kintoneを日々の業務で活用する中で、フィールドの設定や操作に関する様々な要望や課題に直面する場面があるかもしれません。

kintoneには標準機能で多くの設定が可能ですが、さらに柔軟性や自動化を実現したい場合に役立つのがプラグインです。

本記事ではkintone無料プラグインで有名なTISプラグインについてです。TISプラグインは無料で使えるプラグインですが、数が多いので今回はフィールド系に絞ってご紹介します。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。
実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことができるんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

フィールド非表示プラグイン

フィールド非表示プラグイン

特定のフィールドをユーザーや状況に応じて非表示にしたい、という要望をよく耳にします。

kintoneの標準機能であるフィールドのアクセス権設定でもフィールドの表示/非表示は制御できますが、これはアプリのルート直下のフィールドに限定されます。

テーブル内のフィールドに対しては、標準機能のアクセス権設定で非表示にすることはできません。

このフィールド非表示プラグインを使用することで、テーブル内のフィールドでも非表示設定が可能になります。

例えば、詳細情報を入力するテーブルの中で、特定のユーザーには見せたくない項目を非表示にするといった使い方ができます。

設定画面で非表示にしたいフィールドを選択し、組織単位やグループ単位で適用条件を設定できます。

これにより、入力画面や詳細画面で不要なフィールドを隠し、画面をすっきりさせ、ユーザーの入力負担を減らすことにつながります。

条件分岐処理プラグイン

条件分岐処理プラグイン

アプリの利用者や状況に応じて、フィールドの入力規則や初期値を変更したい場合があります。

この条件分岐処理プラグインは、裏側で設定した条件に応じてフィールドの自動入力や入力制限、表示/非表示などを細かく制御できるプラグインです。

例えば、特定のフィールドに特定の値が入った場合や、ログオンしているユーザーが特定の場合といった条件を設定できます。

動作のタイミングも、レコードの追加画面や再利用時、保存時など細かく指定可能です。その条件に基づき、フィールドに自動で行を追加したり、自動で値を入力したりできます。

例えば、レコード追加時に特定のルックアップフィールドから自動で会社名を取得してきたり、文字列1行フィールドに初期値を自動入力したりできます。

また、特定のフィールドの編集を制限したり、特定のフィールドを非表示にしたりすることも可能です。

kintoneの標準機能にある初期値設定はすべての人に適用されますが、このプラグインを使えばログオンユーザーごとに初期値を変えるといった、より細やかな設定ができます。

選択項目アプリ化プラグイン

選択項目アプリ化プラグイン

ラジオボタンやドロップダウンといった選択項目型のフィールドは便利ですが、項目の数が非常に多くなると、入力時に目的の項目を探すのが大変になる場合があります。

このような場合、選択項目をルックアップフィールドに移行し、別のマスタアプリから選択できるようにすると、検索性が向上して使いやすくなります。

しかし、既存の選択項目を一つずつマスタアプリに登録するのは非常に手間がかかる作業です。

選択項目アプリ化プラグインフィールド

この選択項目アプリ化プラグインは、既存の選択項目フィールドの値を、指定した別のアプリに一括でコピーしてレコードとして登録できるプラグインです。

設定画面でコピー元の選択項目フィールドと、コピー先のアプリおよびフィールドを指定し、コピー実行ボタンを押すだけで、選択項目が自動的にマスタアプリのレコードとして登録されます。

選択項目のマスタ管理を始めたい場合に、既存データをスムーズに移行できるため有効に活用できます。

フィールド遷移追加プラグイン

フィールド遷移追加プラグイン

kintoneのレコード入力画面では、通常Tabキーを使用してフィールド間を移動します。

しかし、業務によってはTabキー以外のキーでフィールド間を移動したい、という要望があるかもしれません。

このフィールド遷移追加プラグインは、Tabキーに加えてEnterキーや上下矢印キーでもフィールド間を移動できるようになるプラグインです。

フィールド遷移追加プラグイン設定画面

設定画面でEnterキーでの移動を無効にすると、矢印キーのみでの移動に限定できます。

ただし、このプラグインを使用する際にはいくつかの注意点があります。ドロップダウン、複数選択、リッチエディターといった特定のフィールドでは移動ができない場合があります。

