kintoneの標準機能の一つにルックアップがあります。別アプリに登録されたデータを参照し、取得できる便利な機能です。

例えば、顧客マスタから会社情報をルックアップで取得し、入力の手間を省き、データの一貫性を保つことが可能です。

しかし、kintoneの標準ルックアップ機能にはいくつかの制限があります。例えば、ルックアップで取得できるレコードは通常1件のみです。また、テーブル内の項目は他のフィールドにコピーできません。

自動反映される項目にルックアップフィールドを選択できないといった制限もあります。これらの制限を克服し、kintoneの活用範囲をさらに広げるのがルックアッププラグインです。

本記事ではkintone無料プラグインで有名なTISプラグインについてです。

TISプラグインは無料で使えるプラグインですが、数が多いので今回ルックアップ系に絞ってご紹介します。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

kintoneルックアッププラグインを活用するメリット

kintoneルックアッププラグインを活用するメリット

ルックアッププラグインを導入すると、kintoneの標準機能だけでは難しかったさまざまなことが出来るようになります。ルックアッププラグインを導入する3つのメリットについて解説します。

データ入力の効率化と正確性の向上

ルックアップでマスタアプリからデータを取得することで、手動入力を減らせます。これにより入力ミスを防ぎ、データの正確性を保つことが可能です。

特に、ルックアップでは通常不可能だった操作が可能になることで、入力作業が大幅に効率化されます。

標準機能を超える柔軟なデータ連携

ルックアッププラグインを使うことで、標準機能では連携できなかった種類のフィールド間のデータ変換ができるようになったり、ルックアップ元にデータがない場合にその場で新規レコードを作成できるようになります。

また、複数のルックアップを連鎖させてデータを取得するといった複雑なデータ連携も実現できます。

入力画面での操作完結

ルックアップアプリ表示プラグインのようなプラグインを使うと、ルックアップ元のアプリに画面遷移することなく、現在の入力画面上でマスタデータの確認や新規登録が出来るようになります。

これにより、作業の中断が減り、スムーズなデータ入力を支援します。

kintoneルックアッププラグイン8選

kintoneルックアッププラグイン8選①
kintoneルックアッププラグイン8選②

それぞれのプラグインがどのような機能を持っているのか、以下の一覧表にまとめました。

プラグイン名主な機能主な注意点
ルックアップデータ変換プラグインルックアップフィールドのデータを別フィールドに変換・コピー
全ルックアップ階層区分対応ドロップダウン変換プラグインルックアップ候補を階層別ドロップダウンで表示、動的な絞り込みに対応指定フィールドは必須項目にする必要がある
ルックアップアプリ表示プラグインルックアップ元にデータがない場合、入力画面上で新規レコードを作成
ルックアップレコードコピープラグイン複数レコードの選択、テーブルへのデータコピー
ルックアップ動的絞り込みプラグインペアフィールドの値に基づいてルックアップ候補を動的に絞り込むルックアップフィールドの表示設定に注意が必要
ルックアップ内サブテーブルコピープラグインルックアップ元サブテーブルからコピー先サブテーブルへデータをコピー行番号フィールドを用意する必要がある
ルックアップコピーフィールドの検索プラグインルックアップで取得するコピー先のフィールドに対して検索完全一致検索が必要
関連フィールドデータ一括取得プラグインルックアップ実行時に、コピー先のルックアップフィールドも動かしてデータを取得1対多の関連付けの場合、最上部のデータのみ取得される可能性がある

それぞれのプラグインについて詳しくご紹介します。

①ルックアップデータ変換プラグイン

①ルックアップデータ変換プラグイン

ルックアップデータ変換プラグインは、ルックアップフィールドに登録されたデータを、別のフィールドに変換してコピーできるプラグインです。

例えば、ルックアップで会社名を取得したものの、後からそのフィールドをルックアップではなく自由入力に切り替えたい場面で役立ちます。

このプラグインを使えば、手動でデータを移行する作業なしに、ルックアップフィールドのデータを文字列フィールドなどにコピーすることが可能です。

数値、文字列、ドロップダウン、ラジオボタン、ルックアップフィールド間での総合的なコピーができる可能性があり、コピー元のデータもそのまま残ります。

②全ルックアップ階層区分対応ドロップダウン変換プラグイン

②全ルックアップ階層区分対応ドロップダウン変換プラグイン

全ルックアップ階層区分対応ドロップダウン変換プラグインは、ルックアップで取得する候補を階層別のドロップダウンとして表示できるプラグインです。

区分などのフィールドで選択した値に応じて、ルックアップで表示される候補が動的に絞り込まれます。

例えば、「区分」で「顧客」を選択すると顧客リストのみが、「仕入先」を選択すると仕入先リストのみが表示されるようになります。

また、複数階層にも対応しており、「業者」を選択した後、「電気工事」を選ぶと電気工事業者リストが表示されるといった設定も可能です。

このプラグインを使用する際、指定するフィールドは必須項目にする必要があるという注意点があります。

標準機能の絞り込みは固定ですが、このプラグインは状況に応じて動的に絞り込める点が利点です。

③ルックアップアプリ表示プラグイン

③ルックアップアプリ表示プラグイン

ルックアップアプリ表示プラグインは、ルックアップ元に参照したいデータがない場合に非常に便利なプラグインです。

通常、マスタにデータがない場合はマスタアプリに移動して新規登録する必要がありますが、このプラグインを使うとルックアップフィールドの横にボタンが表示され、それをクリックすることでマスタアプリの新規レコード作成画面をポップアップで開けます。

