プラグイン

kintoneプラグイン「krewData」を活用し製造業の在庫・工程管理を効率化するシステム構築事例

D2C事業のように、自社で商品を製造し販売している場合、製造数の把握や原材料、仕掛かり品の在庫管理は事業継続のために重要です。管理が追い付かなくなると、製造スケジュールが立てられなくなったり、欠品を招いたりする可能性も出てきます。

、このような製造工程や在庫数の管理をするために、kintonetとkrewDataを連携しシステムを構築しました。

kintoneを活用することで、現状を把握し、必要なアクションを迅速に行えるようになります。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

kintoneで製造業の在庫・工程管理をシステム化

kintoneで製造業の在庫・工程管理をシステム化

kintoneで製造業の在庫・工程管理をシステムを構築するにあたり、管理したい以下の主な項目を明確にする必要があります。

  • D2C事業での管理ニーズ
  • シンプルさを重視した設計思想
  • 在庫・工程管理システムの概要

これらの数を正確に把握することで、製造のスケジュールを適切に組めるようになります。

D2C事業での管理ニーズ

D2C事業で商品を製造する過程では、さまざまな原材料を組み合わせて一つの商品を完成させます。

そのため、それぞれの材料がどれだけ倉庫にあるかを把握する必要があります。

また、製造は複数の工程に分かれており、各工程の途中で止まっている「仕掛かり中」の在庫数がどれだけあるかも管理したいと考えました。

これは、次の工程に進められる製品がどのくらいあるか、全体の進捗状況を把握するために不可欠です。

シンプルさを重視した設計思想

シンプルさを重視した設計思想

システムを設計する上で重視したのは、現場のスタッフが簡単に入力できるシンプルさです。

製造工程の管理は、実際に作業を行うスタッフが日々入力することを想定しています。入力項目が多いと負担になり、正確なデータが得られなくなる可能性があるからです。

原材料の在庫管理、各工程の在庫管理、工程管理を、スタッフがなるべく簡単な操作で行えるように考慮しました。フィールド数も少なくする設計にしています。

在庫・工程管理システムの概要

今回構築したkintoneシステムは、主に3つのアプリを連携させて構成しています。これらのアプリが連携することで、製造工程の進捗と在庫状況を一元管理できるようになります。

kintoneで製造業の在庫・工程管理をシステム化する3つのアプリ

kintoneで製造業の在庫・工程管理をシステム化する3つのアプリ

システムの中核となるアプリは以下の通りです。

  • 在庫管理アプリ
  • 製造工程アプリ
  • 在庫数グラフ確認

それぞれのアプリが異なる役割を持ちながら、連携して機能することで、製造プロセス全体を把握できるよう設計しています。

原材料の在庫を管理する「在庫管理アプリ」

原材料の在庫を管理する「在庫管理アプリ」

「在庫管理アプリ」では、商品を製造するために使用する個々の原材料の在庫数を管理します。ここには、材料の入庫数、出庫数、そして現在の合計在庫数が記録されます。

例えば、「透明袋」という材料のレコードを見ると、入庫数が9700個、出庫数が7200個、合計在庫数が2400個ある、というように確認可能です。このように、材料ごとの現在の在庫状況を把握できます。このアプリは、入庫や出庫があった際にデータを記録する役割を担います。

これにより、どの材料がどれだけあるか、不足していないかを一目で確認できます。

製造の進捗と仕掛かり品を管理する「製造工程アプリ」

製造の進捗と仕掛かり品を管理する「製造工程アプリ」

「製造工程アプリ」は、製造担当者が毎日の作業結果を日報のように入力するアプリです。このアプリへの入力が、製造の進捗管理と仕掛かり品の管理の要です。

製造担当者は、このアプリに「誰が担当したか」「何個製造したか」「作業に何時間かかったか」といった情報を入力します。

これらの入力は、製造数の記録だけでなく、工程のステータス変更にも連動します。

製造工程のステップとプロセス管理の活用

製造工程のステップとプロセス管理の活用

この商品製造工程は、全部で4つのステップに分かれています。

  • 仕掛かり中A:透明袋へ詰める作業
  • 仕掛かり中B:製品袋へその透明袋を詰める作業
  • 仕掛かり中C:製品袋を圧着する処理
  • 完成:終わったものを倉庫に納品

これらの工程の進捗管理には、kintoneのプロセス管理機能を使用しています。担当者が製造数を入力し、作業が終わった工程から次の工程へステータスを進めていく運用です。

リアルタイムな在庫状況を把握する「在庫数グラフ確認」

リアルタイムな在庫状況を把握する「在庫数グラフ確認」

「在庫数グラフ確認」アプリでは、製造工程アプリのデータに基づき、現在の仕掛かり中在庫数をグラフで視覚的に確認できます。

このアプリでは、「未処理」のものが何個、「仕掛かり中A」が何個、というように、各工程ステータスにある製品の数をグラフで一覧表示します。これにより、どの工程にどれだけの製品が滞留しているか、一目で把握可能です。

また、グラフを見ることで、現在の製造進捗状況を把握できます。この仕掛かり品在庫の情報を、原材料の在庫情報と合わせて確認することで、全体の在庫管理や今後の製造計画立案に役立てています。

kintoneで製造業の在庫・工程管理の工程を減らす仕組み

kintoneで製造業の在庫・工程管理の工程を減らす仕組み

製造工程アプリで工程のステータスを変更した際に、「krewData」というプラグインを使用して原材料の在庫管理アプリの出庫数に自動で反映させる仕組みを構築しています。

これにより、製造で消費した原材料の在庫数が自動的に減少します。

製造で消費した原材料の在庫数が自動的に減少

krewDataは、kintoneアプリ間のデータ連携や自動計算を行うことができるプラグインです。

製造工程アプリで入力やステータス変更が行われた際に、krewDataの設定に従って在庫管理アプリのデータを更新するようにしています。

一つの商品を製造するのに、特定の材料が複数個必要な場合もあります。例えば、「画面クロス」という材料は、商品一つあたりに2個必要です。このような場合でも、krewDataを使えば、製造数に対して必要な材料数を乗算して在庫数を減らす処理が可能です。製造数2500個であれば、画面クロスは5000個消費されるように自動計算されます。

まとめ

まとめ

今回のシステムでは、製造工程アプリと在庫管理アプリの間の自動連携にkrewDataプラグインを活用しています。プラグインを使用することで、kintoneの標準機能だけでは難しい自動処理も実現でき、より実用的なシステムを構築できます。

「在庫管理アプリ」で原材料の入出庫と在庫数を把握し、「製造工程アプリ」で日々の製造数と工程の進捗をプロセス管理で記録します。プロセス管理のステータス変更とkrewDataを連携させることで、製造による原材料の消費を自動で在庫数に反映させる仕組みです。「在庫数グラフ確認」アプリで、各工程の仕掛かり品数を視覚的に把握できます。

このシステムにより、現在の在庫状況や製造の進捗が一目で分かるため、適切な製造スケジュールの立案や、原材料の不足を早期に察知することに役立ちます。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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