kintoneは柔軟なカスタマイズが可能なため、業務に合わせて様々な設定を施すことで活用の幅が大きく広がります。しかし、時には意図しないエラーが発生したり、ユーザーの入力ミスによって業務が滞ったりする場面もあるかもしれません。

例えば、レコードを保存しようとした際にエラーが出て次に進めなくなったり、必須項目の入力漏れに気づかず後から修正が必要になったり、複数人で同じレコードを編集して情報が上書きされてしまったり、誤って大切なレコードを削除してしまったり、といった経験がある方もいるかもしれません。

このようなkintone利用時に起こりうるエラーやヒューマンエラーに関連する課題は、適切なプラグインを導入することで解決できる可能性があります。

TISプラグインは無料で使えるプラグインですが、数が多いので今回エラー関連系に絞ってご紹介します。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまで”こんなことが出来るんだ”というイメージを目的で記事にしていることをご了承下さい

kintone利用時によくあるエラーと解決策となるプラグイン

kintoneを利用していると、レコードの保存ができない、入力した内容が消えてしまった、といったエラーに遭遇することがあります。

このようなエラーの原因を特定したり、ユーザーの入力や操作を助けたりすることで、トラブルを未然に防ぐプラグインが提供されています。弊社が実際に検証したプラグインを機能別にご紹介します。

実行中に発生するエラーの原因特定を助けるプラグイン

kintoneでレコードの保存などができずエラーが表示される場合、その原因が分かりにくい場合があります。

多くの場合、プラグイン同士の干渉やJavaScriptによるカスタマイズの影響でエラーが発生します。

しかし、エラーが発生しても具体的に何が問題なのか、どこを修正すれば良いのかがすぐに分からないため、原因特定に時間がかかってしまう課題がありました。

実行時エラー捕捉プラグインを導入すると、kintoneでエラーが発生した際に、その原因がどこにあるのかを表示してくれます。

このプラグインを利用することで、エラーの要因となっているプラグインやJavaScriptコードを特定しやすくなります。

このプラグインは、kintoneアプリに設定するだけで特別な操作が不要なため、手軽に導入できます。

必須項目の入力漏れを防止するプラグイン

kintoneアプリには、業務上必ず入力が必要な項目を「必須項目」として設定する機能があります。

必須項目が未入力のままレコードを保存しようとすると、エラーが表示されて保存できません。

しかし、アプリに設定されているフィールドの数が多くなると、どこが必須項目として設定されているのか分かりづらくなり、エラーが表示されてから慌てて入力箇所を探す手間が発生します。

エラーフィールド入力促進プラグインは、このような必須項目の入力漏れを防ぎ、スムーズな入力を助けます。

このプラグインを有効にしてレコードを保存しようとした際に、必須項目に未入力があると、未入力のフィールドまで自動的に画面がスクロールし、入力が必要な箇所を知らせてくれます。

これにより、ユーザーはエラーメッセージを見てから入力箇所を探す必要がなくなり、効率的に必須項目への入力を完了できます。

複数人での同時編集によるトラブルを防ぐプラグイン

kintoneでは、複数のユーザーが同時に同じレコードを開いて編集することが可能です。

しかし、同じレコードを同時に編集し、それぞれが保存を行った場合、原則として最後に保存したユーザーの編集内容が優先されます。

これは、先に編集・保存したユーザーの内容が、後から保存したユーザーによって上書きされて消えてしまう可能性があることを意味します。

このような状況は、意図しないデータの消失や、情報共有の齟齬を引き起こす原因になります。

レコード同時編集確認プラグインは、この同時編集によるトラブルを防ぐために役立ちます。

このプラグインを設定すると、あるレコードを別のユーザーが編集中の場合に、そのレコードを開こうとしたユーザーに対して「編集中ユーザーがいます」といった注意喚起の通知を表示します。

