日々の業務でkintoneを活用する中で、顧客情報や案件情報などで住所データを扱う機会は多いでしょう。

手入力での住所入力は時間がかかるだけでなく、誤入力が発生する可能性も否定できません。また、取得した住所情報や位置情報をkintone上でどう活用できるか、検討している担当者様もいらっしゃるかもしれません。

このような住所データに関する課題を解決し、kintoneでの管理・活用をより便利にするのが、住所関連のプラグインです。

本記事ではkintone無料プラグインで有名なTISプラグインについてです。

TISプラグインは無料で使えるプラグインですが、数が多いので今回住所系に絞ってご紹介します。

これらのプラグインを活用することで、住所入力の効率化や、位置情報を使ったデータの可視化などが実現できます。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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また、本記事の内容はプラグインの本来の目的や全ての使い方を網羅しているわけではない可能性があることを理解しておきましょう。実際にプラグインを導入する際は、提供元が公開している公式情報なども合わせて確認することをおすすめします。
あくまでこんなことが出来るんだ。というイメージをしてもらう目的で記事にしていることをご了承下さい。

住所関連TISプラグイン4選

住所関連TISプラグイン4選①

kintoneに様々な機能を追加できるTISプラグインには多くの種類が存在します。

その中でも、特に住所データに関連するプラグインをご紹介します。

住所関連TISプラグイン4選②

今回取り上げる住所関連のTISプラグインは主に以下の4つです。

プラグイン名機能概要
住所経度緯度変換プラグイン入力情報が地図表示され緯度経度取得
都道府県市区町村町名郵便番号変換プラグイン郵便番号から住所を自動で入力
郵便バーコード生成プラグイン郵便番号バーコードを生成
画像位置情報取得プラグイン画像ファイルから位置情報を取得

これらのプラグインについて、それぞれの機能や設定方法、実際に使ってみた際の注意点などを動画の内容に基づいて詳しく見ていきましょう。

1.住所経度緯度変換プラグイン

1. 住所経度緯度変換プラグイン

このプラグインは、kintoneのフィールドに住所を入力すると、該当する場所の地図を表示し、その場所の緯度と経度を自動で取得できる機能を持っています。

機能と設定方法

利用するには、文字列一行フィールドに住所を入力する設定を行い、地図を表示するためのスペースフィールド、そして緯度と経度を保存するための数値フィールド(2つ)を用意します。

特に、緯度・経度を保存する数値フィールドは、小数点以下9桁以上の表示設定が必要になります。

このプラグインを利用するためには、Google Maps APIキーを取得し、プラグインの設定画面で設定する必要があります。

Google Maps APIキーの取得方法は、インターネットで検索すれば手順が見つかります。APIキーを設定し、kintoneアプリにプラグインを追加してフィールド設定を行えば準備完了です。

使い方と注意点

使い方と注意点 ①
使い方と注意点 ②

設定後、レコードの編集画面や追加画面で住所フィールドに住所を入力すると、スペースフィールドに地図が表示されます。

ここで一つ重要な注意点があります。住所を入力してすぐにレコードを保存しても、緯度と経度が取得できない場合があるということです。

地図がきちんと表示され、位置情報が反映されるまで待ってから保存する必要がある点を理解しておく必要があります。

活用シーン

活用シーン 

このプラグインは、現場作業が多い業種などで特に役立つ可能性があります。

例えば、訪問先の住所を入力するだけで、その場所の地図や正確な位置情報がkintone上で確認できるようになります。

取得した緯度・経度データは、後から地図上にプロットしたり、他の位置情報サービスと連携させたりする際に活用できるでしょう。スマートフォンからでも地図表示と位置情報の確認が可能です。

2.都道府県市区町村町名郵便番号変換プラグイン

2. 都道府県市区町村町名郵便番号変換プラグイン

このプラグインは、「郵便番号から住所を自動で入力」する機能を持っています。

郵便番号を入力するだけで、住所の自動入力だけでなく、住所を都道府県、市区町村、町名に分割してそれぞれのフィールドに取得できます。

機能と設定方法

機能と設定方法

設定は比較的簡単です。使用するフィールドは、郵便番号を入力する文字列一行フィールドと、自動入力された住所全体を表示するフィールド、そして都道府県、市区町村、町名をそれぞれ表示する文字列一行フィールドの合計5つです。

これらのフィールドを用意し、プラグインの設定画面でそれぞれのフィールドを指定します。

使い方と利点

レコードの編集画面や追加画面で郵便番号フィールドに郵便番号を入力すると、住所、都道府県、市区町村、町名が自動で入力されます。

郵便番号によっては、町名までしか情報が含まれていないため、それ以降の番地などは手入力が必要な場合もありますが、大幅な入力時間の削減に繋がります。

このプラグインの大きな利点は、郵便番号から住所全体だけでなく、都道府県と市区町村を独立したフィールドに分けて取得できる点です。

これにより、例えば都道府県別にデータを集計したり、特定の市区町村にある顧客を抽出したりといった分析や絞り込みが容易になります。

見せ方の工夫

見せ方の工夫 

入力する担当者様にとって、都道府県や市区町村のフィールドが常に表示されている必要はないかもしれません。

そのような場合、kintoneのグループフィールド機能を活用し、自動入力される都道府県、市区町村、町名のフィールドをグループ化して非表示にしておくという工夫が考えられます。