また、ルックアップフィールドの入力中にEnterキーを押すと、ルックアップ選択ダイアログが開く挙動になります。

ドロップダウンフィールドでEnterキーを押すと、次のフィールドに移動するのではなく、ドロップダウンを開いてしまう挙動になります。

普段からTabキーでの操作に慣れている場合は、かえって操作しづらく感じる可能性もありますが、業務によってはTabキー以外のキーで入力作業を行いたい場合に有効に活用できます。

フィールドデータコピープラグイン

フィールドデータコピープラグイン

あるフィールドに入力された値を、別のフィールドにコピーしたい場面があるかもしれません。

例えば、最終訪問日フィールドに入力された日付を、受注日フィールドにもコピーしたいといったケースです。

フィールドデータコピープラグインは、特定のフィールドの値を別のフィールドにボタン操作でコピーできるプラグインです。

設定画面でコピー元のフィールドとコピー先のフィールドを選択して設定を追加します。こうすることで、レコード詳細画面などに「コピー」ボタンが表示され、そのボタンを押すことで値がコピーされます。コピーは同じ種類のフィールド間であれば可能です。

例えば、日付フィールドから日付フィールドへ値をコピーするといった使い方ができます。複数のコピー設定を追加することもできます。

ステータス連動必須フィールド設定プラグイン

ステータス連動必須フィールド設定プラグイン

kintoneのプロセス管理機能を利用している場合、レコードのステータスに応じて特定のフィールドを必須にしたり、自動で値を入力したい場合があります。

しかし、kintoneの標準機能では、ステータスと連動してフィールドの必須設定や自動入力を制御することはできません。

ステータス連動必須フィールド設定プラグインは、プロセス管理のステータスと連動して、フィールドの必須設定や自動入力、コピー、編集不可といった制御を可能にするプラグインです。

例えば、「申請」ステータスになったら特定の文字列1行フィールドを必須にして自動で値を入力する設定や、「完了」ステータスになったらドロップダウンフィールドを必須にする設定などができます。

設定画面でプロセス管理のステータスごとに、どのフィールドをどのように制御するかを細かく設定できます。

これにより、ワークフローの進行状況に合わせて必要な情報の入力を徹底したり、自動化したりすることが可能となり、入力漏れを防ぎ、データ精度を向上させることにつながります。

課税区分別消費税算出プラグイン

課税区分別消費税算出プラグイン

過去には、単価と数量から消費税額を算出し、課税区分に応じて計算を変えたいというニーズがありました。

この課税区分別消費税算出プラグインは、単価と数量、課税区分に基づいて消費税額を自動で算出する機能を提供するプラグインでした。

例えば、単価15,000、数量3、税率10%の場合、消費税額4,500円と自動計算されるといった動きをします。

しかし、現在のkintoneでは、計算式フィールドでIF関数を使用して、税率テーブルや課税区分フィールドの値に基づいて消費税額を計算することが可能になっています。

計算式フィールドでIF関数を使用して、税率テーブルや課税区分フィールドの値に基づいて消費税額を計算することが可能

そのため、現在はこのプラグインを使用する必要性はほとんどありません。

プラグインの設定画面では、課税区分ごとの税率設定などが行えました。

テーブル内に消費税計算用のフィールドが増えるのを避けたい場合は活用できるかもしれませんが、現在ではIF関数での対応が主流です。

フィールド情報/データ一括更新プラグイン

フィールド情報/データ一括更新プラグイン

kintoneアプリを構築・運用する中で、複数のフィールドに対して必須入力設定や重複禁止設定、初期値設定などを変更したい場面があります。

通常、これらの設定変更は、フィールドの設定画面を一つずつ開いて行う必要があります。フィールドの数が少ない場合は問題ありませんが、フィールドが多いアプリではこの作業は非常に手間がかかります。

フィールド情報/データ一括更新プラグインは、必須入力や重複禁止、初期値といったフィールド設定を一覧画面でまとめて一括で編集できるプラグインです。

プラグインをkintoneアプリに適用するだけで利用可能で、特別な設定画面はありません。一覧編集画面のような形式でフィールド名やフィールドコード、必須設定、重複禁止設定、初期値などを確認し、その画面上で直接まとめて変更することができます。