これにより、他のユーザーが編集しているレコードであることが視覚的に分かり、同時編集による上書きのリスクを認識できます。

重要なレコードや、頻繁に複数人がアクセスするレコードがあるアプリに導入することで、情報の一貫性を保ちやすくなります。

誤って削除したレコードを復元するプラグイン 

kintoneで運用している大切なレコードを、誤って削除してしまうヒューマンエラーは起こり得ます。

一度削除してしまったレコードは、kintoneの標準機能だけでは簡単に元には戻せません。

添付ファイルやコメントなど、レコードに紐づく情報も一緒に消えてしまうため、データの損失は非常に大きな問題となります。

削除レコード復元プラグインは、誤削除によるデータの損失リスクを軽減します。

このプラグインは、設定したバックアップ用アプリと連携させることで、レコードが削除された際に、削除されたレコードのデータ(添付ファイルやコメントなども含む)を自動的にバックアップアプリに保存します。

これにより、万が一レコードを誤って削除してしまっても、バックアップアプリに残されたデータを参照したり、手動で再入力したりすることで、データの復元が可能になります。

ただし、このプラグインの設定画面は一部分かりづらい箇所がある可能性も指摘されています。

複数のフィールドを組み合わせたレコード重複をチェックするプラグイン

kintoneの標準機能には、特定のフィールドに同じ値が入力されることを禁止する重複禁止設定があります。これにより、単一の項目における重複入力は防げます。

しかし、「姓」と「名」のように、複数のフィールドの値を組み合わせた場合に重複しているレコードをチェックし、重複入力を禁止する機能は標準では提供されていません。

レコード重複チェックプラグインは、複数のフィールドの値を組み合わせて重複をチェックする機能を提供します。

例えば、「フィールドA」と「フィールドB」に入力された値の組み合わせが、既存のレコードの同じ組み合わせと重複している場合に、その重複を検知して注意を促します。

このプラグインを利用することで、より複雑な条件での重複入力を防ぐことができます。

代替手段として、文字結合プラグインなどを用いて複数のフィールドの値を結合した新しいフィールドを作成し、その結合フィールドに対して標準の重複禁止設定を行う方法も考えられます。

しかし、標準機能で文字結合の自動計算フィールドを作成した場合、そのフィールドに重複禁止チェックボックスが表示されないため、このプラグインが必要となるケースがあります。

ただし、このプラグインは重複を検知した際に「このまま登録してもよろしいですか?」という通知が表示され、OKを選択すると保存できてしまう点に注意が必要です。

長時間の連続利用に注意喚起するプラグイン

kintoneでレコードを作成したり編集したりする際に、長時間にわたって同じ画面を開いたまま作業を続けることがあるかもしれません。

長時間同じ状態が続くと、集中力が途切れたり、予期しないタイムアウトなどによって入力内容が失われたりするリスクが考えられます。

連続利用時間制限プラグインは、このような状況でユーザーに注意を促せます。

このプラグインを設定すると、レコードの作成画面や編集画面を開いてから設定した時間が経過した場合に、画面上に注意喚起のポップアップを表示します。

例えば、「連続で利用しています」といったメッセージを表示して、休憩を促したり、一度保存を促したりといった使い方が考えられます。

何分経過したら注意を出すか、注意を出す何秒前に予備の警告を出すかなど、細かい設定が可能です。

kintoneプラグイン導入で得られるメリット 

ご紹介したようなエラー関連のプラグインをkintoneアプリに導入することによって、様々なメリットが得られます。

  • システム的なエラーやユーザーの操作ミスによって発生するトラブルを減らせる
  • 入力されるデータの質を高め、kintoneに蓄積される情報の信頼性を向上させる
  • コストを抑えながらkintoneの利便性や堅牢性を高められる

今回ご紹介したプラグイン以外にも、kintoneの機能を拡張し、様々な課題を解決するためのプラグインが多数存在します。

まとめ 

kintoneの利用において発生しうるエラーや入力に関する課題は、適切な無料プラグインを活用することで解決できます。

今回ご紹介した下記のようなプラグインは、それぞれ異なる側面からkintone利用時の利便性や安全性を高める機能を提供します。

  • 実行時エラー補足
  • 必須フィールド入力促進
  • レコード同時編集確認
  • 削除者レコード復元
  • レコード重複チェック
  • 連続利用時間制限といったプラグイン

これらのプラグインを導入すれば、エラーの原因特定、入力作業の効率化、データの一貫性維持、誤削除からの復旧といったことが期待できます。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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