入力中の画面から離れることなくマスタ登録が完了できるため、作業効率が大きく向上します。

④ルックアップレコードコピープラグイン

④ルックアップレコードコピープラグイン

ルックアップレコードコピープラグインは、通常のルックアップでは1レコードしか選択できないところを、複数レコードを選択できるようにする機能を持つプラグインです。

また、ルックアップ元アプリのテーブルに登録されたデータを、コピー先のアプリのテーブルにコピーすることも可能になります。

同じ参照元から複数のルックアップフィールドにデータを取得できる点も利点の一つです。

⑤ルックアップ動的絞り込みプラグイン

⑤ルックアップ動的絞り込みプラグイン

ルックアップ動的絞り込みプラグインは、アプリ内の他のフィールドの値に基づいて、ルックアップの候補を動的に絞り込めるプラグインです。

例えば、「区分」フィールドで「仕入先」を選択している場合にルックアップを実行すると、ルックアップ候補として仕入先のみが表示されるようになります。

設定では、ルックアップ元のアプリとコピー先のアプリで、どのフィールドの値が一致したら絞り込むかを指定します。

このプラグインを使う際の注意点として、ルックアップフィールド自体の表示設定に関わらず、絞り込みに使用したフィールドの値しかルックアップ実行後に表示されなくなる場合があります。

この問題を回避するためには、ルックアップフィールドの設定画面で「コピー元のレコードを詳細画面/編集画面で表示するフィールド」に会社名など必要な項目を追加しておく必要があります。

⑥ルックアップ内サブテーブルコピープラグイン

⑥ルックアップ内サブテーブルコピープラグイン

ルックアップ内サブテーブルコピープラグインは、ルックアップ元アプリのサブテーブルに登録されたデータを、コピー先アプリのサブテーブルにコピーできるプラグインです。

kintoneの標準機能では、ルックアップでテーブル内の項目を他のフィールドにコピーすることはできません。

このプラグインを使うことで、例えば見積書アプリの明細テーブルのデータを、ルックアップで請求書アプリの請求明細テーブルに一括でコピーするといったことが可能になります。

このプラグインを利用するには、ルックアップ元とコピー先の両方のサブテーブルに「行番号」というフィールドを用意する必要があります。

設定では、どのサブテーブルからどのサブテーブルへ、そしてテーブル内のどの項目からどの項目へデータを移すかを細かく指定します。計算式を組むことも可能ですが、必須ではありません。

⑦ルックアップコピーフィールドの検索プラグイン

⑦ルックアップコピーフィールドの検索プラグイン

ルックアップコピーフィールドの検索プラグインは、通常のルックアップとは異なり、ルックアップでデータを取得したコピー先のフィールドに対して検索を実行できるプラグインです。

例えば、ルックアップで会社名と区分を取得している場合に、コピー先の「区分」フィールドに対して「顧客」と入力して検索を実行すると、顧客のみが絞り込まれて表示されます。

このプラグインを使用する際の注意点として、検索は完全一致でのみ機能します。一語一句正確に入力しないとデータがヒットしないため、標準機能のように部分一致で検索したい場合には向いていません。

⑧関連フィールドデータ一括取得プラグイン

⑧関連フィールドデータ一括取得プラグイン

関連フィールドデータ一括取得プラグインは、ルックアップを実行した際に、コピー先のアプリにあるルックアップフィールドに対してもデータを反映させ、さらにそのルックアップフィールドを動かしてデータを取得できるプラグインです。

いわば「ダブルルックアップ」のような動作が可能です。例えば、顧客名をルックアップで取得した際に、コピー先のアプリにある「担当者」にも関連する担当者情報が自動で反映され、さらにその担当者ルックアップが動いて担当者コードを取得するといったことが可能です。

設定では、どのアプリのどのフィールドをキーとして関連付けるかを詳細に指定します。このプラグインの注意点として、ルックアップ元に対して関連するデータが複数ある場合、一番上のデータのみが取得される可能性があります。

ルックアッププラグイン導入時の注意点

ルックアッププラグイン導入時の注意点

さまざまな拡張機能を持つルックアッププラグインですが、導入や利用にあたってはいくつかの注意点があります。

まず、プラグインによっては、kintoneのAPI連携が必要な場合があります。導入を検討する際はプラグイン提供元のドキュメントやサポートを十分に確認してください。

また、本記事で解説している内容はプラグインの本来の想定された使い方と異なる可能性があるため、導入前に必ずプラグイン提供元が公開している公式の情報を確認しましょう。

まとめ

まとめ

kintoneのルックアッププラグインを活用することで、標準機能では実現できなかった多様なデータ連携や入力補助が可能になります。

ルックアップデータ変換、階層表示、入力画面での新規レコード作成、サブテーブルのコピー、動的な絞り込み、コピー先フィールドでの検索、関連データの一括取得など、それぞれのプラグインが特定の課題を解決し、kintoneの利便性を向上させます。

プラグインが特定の課題を解決し、kintoneの利便性を向上させます。

これらのプラグインを効果的に活用することで、日々のデータ入力作業にかかる手間を減らし、データの正確性を高め、kintone活用の幅を大きく広げることが出来るでしょう。

ルックアップに関するご要望や課題をお持ちでしたら、今回ご紹介したプラグインの中に解決策が見つかるかもしれません。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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