kintoneでサブスク・スポット混在請求を効率化!合算請求システム構築の全貌

kintoneを活用した契約管理と請求管理アプリの連携により、サブスクリプション契約とスポット契約が混在する複雑な請求業務を効率的に行うシステム構築が可能です。

特に、月間の請求書発行枚数が3桁を超えるような場合でも、請求書データの作成から発行、メール送信までの一連のプロセスを短時間で完了できます。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。
実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

請求業務の複雑さ

請求業務の複雑さ

請求書の発行管理は非常に煩雑な業務です。特に、kintoneやプラグインの請求は手作業で行っており、これらが一括払い、月払い、年払いと混在している場合、さらに複雑さが増します。

このような背景から、請求管理業務を楽にするだけでなく、顧客単位でどのサービスを契約していて、更新日がいつなのかまで網羅的に管理できる仕組みが求められます。kintoneの活用は、これらの課題を解決する手助けになります。

kintoneによる請求管理システム全体の設計

kintoneによる請求管理システム全体の設計

kintoneによる請求管理システムは、主に複数のアプリを連携させて動作します。全体のアプリ設計は以下のようになります。

kintone請求管理システム アプリ構成

アプリ名主な役割
案件管理アプリ受注した案件情報を登録する
契約管理アプリ案件に対する顧客別、商品別(サービス別)の契約情報をレコードとして管理する
請求管理アプリ契約管理アプリの情報に基づき、顧客単位の請求レコードを作成・管理する

顧客マスタアプリ

この設計において、案件管理アプリで受注した情報が登録され、その案件に対してどのような契約が発生したかを契約管理アプリで詳細に管理します。

そして、契約管理アプリに登録された条件に基づいて、請求管理アプリが自動的に作成される仕組みになっています。

契約管理アプリの仕組み

契約管理アプリは、請求管理システムの基盤となるアプリです。ここでは、顧客別、商品別で1レコードとして契約情報を管理します。

例えば、ある会社との契約において、初期構築費用、kintoneライセンス費用、KrewData費用、ATTAZoo+プラグイン費用という4つの契約がある場合、契約管理アプリではこれらの各項目がそれぞれ独立したレコードとして登録されます。

ATTAZoo+プラグイン費用という4つの契約がある場合、契約管理アプリではこれらの各項目がそれぞれ独立したレコードとして登録されます。

契約情報の登録と管理方法

契約情報の登録と管理方法

契約管理アプリの各レコードには、契約開始日や請求方法といった情報が設定されます。特に、請求方法は請求管理アプリで請求レコードが作成されるトリガーとなります。

例えば、請求方法が「月額」で、かつステータスが「月契約請求書発行待ち」となっている状態であれば、請求管理アプリに請求レコードが自動で作成されるように設定しています。

契約形態別の処理

様々な契約形態に対応するため、契約管理アプリでは以下のように情報を管理し、請求管理アプリへの連携条件を設定します。

月額契約

毎月請求書アプリに請求レコードが作成されます。例えば、kintoneライセンス費用やクルーデータ費用のように、解約されない限り毎月請求が発生する契約です。

契約開始日から毎月自動で請求レコードが生成されます。

一括契約(スポット)

1回だけ請求が発生する契約です。例えば、初期構築費用などが該当します。契約開始日を含む月の月末に請求書アプリに請求レコードが作成される設定にしています。

プロセス管理で「スポット請求待ち」といったステータスを用意し、発行後は「完了」に変更します。

年額契約

年に1回だけ請求が発生する契約です。例えば、アットゾーンの年額契約などが該当します。契約管理アプリに設定された年額請求日に日付が入ったタイミングで、請求書アプリに請求レコードが作成される設定にしています。

