく話を聞いてみたい」と思っていただけましたら、以下のバナーからお気軽にペパコミまでご相談ください。あなたの会社の業務改善を全力でサポートします!


小川喜句

ペパコミ株式会社代表取締役小川 喜句

YouTube「kintone活用ちゃんねる」を運営。kintoneの構築や内製化の伴走支援を行なっており、kintoneを運営するサイボウズ社において、顕著な実績を上げたパートナーを表彰する「CYBOZU AWARD 2022」を受賞。サイボウズ評価制度4年連続2つ星を受賞。セールス部門(2023~2025年) インテグレーション部門(2022~2025年)

小川喜句X 小川喜句Youtube
目次