これにより、個別のフィールド設定画面を開く手間を省き、複数のフィールド設定変更作業を大幅に効率化できます。特に、フィールド数の多いアプリの改修時などに有効に活用できます。

項目選択フィールド連動各種設定プラグイン

項目選択フィールド連動各種設定プラグイン

前述の条件分岐処理プラグインと似ていますが、この項目選択フィールド連動各種設定プラグインは、特定の選択項目で選択した値に応じて、他の様々なフィールドの制御を行うことに特化したプラグインです。

設定画面で、トリガーとなる選択項目フィールドと、その選択肢ごとに実行したい制御内容を設定します。設定できる制御は多岐にわたります。

例えば、特定の選択肢が選ばれた場合に他のフィールドを必須入力にする、入力可能にする、編集不可にする、非表示にする、自動で値を入力する、別のフィールドに値をコピーするといったことが可能です。

例えば、「A」が選択されたら特定のフィールドを必須にして自動で「10,000」と入力し、「B」が選択されたら別のフィールドを必須にする、といった細やかな設定ができます。

単なる必須設定だけでなく、自動入力やコピーも選択肢と連動させられるため、非常に汎用性が高く、条件に応じた複雑なフィールド制御を実現したい場合に有効に活用できます。

設定は少し複雑になる場合がありますが、その分、実現できることの幅が広がるプラグインです。

複数選択型フィールド階層化プラグイン

複数選択型フィールド階層化プラグイン

チェックボックスフィールドで選択肢の数が多い場合や、選択肢が構造的に階層化されている場合、標準機能でそのまま表示すると選択肢の一覧が長くなり、入力画面が見づらくなることがあります。

この複数選択型フィールド階層化プラグインは、チェックボックスの選択肢を階層化して表示できるプラグインです。

例えば、「曜日」のチェックボックスで「月曜日」を選択すると、その下に「午前」「午後」といった選択肢が表示され、「午後」を選択するとさらに「13時〜15時」「15時〜17時」といった時間帯の選択肢が表示される、といったように、クリック操作で選択肢を掘り下げて表示することができます。

複数選択型フィールド階層化プラグイン、チェックがつけられる

裏側では、階層の最下層にあたる全ての項目をチェックボックスフィールドとして用意しておく必要があります。

プラグインの設定画面で、これらのチェックボックスフィールドをドラッグ操作で親子関係になるように配置することで、階層表示を設定できます。

このように設定したフィールドは、一覧画面でも選択した階層構造が分かりやすく表示されます。

また、階層の最下層の項目で絞り込みを行うことも可能です。選択肢が多いチェックボックスを見やすく整理したい場合に有効に活用できます。

まとめ

kintoneTISフィールドプラグイン編まとめ

kintoneの標準機能だけでは対応が難しいフィールドに関する様々な要望は、プラグインを活用することで解決できる場合があります。

本記事でご紹介した下記のプラグインは、それぞれ異なるアプローチでkintoneのフィールドをより柔軟かつ便利に活用するための機能を提供します。

  • フィールド非表示プラグイン
  • 条件分岐処理プラグイン
  • 選択項目アプリ化プラグイン
  • フィールド遷移追加プラグイン
  • フィールドデータコピープラグイン
  • ステータス連動必須フィールド設定プラグイン
  • 課税区分別消費税算出プラグイン
  • フィールド情報/データ一括更新プラグイン
  • 項目選択フィールド連動各種設定プラグイン
  • 複数選択型フィールド階層化プラグイン

テーブル内のフィールド非表示、利用者や条件に応じたフィールド制御、既存選択肢のマスタ化、フィールド間の値コピー、プロセス管理と連動した入力制御、複数フィールド設定の一括変更、チェックボックスの階層化表示など、これらのプラグインはkintoneアプリの利便性向上や、より複雑な業務要件への対応を可能にします。

注意点

ただし、プラグインによっては他のプラグインとの干渉が発生する可能性や、API連携が必要なものもあります。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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