発行後は更新日を1年先に更新します。更新日の2ヶ月前になると担当者に通知が来るように設定し、顧客へ更新意思を確認する運用を行っています。

解約処理

月額契約の場合、請求方法を「解約」に変更し、解約日を設定することで、その月までの請求書生成で自動生成が終了します。

これらの契約情報は、TISの項目選択連動各種設定プラグインを利用して、入力項目を選択式に連動させて管理しています。

請求管理アプリと合算請求の仕組み

契約管理アプリで登録・管理されている情報に基づき、クルーデータというツールを利用して毎月末に請求管理アプリへ請求レコードを自動で生成します。

この際、契約管理アプリの複数のレコードが、顧客単位で1つの請求レコードに合算されます。

合算された請求明細の確認

請求管理アプリで生成されたレコードは、顧客単位での請求書となります。契約管理デモを例に挙げると、4月末の請求書として1つのレコードが作成され、その中に初期構築費用、kintoneライセンス費用、クルーデータという3つの明細が合算されて表示されます。

明細項目契約形態備考
初期構築費用一括(スポット)4月25日契約開始のため、4月末の請求に含まれる
kintoneライセンス費用月額毎月契約のため、4月の請求に含まれる。解約されていない場合に継続して請求が発生します。
KrewData費用月額9月契約開始で月額契約のため、4月の請求に含まれる。請求発行待ちのステータスであれば継続して生成されます。
ATTAZoo+費用年額年額請求日に日付が入っていないため、4月の請求には含まれません。

このように、顧客が契約している複数のサービスや商品の請求情報が、月ごとにまとめて1つの請求書として作成されます。

発行漏れを防ぐための仕組み

発行漏れを防ぐための仕組み

KrewDataによるプロセス管理の自動変更は出来ないため、請求管理アプリでのステータス変更は手動で行う必要があります。

しかし、変更漏れを防ぐために、レコードの条件通知を細かく設定しています。例えば、契約開始日が翌月になっているのにまだステータスが変わっていない場合や、「完了」になっていない場合に通知が来るように設定することで、請求書の発行漏れを防ぐ仕組みを整えています。

請求書発行から顧客への送付

請求管理アプリで合算請求レコードが生成された後、実際に請求書を発行し、顧客へ送付するプロセスについて説明します。

請求内容のチェック

毎月末にKrewDataによって生成された数百件もの請求書レコードの内容を、一つ一つチェックします。

例えば、初期費用やスポット請求が今月分か、月額契約の明細が正しく計上されているか、年額契約は関係ないかなどを、契約管理アプリの関連レコードを参照しながら確認します。このチェック作業は重要なプロセスです。

マネーフォワード請求書との連携

チェックが完了し、内容に問題がなければ、マネーフォワード for kintoneプラグインを利用して、請求データをマネーフォワード請求書に一括で連携します。

マネーフォワード請求書上で請求書が発行されるため、そこで一括選択機能を利用して、顧客へのメール送付をまとめて行います。この連携により、請求書発行後の顧客への送付作業も効率化されます。

kintoneで請求管理システムを構築するメリット

kintoneで請求管理システムを構築するメリット

kintoneを用いて契約管理と請求管理を連携させたシステムを構築することで、以下のようなメリットがあります。

  • 請求業務の効率化
  • 網羅的な契約管理
  • 合算請求の実現
  • 発行漏れ防止

それぞれ解説します。

請求業務の効率化

契約情報に基づき請求レコードが自動生成されるため、手作業による請求書作成の手間が大幅に削減されます。

特に、サブスクリプションとスポット契約が混在する複雑なケースでその効果を発揮します。

網羅的な契約管理

顧客単位でどのようなサービスや商品を契約しているのか、契約期間や更新日がいつなのかといった情報をkintone上で一元的に管理できます。

これにより、契約状況の把握や更新管理が容易になります。

合算請求の実現

顧客ごとの複数の契約をまとめて1つの請求書として発行する「合算請求」が実現できます。これにより、顧客側の支払い処理の負担を軽減し、管理もしやすくなります。

発行漏れ防止

プロセス管理や条件通知機能を活用することで、請求書の発行漏れを防ぐ仕組みを構築できます。

まとめ

まとめ

kintoneとKrewDataを活用すれば、サブスクリプション契約とスポット契約が混在する複雑な請求業務も効率的に管理できます。

契約管理アプリで契約情報を一元管理し、請求管理アプリと連携させることで、顧客ごとの請求レコードを自動生成。合算請求の仕組みにより、毎月の請求書発行作業が大幅に簡素化されます。

さらに、プロセス管理や通知機能を活用することで発行漏れを防止し、正確で網羅的な契約・請求管理が可能です。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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