こうすることで、入力者は郵便番号と住所フィールドのみに集中でき、必要な時にグループを開いて分割された住所情報を確認できます。

3.郵便バーコード生成プラグイン

3. 郵便番号生成プラグイン

このプラグインは、kintoneに入力された郵便番号と住所を基に、郵便物の宛名ラベルなどに記載するバーコード画像を生成する機能を持っています。

このバーコードは「カスタマーバーコード」と呼ばれ、一定の条件を満たせば郵便料金の割引を受けることができる場合があります。

機能と設定方法

機能と設定方法 

利用するには、郵便番号フィールド、住所フィールド、そして生成されたバーコード画像を保存するための添付ファイルフィールドを用意します。プラグインの設定画面でこれらのフィールドを指定します。

使い方と注意点

レコードの編集画面や追加画面で郵便番号と住所を入力すると、プラグインがバーコード画像を生成し、ダウンロードできる状態になります。

ここで一つ注意点があります。kintoneの標準仕様では、レコードの追加や編集を行う際に、自動で添付ファイルフィールドにファイルを登録することができません。

そのため、生成されたバーコード画像は一度パソコンなどにダウンロードし、その後、手動で添付ファイルフィールドに貼り付けるという手順が必要になります。

活用シーン

生成したバーコード画像を添付ファイルフィールドに貼り付けておくことで、例えばプリントクリエイターなどの帳票出力プラグインを利用して宛名ラベルを印刷する際に、このバーコードを含めることが可能になります。

郵便物の発送量が多い企業様などにとっては、郵便料金のコスト削減に繋がる可能性があるプラグインです。

4.画像位置情報取得プラグイン

4. 画像位置情報取得プラグイン

このプラグインは、kintoneにアップロードされた画像ファイルから、撮影時に記録された位置情報を取得し、緯度と経度のデータとしてkintoneフィールドに保存する機能を持っています。

機能と設定方法

機能と設定方法 

利用するには、位置情報付きの画像をアップロードするための添付ファイルフィールドを用意します。また、取得した緯度と経度を保存するための数値フィールドを2つ用意します。

これらの数値フィールドは、小数点以下9桁以上の設定が必要になります。プラグインの設定画面で、使用する添付ファイルフィールドと緯度・経度フィールドを指定します。

使い方と検証結果

このプラグインは、スマートフォンなどで撮影したGPS情報が記録されている写真に有効です。

画像を添付ファイルフィールドにアップロードする際に、位置情報が取得されます。ただし、画像のサイズを縮小してアップロードしたり、画像を編集したりした場合には、位置情報が失われて取得できなくなるという注意点があります。

取得イメージ

取得イメージ 

本来であれば、GPS情報が含まれた写真をkintoneにアップロードすることで、その写真が撮影された場所の緯度・経度データが自動で取得されるというイメージです。

現場で作業を行う際に、作業前後の写真をkintoneに登録することで、作業場所の位置情報を同時に記録するといった活用方法が考えられます。

住所関連プラグイン導入の注意点

住所関連プラグイン導入の注意点

ここまで4つの住所関連TISプラグインをご紹介してきましたが、TISプラグイン全般、そして今回紹介したプラグイン個別の注意点があります。

TISプラグインは無償で提供されていますが、全ての環境での動作を保証するものではありません。

今回取り上げたプラグイン固有の注意点としては、以下の点があります。

  • 住所経度緯度変換プラグイン:住所入力後、地図が表示され緯度と経度が自動入力されるまで待ってから保存する必要がある
  • 郵便番号生成プラグイン:生成されたバーコード画像はkintoneの仕様上自動登録できないため、ダウンロード後に手動で添付ファイルフィールドに貼り付ける必要がある
  • 画像位置情報取得プラグイン:画像をアップロードする際は、縮小や編集を行わないように注意が必要

これらの注意点を理解した上で、プラグインの導入や活用を検討することが重要です。

まとめ

まとめ

本記事では、「kintone 住所 プラグイン」というキーワードに焦点を当て、TISプラグインの中から、住所関連の便利な4つのプラグインをご紹介しました。

  • 住所経度緯度変換プラグイン
  • 都道府県市区町村町名郵便番号変換プラグイン
  • 郵便バーコード生成プラグイン
  • 画像位置情報取得プラグイン

これらのプラグインを活用することで、kintoneにおける住所データの入力作業を効率化し、取得した位置情報を業務に活用できる可能性が広がります。

それぞれのプラグインには設定方法や使用上の注意点が存在するため、導入前には機能や制限をよく理解することが重要です。

プラグインの導入を検討する際は、ぜひご自身の環境で十分に検証を行い、効果を確かめてから本格導入を進めてください。

なお、ペパコミ株式会社では、「kintone」を活用した業務支援を行っています。業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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