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kintoneで建設業の過払い金を防ぐ!実行予算・発注・支払い管理の徹底解説

建設業では、現場での追加発注などにより外注費の過払いが発生しやすく、工事の粗利や経営を圧迫する原因となります。

本記事では、kintoneを活用して「実行予算管理」「発注管理」「支払い管理」を連携させ、過払い金の発生を防ぐ仕組みを詳しく解説。現場と経理部門の連携を強化し、利益確保を実現する方法をご紹介します。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

建設業で発生する過払い金の問題点

建設業で発生する過払い金の問題点

建設業界では、外注先への費用過払いが発生しやすく、経営に大きな影響を及ぼす場合があります。

弊社が多くの建設業のお客様と関わる中で、この過払い金は深刻な課題であると認識しています。

過払い金は、直接的に工事の粗利率を圧迫します。予算と実績が乖離すると、経営陣は工事全体の収益性を正確に判断できません。

さらに、過払い金が発生しているにもかかわらず、事実に気づかずにそのまま支払ってしまうケースも少なくありません。過払いに気づかなければ、対策を講じることもできません。

そのため、過払金が発生している状況は、企業の健全な経営を阻害する大きな要因となります。

たとえば、外注A社へ100万円で発注した工事が進む中で、現場の担当者が発注額を正確に把握していない状況や、認識していても「仕方がない」として追加の発注をかけてしまう状況が起こります。

結果として、本来100万円だった外注費用が、気づけば120万円に膨らんでしまうような事態です。これは「過払い金」と表現します。このような過払い金は、契約内容との齟齬を生むだけでなく、法的な問題に発展する可能性もはらんでいます。

kintoneを活用した過払い金防止の仕組み

弊社では、建設業特有の過払い金問題を解決するため、kintone上で以下3つのアプリを連携させたシステムを構築しました。

  • 実行予算管理アプリ
  • 発注管理アプリ
  • 支払い請求アプリ

上記のシステムは、発注と支払いの照合を強制的に行い、過払い金の発生頻度を大幅に減らすよう設計されています。

実行予算管理アプリの概要

実行予算管理アプリの概要

kintoneにおける実行予算管理の基礎となるのは「工事台帳」アプリです。

このアプリは、工事単位で売上、原価、粗利の予算と実績を一元的に管理します。 工事台帳アプリでは、原価の内訳も詳細に確認できます。

たとえば、自社での原価、外注費、経費のそれぞれを区分して表示します。外注費については、さらに詳細な内訳として、どの外注先(外注A社、外注B社、外注C社など)にいくら費用が発生しているかを把握できる仕組みです。

 自社での原価データは「日報アプリ」から、外注先からの請求データは「支払い請求アプリ」から、それぞれ工事台帳アプリへ自動的に紐づけられます。

これにより、管理者は工事台帳アプリを見るだけで、工事単位の売上、原価、粗利、そして原価の詳細な内訳をリアルタイムで把握可能です。さらに、会社全体での工事予算の状況を一覧で確認する機能も備わっています。

発注管理アプリによる発注額の明確化

発注管理アプリによる発注額の明確化

過払い金を防ぐ上で、最も重要な前段となるのが「発注管理アプリ」です。このアプリでは、各外注先に対してあらかじめ決められた発注額を登録します。

この仕組みを導入する目的は、現場の担当者が発注額の限度を知らなかったり、知っていても勝手に超過して発注してしまったりする状況を防ぐためです。

たとえば、工事の原価予算が800万円で、そのうち外注費の予算が350万円と定められた場合、その350万円をどの外注先にいくら配分するかを事前に決定します。

 例えば、外注A社に120万円までの発注を認める場合、その内訳(足場工事で90万円、土工事で30万円など)を発注管理アプリに登録します。

そのため、事前に発注額を明確に登録し、関係者間で共有する基盤を構築可能です。

支払い請求アプリによる過払い金検知と強制制御

支払い請求アプリによる過払い金検知と強制制御

過払い金防止の肝となるのが「支払い請求アプリ」です。外注先から請求書が届いた際、事務員がこのアプリに請求内容を登録します。

登録時には、その工事に対する該当外注先の発注履歴(発注金額の合計)が自動的に表示され、現在の支払い履歴も確認可能です。

請求額を入力して保存すると、システムがリアルタイムで過去の支払い履歴と今回の請求額を合算し、総支払い額を算出します。この金額が、発注管理アプリで設定された発注額を超過している場合、システムは「余力金額がマイナス」と表示されます。過払いが発生していることを自動的に検知する仕組みです。

もし、余力金額がマイナスの場合、支払い申請のプロセスを次のステップに進めることができません。これにより、現場で発注額を超えてしまったとしても、実際に過払い金が支払われるのを未然に防げます。

なお、この支払い管理には、KrewDataなどのプラグインを利用し、リアルタイムでのデータ反映や手動での実行も可能です。

アプリケーション名主な役割と機能過払い金防止における役割
工事台帳アプリ売上・原価・粗利の予算と実績を工事単位で管理。原価の内訳(自社、外注、経費)も確認可能。予算と実績の全体像を把握し、外注費が粗利に与える影響を可視化する。
発注管理アプリ外注先ごとの発注額を事前に登録・管理。具体的な作業内容と金額を記録。外注先への発注上限額を明確にし、現場の無秩序な追加発注を抑制する。
支払い管理アプリ外注先からの請求書を登録。過去の支払い履歴と今回請求額の合計を算出。発注額との比較を行い、過払い金を検知。強制制御により、発注額を超える支払いをシステム上でブロックする。過払いの事実を事務員が認識し、支払いを停止できる。

過払い金防止システム導入による具体的なメリット

過払い金防止システム導入による具体的なメリット

kintoneを用いた過払い金防止システムは、単に過払い金をなくすだけでなく、企業の経営全体に以下2つのメリットをもたらします。

  • 費用対効果と生産性向上
  • 現場への牽制と管理体制の強化

それぞれ解説します。

費用対効果と生産性向上

kintoneを導入する際には、kintoneライセンスの費用は発生しますが、過払い金によって失われる粗利や、手作業での管理にかかる工数を考慮すれば、十分に費用対効果があると考えます。

議事録作成の自動化事例と同様に、過払い金管理の自動化も工数削減に大きく貢献します。

これにより、従業員は、支払いに関する確認作業など、単純な管理業務に費やす時間を削減し、より生産性の高いコア業務に集中できるようになるでしょう。

現場への牽制と管理体制の強化

現場への牽制と管理体制の強化

kintone上で発注額と支払い額の乖離がシステム的にブロックされる仕組みは、現場担当者に対して「無計画な追加発注はできない」という強い意識を促します。

現場で勝手に発注してしまうことをゼロにすることは難しいですが、kintoneの仕組みがあれば、問題の発生に「気づく」ことができます。気づかなければ対策を講じることもできないため、気づける仕組みを導入することは、企業にとって非常に重要です。

結果として、発注と支払いの管理体制が強化され、より健全な経営体制の構築に繋がります。

建設業の過払い金はkintoneを活用して予防しよう

建設業の過払い金はkintoneを活用して予防しよう

建設業における過払い金の発生は、粗利の圧迫や経営判断の誤りを招く重大なリスクです。

過払金を防ぐには、実行予算・発注・支払いの各管理プロセスを明確にし、現場と管理部門の情報連携を徹底することが不可欠です。

kintoneを活用すれば、発注金額の上限管理や支払い時の過払いチェックをシステムで強制制御でき、現場の無計画な発注や事務的な確認漏れを防げます。また、管理業務の効率化により、従業員がより付加価値の高い業務に注力できる環境も整います。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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